コンテンツマーケティングが上手くいく仕組みと、その理由。

公開日:2015/09/18

最終更新日:2024/02/16

ブログ

先日、「コンテンツマーケティングのはじめの一歩。」という記事を紹介させていただきましたが、今回の記事もエリック氏の記事となります。前回の記事は具体的は方法を紹介していましたが、今回の記事は基本概念に絞った内容となっています。あくまで基本的(もしくは、理想的)な流れを紹介していますが、まとめられたポイントについては納得感があります。コンテンツマーケティングをこれから始める方も、既に始めているが見直しが必要という方にも、一つの参考となっていただければ幸いです。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

効果的なコンテンツマーケティングキャンペーンは、間違いなく、自然検索におけるトラフィックを増加させる。寄稿者のエリック・エンジ氏による、確かなコンテンツマーケティング戦略を実施する方法をお届けしよう。How and Why Content Works

“コンテンツマーケティング”という言葉は、使う人によって異なる意味を持つ。一般的な概念を理解しているマーケターは沢山いるが、彼らはコンテンツマーケティングの仕組みの基本的な要素を見落とし、その結果、その効果を十分に活かしきれていないように感じている。

そこで、この記事ではコンテンツマーケティングの計画を適切に実施するための、基本的な方法をお伝えしようと思う。

まずは定義から見直してみよう。

Definition of Content Marketing

【上記画像和訳】
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを作成し、配布し、共有する一連の行為であり、その目的は、あなたのブランドに対する評判の構築と発見性を高めることである。

この定義には、何か欠けている気がする方もいるのではないだろうか?上記の定義の中に、リンクの獲得についての言及を含めなかったのだが、それに気がついただろうか?

良質なコンテンツマーケティングキャンペーンは、多くの質の高いリンクをもたらす。しかし、リンクをコンテンツマーケティングの目的の中心に据えると、方向性を見失ってしまう可能性があるだろう。評判と発見性を優先することにより、副作用として、最高のリンクを獲得することができるのだ。

今回の記事では、SEOのメリットにはほとんど触れていない。しかし、勘違いはしないで欲しい。効果的なコンテンツマーケティングキャンペーンは、ランキングの上昇、および、自然な検索トラフィックの増加をもたらす原動力となり得るのだ。

リンクはSEOにおいて今でも重要だが、先ほども申し上げた通り、コンテンツマーケティングを旧来のSEOの考えに基づいて実施してしまうと、失敗につながる可能性がある。

この投稿では、主にセールスファンネルの上層部に新たな顧客候補を呼び込む効果に注力して、話を進めていく。

とは言ったものの、あなたの製品を全く購入しない人達との関係を構築してしまうことも、多くある。しかし、彼らがそのコンテンツを広めてくれることもあるため、彼らとの関係性にも大きな価値があるのだ。

また、既に交流を行っている人達をセールスファンネルの後半の段階に導くためのコンテンツは、この記事で扱うコンテンツの性質とは大きく異なる点を予め指摘しておく。

関係性と発見性の観点からコンテンツマーケティングを考える上でベストな方法は、あなたのブランドの認知度を高めることに、最初のうちは注力することだ。

Content Marketing Can Raise Awareness

【上記画像和訳】
認知度
顧客候補
問い合せ
提案/販売
新しい顧客

プッシュマーケティング vs プルマーケティング

Webの誕生がもたらした偉大な変化の一つに、ブランドと顧客の間で交わされる会話を、顧客がより直接的にコントロールすることができるようになったことが挙げられる。

Webが誕生する以前は、コミュニケーションは主にTV、印刷媒体、そして、ラジオを介して行われていた。相互の交流は不可能であり、顧客が望む望まないにかかわらず、コマーシャルのメッセージを受けなければならなかった。

Webがこの状況を変えた。望まない宣伝に消費者が耳を傾けなければならない理由はなくなったのだ。別のWebページにアクセスするか、あるいは、単純にコンテンツを見なければ済むためだ。

Push Marketing Has Been Replaced by Pull Marketing

時間の経過とともに、この変化の影響はより濃く現れるようになる。賢明なブランドは、顧客候補となる人々を魅了し、彼らの生活に役立つコンテンツを作成する必要性に気がついたのである。

