リスティング広告の入札管理で優れているのは人か機械か?

公開日:2012/06/03

最終更新日:2024/02/17

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同じサーチ業界といえ、私は普段余り接していないので知識が少ないのですが、検索広告の分野では、プログラムによるオートメーション化がどんどん進んでいるようですね。今回はそんな激しい検索広告の入札管理の分野は果たして人とツール、どちらが優秀か、という真面目な議論でも飲み屋のネタでも出そうなこの話題について真剣に考えてみた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

この業界では、「入札管理ツールと管理する人、どっちが重要?」という疑問がよく浮上する。この疑問に対して、都合の良い答えが返ってくることがある。プログラムを自分で管理する人は、「人が大事なんだ」と主張し、ツールのプロバイダーは「アルゴリズム、分析力、そして、自動化が重要だ」と述べ、両者ともに譲る気配がない。

大規模且つ複雑でテールヘビー(後半に動きが多い)なアカウントにとっては、「石のツールを使う優秀な外科医のオペを受けますか、それとも、最新の機器を使うネアンデルタール人のオペを受けますか?」と訊いているようなものだ。前者の方が若干良さそうだが、どちらも魅力的な選択肢とはほど遠い。

しかし、事実として、すべてのプログラムが大きいわけでも、複雑なわけでも、そして、テールヘビーなわけでもない。この業界の多くの論争の根源は、取り組む問題およびアカウントが大きく異なることで発生している。あるプログラムにおいてはとても重要なことが、他のプログラムにおいてはたいして重要ではなく、それ故、「人 vs 機械」ディベートをもっと正確に掘り下げる取り組みが必要とされているのかもしれない。

人間の要素

人間は、有料検索分野において、以下のように様々な要素で機械よりも優れている:

  • キーワードの選定
  • マッチタイプおよびシンジケーションの階層化
  • ネガティブなイメージの予測および選択
  • ランディングページの選択/テスト
  • コピーライティング
  • 季節的な効果、地理的な効果、そして、宣伝の効果の予測
  • 分類計画、重要なキーワードの共通性の特定および予測
  • 成功のメトリクスの確立および評価
  • トラブルシューティング
  • 原因、チャンネルの性格の微妙な理解、そして、最前のクリックを要因とするメカニズムおよびありふれた「アシスト」をカウントするメカニズムが事実を捻じ曲げる経緯に関する理解

機械の力

機械もまた複数の分野で人間に勝っている:

  • なんといってもスピード。自動化は劇的な成果をもたらす。
  • 精度。プログラマーは間違いをおかす可能性があるが、機械は完璧に頼りになるプログラムを実行する。
  • データ処理。ハイレベルの数学を行うことが出来る従業員がたくさんいる – 現在勤務する企業を除く – しかし、このような人物は貴重な存在である。機械やソフトウェアパッケージは、大量の広告およびエンジンにおいて非常に複雑な計算を行い、さらに、一時間おきにミスなく実行することが出来る。
  • パターンの認識。アルゴリズムに対してフラグを立てるメカニズムを提供する上で鍵を握るのは人間だが、機械はデータ内のシグナルを特定して、統計ノイズと分別する作業において人間を凌ぐことがよくある。

また、すべての有料検索の自動化ソフトウェアが同じように作られているわけではなない点を知っておいてもらいたい。コンピュータを「最も早くて、最も熱心だが、最も愚かな事務員」と呼んでいた人がいた。その通りだ。ジェームズ・ゾルマン氏は、通称入札管理プラットフォームはただ単に人間が設定した基本的な規則を実行しているだけに過ぎないと指摘し、喝采を浴びていた(例えば、「ターゲットの効率がX行き過ぎたなら、Y下げる」や「このキーワードコレクションに入札して、6を獲得する」など)。アルゴリズムの本当の力を持つ有効なソフトウェアは稀である。

当然だが、すべての有料検索のマネージャーもまた、すべての局面において有能なわけでもない。賢く、優秀で、トレーニングを受けた専門家は、一般的なスタッフよりも良い仕事をするだろう。

質の高いソフトウェアがあれば、賢い人間のユーザーが大量の仕事を素早く、そして、ミスなく行うことが出来る。そして、有料検索担当者の決まった単調な作業の大半を片づけてくれるだろう。これは、仕事の面白みを増すという重要な副作用があり、機械より人間が得意とする脳を使う仕事に時間を割き、有料検索マネージャーの保持率を高める効果もある。機械が優れていれば、有料検索担当者の力量も高く、魅力的に映り、そして、雇用を続けてもらえる可能性は高まるだろう。

しかし、人間のマネージャーもソフトウェアもコストがかかる。このコストは、複数のファクターによっては、その価値を上回ってしまう可能性がある。

検索にどれだけ賢明に投資することが出来るか? すべての仕事が完璧に行われた場合、どんなメリットがあるのだろうか?マーケットのニッチが非常に狭いため、「たいしたことない」と言う答えが返ってくるなら、最高のソフトウェアと一流のアナリストの双方を採用するのはコストが高過ぎるだろう。

ロングテール? 有料検索プログラムの95%がトップ100のキーワードなら、自動化を行う価値は大きく減少する。テールの価値が上がると、自動化および賢いアルゴリズムの価値も上がる。

トラフィックの量は多いか? 洗練されたアルゴリズムは、直観よりも役に立つまでには、ある程度のトラフィックのボリュームを要する。データが少な過ぎるなら(CPCに関わらず)、いくらアルゴリズムが賢くてもほとんど役に立たない。

大量に継続的なメンテナンスを行う必要があるか? 人間による見落としの重要度は、製品/サービスのオファーの動きが少ない場合、季節にほとんど左右されない場合、プロモーション目的の変更をあまり実装しない場合、地理が関係ない場合、下がることが多い。

解決するべき異常が多いか? 季節、出来事、ニュース、価格競争、在庫不足等による例外が少なければ、良質な入札管理システムの予測の精度は高まり、そして、賢い人物のデータ分析および予測入札における価値は下がる。

大規模で複雑で動きの多いプログラムの場合、高度なテクノロジーおよび有能な担当者は最高の結果を得るでともに欠かせない。しかし、上述のパラグラフが示唆するように、その他の場合では、コンテクストに大きく左右される。

ほとんどのケースにおいて欠かせない要素があるとすれば、それは徹底的にコアのプログラムを適切に作り上げる取り組みであり、これは人間にしか出来ない。小規模なアカウントにとっては、コアのプログラムの構築のコストにさえ手が出せない可能性があり、その場合、グーグルブーストが役に立つかもしれない。しかし、適切な仕事をしてもらうため、優秀な人物にそれ相応の額を投資しているなら、いくらハードウェアやソフトウェアが洗練されていても、取って代わることは出来ないだろう。

アルゴリズムが重要なのか、それとも、人間が重要なのか、または、どちらもいずれかが欠けていると役に立たないかどうかは、状況に大きく左右されるだろう。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Paid Search: Man Vs. Machine」を翻訳した内容です。

普段から検索広告にどっぷり浸かっている皆さん、果たしてどうお考えでしょうか? — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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