2011年6月2日に立ち上げられたschema.orgは、主要な検索エンジンがサポートする構造化データマークアップを提供してきた。schema.orgが登場して以来、このマークアップが多くのウェブサイトに実装されるようになった。しかし、schema.orgのマークアップを導入しているのは(あるいは、コンテンツ管理システムによって実装されているのは)、テクノロジーに長けるサイト、そして、職務に忠実なウェブマスターのサイトのみである。確かに、この構造化マークアップを実装する作業は面倒であり、ウェブマスター達は、時間を割いて、schemaの本当のメリットをフル活用する取り組みを怠りがちである。
セマンティック検索(日本語)を中心とする新しい時代に足を踏み入れるにつれ、さらに多くのウェブサイトがマークアップが導入するようになる、と私は推測している。グーグルのハミングアードアップデート(日本語)、そして、ナレッジグラフへの依存が高まることで、schema.orgの重要性はさらに高くなるはずである。
グーグルは、エンティティおよびカテゴリーをベースとしたクエリに対応するため、インターネット上のエンティティを結びつける取り組みを強化していく中、schema.orgのマークアップは鍵を握る存在となる。グーグルは、ウェブを分類化し、特定のエンティティのポイント(日本語)を識別することを望んでいるが、この願いを実現する手段が、schema.orgである。
それでは、schema.orgについてSEOの関係者に知っておいてもらいたい7つのポイントを挙げていく。
目次
schema.orgは、単一の検索エンジンが受け入れているマークアップではなく、グーグル、ビング、ヤフー!、そして、ヤンデックスによるコラボレーションプロジェクトである。このプロジェクトに参加する検索エンジンは、すべてschema.orgをサポートしているが、これは、マイクロフォーマットやRDFa等のその他のタイプのマークアップには見られない特徴である。
現在、グーグルは、その他のタイプのマークアップの代わりに、schema.orgを加えるよう推奨している点も注目に値する。つまり、マークアップの標準として認定されているのだ
schema.org(リンク先は英語)により、Google、Microsoft、Yahoo! のいずれでも認識できるボキャブラリを使用して、ウェブサイトのページで多様な種類のアイテムをマークアップできるようになりました。詳しくはこちらをご覧ください (ただし、Google では既存のリッチ スニペットのマークアップを引き続きサポートします)。
つまり、何らかの構造化データマークアップを導入するつもりなら、schema.orgを選ぶべきである。
現在、schema.orgは、大量の情報を検索エンジンに伝える力を持っているものの、すべてのマークアップがリッチスニペット、もしくは、強化型検索結果を生成するわけではない。「リッチスニペット」とは、SERPのリスティングに表示される、メタデスクリプションではない要素を差す。グーグル(そして、その他の検索エンジン)は、構造化マークアップのデータをリッチスニペットとして解釈し、表示する仕組みを頻繁に変更している。
リッチスニペットに関して、グーグルは、イベント、音楽、団体、人物、商品、レシピ、レビュー、ソフトウェアアプリケーション、動画等、リスティングを様々なタイプのコンテンツとして表示することが出来る。このサイトの読者の多くは、このコンセプトに慣れ親しんでいるはずだが、よく理解していない方のために、幾つか例を挙げて説明する。このリッチスニペットを検討する際は、通常のリスティングと比較して、クリックスルー率を上げるかどうか考えると良いだろう。
リッチスニペット – イベント
リッチスニペット – 音楽
リッチスニペット – レシピ
忘れずに現在、グーグルがサポートしているリッチスニペットのリストに目を通しておいてもらいたい。多くのケースでは、強化されたリスティングは、CTRを高める効果があり、その結果、言うまでもなくランキングを改善すると私は実感している。この点を実証するため、様々な刺激的な調査が行われているが、その大半は、リッチスニペットを用意することで、より多くのビジターをもたらすと指摘している。
ある意味、schema.orgは、フェイスブックのオープングラフプロトコルに似ているものの、より広範な用途に利用することが出来る。shema.orgのFAQページの一部を掲載する:
フェイスブックのオープングラフは、その目的を果たすものの、ユーザー体験を改善する上で検索エンジンが必要な詳細な情報を用意していない。ウェブページは、様々な要素で構成されていることがあり、トピックが一つだとは限らない。フェイスブックのオープングラフを介してコンテンツをマークアップする場合であっても、schema.orgは、ページ上の具体的なエンティティに関する詳細を提供する新たな手段を与える。
ナビゲーションにおけるグーグルの区分けが進むと、shema.orgのマークアップと緊密に連動し、フェイスブックの検索における区分けのドロップダウンと同じようなデザインになるのではないかと推測する人もいる。事実、ある程度、このコンセプトと既に足並みを揃えている。
因みにフェイスブックのグラフ検索は、オープングラフプロトコルを巧に活用しているように思える。実際に、見事に区別されている。ドロップダウンをチェックしてもらいたい。
グーグルが、エンティティをつなぎ合わせ、shcema.orgの助けを借りて分類化していく中で、ナビゲーションは、schema.orgの手法に忠実に従うようになると考えられる。
文字列ベースのクエリの重要な点は、1つの主なエンティティから派生する検索であり、つながりである。schema.orgは、まさにこのニーズに対応している。例えば、schema.orgを使うと、人物を特定することが出来る。さらに、その人物の特徴、つまり、その子供、誕生日、学歴、死亡日、性別等々を特定することも可能である。以下に特徴の幾つかを掲載する。
ここで、schema.orgがSEOに与える影響を考えてもらいたい。
この情報を使って、データをマークアップする方法を改善することが出来る大きなウェブサイトは、検索エンジンにおいて、当該の情報のプロバイダーとして採用される可能性がある、と私は考えている。そうなると、グーグルが、この情報をどのように処理するのかが気になる。ナレッジグラフに加えるのだろうか、グーグルカードの中で提供するのだろうか?あるいは、何らかの形でウェブページを返すのだろうか?また、リッチスニペットを作ることで、このマークアップは、検索のリスティングを変えるのだろうか?
