不自然なリンクに罰を与えるGoogleの新アルゴリズム

公開日:2012/04/25

最終更新日:2024/02/17

ブログ

GoogleのSEO取り締りが日米で激化している2012年前半ですが、アルゴリズム的には最近さらに改良が加わりより多くのサイトにウェブマスターツールから警告が届くようになったと米国で話題になっています。今回はそんな最新のGoogleとSEOを取り巻く現状をBlogstorm改めBranded3から。かなり詳細に説明された内容なのでSEO関係者は必読の内容といっていいでしょう。 — SEO Japan

ここ6週間、グーグルは、過去8年間に渡って実施してきた変更よりもSEO業界に多くの直接的な影響をもたらす変更を行っている。2009年のヴィンス、2003年のフロリダ、そして、2011年のパンダ等の大掛かりなアップデートは誰もが記憶しているが、2012年3月に行われた“不自然なリンク”アップデートは上述したどのアップデートよりもSEO業界に大きなインパクトを与えているのだ。

これまでのメジャーなグーグルのアップデートは、サイトが採用している戦略に対して直接的な対策を講じるよりも、ウェブサイトの特定のタイプに的を絞っていた。例えば、ヴィンスアップデートは、多くのブランドをランキングの上位に押し上げており、SEO業者は、なすすべがなかった – ブランドか否かで大きな違いがあり、ブランドはSEOで影響を与えることが出来る範疇を超えていたためだ。

同様にパンダアップデートは質の低いとグーグルが見なしたサイトへのビジターを減らすことが目的であった。このアップデートもまたサイトが選んだ戦略よりも、サイト上のコンテンツの有益性と固有性に注目していた。英国のほとんどの有名なブランドは、パンダが狙う大きな問題の影響を受けていなかった。

一方、今回の「不自然なリンク」のアップデートは、過去のアップデートとは正反対であり、サイトが採用するリンク戦略に対してペナルティを与えており、影響を受けたサイトは大きな問題を抱えている。

私達が、グーグルが過去数ヶ月間で100万近いサイトに送った不自然なリンクの通知をブログで取り上げる一方、Branded3には大勢のウェブマスターから連絡があり、この問題の対応に関するアドバイスを求められている。その結果、私達はこのメッセージ/もしくはペナルティーを受け、ランキングが低下してしまった、大きな問題を抱えた50を超える有名なウェブサイトの分析を行った。

この経験を基に、私達は次の傾向があることを把握した:

  • このメッセージがウェブマスターツールズのアカウントに送られてきたら、ペナルティを数週間以内に受ける可能性が高い
  • ペナルティが不自然なリンクの通知から21日目に与えられたサイトがいくつかあった
  • 奇妙なことに、ペナルティを受けたものの通知はされなかった人達からも連絡があった。ペナルティが行われた後に通知が送られてくることもあるようだ
  • ペナルティは通常フレーズベースで行われる – グーグルが“不自然”と断定したリンクのアンカーテキストで用いられたフレーズに関連する全てのキーワードでランクが低下する
  • ペナルティは余りにも厳しく、リンクの価値を大幅に引き下げる – ランディングページがペナルティを受ける場合は、全くリンクがない場合よりもランクが下がることが多い
  • ルールを大幅に違反しているサイトにおいては、サイト全体にペナルティが科されることもある

グーグルは、不自然なリンクに関するメッセージは大規模な取り締まりではないと指摘しているが、コメントの言い回しは誤解を招く可能性がある。不自然なリンクのメッセージ、そして、不自然なリンクを多く構築したキーワードに対するランクの低下との間の相関関係を見ると、無関係だと切り捨てることは出来ない。新しいアルゴリズムは不自然なリンクを探し、警告を行い、その後、自然なリンク内のキーワードに対してサイトに罰則を与える。

連絡を受けたサイト全体で分析を行った結果、グーグルが何を特定しているのかに関して独自の見識を得ることに成功した。今回はその情報を以下のリストにまとめて提供したいと思う。

  • 営利目的のリンクネットワーク – 名の知られたリンク構築製品を利用しているなら、その製品は既に禁止されているか、もしくは今後グーグルにターゲットにされる可能性がある。グーグルは既にビルド・マイ・ランク等のネットワークやその他の有名どころのツールやシステムを使った数万のウェブサイトのインデックスを無効にしている。
  • 業者のリンクネットワーク – 私達は、ブログネットワークを使ってクライアントのためだけにリンクを構築している幾つかの有名なSEO業者と連絡を取ったところ、一部の業者は数千のサイトがグーグルにインデックスを取り消されてしまったと明かしていた。グーグルは一部の人々が推測していたようにビルド・マイ・ランク等のサービスで実際にアカウントを作成し利用することなしに、ネットワークを特定するテクノロジーを持っていることが分かる。あまり大きく報道されていなかったが、グーグルはこれらのネットワークを把握しており、削除対象に挙げている点は明白である。
  • サイドバーのリンク – サイドバーのリンクを大量に持っているなら、大きな赤い目印をグーグルのために用意しているようなものだ。今すぐ取り下げよう。
  • アンカーテキスト – Branded3の検索を統括するティム・グライスは、この件を先日ブログで取り上げており、グーグルは4月上旬に認めていた。グーグルがアンカーテキストを評価する方法は変更されており、キーワードのアンカーテキストを多く持つサイトはペナルティ/リンクの価値の低下処分を受けるリスクを抱えている。
  • 有毒化したサイト – 被リンクを持つ平均的なサイトが、1年後、多くのリンクや有料の投稿を毎月関係のないサイトに売る決断を下すことがある。当該のサイトは優れたリンクのソースから有毒なサイトに落ちぶれることになる。そのため、リンクを削除する必要性が生じる。

