グロースハッカーになるためのたった一つの冴えたやり方

公開日:2013/05/24

最終更新日:2013/05/24

ブログ

米国にQuoraという専門家が答えてくれるQ&Aサービスがあり(日本も最近同種のサービスが出ましたね)、私もたまに見ることがあるのですが、特にネット関係では、「え、こんな有名人が無料で詳しく答えてる!しかも他のインタビューやブログで聞いたことのない発言で参考になる!」と思うようなことが良くあります。今回は、そんなQuoraで定期的に発言しているアンドリュー・チェンが自らの答えをより掘り下げて書き下ろしたスタートアップの成功に欠かせないグロースハッカーチームの育て方に関する記事を。 — SEO Japan

元々あったQuoraでの回答:

私は、グロースチーム(グロースハッカーのチーム)が成長するために日々していることを2つに分類する:1)プランニング/モデリング、2)グロース(成長)テスト。

何はともあれ、まずあなたには優れた製品が必要である
もし人々があなたの製品を使っていないのだとしたら、あなたは成長の最適化にあまりに多くの時間を費やすことで時間を無駄にしていると、言わせてもらう。あなたには、満足したユーザーベースが必要であり、あなたの仕事はそれを拡大することだ。

その警告を頭に入れて、活動のプランニングから始めよう:

プランニングとモデル構築
物事をプランニング/モデリングするという側面は、“なぜ成長が起こるのか?”を理解することが全てだ。全ての製品は一つ一つ異なる。

  • あなたは、人々がSEOを介してあなたを見つけ、ユーザーへと転換し、Eメールを介して保持されることを知るかもしれない。
  • あなたは、人々がウェブを介してあなたのサイトにやって来て、モバイルへと異花受粉し、それがあなたの成長のカギであるということを知るかもしれない。
  • あなたは、彼らに特定の数の人をフォローさせる必要があるということを知るかもしれない。
  • あなたは、彼らがサービスを使いだす前に一定数のリンクをまずブックマークさせる必要があることを知るかもしれない。

これらは全て製品固有のことであるため、私はこの回答の中で特定のアドバイスをすることはできないが、これは自分の製品がなぜ成長するのかを理解する基盤である。あなたは、ユーザーがどのようにサイトにやって来るかという流れを見ることによって、ユーザーと話すことによって、似たような製品を理解することによって、そのモデルを思い付くことができる。あなたは、目的を達成しているユーザーと達成していないユーザーを見分けることができる。

良いモデルを手にしたら、成長の良いまたは悪いプロジェクトの結果を評価する中でより具体的な基準を作ることができる。あなたのメンタルモデルは、最初は完璧である必要はない―目的はただ始めることだ。あなたが自分のプロジェクトを上手く実行する時、成長が進めば、あなたの自信も育つ。(もしくは、1つのメトリックを著しく改善し続けているが全体の登録数が増えない場合は、物事を再検討しなければならない。)

より戦術的なレベルでは、次第にこのモデルはもっときめが細かくなり、あなたは、全体的な成長を高めるために変更することができる個々のことについて考え始めることができる。理想では、あなたはスプレッドシート内でこの多くをモデリングすることができるため、何が機能し何が機能しないかについてシナリオプランニングをすることが可能だ。

目的は、継続した成長をもたらす何らかのフィードバックループを作ることだ。もしかするとあなたは、広告を購入してお金を稼ぎ、さらに多くのお金を広告に再投資するかもしれないし、もしかすると、人々にコンテンツを作らせ、SEOを駆動し、それがコンテンツを作るより多くの人々をもたらすかもしれない。もしくは、もしかするとあなたは、招待ベースの何かを用意するかもしれない。重要なことは、このプロセスとその構成要素部分をモデリングすることだ。

プロジェクトの実施
自分の成長を促進するためのモデルを手にしたら、次のパートは、実際にそれらの数字を増やし正しい方向へと向かわせることができるプロジェクトのアイディアをたくさん思い付くことだ。理想では、そのコンセプトを証明する短いアイディアのA/Bテストをたくさん実施することができる。もしそれがうまくいったら、投資し続けるのだ。

このようなことのためには、ちょっとしたA/Bテストのインフラと、たくさんのクリエイティビティと、テストを世に出すための専用のエンジニアを何人か必要とする。

A/Bテストの大部分はあなたの求めるような結果が出ないため(恐らくその数字は30%未満)、毎週2,3の勝者を手に入れるためにはあなたは同時にたくさんのA/Bテストを実施しなければならない。時に、人々は各週1~2つのA/Bテストを実施して、それらが上手く機能しないと文句を言う―恐らく、彼らが各週1つか2つの勝者を手にするためには5~10倍のA/Bテストを実施する必要があるだろう。

それぞれの成長プロジェクトを実施するためには、ユーザーがどこからやって来て、何をするのかを追跡することに関していくつかの計測を開発する必要もあるかもしれない。これは、最初は大量のSQLデータベースとレポーティングになるが、後でもっと手の込んだものに移行するかもしれない。

次第に、これらの戦術的なプロジェクトの結果が、素晴らしいモデルに返ってくる―あなたは、継続して自分のプライオリティを再評価し、製品が成長を後押しすることに最も活用される場所を理解しなければならない。つまり、戦略的から戦術的へとジャンプして戻ってくるフィードバックループがあるのだ。

要約
以上のことを要約すると:

  1. 自分のユーザーが満足するしっかりとした製品を用意する
  2. 自分のサイトがどう成長するかのモデルを思い付く
  3. アイディアを試してみて、それらをA/Bテストとして採用する
  4. サイトが成長するのなら、より多くのアイディアを試す。もし成長しなければ、ステップ1のモデルが壊れているかもしれないため、それについて再度考える。

これがあなたの役に立つことを願っている。


この記事は、@andrewchenに掲載された「What does a growth team work on day-to-day?」を翻訳した内容です。

世の中には最初のアイデアと構想がいきなりヒットするような事例もあるとは思いますが、実際そんな宝くじに当たったようなケースは皆無なわけで、まずはベースの製品をテストを繰り返して改善しながら成長軌道に乗せていく、それだけなんですよね。

日本でも最近、グロースハッカーという言葉がどこかインターネット業界のカリスマ的存在として取り上げられていますが、別に彼らも特殊な存在というわけではありません。もちろんベースの知識や技術力、ネットワーク等は卓越したものがあるかもしれませんが、詰まる所は、上の当たり前のことをきっちり行えるかどうか、それを行えるのがグロースハッカーでありグロースチームということではないでしょうか。誰もがそうなれる可能性がある!ということで日々地道に頑張りましょう。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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