親愛なるグーグル様へ。お願いですから、リンク警告メッセージをこれ以上パブリッシャーに送らないで下さい。先週貴方が送ったメッセージによって生じた混乱を収めるために送った昨日のメッセージは、状況を悪化させているだけです。根本的にある程度明確にすることが出来るまでは、警告メッセージの送信は控えて下さい。
親愛なるパブリッシャーの皆様。今回は、常軌を逸したリンク警告に関する最新のニュース、そして、無視しても良いかどうかを特定するための最善のアイデアを紹介します。
今年の初め、グーグルは一部のパブリッシャーに対して警告メールの送信(日本語)を開始し、「人為的」または「不自然」なリンク構築に加担している点を指摘するようになった。 このメッセージを受信した大勢のパブリッシャーのサイトのランキングは、とりわけ、グーグルのペンギンアップデート(日本語)が行われた後、急激に落ちていった。
その後、グーグルは、質の低いリンクを削除すると、ペンギンから回復することが出来ると明かした(日本語)。また、グーグルは、リンク警告メッセージを受けたなら、行動を起こし、質の低いリンクを削除する必要があると述べていた。
先週、グーグルは新たにリンクの警告メッセージの送信(日本語)を始めた。これは数ヶ月前に送信されたリンク警告と全く同じ内容の警告であった – グーグルは、劣悪なリンクの削除を行っていない場合、ランキングが落ちる可能性があり、また、何かしらの方法でグーグルに報告するべきだと繰り返していた。
これがきっかけでパニックが起こった。
続いて、グーグルのウェブスパムチームを統括するマット・カップ氏が、最新の通知は以前の通知とは異なるため、パニックを起こすなと述べた(日本語)。同氏の発言が原因でさらにパニックが起きた。カッツ氏は、一部のパブリッシャー達に対して、サイトに向かうリンクをグーグルが“信用”しない措置を取ったものの、“だからと言って心配するべき”類のものではないと説明していた。
残念ながら、リンクの警告を受けた場合に、無視しても安全かどうかを特定する手段はなかった。
混乱が起きるもの当然である。
混乱が起きていることに気づいたグーグルは、私達の記事にコメントを残し、次のように説明した:
エンジニアが週末返上でこの件に取り掛かっています。まずは日曜日に送信したメッセージに着手しました。現在、メッセージの内容を大きく変え、どのような状況に置かれているのかが分かるようにしました。
また、グーグルはウェブマスターコンソールのUIを変更し、新しいメッセージの黄色い注意サインを削除しました。この変更は、新しい通知がよりターゲットを絞っており、必ずしもサイトのオーナーによるアクションが必要とされているわけではない点を反映しています。
従来のリンク警告ではなく、この「リンクのアドバイス」の内容を以下に掲載する:
サイトに向けられているリンクの一部が、ウェブマスターガイドラインで認められていない手法を利用していることをグーグルは突き止めました。グーグルは、人為的もしくは不自然なリンクを信頼しない方針を採用しています。
私達は、サイトに向かう不自然なリンクを全て削除することを薦めます。しかし、自分ではどうすることも出来ないリンクが存在する点はグーグルも理解しています。そのため、今回の件に関して、グーグルはサイト全体ではなく、不自然なリンクに対して焦点を絞ったアクションを起こしています。
リンクを削除することが出来ない場合は、再審査リクエストに実施したアクションを記入し、投稿して下さい。質問がある方は、ウェブマスターヘルプフォーラムを参照して下さい。
後ほど、このメッセージの解釈を説明する。この新しいメッセージ – 無視しても問題ないメッセージ(明記されているわけではない)は、グーグルウェブマスターセントラルにログインした際に「All Messages」のセクションに表示されている。次のスクリーンショットを参考にしてもらいたい:
上のスクリーンショットでは、Warningは先週送信されたメッセージを指している。黄色い警告サインがメッセージの隣に表示されている。先週末に送信されたメッセージ以降のメッセージに関しては、すぐにアクションを起こす必要のある警告に対して、こういった警告サインが表示されるようだ。
「Advisory」と記したメッセージは、日曜日に送信された助言用のメッセージの例である。黄色い警告サインは表示されておらず、パブリッシャーにアクションを起こす必要がない点を保証しているように思える。恐らく。
いいかもしれない。現在、私達はグーグルからこの新しいメッセージに関してより明確な情報を入手しようと試みている。カッツ氏は、このタイプのメッセージは、特定のアクションを起こすよう促すのではなく、サイトに向けられているリンクを信用していない点を伝える意図があると示唆していた。しかし、今回のアドバイスには、パニックを起こしかねない表現が用いられている。
建前上はパブリッシャーを安心させるためのこのメッセージでは、グーグルは“不自然なリンクの削除”、もしくは“再審査リクエストの投稿”を薦めている。再審査リクエストの投稿を呼び掛けると言うことは、つまり、ペナルティーを与えられていると仄めかしているようなものだ。
