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人類の文明の歴史において、我々はスマートフォンほどパーソナルでパワフルなデバイスを発明し、所有してきたことはなかった。
我々とモバイルデバイスとの関係は非常に親密なものになっていて、ほんの数分間でも手元になかった場合、不安に感じてしまうほどなのだ。
モバイルデバイスを用い、我々は、購買活動や各種の支払い、仲間との連絡や協力、オンラインでの学習などを行う。エンタメやゲームを楽しみ、自身の健康状態を確認し、生活の記録を残したりもする。
指先でタッチやスワイプをするだけで、モバイルデバイスは我々に様々な経験を与えてくれるのだ。いつの日か、モバイルデバイスから直接、3Dでのプリントアウトをすることも可能になるかもしれない。
新しいテクノロジーとデバイスにより、我々がコンテンツを作成し、消費し、プロモートする方法は変化し続けている。こうした変化は、我々の行動様式を根本から覆す可能性を示唆している。そして、我々の行動様式の変化はマーケティングにおける要求と戦略を新たに産み出すのだ。
タッチスクリーンに表示されるコンテンツは、テレビやパソコンのモニター、プリントアウトされた紙面などの伝統的なスタイルで表示されるコンテンツとは異なるものである。我々は未だに伝統的なフォーマット用にコンテンツを作成しているが、同時に、モバイルアプリ、モバイル・コンテンツマーケティング、異なるサイズの画面でもユーザーフレンドリーであるコンテンツの作成、などにも手を伸ばしている。
こうした、”攻めも守りも行う方法”においては、新しい技術への注目が何よりも必要になる。なぜなら、新しい技術は、将来のコンテンツマーケティングのあり方に影響を与えるからだ。この記事では、そうした新しい技術の中でも特に重要な4つの技術について、その内容とコンテンツマーケティングへの影響をまとめたいと思う。4つの技術とは、すなわち、検索、ウェアラブル、音声認識とジェスチャー認識、そしてビッグデータである。
Googleは検索アルゴリズムをより洗練されたものにするべく、改良を重ねている。こうした改良は、オーディエンスに提示されるコンテンツに大きな影響を与えている。数年前の検索結果は、単純に、ユーザーが入力した検索ワードとの一致を基本として提供されていた。
今日の検索結果は、”いつ”、”どこで”、”どのようにして”、検索が行われているかが考慮されている。検索者がいる場所、過去の検索の履歴、時期的な要素などから検索者の意図を判断し、それに対する最適な検索結果を提供しようとする試みである。将来においても、検索結果の改良に対する試みは継続され、最終的には人工知能のように我々の生活をサポートしてくれることが期待されているのだ。
コンテンツマーケティングにおける影響
数千ものリンク(検索結果)を提供するのではなく、検索エンジンはそのタイミングにおける我々の要求を予測し、最も関連性のあるコンテンツのみを提供するようになるだろう。
検索エンジンは我々の代わりにコンテンツを選別してくれるだけでなく、利用可能な検索者についてのデータをもとに、我々が求めるコンテンツを提供してくれるようになる。
こうした理由から、マーケターは作成するコンテンツを、ユーザーの要求を予測したものにする必要があると言えるだろう。大規模な完結したコンテンツを作成する代わりに、モジュールのような少量のコンテンツを作成し、それらを組合せてコンテンツのブロックを形成することで、変化し続けるユーザーの要求や行動へ素早く対応できることがより効果的となるだろう。
我々とモバイルデバイスとの関係は非常に親密なものになっているが、現在のモバイルデバイスに対して、完全に満足しているわけではない。PebbleやAppleやSamsungなどの腕時計型、Googleグラスなどのメガネ型、またはその他の型など、我々はより小さく、よりイノベーティブな形式のデバイスを求めている。こうしたデバイスは現在では未発達の分野ではあるが、今後は様々な機能が追加され、我々にとって欠くことのできないデバイスとなり、いずれは行動様式さえも変化させてしまうだろう。
1980年台に初期のパソコンが導入されたが、当時のパソコンは単純なテキストの編集とスプレッドシートの機能しかなかった。それ故、当時はパソコンの使用は特定の人のみに限られていたが、今日のパソコンは実に様々な機能を搭載している。音楽や写真を管理し、動画を編集し、世界中の友人とコミュニケーションを取ることが可能となっている。電話についても同様のことが言える。今日の電話は、生活の全てを管理するためのツールとなっているのだ。ウェアラブルデバイスも同様の足跡をたどることになるだろう。情報を集め、利用できる機能を予測し、トレンドに乗り遅れないことが重要だ。