検索が、今後の数ヶ月間、そして、数年間で進化していく中、SEOのエキスパートは、このような疑問を常に問い掛けることになるだろう。schema.orgを使ってデータをマッピングする大変な作業が、サイトへの検索トラフィックを増加させるのか、あるいは、グーグルに情報を渡して、グーグルが表示するのかどうかを、検索のプロは、見極め必要がある。
今後投稿する記事で、この件をさらに詳しく説明していく。とりあえずは、Barack Obama > How Tall is He(バラク・オバマ > 身長)を検索した際に表示されたカードを見てもらいたい。
ここではウェブページを介する必要はない。この検索は、訪問にはつながらない。しかし、これは必ずしも悪い傾向なのだろうか?この訪問がどれだけ有益なのだろうか?繰り返すが、今後の投稿で、より重大なトピックを取り上げていく予定である。
schema.orgのマークアップは、どの言語でも加えることが出来る点を覚えておいてもらいたい。schema.orgは、現在、英語の文書のみを提供しているが、マークアップはその他の言語でも利用することが可能だ。この点は「複数の言語と地域を意識した究極のSEOガイド」に加える必要がある。
schema.orgマークアップを加えることで、検索エンジンは、ページの内容を遥かに正確に理解することが出来るようになる、とグーグルは指摘している。グーグルは、あるケースでは、schema.orgのマークアップを使って、リッチスニペットを生成しており、今後、さらに多くのリッチスニペットを加える計画を立てている。
たとえば Google では、検索結果に表示されるリッチ スニペットを作成するのに使用します。schema.org のすべてのタイプの情報が検索結果に表示されるわけではありませんが、今後徐々に用途が多様化し、使用されるデータも増えていくことが予想されます。また、マークアップにはウェブページから自由にアクセスできるため、別の組織によってマークアップの興味深い新たな活用方法が発見されるといったこともあるかもしれません。
以前のマークアップで行うことが出来た取り組みは、すべてschemaでも実施することが出来る。それなら、切り替えることに躊躇する理由はない。
それでは、schema.orgを簡単にウェブサイトに実施するにはどうすればいいのか?と言う疑問がここで浮上する。このページに、schema.orgの利用を始める際に有益なガイドが提供されているので、参考にしてもらいたい。実際に、schema.orgをページに加えたら、忘れずに構造化データテストツールを使って試してもらいたい。
すべてのページや要素に構造化データマークアップを加える必要はない — 重要なものだけでよい。グーグルは、マイクロフォーマットやRDFa等のマークアップを今後もサポートしていくため、今すぐに切り替える必要はない。
グーグルは、現時点では、schemaマークアップをランキングの要素として利用していないと指摘しているものの、リッチスニペットは、検索結果でウェブページを目立たせる効果があり、より多くのトラフィックをもたらすとも明言している。言うまでもなく、ランキングとトラフィックの増加は、切っても切り離せない関係にある。ユーザーの役に立つなら、ウェブサイトの役にも立つはずである。
その上、音声検索やその他の文字列ベースのクエリが、ウェブ上に拡大していく中(今後の数年間で、大幅に増加していくと私は見ている)、schema.orgは、エンティティ、カテゴリー、そして、コンセプトを結びつける上で心強い味方になるだろう。
schema.orgに関する私の考えに対して、フィードバックをもらえると嬉しい。皆さんのschema.orgプロジェクトが成功することを心から願っている。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Schema.org ? 7 Things For SEOs To Consider Post Hummingbird」を翻訳した内容です。
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