新しいSERPsがやってきた。Gboardでの検索結果画面だ。これは、単純にモバイルの検索結果を横並びに変更したものではない。
*リンク先は、一部を除き、英語となっています。
縦並びの検索結果は時代遅れとなった。先週に公開された、Googleの新しいiOS用のキーボードであるGboardでは、検索結果が90度反転されている。この新しい横並びのフォーマットに加え、実際に表示されている検索結果は、通常のモバイル検索結果とは異なる検索結果となっている。
Gboardを含むモバイル検索を監督している、Googleのプリンシパル・エンジニアのラハン・パテル氏がSearch Engine Landに伝えた内容によると、Gboardのランキングは、大部分を、モバイル検索結果を表示しているアルゴリズムを元にしているということだ。しかし、ChromeやSafariを使用したモバイルの検索結果とGboardの検索結果を比較してみると、多くの理由で、異なる結果が表示されていることがわかる。
“今は非常に初期の段階だ。我々は、適切なユースケースを想定した、実験のようなことを行っている。”、とパテル氏は述べている。
例えば、条件が適していれば、Gboardではダイレクトアンサーが上位に表示される傾向があるとのことだ。つまり、とある会社のナレッジグラフの場合、モバイル検索ではランキングが中位であったとしても、Gboardの検索結果では上位に表示されることがある。
ニュースページなどは、Gboardでは上位に表示される傾向がある。これは、Gboardを使用した検索の場合、ステータスのアップデートの投稿やメッセージ送信といった、共有という行為が想定されるためである。パテル氏によると、こうした場合では、Googleはニュース記事のような最新の情報がより優位性が高いという想定をしているようだ。
Gboardにニュース記事が表示される場合、そのページやランキングはモバイルブラウザで表示されるそれと完全に一致しないことがある。ニュースユニットが異なる場合があるからだ。
例えば、モバイル検索では、AMPに対応している、読み込み速度の速いニュース記事が上位に表示されているかもしれない。Gboardの場合、これに当てはまらないとパテル氏は述べているが、非常に理に適っていると言える。なぜなら、Gboardの場合、実際にその記事を読むのではなく、その記事をシェアすることが多いからである。他の違いを挙げてみよう。”In The News“のブロック内には、モバイルでもデスクトップでもニュース記事へのリンクが多く表示されている。しかし、Gboardでは、こうした表示はサポートされていない。
「ニュース記事におけるこうした違いは、Gboardに限った話ではない」、とパテル氏は述べている。スマートフォン、タブレット、デスクトップでのデバイス間でも起こりうることなのだ。
“amazon”と検索した場合の検索結果が非常に良い例だ。Gboardの検索結果は、モバイルの検索結果をベースとしながらも、いくつかの違いがあることがわかる。下記に画像を記載しておくが、Chromeでの検索結果を左に表示し、Gboardでの検索結果を右に表示している。Gboardの検索結果は、表示された順番に、縦に並べている。言い換えれば、Gboardに表示される上位2つのページをまずは記載し、次の2つの結果を下に表示し、それを続けている、ということだ。
左右を横断している矢印は、Googleが単純にモバイルの検索結果を横並びのフォーマットに変更しているだけではないことを、明確に示すために記載している。順位の変更が多く見られ、全く表示されていない場合もある。下記に、検索結果の違いをまとめておく。
別の例を挙げてみよう。今回は”天気”だ。ニュース記事がGboard内でいかに上昇しているかがわかるだろう。
ご覧の通り、モバイルでもGboardでもローカルの天気情報が1位に表示されている。しかし、Gboardでは、ニュース記事がモバイルよりも、より高い順位に表示されている。さらに、表示されているニュース記事も、モバイルの検索結果とは異なる記事が表示されている。
ローカル要素が影響する検索を2つ行ってみたが、検索結果は概して変わらなかった。モバイル検索画面の上部に表示されている、レーティング、電話ボタン、経路なども、Gboardで表示されている。また、下記の画像では、Gboardの検索結果画面を拡大表示している。
もちろん、電話ボタンをタップすれば、iPhoneの通話画面を起動してくれる。しかし、経路ボタンをタップしても、モバイルのように、Appleマップの経路機能を起動してくれない。代わりに、Appleマップで検索を実行するようになっているが、この検索は既にGboardで行われているものだ。
こちらが最後の比較だ。今回は”レゴ Xウイング”である。ショッピングの意図がある検索というわけだ。
上記の画像の通り、Chromeの検索結果では、トップにあるカルーセル内にペイド広告が表示されているが、Gboardでは完全に表示されていない。これは、前述した通り、Gboardではペイド広告に対応していないからだ。また、オーガニックの画像検索結果も表示されていない。
Gboardの検索結果のトップはYouTube動画であるが、Chromeでは最後尾に位置している(そして動画自体も異なっている)。Webページであるその他の8つについては、同一となっているが、2つだけ順位が入れ替わっている。
Gboardは検索者の情報を記憶しないという点において、唯一の検索系プロダクトである。検索結果からパーソナル化を除外しているが、これが、Goboardとモバイルの検索結果に差異が生じる理由の1つとなっている。
Googleにログインすれば、ユーザーは(ログアウトしない限り)検索履歴などの長期間の履歴を構築し、そうした情報が検索結果をカスタマイズすることに使用されている。この履歴は個人のアカウントと関連付けられているため、ログイン状態を保持していれば、例えデバイスが変わったとしても、こうした情報は特定される。
Gboardはそうした履歴を記録する機能を持たない。Gboardで行われたあらゆる検索は、あなたのアカウントに記録されない。たとえ、ブラウザなどでGoogleにログインしていたとしてもだ。つまり、Goboardは、検索結果をパーソナル化するために、あなたが構築した検索履歴を参照できないということを意味している。
Googleによると、Gboardで行われるあらゆる検索は、匿名の検索者が行ったかのように扱われるということだ。しかし、Goboardは、同一のユーザーがいくつかの検索を連続して行った場合、短期間でのパーソナル化を行うようだ。例えば、Gboardで”旅行”と検索し、その後すぐに”スペイン”と検索した場合、”スペイン 旅行”の検索結果となるように、1つ前の検索を確認している、といった具合だ。しかし、Gboardをいったん閉じてしまえば、この短期間でのパーソナル化もなくなってしまう。
あなたはAndoroidユーザーで、Gboardを使用したいと思っているだろうか?Googleのプロダクトマネージャーは、先週、次のように述べている。「GoogleはAndoroidに同様の機能を実装するために、現在全力を尽くしています。」しかし、これは非常に楽観的なものかもしれない。
今回のインタビューの直後に、私はパテル氏にこの件について尋ねてみた。以下は、彼からの返信である。
Andoroidでは、クイックサーチバーとNow on Tapがあり、これによって、モバイル内のどこからでもGoogleにアクセスすることが可能となっている。iOSでは、アプリを使っている場合、Google検索を行うために多くのタップが必要となってしまう。そのため、我々はGboardをiOSから開始しようとしたのだ。我々は、Andoroidでも同様の体験ができるように取り組んでいる。
上記の返信から読み取ると、GboardはAndoroidに直ちに導入できるといったものではなさそうだ。しかし、絵文字やGIF検索などの機能は、通常のキーボードの機能に近いうちに追加されるかもしれない。ただ、Gboard以外でのGIF検索は、あなたの期待以上のものではないだろう。Googleは、Google画像検索がすでに提供しているアニメーションGIFのサポート以上のものを提供する予定は、今のところないと発言しているからだ。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「SEO for Gboard? How Google’s new keyboard search for iOS ranks content」を翻訳した内容です。
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