GSINC Ltdに所属するガレス・デービス氏が先週行われたSMX ロンドンに出席し、このイベントのレポートを提供してくれた。
先日行われたグーグルパンダアップデート、そして、アップデートが行われた結果、一部のウェブマスター達が直面している問題に絡み、今年のSMX ロンドンの参加者は、2011年、SEOで何がうまくいくのか?に対する答えを求めていた。
パネルディスカッションは、ミッケル・デミブ・スベンソン氏、クリスティン・チャーチル氏、マックス・トーマス氏によって行われた。
目次
まず、ミッケル・デミブ・スベンソン氏がディスカッションの口火を切った。冒頭で、スベンソン氏は、SEOに関しては、2011年とそれ以前では全く異なることを改めてオーディエンスに伝えた。
1990年代のSEOは比較的容易であった…アルゴリズムは単純であり、SEOは主にオンページのファクターに対して行われ、検索エンジンはスパム対策を行うスタッフをほとんど用意していなかった。現在、検索エンジンのアルゴリズムは非常に複雑であり、検索エンジンにはスパム対策専門の大規模なチームが存在する。
つまり、リバースエンジニアリングによるアプローチは、一部の業界では労力を費やす価値がないほど、寿命がますます短くなっているのだ。
スベンソン氏は、多くの人々がいまだに時代遅れのアプローチでSEOを行っていると主張していた。2011年は完全に状況が変わっており、アルゴリズムは現在非常に複雑化している。そのため、オンサイト、オフサイト、そして、ソーシャルのファクターを考慮する必要がある。
約10年前、同氏は今でもとても単純で最も効果が高いと感じる、誰にでも出来るSEOのアプローチを発表していた。それは:
検索エンジンのために最適化してはいけない…ユーザーのために最適化せよ!
ミッケル・デミブ・スベンソン氏は私達の知る限りデンマークのグーグルエバンジェリストではない。しかし、同氏は、ユーザーのために最適化する取り組みこそが、検索エンジンが今後も常に実行したいと望む取り組みだと信じているのは明白であった。この姿勢こそが、最高の長期的な戦略であり、SEO業者が取り組むべき戦略となる。
「検索エンジンがユーザーのために最適化をしたいと願っているなら、SEO業者だって同じことをするべきだ!」ミッケル・デミブ・スベンソン氏 ? deMib
加えて、スベンソン氏は、現在のSEO業者の取り組みはユーザーが望む取り組みではなく、- 検索エンジンは常にユーザーの望みを理解しようとしているため、短期的な戦略でしかないと切り捨てた。
検索エンジンに対してリバースエンジニアリングを行おうとしているなら、過去のアルゴリズムに対する最適化を行っていることになる。スベンソン氏は、スパム的なトリックは寿命が短く – 恐らくこの手の取り組みは一部の業界では労力を費やす価値がないだろうと繰り返し述べていた。大半の業界においては、リバースエンジニアリングを行う必要はない。
しかし、同氏は、このルールには例外があり、PPCセクター(薬、ポルノ、ポーカー)等の業界では、すぐにランキングを得る取り組みは、それがたとえ短期間であっても、今でも価値はあると示唆していた。
ハイレベルなソーシャルメディアでの交流が、質の高いページの重要な指標とされており、グーグルパンダアップデートにより、検索エンジンはページの質のその他のファクターを指標として注目するようになった – しかし、高い直帰率が、コンテンツの質の低さのシグナルである点は私達は常に理解しており、斬新とは言い難いだろう。
「2011年、SEOで効果のある取り組み」セッションで次に壇上に上がったのは、サンダー SEOのマックス・トーマス氏であった。
トーマス氏は、グーグルのマット・カッツ氏が先日述べたコメントを引用した。これは、ユーザーがまったく関わっていないページをたくさん持っているなら、ウェブサイトから削除するか、もしくはインデックスを回避するべきだと言う考えであった。
パンダアップデートは質の焦点をアクティブなページに動かしているが、時々しか訪問されない記事タイプのページのトラフィックは、もはや期待できないことを意味するのだろうか?そのように捉えられてもおかしくはない。
グーグルで成功を収める可能性が高いタイプのページは、アクティブURLと呼ばれている。アクティブURLは、多くの人々が訪問し、リンクを張り、そして、共有するページを意味する。
「ページと“関わり合い”を持つ必要がある。」 マックス・トーマス氏 – サンダー SEO
多くの人々が訪問し、また戻って来たいと思えるページを作成することで、サイトのリンクをスケールアップし、改善することが出来る可能性がある。
ウェブサイトのコンテンツが、共有したいと思われる類のコンテンツなら、リンクを張り、再び訪問し、共有したりする傾向が見られるようになるだろう。これは、ある程度、コミュニティの領域をリンク構築の取り組みに組み込むことに等しい。
