コンテンツ・キュレーションといえばソーシャルメディアを語る上でも欠かせない重要キーワードですが、今回はなんとコンテンツ・キュレーションをSEOに活用しようというまさに次世代ソーシャルSEOな記事を。筆者がオンラインマーケッターのカリスマ、Quick Sproutのニール・パテルだけにその内容が気になります。 — SEO Japan
私たちはみんなそれが欲しいのだ…検索順位のトップの地位が。そして、それらのトップの地位を獲得しているサイトとは、フレッシュで関連のあるコンテンツを頻繁に発行するサイトである。
それは、とても簡単なことのように聞こえるかもしれない…たくさんのライターを雇って、投稿を始めればいいのだと。それは、Mint.comとAmerican Expressが自分たちのサイトにトラフィックをもたらすために使ったコンテンツマーケティング戦略だった。
想像できる通り、競合相手は強力だ。そして、そういったコンテンツを作ることは、時間がかかるし、とても高くつくことがある。あなたにはもっと簡単なソリューションが必要なのだ。
ここでコンテンツ・キュレーションの登場である。適切な戦略と適切なツールがあれば、あなたは、オーディエンスが求め、検索エンジンが好む適切なコンテンツを半分の時間で届けることができる。
それでは、コンテンツ・キュレーションが何であるか、そしてその裏にあるメリットをいくつか見ていこう。
コンテンツ・キュレーションの説明
“コンテンツ・キュレーター”という言葉を聞くと、恐らくあなたは美術館で働く人を思い浮かべるのではないだろうか。彼らの仕事は、アイテムを収集してそれらを有意義な形でアレンジして、人々に見てもらうためにそれらを展示することだ。
オンラインのコンテンツ・キュレーションに関しても、それは同じようなものである。あなたは、アイテムを集めて意義のある形でアレンジする。
最も基本的で人気のあるコンテンツ・キュレーターは、特定のトピックについてその日もしくはその週の最良の記事を載せた投稿を発行する人だ。これは、アグリゲーションと呼ばれる。Feedly、Fark、Pulseのようなニュース・アグリゲーターを考えるのだ。
しかし、コンテンツ・キュレーターを目にする方法は他にもある:
- ディステレーション – このコンテンツ・キュレーターは、特定のトピックに関する霧を晴らして話の本質を読者に伝えるための道を探している。最近のペンギンアップデートを例にとろう。このアップデートの前、最中、後にはたくさんの噂があった…誰かが入って行って、信頼できるソースを引用してこのアップデートについて最良のコンテンツを提供し、何が起きているのかの明白な事例を発行する必要があった。アップデート後にはそのような記事は様々あった。Pierre Zarokian のInsights from the Recent Penguin Update & Panda Updates が良い例だ。
- マッシュアップ– このコンテンツ・キュレーターは、いくつかの異なるコンテンツを混ぜてオリジナルのものを作っている。ほとんどの人がマッシュアップと聞くとミュージックビデオを思い浮かべるが、あなたが作ることのできるバリエーションは無数にある:
- クロノロジー – これは、情報を集めてイベントや製品の時系列の年表を提供する。The Center for Rightsは、SOPAとPIPAのタイムラインを作って、いかにしてこれらの法律が不可避であることからインターネット組織やウェブ企業による集団抗議運動にまで進んだかを説明している。
- エレベーション – このコンテンツ・キュレーターは、日常読んでいるものや特定のテーマに関する進行中のリサーチから、あなたに新しい見解を与えて、1つの記事をキュレートする。つまり、あなたの理解を高めるのだ。これは、コンテンツ・キュレーションの原型である。Aaran Wallが彼の記事Google Bowling, Negative SEO and Outingでしたように、作者は、大量のリソースとリンクを集めて、自分の主張を証明するのだ。また、SEOmozのWhite Board Fridayは、通常、あるトピックに関する最近の情報を全てキュレートし、それら全ての情報を統合して新しい見解に達することによって作られている。つまり、そのトピックへのあなたの理解を高めるのを助けているのだ。
ここまではコンテンツ・キュレーションの異なるタイプを見てきたので、次はそのメリットに目を向けよう。
コンテンツ・キュレーションのメリット
コンテンツをキュレートする正当な理由はたくさんある。ここでは6つを紹介する。
- 優れたコンテンツを発見する – コンテンツを探すというシンプルな行動が、本当に素晴らしい記事をもたらすことができる優れたアイディアにあなたをさらすことになる。私は、1つの特定のトピックについて調査をしていて、現在のプロジェクトに使用できると同時に未来のプロジェクトのためにとっておけるたくさんの優れた記事や動画や写真を見つけたことが何回あるか分からない。いろんな意味で、発見が検索に代わりつつある。
