待望のグーグルのソーシャルプロジェクトがデビューし、アーリーアダプター達からはこのソーシャルネットワークを認める声が多く上がっている。この有望な新しいソーシャルプラットフォームはグーグルに数多くの機会を与えており、実りが良いソーシャルゲーム業界に参入するチャンスがグーグルに訪れている。
フェイスブック等のサービスは既にゲーム業界で確固たる地位を築いているが、他のプラットフォームが加わる余地が残されていないわけではない。事実、ソーシャルネットワーキングに対するグーグルの新鮮且つ独自の視点、そして、自社のモバイルオペレーティングシステムのアンドロイドおよびマイクロペイメントシステムを併せて考慮すると、ソーシャルゲームは明らかにグーグルがたどるべきルートと言っても過言ではない。
ソーシャルゲームは、間違いなくグーグル+の最大のライバルである、フェイスブックにとって成功の要因の一つであり、収益源でもある。ロイターのレポートの中で、一流のネットビジネスの起業家であり、オンライン広告の大手ダブルクリックで最高経営責任者の重責を担うケビン・ライアン氏は、この世界最大のソーシャルネットワークはソーシャルゲームで10億ドルの収益を上げ、その大半は広告とフェイスブッククレジットであると断言している。
フェイスブックの最大のソーシャルゲームメーカーのジンガは、2011年の第一四半期だけで2億3500万ドルの収益を上げたことを明かしており、今年、このカリフォルニアを拠点に活動するこのゲームメーカーは10億ドルの収益を得る可能性がある。フェイスブックがなかったら、この成功はありえなかったことは言うまでもない。先日、ジンガは次のように話していた:
「私達は事実上全ての収益をフェイスブックのプラットフォームを介して得ており、しばらくはこの傾向は続くと思われる。」
ソーシャルゲーム業界が成長するペースを考慮すると、このマーケットは全体で2014年までに$15億ドルの価値が見込まれる – そして、それまでにはグーグル+は大きなマーケットシェアを獲得しているだろう。
エンガジェットの報告によると、グーグル+のソースコードの奥深くに今後ユーザーが目にするサービスのヒントが幾つか隠されているようだ。その一つはゲーム機能の類であり、「グーグルプラス・ゲームからゲームの招待等を送信した」と言うコードが存在する。
昨年、グーグルがスライドやソーシャルデック等の積極的にゲーム開発メーカーを買収し、ゲーム部門で働くスタッフの採用を行っていた点を考慮すると、驚くようなニュースではない。
フェイスブックは、ソーシャルゲーム業界に参入しているソーシャルネットワークの中で明らかに一人勝ちの状態だが、ユーザーがゲームで協力してプレイするハブに欠けている。私が想像するグーグル+のゲームへのアプローチは、単一のプラットフォームで異なるソーシャルゲームを単独で管理する仕組みに関しては、アップルのゲームセンターに近く、ソーシャルネットワークで適切に実装されるかどうかが成功に大きく響くだろう。
つまり、グーグル+はソーシャルゲームを運営することが十分に可能なプラットフォームであり、そして、ゲームの開発者からも高い評価を得ているようである。グーグルは、ソーシャルネットワークでのゲームに関する計画を告知する準備は出来ていないものの、ゲームを蚊帳の外に置いているわけではない。グーグルのグローバルコミュニケーションおよび広報部門を統括するケイティ・ワトソン氏は次のように説明している:
「ゲームをグーグルプラスに統合する計画に関して共有する情報は持ち合わせていない。しかし、これは現在進行中のプロジェクトであり、始まったばかりである点を覚えておいてもらいたい。今後、多くの機能と性能を投入していく予定だ。取り組みを始めることに私達はワクワクしている。」
Gamasutraのインタビューで、コアなゲーマーに焦点を絞った開発メーカーのKabamでCEOを務めるケビン・チョウ氏は次のように述べている:
「第一印象に関しては、複数のグーグルの製品をつなぐ製品をグーグルが温めていた点には感心した。そして、フェイスブックとほぼ機能の面では並んだと言っても過言ではないだろう。 とても印象的な偉業であり、グーグルはデザインを考慮しつつ、感性を大事にしたユーザーインターフェースを基に質の高い製品を作れることを実証してくれた。」
