1年前に「エージェント」から「ベンダー」へ鞍替えした私は、過去1年間で多くのエージェンシーと会話を重ねてきたが、劣悪なサイトリターゲティングプログラムにあまりにも多くの資金が投入されていることに衝撃を受けている。
資金が、まったく興味のない、むしろ追いかける必要がないオーディエンスに語りかけるため、関連性のないインプレッションに割かれてしまっているのだ。
この問題の原因は色々考えられるが、「壊れている」何かを修正する時間が足りないこと、リターゲティングが何かを理解していないこと、そして、エージェンシーに説明を求めるクライアント側の姿勢が弱いことが挙げられる。
演壇に上がる前に、2つの点をハッキリさせておこう – まず、私はサイトのリターゲティングを大いに気に入っており、基本的にその効果を強く信じていると言う点。そして、代理店と協力すればいいのか、リターゲティングの専門ベンダーと協力すればいいのか、もしくはグーグルの製品を利用すればいいのかと言う疑問は、エージェンシーとブランドの双方が悩んでいる点を指摘しておく。
従って、2012年に何をすればよいのかを私に問うブランドには、リターゲティングプログラムについて学び、劣悪なプログラムへの投資を控えることを説明するようにしている。
プログラムの内容、最も効果的な利用方法、そして、適切に利用した際に最適化および新しい顧客の獲得において役に立つ理由を学ぶべきなのだ。
「リターゲティング」と言う用語を聞くと最初に思い浮かぶのは、サイトのリターゲティング – ユーザーがサイトを訪問し、去り、その後、そのサイトに対して広告を掲載すると言う考えだ。これは良いアイデアではあり、実際にこのような取り組みへの投資をブランドが回避するべきシナリオは少ない。
しかし、サイトの訪問以外にも、リターゲティングするべき行動や意図は存在するものの、大半のマーケッターはこのようなツールの存在、そして、その効果を把握していないのが現状である。
急速に成長しているのが検索リターゲティングだ – この取り組みでは、マーケッターは、サイトを訪問して、去った個別のユーザーに狙いを定めるのではなく、グーグル、ヤフー、またはビングで行う検索、そして、ブランドのサイトを訪問したことがないユーザーをリターゲティングするのだ。
この2つは戦略は完全に異なる – サイトのリターゲティングは、既存のオーディエンスからの収益を増やすことに着目し、一方の検索リターゲティングは、新しい顧客を検索の履歴を基に探すことを目的とした獲得ツールである。
Chango(チャンゴ)の検索リターゲティング製品について話し合うために、大手のデジタルエージェンシーと私が考える企業のオフィス – 有名であり、ロビーは立派であり、豪華な企業が顧客リストに並び、テーブルサッカー台まで置かれており、つまり何もかもが揃っていた – で行われた会議のなかで、今回の投稿のトピックが思い浮かんだ。
顧客の一人の立案者に話を聞くと、11社のサイトリターゲティングのベンダーを採用していることが分かった(11社だ!)表情を変えることなく私はその理由を尋ねた。すると、すべてのベンダーは毎月同社が“優れている”ことを示すレポートを送ってくるため、ベンダーを加えていくのは自然だと言う答えが返ってきた。
この答えに驚かなかった読者の方々に説明しておこう。問題は、全てのベンダーが同じオーディエンスをターゲットにしている点である – 全てのベンダーが全く同じ個人のクッキープールを構築し、同じ人達に接触するため、同じアドエクスチェンジから同じメディアを買っているのだ。このエージェンシーは自社のレポートの中でコンバージョンを確認することが可能であり、確かに“成功している”と主張することも出来る。
皮肉にも、最高の効率を示すことが出来るサイトリターゲティングのベンダーは、インプレッションを落とすのが最も少ないベンダーである。なぜなら、存在する程度に分散させておけば、競合者によって動かされたビュースルーからコンバージョンを引き出すことが出来るためだ。
解決策は単純である – サイトのリターゲティングのベンダーを1社に絞ればよい。注記: 例外がないわけではない。とりわけ、プライベートなエクスチェンジを狙う必要がある場合は注意が必要だ。しかし、この点は(グーグルのネットワークのように限られたネットワークではなく)広範に及ぶメディアリストにアクセスすることが可能なベンダーを採用することの重要性を強調している。
余りにも多くのインプレッションを表示する、もしくは、誤ったイベント/サイトのページからクッキープールを構築すると、大幅に無駄が生じてしまう。
サイトのリターゲティングであれ、検索のリターゲティングであれ、最も理解しておきたいのはコンバージョンの期間である。私はずっと前に購入した際に見ていた商品に対して、ブランドから繰り返しリターゲティングの対象にされている(現在、ベガスのホテルが特にこの取り組みを行っている)。
製品を考慮する期間が2日間の場合、わざわざ30日後に広告をリターゲットされる理由が私には分からない。“存在することが重要だ”と主張するベンダーをよく見かけるが、迷惑なブランドと言うイメージがついてしまう可能性がある。
次に重要なのが、頻度の上限である。正しい頻度はサイトによって異なるが、3-9/日のインプレッションが恐らく妥当である。
そして、誰をリターゲットするべきかも大切である:
演台から降り、今すぐに効率を高めるための対策について考えてみよう。
適切に実施すれば、上述の手順により、サイトから得られる収益をそのまま手に入れることが出来るだろう。メディアバイイングを削減して、検索リターゲティング等の獲得ツールを使って新たな顧客をプールに導く取り組みに予算を割くことが出来るためだ。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「2012 Is The Year To Cut Your Site Retargeting Budget」を翻訳した内容です。
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