- あなたのサイトへの外部リンクが増える – 当然ながら、あなたがキュレートしたコンテンツを発行している時には、あなたはキュレートされたそれぞれの情報のソースへリンクすることになる。そのリンクは作者へと伝わり、作者はあなたの記事に注意を払う。その人が、あなたのコンテンツをブログやTwitterやFacebookなどを介して自分の読者に共有し、あなたにリンクバックするかもしれないのだ。これは、オーソリティの高いリンクバックをあなたのサイトにもたらす素晴らしい方法だ。さらに、あなたがキュレーションによって、価値のあるコンテンツをキュレートする時…それがマッシュアップであるにしろ、ディステレーションであるにしろ、エレベーションであるにしろ…、あなたの読者もまた、その価値が理由で、自分のブログ上であなたの記事へリンクするだろう。
- ソーシャルシグナルを生み出す – あなたは恐らく、ソーシャルシェアリングが検索エンジンにおいてあなたのコンテンツを宣伝することにどれだけ重要であるかを知っているはずだ。結構前からTwitter上での共有が検索に影響を与えるというのがセオリーであったが、branded3による最近の調査がツイートがランキングに影響を及ぼすことを証明するまではそれがどれ位のものなのか誰も知らなかった。つまり、もしあなたがバイラルに広まるコンテンツをキュレートするなら、そのコンテンツを指し示すソーシャルシグナルが殺到し、あなたの検索順位を押し上げるということを意味する。
- ショートテール・キーワードのために最適化する – あなたが特定のトピックに関するコンテンツを引き寄せ始める時には、その分野に関する最も人気のある検索用語をピックアップし始めるようになる。例えば、私がPinterest(ピンタレスト)マーケティングの全て(日本語)のためにキュレートした時、私は、“マーケティング”や“Pinterest”などの質の高いショートテール・キーワードを使っていた。そのことが、私にそれらのキーワードで2番目のポジションに座らせることを可能にした。
- ロングテール・キーワードのために最適化する – 良いアグリゲーションもしくはエレベーション記事を集めることが、自然とロングテール・キーワードをターゲットにし、狭い範囲の検索者においてトラフィックを押し上げるのに役立つ。あなたは、ペンギンアップデートのような特定のトピックに焦点を合わせている時にこれを目にすることができる。そのトピックでの価値のあるロングテール・キーワードは、“ペンギンアップデートから復活すること”や“ペンギンから回復する方法”などが考えられる。キュレートされたコンテンツが、あなたにそれらの用語を使用するたくさんの機会を提供するのだ。
- より頻繁にアップデートする – コンテンツ・キュレーションは、あなたが、自分の精神力の全てをオリジナルのコンテンツに注ぐことなく素早く記事を作ることを可能にする。これは、あなたが余分な仕事をせずに土曜日や一曜日にコンテンツを作ることができることを意味する…もしくは、緊急時に埋め合わせするためにキュレートしたコンテンツを使用できることを意味する。さらに一歩先に進んで、朝オリジナルのコンテンツを、午後はキュレートしたコンテンツを投稿するといったように、1日に1つ以上投稿するサイトもある。広く人気のあるブログBrain Pickingsは、1日に3回投稿するが、それは基本的に全てキュレートされたコンテンツだ。
それではここで、あなたがコンテンツをキュレートする際に役立つツールをいくつか見ていこう。
コンテンツ・キュレーションのツール
コンテンツのために調査をする時には、最高のアイディアを捕獲するためにこれらのツールを使用しよう。
- Jing – スクリーンショットを撮るための最高のツールの1つが、Jingだ。MacとPCの両方で使える無料ツールで、簡単なダウンロードで、画面上の何でもキャプチャしてクロップすることが可能である。矢印、ボックス、テキストを追加することもでき、png形式で保存することができる。
- Gimp – 時に、あなたは自分のスクリーンショット上にある公にしにくい情報をぼやけさせる必要がある。そこで役に立つのがGimpのような無料の写真編集ツールだ。
- Qrait – これは、あなたがオンラインで見つけたコンテンツを1つの巧みなレイアウト内に整理することができるウェブベースの無料アプリだ。Qraitは、ブログ上にこのコンテンツを埋め込むこともさせてくれる。
