グーグルは、意図とコンテンツを平等に扱っていない。
私達は、キーワードをその最も基礎的なレベルにおいて、コミュニケーションに用いている。ベーシックなコミュニケーションの時代を振り返ると、アイデアが脳の中で言葉へとエンコード(符号化)され、当該の言葉は、口から発せられる、もしくは文字として綴られ、その後、相手の脳がデコード(解読)していた。
これこそが、何か言葉を発すると、意図していた内容とは異なる内容になってしまうことがある(あるいは異なる受け取り方をされる)理由である。
ウェブサイトを検索エンジンとの会話と考えてしまうと、トラブルが発生し、そして、検索エンジンは失敗を犯してしまう。
検索エンジンは、言語を解析し、一連のアルゴリズムを当てはめることで、ウェブサイトのコンテンツを解読する。理論上では、その後、クエリとのマッチ度に応じてコンテンツを格付けする。ここまでシンプルだったら何も問題はない。
しかし、実際には検索エンジン(特にグーグル)はコンテンツの意図を解読する作業を苦手としている。そのため、スパマーが幅を利かせているのだ。
グーグルが、キーワードが実際にどのように利用されているか、そして、自然言語処理(NLP)や潜在意味インデックス(LSI)を使ってどのように意図を解釈しているかをいかに流暢に説明していても、キーワードスタッフィングおよびコンテンツのクローキングを行い、見返りを得ている大勢のスパマーを取り逃がしている。
そこで、ハンディを失くすため、スパマー(つまりSEO業者)達が実施している、今でも効果のある操作の仕組みを明かしていく。
目次
多くのサイトが実施しているテクニックである – キーワード(通常は関連するものの、特に目的はない)がページの左上のロゴの少し上に掲載されているのを見たことがあるのではないだろうか。隠されているわけではないが、ユーザーの役には立たない。
ALTテキストにキーワードを詰め込むことが出来ることに気づくと、リンクにも詰め込むことが出来る点に気がつく。事実、リンクでキーワードスタッフィングを行っている多くのサイトが上位にランクインしている – リンク上にカーソルを合わせると、ALTテキストと同じように、リンクに対するキーワードが掲載されたポップアップが表示されるはずだ。これは「ツールチップ」と呼ばれることが多い。
やはりこの手法もユーザーにはメリットをもたらさない。インターネットが生まれた当初はそれなりに目的があったかもしれないが、今は単なるスパムの道具でしかない。
グーグルやその他の検索エンジンが何と言おうが、被リンクから得られる可能性が高いリンクのアンカーテキストを超える、ドメイン内のキーワードに対して贔屓する傾向が見られる(後ほど詳しく説明する)。スパマー達は、ドメイン内のキーワードがグーグルで上位にランクインする上で効果があることを心得ている。グーグルが何と言おうが、何度もテストが行われ、実証済みである。
「ホーム」はリンクとして全く問題ない。広く認識されており、明確であり、短く、要領を得ている。「キーワードリサーチ ホーム」や「欠陥商品法 ホーム」と記す必要はない。しかし、グーグルは今もなおこの取り組みに見返りを与えている。グーグルがアルゴリズムを変更して、この浅はかなスタッフィングのトリックの効果を阻止したら、真面目なウェブデザイナー達はグーグルのためにパーティーを開くだろう。
これはグーグルがペンギンを用いてあぶり出しを行った手法である。うまくいったなら、紙吹雪が舞うパレードを私は開催してもいい。SEOがリンクを得る仕組みは自然とは程遠い。ウェブが生まれて間もないころは、他のウェブマスターに「同じようなウェブサイトを運営しているけど、競合はしていません。ユーザーはお互いのサイトからメリットを得られそうですね。リンクを交換しませんか?」と尋ねれば、リンクを手に入れることが可能であった。
このタイプのリンク交換は問題ないが、これは一方通行のリンクではなく、あくまでも交換であるため(因みに当時のウェブでは、ウェブマスターに料金を支払わなければ得られなかった)、グーグルはこの行為を低く評価するようになった。
この行為に代わり、グーグルは「キーワードのリサーチのテクニックに関する詳細はこの記事で確認してく下さい」と言う方が自然であるにも関わらず、「キーワードのリサーチのテクニックに関する情報はこの記事で確認して下さい」のようなアンカーテキストを用いてリンクを張る行為に見返りを与えているのだ。
私に悪口を浴びせかける前に(私はスパマーではなく、SEOであり、上述の手法は正当なSEOの手法である!)、私自身、自分が最適化するウェブサイトで時折(ほぼ)すべての手法を用いていることを明かしておく。その理由を説明する。 効果があるのだ。また、グーグルがこのような行為を実施するサイトを贔屓する限り、薦める度に良心が痛むような取り組みを実施せざるを得ない。
と言うことで、グーグルにお願いしたいことがある。コンテンツと同じぐらい意図にも注目してもらえないだろうか。また、「ホワイトハット」を自認するSEOが、汚れなくてもよくなるように手を貸してもらえないだろうか。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Intent, Content & Spamming ? Is There A Difference?」を翻訳した内容です。
無理なキーワード挿入やアンカーテキストの効果は以前程、効かなくなっているにも事実ですが、ユーザーに許容範囲と考えられる場合は、意外と神話的効果も含めて未だに普通に使われることも多い上記のSEO手法の数。それらが全く意味をなさない、全てのサイトがキーワードマッチングの呪縛から逃れられる日は果たしていつか来るのでしょうか。 — SEO Japan [G+]
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