言うまでもないが、グーグル+のサークル機能に関心を寄せているのはKabamaだけではない。ゲームズ・ロックユーのジョナサン・ナイト上級副社長は次のような見解を示している:
「ソーシャルネットワークでゲームをプレイする人達は、一緒にゲームで遊ぶ仲間がいることが多く、この仲間は普段遊ぶ“本当”の友達とは必ずしも同一ではない。」
そして、レイブンウッド・フェアのメーカー、LolappsでCEOを務めるアージュン・セチ氏の意見を以下に掲載する:
「グーグルプラスはグーグルにとって大きな前進である。ソーシャルウェブを念頭にコミュニケーションを改善するアイデアを基にゼロから構築したことは明白である。」
ソーシャルネットワークを作るグーグルの最新の試みにおいて、最も大きな“プラス”は、情報を共有する相手や方法をユーザーが管理することが可能な「サークル」と呼ばれる機能である。
サークルの素晴らしいところは、関係が同等でなければならないフェイスブックとは異なり、関係を策定する上で“非対称”のアプローチを採用している点である。プライベートな生活に招くことなく、気軽に友達を加えたいゲーマーにとってはうってつけのスタンスだと言えるだろう。
クオラでは、プレイヘブンでプロダクトマネージャーを務めるライアン・フーバー氏が同じ感想を漏らしている:
「フェイスブックのソーシャルゲームのプレイヤーにとって、適当に見ず知らずの人と友達になったり、様々なコミュニティサイトで仲間のプレイヤーを求め、助け合って作物を育てる行為はとても一般的である。不幸にもこの行為はユーザーのソーシャルグラフを汚染し、フェイスブックの主要なユーティリティ – ソーシャルなインタラクションの価値を下げてしまっている。」
グーグル+は、ユーザーエクスペリエンスおよび協力の流れを考慮してリスト(“サークル”と言う形式で)を提供している。こうすることで、ユーザーは明確にソーシャルグループを指定し、ゲームをさらに楽しみ、そして、ソーシャルエクスペリエンスを良くすることが出来るようになる。」
この種の気軽な関係は、特定のサークル内でその他のプレイヤー達とスコアを比較したり、招待したり、ゲームについてチャットしたりするために、共通の友達になる必要がないため、ゲーマー達に支持される可能性がある。
フェイスブックとは異なり、グーグルはオペレーティングシステムを持っている。アンドロイドだ。このOSは早い段階でマーケットリーダーになる可能性がある。ソーシャルゲームにおける経験に関しては、フェイスブックの後を追う状態だが、グーグルは1つ大きなアドバンテージを持っている。アンドロイドのプラットフォームを通じてモバイルゲームを提供する環境に恵まれているのだ。
グーグル+がゲームプラットフォームになった暁には、モバイルとソーシャルが重複し、双方の領域において統一された支払いのインフラが用意されるだろう。OSレベルの統合により、グーグルは特定の分野でフェイスブック以上のイノベーションを実現するポテンシャルを秘めている。
グーグル+をベースとした内蔵型のゲームプラットフォームを持つアンドロイドOSを動かすデバイスを想像してもらいたい。ユーザーは1つのプログラムで、全てのゲーム、成果、そして、友達リストに – モバイルおよびソーシャルネットワークの双方でアクセスすることが出来るのだ。大ヒットするはずであり、アップルのゲームセンターに大きな脅威を与えるだろう。
なんといっても、競合があるところに革新がある。ゲーム開発メーカーにとってもユーザーにとってもプラスに働くはずだ。
フランシス・タンはアジア在住のTNWのエディターである。フィリピンで活動しており、アジアのインターネットスタートアップ、ソーシャルメディア、そして、eコマースに強い関心を寄せている。ツイッターなら@francistanで、eメールならfrancis@thenextweb.comで連絡を取ることが出来る。
この記事は、The Next Webに掲載された「Google+ is set to take the social gaming industry by storm」を翻訳した内容です。
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