良いプロダクトマネージャー、悪いプロダクトマネージャー
良いプロダクトマネージャーは、マーケット、製品、製品ライン、競合相手についてよく知っており、知識と自信の力強い基盤から指揮を執る。良いプロダクトマネージャーは、製品のCEOである。良いプロダクトマネージャーは、全責任を負い、製品の成功の観点から自分自身を評価する。彼は、適切な製品/適切な時と必要とする全てのことに対して責任を持つ。良いプロダクトマネージャーは、会社、資金、競合相手の状況を把握し、成功するプランを考え出して実行することに全責任を負う(言い訳なしに)。
悪いプロダクトマネージャーにはたくさんの言い訳がある。資金が十分ではない、エンジニアが馬鹿だ、Microsoftには10倍のエンジニアがいる、私は過剰労働気味だ、十分な支持を受けていない。NetscapeのCEO、Barksdaleはこのような言い訳をしないし、製品のCEOもすべきではない。
良いプロダクトマネージャーは、適切な製品を適切な時に届けるために、一緒に仕事をしなければならない様々な組織によって自分の全ての時間を吸い取られることはない。彼はプロダクトチームの全ての議事録を取らないし、様々な機能のプロジェクト管理をしない。彼はエンジニアの使い走りではない。エンジニアチームは、良いプロダクトマネージャーを“マーケティング・リソース”と見なさない。良いプロダクトマネージャーは、エンジニアマネージャーのマーケティングパートナーである。良いプロダクトマネージャーは、ターゲット、つまり“What(何)”(“How”に対立するものとして)を明確に定義し、その“What”の引き渡しを管理する。悪いプロダクトマネージャーは、“How”を見つけ出す時に最高の気分になる。良いプロダクトマネージャーは、非公式に指示を出さない。良いプロダクトマネージャーは、非公式に情報を集める。
良いプロダクトマネージャーは、販促用品、FAQ、プレゼンテーション、白書を作って活用する。悪いプロダクトマネージャーは、自分が営業チームに対して質問に答えるのに1日中費やし身動きが取れないことに文句を言う。良いプロダクトマネージャーは、重大な製品フローを正しく評価し、真のソリューションを築く。悪いプロダクトマネージャーは、一日中消火活動をする。良いプロダクトマネージャーは、重要な問題について書面で見解を示す(競争に勝てる特効薬、厳しい構造的な選択、厳しい製品決定、攻めるもしくは譲る市場)。悪いプロダクトマネージャーは、自分の意見を口頭で放ち、“上層部”がそれを邪魔すると嘆く。悪いプロダクトマネージャーは失敗すると、自分は失敗することを予測していたと主張する。
良いプロダクトマネージャーは、チームを収益と顧客に合わせる。悪いプロダクトマネージャーは、チームをMicrosoftがどれ位多くの機能を作っているかに合わせる。良いプロダクトマネージャーは、良い製品を定義して、力を入れて達成することができる。悪いプロダクトマネージャーは、良い製品を定義して、達成されることがないか、もしくはエンジニアリングに好きなもの(例えば、最も難しい問題を解決するなど)を作らせる。
良いプロダクトマネージャーは、インバウンドに市場に優れた価値を届け、アウトバウンドでマーケットシェアと収益目標を達成するという観点から考える。悪いプロダクトマネージャーは、価値を届けること、競合相手の機能に対抗すること、価格設定、普遍性の違いについてかなり混同している。悪いプロダクトマネージャーは全ての問題を1つに合わせる。
良いプロダクトマネージャーは、プレスに書いてもらいたい話について考える。悪いプロダクトマネージャーは、全ての機能が取り上げられ、プレスと厳密に正確であることについて考える。良いプロダクトマネージャーは、プレスに質問をする。悪いプロダクトマネージャーは、プレスのどんな質問にも答える。良いプロダクトマネージャーは、プレスやアナリストが賢いことを前提とする。悪いプロダクトマネージャーは、プレスやアナリストが頭が悪いことを前提とし、一斉配信メールを平気で送る。
良いプロダクトマネージャーは、当然のことを説明しすぎるくらいに明瞭になる。悪いプロダクトマネージャーは、当然のことは決して説明しない。良いプロダクトマネージャーは、自分の役割と自分の成功を定義する。悪いプロダクトマネージャーは、絶えず、何をするべきか言われたい。
良いプロダクトマネージャーは、自己管理が厳しく、毎週定刻に報告書を送る。悪いプロダクトマネージャーは、規律に価値を置いておらず、時間通りに報告書を送るのを忘れる。
1996年夏
ベン・ホロウィッツ
この記事は、ben’s blogに掲載された「Good Product Manager, Bad Product Manager」を翻訳した内容です。
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