パブリッシャーは混乱したら何をすればいいのだろうか?先週、このようなメッセージが送られてきたのなら、グーグルのトラフィックが最近落ちていない限り、心配する必要はないと私は思う。
新しいアドバイスメッセージが送られてきたなら、恐らく無視しても構わないだろう。しかし、- ここから頭を抱えたくなる部分だ – このメッセージは、ペナルティーとは関係なく、今後、ランキングが落ちる前兆である可能性もあるのだ。
グーグルは、長年に渡って、ウェブ上のリンクの一部を、あるサイトに対する“票”としてカウントしない可能性があると指摘してきた。ペンギンアップデートは、この方針を強化したように思える。現在送信されているメッセージもまた、この方針と関わりがあると思われ、過去、獲得していた票がカウントされなくなった点をパブリッシャーに警告しようとしている。
偽造のリンク = 八百長の票だと考えよう。投票箱に票が投じられ、偽のリンクが選挙管理委員会の監視の目を逃れたと仮定してもらいたい。そして、この本来ならば無効となる票を得た候補者が当選してしまった。しかし、その後、選挙管理委員会は票をより注意深く調査し、偽の票を外した。すると、当選した候補者は、十分な票を獲得することが出来なくなった、もしくは以前ほどは勝てなくなった。
この候補者はペナルティーを受けたわけではない。選挙から放り出させたわけでもない。八百長票からメリットを得られなくなっただけである。
だからこそグーグルは、ペンギンはペナルティーではなく(日本語)、アルゴリズムが八百長と思われる票を探し出し、カウントを回避する – アルゴリズムの変更に過ぎないと言い始めるようになったのだ。多くの八百長票を持っているサイトは、ほとんどが正当な票のサイトよりも、大きなダメージを被るだろう。
これが、ペンギンによる打撃を受けたパブリッシャーに対して、再審査リクエストの投稿をグーグルが呼び掛けていない理由である。解除するアクションが存在しなかったのだ。つまり、ペンギンは選挙への参加を禁止するのではなく、ただ単に劣悪な票のカウントをしないだけである。
しかし、質の低いリンクを一掃するよう呼び掛けている点は混乱を招いてしまう。これでは、ペンギンが劣悪な票のカウントを拒否する以外にも何かするのではないかと考えたくなる。質の低いリンクを大量に抱えているサイトに何かしらペナルティーを与えるはずである。さもなければ、質の低いリンクの削除を求めたりはしないはずだ。
新たなメッセージを送信する理由がここで問題になってくる。グーグルが、ただ単にカウントを止めるのではなく、サイトにペナルティーを与えるための手段として、自動的に質の低いリンクをカウントしているなら、あらゆるサイトが「ネガティブ SEO」の対象になる(競合者が自分に劣悪なリンクを向ける行為)。
グーグルは、ネガティブ SEOの脅威を排除する取り組みを継続している。SEOmozは、あからさまなネガティブ SEO攻撃が、トラフィックに影響を与えなかった点を発表したばかりである。しかし、ネガティブ SEOを心配しなくてもよいと保証する手段としては、この新しいメッセージが効果的だとは思えない。サイトがペナルティーを受けているからではなく、リンクがカウントされなくなったために、以前のようには一部のリンクからメリットを得られなくなった可能性がある点を指摘しようとしていたように思える。
確かに効果はあるのかもしれない。何か過ちを犯したため、もしくは、ネガティブ SEOの試みが行われためではなく、リンクをカウントする方法が変わったために、ランキングが落ちたことを理解してもらえるため、このメッセージは良いアドバイスとも言えかもしれない。
しかし、分かりやすさに欠け、また、もともと信頼されるべきリンクではないなら、サイトに向かうリンクを削除するべきだとパブリッシャーに示唆している点も問題である。再審査を促すために何もしていないなら、再審査リクエストを投稿するべきだと求めている部分は、とりわけお粗末である。
多数のリンクのカウントを認めたくないなら、グーグルにはその権利がある。しかし、パブリッシャー達は、何もしていないにも関わらず、投票箱の監視の方針の一環として、引きずりまわされるのではなく、他にもっとしたいことがあるはずである。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Updates Link Warnings To (Sort Of) Clarify They Can Be Ignored (Maybe)」を翻訳した内容です。
今後、この不自然リンクの指摘メッセージが通常のペナルティ認定メッセージと比較してどれ位送られるのか気になるところです。ペナルティを受けたわけではないので心配しなくていいといいつつ、削除できる不自然リンクを排除して再申請リクエストを送信すべき、といっているのは、いまいち矛盾している感もありますが、直近の心配はないとしてもメッセージを受けた方はサイトのリンクプロフィールの見直しはせざるえないでしょうね。。。というわけで、SEO担当者の苦労は続きます。– SEO Japan [G+]
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