以下は、Y Combinatorが支援するギフトカード会社GiftRocketの共同創設者Kapil Kale によるゲスト投稿である。Kapilがいつも書いているブログは。
現在進行中のスタートアップ創設者として、私が最もよく受ける質問の1つが、どのようにして優れたスタートアップのアイディアを思いつくのか、である。この質問は、恐らく自分達をシリコンバレーの部外者とみなしているノンテクニカル、もしくはセミテクニカルな創設者達から受けることが最も多い。
どのアイディアがうまくいくのか、それを選択することは、創設チームがする最も重要な決断だ。実行は重要だが、不定形すぎるコンセプトはそれ自体を決断とは呼べない。
チームも重要だ。しかし、投資家が経験などに基づいて異なる創設チームの中から選ぶことができる中、チームは創設者が一度それを設置すると不変のものなのだ。そして、チームを募集しているたった一人の創設者は自分自身を変えることはできないが、見込み採用者に売り込むアイディアをコントロールすることができる。
私はこの記事で2つのことをするつもりだ。優れたスタートアップのアイディアを作るものの基準をいくつか並べ、その後に、それらの基準を満たすアイディアを思いつく方法をいくつか説明する。
目次
何か難しいことを簡単にする: 例えば、AirBnBはアパート賃貸を見つけることを簡単にした。実際に、Craigslistから生じたビジネスのほとんど全てがこの基準を満たす―人々の間で物を交換することを簡単にしているのだ。FacebookやLinkedInのようなソーシャルツールでさえ、少し抽象的ではあるが、人々が連絡を取り続けることを簡単にしている。このクオリティの普遍性を検証するために、私がY Combinatorの2011年冬期の投資対象(YCW11)に入っている会社をチェックしたところ、83%がこのカテゴリに分類された。
何か高価なものを安くする: Appleのようなハード技術の会社は、最上級のテクノロジーを消費者の手が届く商品にしている。Grouponのようなクーポンサイトは、それをもっと直接的に行っている。人々はお金のことを気にしているため、あなたが何かを安く提供していれば、そこには明確な価値命題があるのだ。私がざっと数えてみたところ、YCW11の企業の14%がこのクオリティにマッチした。
楽しませるものを作る: 音楽、ゲーム、動画、メディアの企業は楽しませる。Zyngaは孤独と退屈の問題を解決している。YCW11の企業の23%がこの項目にチェックが入った。
これらは、あなたのアイディアが既存のニーズを満たす必要があるという意味のより具体的な方法であり、もっと一般的に言うならば、人々が求めるものであるべきだということだ。
市場規模が常に成功の可能性を示す優れた指針であるわけではない。より良い質問は、あなたがどれくらいユーザーを幸せにしているか、なのだ。もしあなたが数人のユーザーを並外れて幸せにするなら、たくさんのユーザーを少しだけ幸せにするよりもずっと良いかもしれない。つまり、あなたの製品の市場は小さいかもしれないが、あなたがユーザーの問題を解決することによって彼らのために数千ドルの価値を生み出しているなら、彼らはあなたを求めるだろう。そうすれば、ユーザー獲得とマーケティングの問題は消えうせるのだ。
ソーシャルソフトウェア(Foursquare、Instagram、Twitterなど)は、eコマースとは異なる道を進んでいる。これらの企業は、ユーザーとのエンゲージメントによって価値のあるユーザー基盤を持っていて、最終的には彼らのデータを収益化できる。Foursquareは彼らのデータを地元の商店に販売している。これらの企業にとって重要な基準は、ユーザーの成長とバイラリティとエンゲージメントなのだ。
これを初めから明確なビジネスモデルを持った考え方と比較するのだ。例えば、Hipmunk とSeatGeekは、フライト/ホテル、チケットサイトのアフィリエイトでお金を稼いでいる。これらのビジネスにとって重要な基準は、収益と利鞘なのだ。
あなたの考え方がこれらのどちらになるかによって、いかにしてユーザーを獲得するかに大きな影響がある。通常、ソーシャルソフトウェアは口コミとバイラリティに頼らなければならない。その一方、コマースビジネスはより明確な顧客の生涯価値を持っていて、広告を使って顧客とトラフィックを買うことができる。
理想では、あなたは自分自身のために何かを作りたい。しかしながら、多くの創設者は通常自分達が必要としないものを築くことができるのだ―それは単に、彼らがユーザーのフィードバックを得ることとそれに対応することに優れていることを必要とする。つまり、例えば、もしあなたが自分の昔の仕事で必要としていたソフトウェアを作っているとしても、資材調達係やITマネージャーの関心を考慮してそれを作る必要があるかもしれないということだ。
人生は不都合なことで溢れている。実際、神経質で愚痴ばかり言っている人は、この点に関してかなり有利だ。空港に行く時にタクシーの行列を待つ度に、いつも私は“何かもっと良い方法があるはずだ”と考えている。Uberのようなアイディアか、近くの人とタクシーを分け合う手助けをする相乗りサービスのようなものが飛び出す。
もしあなたがすでにどこかでお金を使っているとしたら、費やしている額を少なくする方法はあるだろうか?もしくは、自分が買ったものに払っただけの価値がないと感じているだろうか?支出の明細書は、途絶を待っている大きな市場があるかどうか見るのに優れた方法なのだ。
私は以前、経営コンサルタントだった。ドキュメントやパワーポイントファイルのバージョン管理が私達にとって大きな問題だった。私は夜遅くまで資料を書いた翌日、他の誰かが同じセクションに取り組んでいることが分かったりしたものだ。また、別の時には、改定後に削除されたスライドに取り組み、自分が古いバージョンのデックを使っていたことが判明した。これらの問題のソリューションがあるべきだが、今あるものはまだ良くない。私は、全ての会社がこれらの問題を複数抱えていると確信している。もしあなたが企業に勤めたことがあるなら、恐らくそういった問題に出くわしたことがあるだろう。
最も経験豊富な投資家でさえも最終的に成功するアイディアを見逃すのであれば、ある物事が成功するかどうかを知るたった1つの真の方法は、それを立ち上げてどうなるか見ることだ。アイディアはいくらでもある。最近の1回を含めYCデモの日にはいつも、みんなが“なぜ私はそれを思いつかなかったのだろう?”と思うような企業が4、5社はある。
しかし、自分の人生をスタートアップのアイディアに捧げる前に、数週間もしくは数カ月の間じっくりとブレーンストーミングをする価値は必ずある。その領域をよく把握してから何かに取り組むことにささげるのだ。
あなたはスタートアップのアイディアを選択するプロセスを経験したことがあるだろうか?あなたからのアドバイスや共有できる経験はあるだろうか?
この記事は、OnStarupsに掲載された「How To Pick The Right Idea For Your Startup」を翻訳した内容です。
シンプルながらヒントになる記事だったと思います。「痛みを持つ市場を選ぶ」「“最悪”と言ったことを記録する」などはなるほど!と思いましたね。一発ネタで終わらない息長く続く事業を生みだすには、流行りや見た目に踊らされない、顕在ニーズを見つけ自身のサービスを通して潜在化、そして最終的には顧客にできるような事業が大切なのでしょうね。ってエラそうにいえる私でもないですが。話は変わりますが途中で出てきた「クレイグリストから派生したビジネス」の図版が面白かったです。日本版サービス立ち上げのネタが幾つか見つかりそうですね。 — SEO Japan
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