マックス・トーマス氏は、全ての取り組みをグーグルに集中させるべきではないと警告していた。オーガニックのトラフィックと併せて、多くの有料の経路を持つことで、オンラインマーケティング戦略のリスクを大幅に下げることが出来る。
マーケティングのそれぞれの領域、そして、恐らく引けを取らないぐらいこの分散する取り組みがキーとなるのが、リンク構築である。被リンクのプロフィールを拡大し、多様化すればするほど、リンク構築のリスクは減少する。トーマス氏は、控えめに行っていても、リスキーなリンク構築の戦略を実施すると、サイトが葬られると言う考えには反対すると述べ、こう加えた:
「リスキーなリンクスキームが原因で、- ニューヨークタイムズがグーグルと手を組まなければ、- サイトが葬られる可能性は低い。」 マックス・トーマス氏 – サンダー SEO
このパネルの最後のプレゼンターを務めたのは、キー・レリバンスのクリスティン・チャーチル氏であった。チャーチル氏は、ソーシャルメディアを無視するのは論外であり、既に確立した強固なソーシャルネットワークを持っていないなら、今すぐに取り掛かるべきだと冒頭にアドバイスを送った。
パンダが行われた今、ウェブマスター達はページのレイアウトと質に気を配る必要がある。一部のウェブサイトは、ページに表示される広告の数を減らす必要があるだろう。チャーチル氏は、ウェブマスターは、奥深く、オリジナルのコンテンツを目指し、可能ならば、信頼されているライターを擁し、コンテンツを使って信頼を高めるべきだと提案した。
ベストプラクティスは今でも十分に効果があり、ユーザーの視点で物事を見るのが賢明である。
「最適なページのタイトルタグは、今でも最高のオンページのツールである。」 クリスティン・チャーチル氏 – キーレリバンス
さらにチャーチル氏は、グーグルインスタントを用いた検索が、検索者の行動を変えつつあると述べた。ユーザーが検索ボックス内で入力を始めると動き出すこの動的な提案機能のおかげで、入力は遅くなる。現在、ユーザーは提案と結果を見ているため、サイトのオーナーは、グーグルの提案に注目する必要がある。
クリックスルー率(CTR)、直帰率、そして、サイト上で過ごした時間は、ページの質を計測する要素になり得る可能性を秘めている。要するに、クリックスルー率を上げるための良質なページタイトルを選ぶ作業から、ユーザーがサイトに長くとどまれるように魅力的且つ質の高いコンテンツを作成する作業に至るまで、すべて役に立つと言うことだ。
タイム・オン・サイト、別名“ロングクリック”は、グーグルにとって満足のいく検索の成果と見られている。ユーザーがすぐに検索結果に戻り、つまり直帰するようなら – 「ショートクリック」であり、そのページは価値が低いと評価される。そのため、ユーザーがウェブサイトにとどまる上で貢献するコンテンツを作成することを考慮してもらいたい。
グーグルのアルゴリズムが複雑化し、そして、動的化(グーグルはアルゴリズムを1年間に300-500回アップデートしている)している時代では、ウェブマスター達は、アクティブで、ビジターが共有し、再び訪問し、そして、リンクを張りたいと思えるような、根付くコンテンツを作成する取り組みについて本気で健闘する必要がある。
また、複数のマーケティングの経路に着目し、グーグル以外の検索エンジンやソーシャルメディアの経路を考慮し、グーグルのトラフィックへの依存を軽減することも重要である。
ウェブマスターはユーチューブ、フリッカー、ツイッター、ブログ、プレスリリースサイト、地域のリスティング、そして、ソーシャルブックマークのウェブサイト等を、総合的なSEO戦略の一環として活用する試みを行うべきである。
ガレス・デービス氏は、2002年からSEO業界で活躍しており、SEOサービスの代理店 GSINC Ltdでディレクターを務めている。また、クライアントに対応するだけでなく、ウェブ小売グループのセイフバイのコンサルタントを務め、ニュースレターのEコマースマンスリーの編集も行っている。ツイッターでフォローするなら、ハンドルネーム @GarethGSINCを探そう。
この記事は、Marketing Pilgrimに掲載された「What’s Working for SEO in 2011: A Review from London SMX」を翻訳した内容です。
んー、そこまで濃いという感じもしないですが、幾つか目新しい言葉が出ていましたね。「アクティブURL」というキーワードはリンクベイトからロングテールまで今までにあった様々な概念を一キーワードをあらわしていて面白いですね。「ロングクリック」「ショートクリック」も和製英語みたいな単語ですが、クリック率や直帰率、ユーザーの滞在時間など総合的に考える概念として使えそうです。今から使えば先物買いで受けるかも?バズワード使いの知ったかぶりと思われても責任は持てませんのでご自身の判断でお使いください m(_ _)m — SEO Japan
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