- Curate.Us – これもまた、あなたがキュレートしたコンテンツ専用のページを築くことを可能にする無料のツールだ。さらに、ビルトインアトリビューション、バックリンク、自分がキュレートしたコンテンツのトラッキングを備えている。それはリンク構築には大変重要なことだ。また、Curate.usは、読者に共有するためにブログ上にあなたのページを埋め込むことをさせてくれる。
- Evernote – これは多くの人にとって頭を使わなくてよい簡単な製品であるが、あらゆるブロガーにとっても必須の素晴らしいツールであるということも言っておかねばならない。Evernoteは、トレンドが何であるかを把握している人、そして将来それをアーカイブにしたい人にとっては必須である。ページ全体、記事だけ、記事の中の選択した部分、URLだけを保存することができる。ノートブックを作って、特定のトピックに関する自分のコンテンツ全てを整理することもできる。そして、無料だ。
- Storify – Storifyは、特定のトピックに関してウェブ上にある最高のコンテンツをTwitter、Facebook、YouTube、Tumblr、Flickr、Instagram、SoundCloud、Disqusなどのソースから集めることを可能にするコンテンツプラットフォームだ。そして、それをWordPless、PosterousのTumblrに埋め込むのを簡単にする。さらに、もしあなたがMailChimpを使っているなら、購読者に直接メールを送ることもできるのだ。
- Bundlr – Bundlrの背景にあるアイディアは、新聞紙から必要なものをクリップするようにウェブから面白いコンテンツをクリップすることを可能にするというものだ。そして、それらのコンテンツを、そのトピック専用の自分のBundlrページで閲覧することができる。Gianluca FiorelliがそれはPinterestのようなものだと指摘したが、あなたは写真や画像以上のことをすることができる。ツイートやドキュメントやInstagramの写真を含むことができるのだ。そして、どのページもブログに埋め込むことが可能だ。
- Scoop it – Scoop.itを使うと、自分がキュレートしたコンテンツの最高のレイアウトを作ることができる。実際、それはあなたのコンテンツが光沢のある魅力的な雑誌形式にレンダリングされたように見えるのだ。このコンテンツは、私が先に紹介した他のツールの多くと同じように、ソーシャルネットワークで簡単に共有することができる。Scoop.itは、このコンテンツをブログに埋め込むことを可能にしているため、あなたはそれを宣伝することができる。
最後に
検索エンジンのランキングで上位に達することは、これまで以上に難しくなっている。なぜなら、ますます多くの人がそれらの地位を競い合い、Googleは検索アルゴリズムを洗練し続けているからだ。あなたには、自分が得られる全てのアドバンテージが必要なのだ。そして、コンテンツ・キュレーションはそのアドバンテージの1つだ。
もちろん、適切なコンテンツをキュレートして、人々がそれにリンクしそれを共有し、それがターゲットとなるキーワードでSERPを支配することができるように、それを整理するにはいくらかの練習が必要である。私は、あなたが今すぐキュレーションプラットフォームの1つにサインアップして、人気のあるキュレーターの何人かをフォローし、1つか2つの記事をキュレートすることを勧める。
あなたは、共有できるコンテンツ・キュレーションのアドバイスがあるだろうか?
この記事は、Quick Sproutに掲載された「How Content Curation Can Improve Your Search Rankings」を翻訳した内容です。
コンテンツマーケティングがこれからのSEOに重要なのは分かっていてもオリジナルのコンテンツを真面目に作るのは労力もコストも膨大に。コンテンツ・キュレーション形式にすればコストも落とせ、効率的なSEOが実現できる、という出だしでしたが、本編はコンテンツ・キュレーションの種類からメリット、ツールまでコンテンツ・キュレーション活用ガイドといった流石カリスママーケッターだけある充実の内容でした。
SEO Japanも気になる翻訳記事をピックアップして配信している意味ではコンテンツ・キュレーションをフル活用していますし、この記事を読んでさらにヒントになるものがありました。海外サイトの記事の内容を抜粋して紹介しているサイトも日本に多数ありますが、SEO Japanのように業界を特化して海外の主力サイトから公式に翻訳許可を得て記事配信する方法も他分野で応用できると思いますが、いかがでしょう。
しかしこれからの(既に現在の)SEOはかつてのラクしてできるSEOとは次元が違う難しさになってきたようです。キュレーションかどうかはともかく、コンテンツマーケティングを真剣に考えていく必要はSEOで勝利する上では確実の必要な時代ですね。 — SEO Japan [G+]