このコンセプトは、TVのCMにも浸透するようになった。現在、娯楽的な価値をCMに付加する動きが強まっており、それ故、CMもコンテンツマーケティングの一つとして考えられるようになっている。

顧客候補となる人々がいる場所に向かえ

コンテンツマーケティングを理解する人が増えるにつれ、コンテンツマーケティングに利用することが可能なWeb上のチャンネルの数も増えていった。自身のサイトでコンテンツを配信することも、第三者のサイトでコンテンツを配信して顧客との関係を築くことも、あるいは、ソーシャルメディアプラットフォームを活用することも可能だ。

しかし、多数のソーシャルメディアの選択肢があり、また、コンテンツを配信することが可能な第三者のウェブサイトの数も多い。そのため、大半のビジネスは少数の選択肢に絞らなければならない。こうした理由から、最も価値をもたらしてくれるチャンネルを選ぶことが重要になる。

手を広げ過ぎるべきではない。つまり、あくまでも”顧客候補となる人々がいる場所に向かう”ことを目的とするのだ。この目的を達成するために、ターゲットとなるオーディエンスが望む時に、そして、望む方法でコンテンツを消費できるようにすべきなのだ。

Go to Where Your Prospects Are

【上記画像和訳】
左から時計回り:関連する業界のウェブサイト1 業界内の主要メディア 関連する業界のウェブサイト2 ソーシャルメディア&ネットワーキングチャンネル
下: コンテンツマーケティング 顧客候補がいる場所に向かう

ソーシャルメディアとコンテンツのプロモーション

強固なソーシャルチャンネルを構築することができれば、強力なメリットを得られる。あるいは、有料のソーシャル広告を用いて、より多くのオーディエンスに見てもらう手もある。

多くのブランドが、この取り組みの恩恵を受けてきた。例えば、下の図で示したように、ソーシャルプラットフォームを通じて強力なコンテンツをシェアすることで、大きなメリットを得ることができるのだ。

Synergy Between Publishing Great Content and Social Media

【上記画像和訳】
トラフィック、リンク、新たな購読者
ソーシャルメディアでシェアされると
新たなファロワー、ファン、シェア、+1がもたらされる

ご覧のように、どちらの側にもメリットはある。良質なコンテンツは、あなたのソーシャルメディア上の存在感を強める。ソーシャルでの露出が高まれば、ビジター、購読者、そして、リンクをもたらす機会が増え、あなたのコンテンツにおけるROI(投資利益率)を高めてくれる。

つまり、ソーシャルメディアを担当するチームとコンテンツを担当するチームが力を合わせることが、何よりも重要だと言えるだろう。

ソーシャルが全てではない

さらにコラボレーションを発展させてもらいたい。コンテンツマーケティングは、あなたの会社の評判と可視性の拡大にとって不可欠な存在であるため、PRチームにも協力を求めるべきだ。 PR部門は、あなたが作成したコンテンツの宣伝に役立つネットワークを、多く持っている可能性がある。

また、あなたが行うコンテンツのプロモーションと、PR部門が通常業務として行うプロモーションとの間に、衝突がないように配慮しよう。

さらに、(信じ難いかもしれないが)以下の図でも説明している通り、プレスリリースは今でもコンテンツの可視性を高める上で役に立つのだ。

Press Releases Can Be Beneficial

【上記画像和訳】
左上から時計周り
プレスリリース ワイヤーサービス 他者のオーディエンス あなたのコンテンツへ向かうリンク

PRチームと協力する理由は沢山ある。彼らをチームに招くことを忘れずに。

その他の巻き込むべき人達

(ターゲットのオーディエンスだけではなく)その他にも引き寄せるべきタイプの人達が存在する。

  1. メディア関係者とブロガー(メディア)
  2. インフルエンサー

メディア関係者は、あなたのコンテンツに対する記事を書いてくれるかもしれないし、彼らのサイトであなたのコンテンツの一部を配信してくれることもある。いずれのケースにおいても、オーディエンスにあなたのコンテンツを見てもらえる機会は増えるだろう。

インフルエンサーもまたメディア関係者の場合が多いが、そうだとも限らない。例えば、大勢のソーシャルメディアのフォロワーを抱える人物は、ブログやメディアサイトを運営していなくても、インフルエンサーに該当する。

