「SEO」と入力するのは、「search engine optimization」と入力するのと同じ効果があるのだろうか?アドワーズのデータによると、どうやら違うようだ。search engine optimizationデータセットのクエリは、SEOのデータセットのクエリと大きく異なる。これは私にとっては意外な結果であった。
「 search engine optimization」データには、4対1の割合で、「SEO」の検索よりも、バラエティ豊かなトラフィックが存在することが分かった。
Search Engine Optimizationグループには、25種類の行動カテゴリーが見られた。このグループと比べ、SEO グループの検索行動のカテゴリーは、3つ少なかった。
SEOグループには、advertising、business、そして、search enginesのカテゴリーのトラフィックは存在しない。
目次
それでは、このような違いには一体どんな意味があるのだろうか?まずは検索トラフィックをつき合わせて比較してみる。
例えば、SEOグループでは、locationの検索が目立つ一方で、product developmentのクエリはほとんど存在しない。
以下の2つのグラフは、検索のボリュームによって上から下に向かって、双方のグループの検索行動のカテゴリーを順序付けている。この表を見ていくと、それぞれのモデルの順序が異なり、サブカテゴリーが検索トラフィックが限度を越えると現れる点に気づくだろう。
この分析は、search engine optimizationグループにさらに焦点を絞って行うことが可能だ。なぜなら、このグループはさらに多くのデータを抱えているためだ。これからカテゴリーを一つずつ見ていくが、まずはsearch engine optimizationグループに関するデータを導き出し、その後、取り上げる価値があると判断した際、SEOグループの見解を加える。
Advertising
この検索の大半は、広告サービスを見つけるための検索である。この検索のうち70万回は、promotionを含んでいた。キーワードのフレーズの中に単語optimizationが含まれているケースは少なく、略語SEOが使われた検索は全く見当たらない。
SEOグループでは、advertising は1度しか出てこなかった。
Brand
このうち1050万回には、ブランド名Googleが含まれている。このクエリはレベルが高い傾向が見られた。プロフェッショナルな人達が、Google optimization、Google search engine marketing、そして、Google search optimization等のキーワード用いている。残りのトラフィックの大半を占めていたのは、Overtourであった。用語SEO は、brandカテゴリーの中で1度しか登場しなかった。
SEOグループでは、Googleは検索の50%弱で用いられていた。その他のbrandの検索では、固有の企業名やソフトウェアの製品名が占めている。SEOと言う用語はこのグループでは全てのbrandに特化したクエリで使われていた。
Business
このトラフィックは全てノイズであり、存在する意義が私には理解できなかった。このクエリは、SEO関連のクエリを含む複数の検索セッションの一部なのではないだろうか。SEOグループはbusinessに関連するトラフィックは見当たらない。
Company
このクエリを用いて、マーケティングの専門家達はブランド名を特定せずに会社を検索している。検索の3分の2はハイレベルであり、affiliateやdesign agency等の用語が用いられていた。ここでは2つの興味深い行動が見られた。次の部分的なフレーズは、多くのcompanyに関連する検索に含まれていた:
SEOグループでは、マーケティングサービスを探している人もいたが、約100,000クエリしかない。クエリの大半は、SEOを含んでいる。companyは最も利用される回数が多かったが、その表現は多種多様であった。例えば、provider、firm、reseller、agency、service、そして、partnerはすべてお互いに置き換えることが出来る。
Consulting
プロフェッショナルな人々がコンサルタントを探す際、search engine optimizationの専門家およびsearch engine marketingの専門家を調べる傾向がある。また、同時にこの類のコンサルタントが提供する広範なツールや経験も求められているようだ。
consultantとconsultingは最も頻繁に利用された用語ではあるものの、guru、expert、professionals、freelance、そして、specialist等、用語のバラエティは豊かであった。
SEOグループでは、marketingを含むクエリは一つしかなかった。このグループは、search engine optimizationのコンサルタントを探すことに焦点を絞っている。
Content
contentのカテゴリーは3つの明確なサブカテゴリーに分類することが出来る。
SEO Tipsはランディングページとして大いに役立つだろう。
SEOグループにも同じカテゴリーが存在するものの、marketingおよびadvertisingと関連するトラフィックはなかった。SEOグループは、サブカテゴリー reviewsを持つ。このサブカテゴリーはソフトウェアに主に集中している。
Education
このカテゴリーはtrainingに対するクエリーが大半を占めている。このトラフィックの約80%は、search engine marketing trainingであり、残りはsearch engine optimization training、tutorials、そして、workshopsで構成されていた。
SEOグループでは、このカテゴリーでは35万回の検索が行われたが、trainingを求めるのではなく、seminars、tutorials、そして、coursesに対する検索であった。また、search engine optimizationsデータセットには見当たらない、2つのグループが存在する。それは、how toとlearn aboutである。
Events
このカテゴリーのすべてのトラフィックは、search engine marketing/search engine optimization conferencesの検索であった。SEOグループは、eventベースのクエリが月に4,000回ほど検索されている。
Information
このクエリのうちの1200万回には、3つの用語のフレーズ search engine optimizationが含まれている。すべてのinformationの検索に見られるように、レベルが高く、そして、多くの場合、ユーザーが何を求めているのかを予測するのが難しい。例えば、search engine optimization resultsにはどのような意味があるのだろうか?