コンテンツマーケティングにおける影響
小さい画面で表示されるため、長めのコンテンツは適さないだろう。ウェアラブルデバイスでは、形式、デザイン、ユーザーインターフェースなどがコンテンツを作成する上で重要な役割を果たしている。コンテンツを異なるデバイスに合わせてカスタマイズすることが必要となる。
ウェアラブルデバイスでは、コンテンツを一つのデバイスから別のデバイスに適用させることが、より困難になっている。フォームを形成する要素やインフラの違いから、レスポンシブデザインも異なるデバイスに完全に適用できるわけではない。
我々はコンテンツを目で読むことのみを想定して作成している。技術の発達により、音声やジェスチャーによってコンテンツと関わる機会は、今後も増加していくだろう。マーケターは、音声による命令や、手の動きでも機能するコンテンツを作成することが求められるようになるだろう。コンテンツを消費する方法は今後も進化し、キーボードとスクリーンによって消費されるだけでなく、異なる様式でのインプットとアウトプットの方法が可能となるだろう。
コンテンツマーケティングにおける影響
インプットとアウトプットの両面で新しい技術が導入され始めており、文字形式のコンテンツのみではもはや不十分な状況となっている。
コンテンツとの関わりは、様々な方法でも行うことができるように対応するべきだ。タッチ、ジェスシャー、音声認識などに対応する必要がある。
各種デバイスとの連携と、技術とツールへの依存が増加している状況によって、大量のデータが生み出されている。我々がデバイスに触れているあらゆる瞬間において、サービスやアプリやツールを提供している会社によって、我々の行動が記録されることが、可能性としてはある。
地下鉄に乗るなどのオフラインでの行動でさえ、防犯カメラによって記録され、データとすることが可能だ。個人のプライバシーの観点とは別に、こうした情報は企業が特定の個人への理解を深めることを可能にし、個人の要求に則したコンテンツや潜在的な機会に合わせたコンテンツを作成することを可能としている。
コンテンツマーケティングにおける影響
ビッグデータを用いた顧客へのより深い理解が可能となっているため、個人に向けてカスタマイズされたコンテンツを作成することが可能となっているだけでなく、もはや必要なものとして考えられている。顧客は、企業が彼らを深く理解していると想定しているのだ。我々は利用可能な情報と予算を効果的に活用することで、個々のユーザーに異なるコンテンツを作成し、管理することが求められている。
フォーマットの形式にとらわれず、ビッグデータ内の生データのユニットとして異なるコンテンツを扱うことができるシステムやアプリケーションを想像して欲しい。
適切に作成し、成熟されたコンテンツは、顧客セグメントへ非常に正確に届けられるだろう。最終的には、たった一人の顧客セグメントへも、最適なコンテンツを提供できるようになるかもしれない。
この瞬間における困難を整理し、基本へと立ち返ろう。なぜ、我々はコンテンツを作成するのか?ビジネスを成長させるためだ。我々は有益で、教育的で、エンターテイメントなコンテンツを作成することにより、ビジネスを成長させるための価値を創造している。技術がどれだけ進歩し、検索エンジンがどれだけ洗練され、ビッグデータがコンテンツへの要求をどれだけ個人化させたとしても、全ては下記に集約されることとなる。
我々を取り巻く世界が変容し、技術がどれだけ進歩したとしても、マーケティングにおける基本的な規律は変更せず、我々の指針として機能するだろう。
この記事は、Global Content Marketingに掲載された「People, Devices and the Future of Content Marketing」を翻訳した内容です。
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URL: https://www.crossfinity.co.jp/news/20150325_01.html
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