コンテンツマーケティングのプレッシャー

公開日:2013/01/07

最終更新日:2024/02/18

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2013年、今年こそは話題のコンテンツマーケティングに本格チャレンジしてみよう、、、と思っている人も多いと思いますが、実際取り組むとなるとコンテンツ考案から制作、拡散の努力に効果測定と他のマーケティング・広告手法と比べても面倒そうなのが気になる所です。単に面倒だからという理由、または流行を背景に導入のプレッシャーを感じつつ「やる意味があるのか?」と自問自答しつつ、導入を先伸ばしてしている人も多いと思います。今回はそんな悩めるマーケッターにコンテンツマーケティングを早くから実践してきた米国フォードのソーシャルメディアマーケティング責任者が語るコンテンツマーケティングのジレンマとより良いコンテンツマーケティングを実現するためのアドバイスを。 — SEO Japan

マーケティングの世界では、最近、いわゆる“コンテンツマーケティング”が咲き乱れているようである。どっちを向いても、コンテンツなんとか、コンテンツかんとかだ。コンテンツマーケティングに特化したカンファレンスもある。私は、コンテンツはソーシャルの通貨であると言う罪を犯してきた。

そのようなコンテンツの会話がどこにでもあるのだから、それは簡単なはずだ、そうだろう?早まるな。数多くのマーケッターは、テレビのスポットやその他既存の資産を取り上げて、それらをウェブに広め、自分がコンテンツを作っていると間違って信じているという罪を犯している。

そのような考え方には2つの過ちがある。一つは、そのような散弾アプローチはずさんなマーケティングであるということだ;それは、この時代より容易で効果的とされるターゲットを絞ったマーケティングとは正反対だ。私たちは、消費者が自分達自身についてたくさん教えてくれるため、私たちが話すべき相手を見つけるための十分な情報を持っているはずだ。二つ目に、それは怠惰であるということだ。話をする適切なオーディエンスを見つけることに加えて、私たちは彼らに特有のコンテンツを作る必要がある。万能サイズのアプローチはもはや機能しないのだ。

しかし、実際にあなたが定期的にコンテンツ―優れたコンテンツ―を量産する必要がある時、それがクライアントのためであるにしろ、従業員のためであるにしろ、単なる趣味(このサイトのように)としてであるにしろ、それはあなたの肩に重くのしかかるかのように思える。The OatmealのMattew Inmanほどにこの漠然とした不安を捕えた人はいない―Some Thoughts and Musings About Making Things for the Web(ウェブのために物を作ることに関するいくつかの考えと黙想)参照。

あなたは、私がしばらくの間ここに投稿していなかったことに気が付いたかもしれない。私のここでのライティングの頻度は、たくさんの理由から減速した。まずは、本職の要請に起因する時間の欠如だ。もう一つは、あなたの注目に値する十分なクオリティがあると感じたコンテンツだけを投稿すると意識的に決断を下したからだ。たとえ私に毎日記事を次々と送り出す能力があるとしても、1つ1つ全ての記事が価値のある考えを提供しているとは思わない。

カレンダーが11月から12月へと変わり始めると、私は自分のサイトを見て、最後にここで実態のある物を作ったのが10月3日だったことに気が付いた。そして、自分がその期間を埋めるために何も思い付くことができなかったこがかなり気がかりだった。そこで、思い付きで、Twitterを手に取って、こう尋ねた:

ライターズブロックを経験したことはありますか?1か月とか。

すると私のフォロワーの1人が救いの手を差し伸べた:

それについて書いたらどう?:)

実をいうと、私の最初の返答は、一度に140文字しか書けないと言って、それを却下することだった。そして、“書けないことについて書く?なんてメタ発言だ。”と思った。しかし、そのことについてしばらく考えた後、いくつかのごちゃごちゃしたアイディアが頭の中で練り出され始め、これを書いている時でさえ、私は、それらがいくつかのカテゴリに凍結し始めていることに気が付いている。