SEOグループでは、フレーズ search engine optimizationおよび 用語 SEOの利用の回数は、2000万回のinformationのカテゴリーで等しく分割されていた。
International
internationalまたはmultilingual servicesに対する検索はレベルがとても高い。1万3,700回しか検索されていないSEOグループでは、さらに焦点が絞られている。検索者はinternational multilingual servicesに関心を示すものの、国別にSEO servicesを特定している。Chinese、Japanese、そして、Spanish SEOに対する検索のリクエストが見受けられる。
Jobs
このカテゴリーには大量のノイズが存在する。search engine optimization/marketing jobsに対する検索は、このうち17万5,000回だけだった。SEOグループで大半を占めていたjob検索のフレーズは、SEO jobsであった。
Local
localには2つの意味があるため、このカテゴリーは面白い。
Location
プロフェッショナルな人達は、2つの主要な方法を介して、SEOサービスの検索を行っている。大都市の名前で検索する方法は、2対1の割合で利用される回数が多かった。
SEOグループは、locationベースの検索が多く、月に53万回の検索が行われている。このグループの方が具体性が色濃く、検索者は興味を持つSEOの種類を特定する傾向が見られる。例えば、link building、content optimization 、そして、page markupだ。
Paid search
paid searchに対する全てのアクションは、search engine optimizationグループに含まれる。利用される専門用語や単語の順序は非常に一貫性が高い。
例えば、95%の確率で次のようなパターンが見られる:
対照的に、SEOグループでは、paid searchに対する検索は月に3万5,000回しか行われていない。
Product development
product developmentに関連する検索が、このデータセットに現れていると言うことは、多くの企業がウェブの開発プロセスでSEOが担う具体的な役割を認識していることを示唆する。これは間違いない。事実、SEO Web developmentのように、web developmentとSEOを組み合わせたキーワードのフレーズが幾つか見受けられる。
一方、SEOグループでは、product dvelopmentに関連するトラフィックは少なく、2万3,000回/月であった。
Profession
企業の重役が、professionで最適化サービスを検索していることが分かる。重役達は2つの方法を用いている。まず、B2Bと言う主要な用語を使って、ハイレベルな検索を実施している。そして、automotive、hotel、もしくは legalのように特定の業界を指定している。
SEOグループでは、professionの検索は月に1万4,000回のみであったが、このデータセットでは、dental、law firm、そして、travel等、さらに多くの業界が指定されている。
Quality
検索者がキーワードのフレーズの中で具体的なquality(質)を指定する際は、数少ない特定の用語を用いる傾向が見られる。
以下に例を挙げる:
SEOグループでも、用語 bestとtopに集中していたが、increaseやimproveに関連するトラフィックは見当たらない。
Search engine
ハイレベルのクエリが用いられており、検索エンジンに関連することが明白であった。しかし、それ以外では、消費者が次のフレーズを入力する際に何を意図しているのかを予測するのは難しい。natural search engine & web search engines。このフレーズはSEOグループのデータセットには見当たらない。
Service
これはサブグループが多く、複雑なカテゴリーである。serviceに対する検索の多くは焦点が絞られており、事業主は探している情報を明確に示している。その例を挙げていく:
services-generalのカテゴリーでは、トライフィックの大半は、submissionsやcopywriting等の用語抜きのsearch engine optimizationに対する検索であった。
SEOグループでは、同じカテゴリーが存在するものの、量は圧倒的に少なかった。以下に例を挙げていく:
Software
softwareの検索の800万回以上が、CMSとCRMのサービスに対する検索であった。検索の99%がハイレベルであり、ブランドを特定する検索クエリは1%のみであった。search engine ranking softwareやSEO optimization software等のキーワードのフレーズがこのグループでは用いられている。
SEOグループにも同様の行動が見受けられるが、用語の利用のばらつきが少し多い。例えば、SEO blocking softwareやSEO shopping cartである。
Source
sourceのカテゴリーでは、消費者はディレクトリ、専門のウェブサイト、そして、search engine optimizationサイトのリストを探し求めている。このカテゴリーには多くのノイズが存在する。例えば、インターネット検索エンジンと広告ウェブサイトのリストに対するリクエストも行われている。
SEOグループのsourceに対する検索は遥かに具体性が高く、トラフィックはSEO directoriesかSEO resourcesの検索のいずれかに当たる。
Tools
toolsの検索はsoftware toolsに対する検索だが、消費者は検索を行う際にsoftwareと言う用語を用いていなかった。およそ1100万の検索は、AdSense、AdWords、そして、analytical toolsに対する検索であった。残りのトラフィックは、optimization、submission、そして、rankingのtoolsに対する検索であった。
SEOグループでは、消費者はより多くの検索フレーズを用いて、広範なtoolsを探している。analyzer、generator、suggestion、checker、そして、tracking等の第二の用語が探しているtoolsを特定するために用いられていた。
Transaction
消費者は限られたtransaction関係の用語を使って、このカテゴリーのニーズを指定している。最も頻繁に用いられていたのは、 buy、get、そして、 quoteである。この行動は双方のグループに共通している。