リンクの削除

グーグルは劣悪なリンクを一掃するよう求めているが、そんなに簡単に削除することが可能なのだろうか?リンクを配置した業者やリンク構築サービスに連絡を取るのが最善のルートである。彼らは誰に連絡を取ればいいのか、そして、どうすればリンクを削除してもらえるのかを心得ているはずだ。

それが不可能なら、連絡先やwhois情報を介して全てのサイトにeメールを送信して、リンクを削除してもらえるように要請することも出来る。これは時間のかかるプロセスであり、実際にeメールに返信して、サイトを管理している人物が存在するウェブサイトにのみ有効である。

本当に質の低いサイトには連絡を取る術がないため、リンクを削除することは出来ない。グーグルは今のところこの問題に対処する満足の出来る方法を用意していないが、いつかグーグルが、ウェブマスターがウェブマスターツールズを通してリンクを無視する要請を出せるようにしてもらいたいものだ。

サイトに連絡を取る際は、リンク構築した人と直接連絡を取ることが出来るようにリンクを配置した人を尋ねよう。2週間前、あるイギリスの業者が張ったリンクを削除しようとしている時、この業者がデジタルポイントフォーラムのメンバーに作業をアウトソースしていることが判明した。この人物は600のドメインでリンクを配置したことを認め、料金を支払うことで快く削除に応じてくれた – その結果、大幅にリンクを一掃するプロセスをスピードアップすることに成功したのだった。

再審査リクエスト

全ての質の低いリンクを削除する前に再審査を要請したものの、グーグルからリンクが削除されていない点を指摘されたと言う報告も幾つか上がってきている。これらの報告のほとんどで一週間以内にサイトにペナルティが科されていた。

質の低いリンクを出来るだけ削除する前に再審査をわざわざ頼むべきではない。既に削除した質の低いリンクをまとめたグーグルドキュメントのファイルにリンクを張って、連絡先が掲載されておらず、何もすることが出来ないリンクを無視するよう要請することも出来る。

業者のビジネスモデル

これらの変更は、自らのリンクネットワークを利用している、もしくはリンク構築を海外の質の低いプロバイダーにアウトソースしているSEO業者に大きなインパクトを与えている。グーグルがこれらの全てのリンクの価値を引き下げる、もしくはインデックスを取り消すと、グーグルのガイドラインを満たす質の高いコンテンツ生成やリンク構築を実施することが出来るほどの料金を要求していない業者はクライアントに結果を提供するのが難しくなるだろう。

一部の業者は不自然なリンクに関してクライアントのアカウントで大量のメッセージが送られてきていると報じている。私は30社以上のクライアントがメッセージを受けていることを非公式に認めた数名の業者と話をした。また、一部の業者は遥かに多数のメッセージを受信していると報告している。

短期間のランキング

昨年、私達はグーグルの上位に、バレるまでまでランクインする“一時的”なウェブサイトの寿命が短くなっていることに気づいた。かつてはスパムリンクを構築して、1年間に渡って上位に居座ることも出来たが、現在は3ヵ月程度が限界になってきているようだ。

サイトのオーナーには、ランキングが半年後に消えてしまうなら、3ヶ月間かけてランキングを上げる意味がないことを学んで頂きたい。長期的なビジネスを運営したいなら、たとえ短期間で結果を得るよりも時間がかかったとしても、長期間にわたって上位に継続的にランクインする戦略を採用しなければならない。

パフォーマンスベースのSEO

一部の業者は、成果に応じて報酬をもらう契約を結んでいる。これは契約の内容が理に適っているなら、業者にとっても、クライアントにとっても有益である。

グーグルは、ある業者が採用した過去のスパムリンクを理由にサイトに積極的にペナルティを与えるようになっており、現在の業者は何も悪いことをしていなくても、クライアントが突然ランキングを下げる可能性がある。

そのため、顧客候補と交渉する際は、現在のリンクプロフィールを評価し、グーグルが過去のリンクを理由にペナルティを与えることがある点を意識する必要がある。その結果、クライアントの獲得に結び付かない可能性がある。怪しげなリンクプロフィールを持つサイトに対して、パフォーマンスベースの契約を結ぶのは、ビジネスの面で賢い判断とは言えない。

支援 & アドバイス

この問題に関する支援もしくは提言を求めているなら、Branded3に連絡を入れてもらいたい。私達は喜んで手を貸す。


この記事は、Branded3に掲載された「The New Google Link Algorithm」を翻訳した内容です。

日本でも最近のSEOに関する様々な情報が乱れ飛んでおり、一部はSEO業者からの多分意図的な怪情報もあり混乱している方が多いのではないでしょうか。この記事が現状のSEOを理解する基本情報として参考になれば幸いです。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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