こうした人々にコンテンツをシェアしてもらえると、大きな利益を得ることになるだろう。多くのメディア関係者にあなたのコンテンツを見てもらえるようになるかもしれないし、記事で取り上げてもらえるかもしれない。インタビューを申し込まれる、あるいはゲスト投稿の機会を与えてもらえる可能性もある。

あるいは、あなたの存在をメディア関係者に知ってもらうことだけでも大きな違いがある。今後彼らと実際に話す機会があれば、あなたが書いた別のコンテンツの話しができるかもしれない。以前あなたのコンテンツを読んだことで既に相手の中で信頼感が芽生えていれば、より有益な対話が行われるだろう。

以下の図は、インフルエンサーがマーケティングミックスにおいて担う役割を説明したものである。

Influencers Can Accelerate Your Content Campaigns

【上記画像和訳】
上から右回り: トラフィック、リンク、新たな購読者
ソーシャルメディアでシェア 新たなフォロワー、ファン、シェア、+1
シェアがプロセスを加速化 リンク フォローする/直接的な接触

目的は関係の構築

評判と可視性を築くことを目指すコンテンツマーケティングは、製品やサービスを宣伝するために実施するのではない。コンテンツを消費する人に、価値を与えることが目標なのだ。

継続的にこうした取り組みを行うことで、直接交流しているわけではなくても、オーディエンスはあなたとの関係が構築されていると感じるようになる。そして、”良い人だ”というイメージがつきはじめる。こうしたイメージは、あなた自身、そして、あなたの発言に対する信頼につながるため、是非、手に入れておきたいところだろう。

関係性の構築が主要な目的である点を考慮し、コンテンツを作る際には以下の点を考慮していただければと思う。

  1. あなたの製品やサービスの宣伝をしない。
  2. 新しく、独自の価値を与えるコンテンツを作成する。
  3. 会話を促し、質問を投げ掛ける。
  4. 投稿した記事、ソーシャルメディアなどで直接コメントに対応する。
  5. 接触してきた人々を助ける方法を探す。

この方針を徹底することで、あなたと読者/視聴者との関係は育まれていくのだ。

まとめ

大半の組織は、上記プロセスの内のいくつかでつまずいている。彼らが直面している共通の問題は以下の様なものだろう。

  1. リンクの獲得に比重を置いてしまう。
  2. ソーシャルメディア/PR部門とのコラボレーションが欠けている。
  3. 利益をあげることが目的でないコンテンツを作成することに消極的であること。
  4. ターゲットとするチャンネルが適正でない。
  5. キャンペーンを立ち上げる前の計画が不十分。
  6. インフルエンサーとメディアへの注力が乏しい。
  7. ターゲットオーディエンスとの関係性の重要度を理解していない。

基本的なコンセプトを正しく理解しておくと、コンテンツマーケティングの取り組みから、より多くのメリットを得られるようになる。また、上の問題のリストに挙げられている問題を複数抱えているなら、一つずつ解決していこう。前へ踏み出すその一歩一歩が、成功へとつながるのだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「How And Why Content Marketing Works」を翻訳した内容です。

前回の記事でも述べられていることですが、コンテンツマーケティングはリンク獲得の手段ではない、という点を改めて解説しています。ソーシャルでの露出が増えることで多くの人の目に触れ、リンクを獲得する機会は増えることにはなります。しかし、最初からリンク獲得を狙ったコンテンツを作成しても、多くの人の目に触れることは難しいかもしれません。結果、すぐに効果がでる取り組みではないとは思いますが、地道にコツコツとやることが、一番の近道となるでしょう。
なお、宣伝になりますが、弊社アイオイクスでも SEO対策サービスの一環として[コンテンツSEO]のサービスをご提供しておりますので是非ご活用ください。

記事キーワード

  • Facebook
  • X
  • はてなブックマーク
  • pocket
  • LINE
  • URLをコピー
    URLをコピーしました!

編集者情報

  • X
  • Facebook

アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

メディアTOPに戻る

RECRUIT

一緒に働く人が大事な今の時代だからこそ、実力のある会社で力をつけてほしい。
自分を成長させたい人、新しいチャレンジが好きな人は、いつでも歓迎します。