Type
消費者は5つの異なる方法でtypeを検索している。それでは以下に重要度の高いものから列挙していく:
その他にも、video SEOやwhite hat SEO等のTypeのカテゴリーが見受けられる。
SEOグループでは、消費者がflashやJoomla等の開発プラットフォーム別に検索しているカテゴリーも見られた。
また、このグループではinteractiveサービスに対するトラフィックが見当たらなかった。SEOグループでのorganicサービスのトラフィックが倍多かった点は、異例と言えるだろう。
Value
このうち45万7,000回の検索はfreeサービスに対するものであった。派生的な用語の中で特に頻繁に用いられていたのは、cheapであり、その次にaffordableが多かった。
SEOグループにも同じ行動が見られる。
次の表には、各グループに対する上位25個の派生的な用語が表示されている。search engine optimizationグループでは、用語に反映されているトピックの範囲が遥かに広く、一方、SEOグループは、興味の幅が狭い点を反映している。
search engine optimizationグループで用いられる専門用語を検証すると、事業主がSEOがウェブサイトを成功に導く戦略の1部でしかない点を心得ていることが分かる。
例えば、marketing、advertising、そして、paid searchに対する関心が現れている。また、用語 SEMが、用語 SEOよりも3倍多く用いられていたのは当然と言えば当然である(750万 vs. 270万)。
このデータの中で意外だったのは、略語のSEOを使うのではなく、わざわざsearch engine optimizationと入力する消費者が多かったことだ。
SEOグループでは、product development、advertising、そして、paid searchにはあまりスポットライトが当てられていなかった。
その代わりに、services、tools、そして、software等、search engine optimizationの仕組みに深く関連する専門用語が用いられていた。このようなフレーズがsearch engine optimizationグループの上位25にはリストアップされていなかった点は興味深い。
search engine optimizationグループは、SEOグループよりも遥かに包括的であり、SEOがウェブサイトの開発、マーケティング、そして、広告ビジネスサイクル全体で担う役割を反映している。企業はSEOサービスを探しているだけではなく、同じように有料検索および検索エンジンマーケティングサービスにも興味を示している。
このデータには、複数のフォーカスが見受けられ、中でもmarketingが最も多く、advertisingとproduct developmentが続いている。marketingに関しては、探している情報を決定するために、複数の置き換え可能なフレーズを用いている。
その例を挙げていこう:
SEO AdWordsのデータでは、marketingが登場するのは75万4,000回のみであり、あまり注目されていない。SEOのデータでは以下の比較にも現れているように、paid searchが用いられた回数は少ない。
search engine optimizationグループでは、advertisingのクエリに変更を加えるために使われていた用語は以下の3つのみであった:
2つのグループの間には、brandカテゴリーでも大きな違いが見られた。
search engine optimizationグループでは、brandに関連するクエリが1,100万を越えており、その多くにGoogleが含まれていた。その他にも複数のbrandがデータには見られたが、多くはなかった。Overture、Brad Callen、MSN、そして、SEO Incに対するクエリも存在する。この4つのブランドは60万/月以下であった。
SEOグループでは、brandは100万を少し上回る程度であった。このグループを独占していたのはGoogleではなかった。elite 4.0等、SEOプラットフォームの管理に用いられるソフトウェアブランドの名前が多かった。
カテゴリーの行動における大きな違いは、locationによるSEOサービスの検索にも見られた。SEOグループは、 search engine optimizationグループよりも、locationベースの検索が3倍近く多かった(53万:19万)。SEOグループのクエリはすべて特定の街や州でSEOサービスを探すことが目的であった。一方、search engine optimizationグループにはlocationカテゴリーで数多くのSEMの要請が含まれていた。
この2つのグループにこのような大きな違いがある理由を真剣に考えると、複数の見解が見えていくる。
安心感 – SEOグループで用いられる専門用語は、search engine optimizationコミュニティでは頻繁に用いられおり、親近感がある点を示唆している。
SEOグループ内の検索トラフィックは、検索者の知識と理解のレベルが高い点を暗示している。検索者のニーズは細かく定められており、求めている情報が何なのかを完璧に把握している。SEOグループのトラフィックのうち、どの程度が業界内で生成されているのか気になるところだ。
会社の規模 – search engine optimizationグループのトラフィックの大半は、複雑なウェブサイトの構造を持ち、総合的なマーケティング部門を抱える大きな企業から寄せられている可能性がある ? そのためすべてのトラフィックがCRM、CMS、そして、SEMに関連している。この検索トラフィックは、完全なウェブ開発、マーケティング、そして、広告のサイクルを反映している。このグループでは、SEOは主要な役割ではなく、脇役である。
検索行動モデルは、それぞれの検索に対して、特定のソース、タイプ、あるいはテーマを分類するためのデータに基づくプロセスである。あらゆるマーケットのセグメントにおける製品やサービス消費者の総合的な検索の経験を反映している。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Insights For SEM Service Providers: SEO vs. Search Engine Optimization Queries」を翻訳した内容です。
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