ここに現代の常にオンの世界でコンテンツを作ることに関する考えを紹介する。ハウツーガイドというよりは、これらは何がそのプロセスに影響を与えるかの単なるいくつかの観察である。

気を散らすものを取り除き、気分が晴れるものを求める

ソーシャルネットワークの誘因力はあまりにも簡単に感じることができる。Twitterの即時性、Facebook上の友達と感じるつながり、PinterestでPinされた画像の終わりなきボード、Instagram上の最先端アート―これらは全て、コンテンツを作ることとなると見せ掛けの偶像である。私たちはそれらのサイトでコンテンツを消費している傾向が強い。そのため、それらは気を散らすものとしての資格がある。

しかし、武術家が敵の攻撃からエネルギーを吸収する方法を知っているように、私たちもこれらのツールを使って旋回することを学ぶことができる。私がやったようにTwitterで質問をすることは、気を散らすものというよりは気分を晴らすものだった。私の質問は私が抱えていた課題に焦点を合わせていたが、それによって私は会話に焦点を合わせることができた。

Facebookでは、恐らくあなたは、あなたの趣味、信念、居場所などを共有する人々に囲まれているのであって、それ故にあなたは意見の多様性にインスパイアされることはないかもしれない。時には自分が関わったことのないような人々を探してみるのだ。フィード設定をハイライトから最新情報に変更するのだ。これであなたのコンテンツは少しだけ混ぜ合わさる。さらに、Interest Lists(リスト)を作り、特定の目的を持ってこれらのカスタマイズされたフィードを訪問するのだ。これらのちょっとした行動が、あなたが求めるものや誰から得るかにほんの少し多様性を提供する。

自分が誰に手を伸ばそうとしているのか理解する
どちらかといえば簡単なことだが、どこかに存在する必要のあるコンテンツを作るという任務を負う時、その場所とそこを訪れる人々について少しでも知っておくというのは良い考えだ。それは、あなたの会社サイトかもしれないし、Facebookページかもしれないし、ホワイトペーパーやEメールの受け手かもしれないし、動画の視聴者かもしれない。もしあなたが彼らについて少しも理解していなかったら、あなたは彼らと繋がる機会を見逃すかもしれない。以前のやりとりに基づいて、彼らはどんな種類のコンテンツを好むのか?彼らは、自分達にとって重要な他のブランドや興味を示したか?彼らからどんなコメントがあったか?これら全てのことが、あなたの作っているコンテンツに燃料を注ぐ手助けをする。

業界リーダーに目を向ける
これを上手にやっている他の人がいる。彼らにあなたをインスパイアさせるのだ。1年半程前、Mashableはコンテンツマーケティングにおける一握りのリーダーに目を向け(How 3 Companies Took Content Marketing to the Next Level)、Mint.comとHubSpotとAmerican Expressを取り上げた。そして先月、Forbesが、5 Big Brands Confirm That Content Marketing Is The Key To Your Consumer(コンテンツマーケティングが消費者にとって重要であることを裏付ける5つのブランド)というタイトルの記事を掲載した。そのリストに入ったのが、Virgin MobileとAmerican ExpressとMarriotとL’OrealとVanguardだ。全て立派なブランドだ。しかし、私にとっては1つのブランドが際立った。

American Expressは1年半の差がある両方のリストに入った。彼らにこの終わりなき仕事を続けることを可能にしただけでなく、この道を導くことを可能にしたものは何なのだろうか?報道されたことを見ると、彼らのコンテンツ戦略の興味深い進化もしくは発展が見える:最初の記事では彼らのOpen Forumネットワークに注目した。彼らが作ったものは、コンテンツが成長するインフラだ―American Express自体が必ずしも生産するわけではないコンテンツである。もちろん、彼らは記事運営を指揮しなければならかったが、結局は、コンテンツはコミュニティによって提供された。コンテンツとコミュニティは繋がりを持つようになり、サイト訪問者が求める価値としての機能を果たす。

2つ目の記事は、American Express Unstagedに注目した―ライブストリームされるコンサートと独占的なビデオだ。ここでも、Amexは、メンバーに準独占的な体験を提供するために、他の人の―この場合は、エンターテイナーの―クリエイティビティとコンテンツ専門知識を頼りにした。彼らには、イベント制作、契約、コンテンツのために場所を提供するインフラ関連の仕事が発生するが、彼ら自身がコンテンツを作ってはいないのだ。彼らは他の人に頼っているのだ。

コンテンツは協調を必要とする―それは深刻さを増していく一方だ
本職であるFord Motor Companyでのソーシャルメディアのグローバルヘッドとして、私は、どれくらいのチームが様々なコンテンツに取り組んでいるかが分かる(正直言って、あまりにも種類が多すぎるため、私が分からないことがたくさんある)。しかし、問題なのは、私たちがウェブのために物を作ることを仕事としている人々のチームを持っていることだ。そのために、店舗のことを気にしている人は誰もいない。作られる全てのコンテンツの実感を持って、全てがどのように組み合わさるかを把握する中心となる個人やチームがない。トランスメディアはこの1年のもう一つの流行語だったが、理想的にはこれは全てのプラットフォームで同じコンテンツではなく、それぞれ独自の目的のために様々なプラットフォームを使って展開するストーリー・アークを意味する。一つのツイートが動画を導き、それがウェブサイトを導く…。どういうことかお分かりだろう。

マーケティングの実施(コンテンツが大いに生成される場所)とコミュニケーション(コンテンツが外部の力に反応して素早く生成される場所)は、コンテンツマーケティングの次の世界ではこれまで以上に協調する必要がある。EdelmanのDavid Armanoは最近、いかにしてブランドがメディアになるかに目を向け、エディタ、コミュニティマネージャー、クリエイティブプロデューサーなどを含む様々な才能あふれる人から成るソーシャルクリエイティブなニュースルームの必要性に言及している。

同じように、4月には、Altimeter GroupのJeremiah Owyangが、企業のソーシャル・ストラテジストの未来のキャリアに目を向け、三つの可能性を挙げた:顧客体験のトップに上昇する、コンテンツ戦略において新しい役割を育てるもしくは導く、プログラムの協調を始める―もしくは完全にその役割が消滅するか。彼は、単純に企業のソーシャルネットワークアカウントの平均数を指摘することによって一貫性の必要性を示したが、さらに進んで、コンテンツがソーシャルにとどまらないことを私たちに気付かせているのだ。

移り変わりの速いコンテンツの世界で考えるべきことはたくさんある。しかし、ここに挙げたのは、私が書くために自分自身にかけたプレッシャーに従おうとしていた時に思い付いたいくつかのことだ。

ライターズブロックやコンテンツブロックを克服するためには何が役に立つだろう?また、どうすれば私たちはより優れたコンテンツマーケッターになれるのだろうか?コメント欄にあなたの意見を書いて一緒に学ぼう。


この記事は、The Social Media Marketing Blogに掲載された「The pressures of Content Creation」を翻訳した内容です。

想いを一気に書き殴ったエッセイ調の記事でしたが、伝わるものは多かったです。前半のコンテンツマーケティングはともすればターゲティングができていない、ずさんなマーケティングアプローチになりかねない、という件は今年コンテンツマーケティングを考えているあなたは是非意識したいところですね。「手間だけかかって効果ない!」「コンテンツマーケティングなんて費用対効果悪いだけ!」最初のプランニングが思慮なさすぎただけ、なんて年末にはしたくないものです。

しかしここでもトランスメディアが既に流行語として取り上げられているのですね。コンテンツマーケティングと上手に連動できればこれ以上に効果がある手法はない気もしますし、個人的に今年何か実践してみたいなぁ、、、と思った記事でした。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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