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本記事は、「BrightEdge」というSEOとAIに関するサイトパフォーマンスを計測できるツールを提供している企業のLemuel Park氏の発信を元にしたSearch Engine Journalの記事「The CMO & SEO: Staying Ahead Of The Multi-AI Search Platform Shift」を翻訳したものです。
※SEO Japan補足:「BrightEdge」
企業向けSEOプラットフォームを提供する企業。この記事の著者Lemuel ParkはBrightEdgeの共同創設者兼CTO。BrightEdge分析は同社のデータ分析ツールによる調査結果を指す

AI検索とGoogle検索を行き来する、マルチプラットフォームでの検索の世界が到来しつつある今、「検索はどのように進化していくのか?」「ChatGPTは脅威なのか、それともチャンスなのか。」「大規模言語モデル(LLM)の最適化は、検索エンジンの最適化と同じなのか。」とSEO担当者とCMOの双方が最も気にかけている問題があります。
この2部構成のシリーズでは、こうした疑問に答えながら、今後SEO担当者およびマーケティング責任者(CMO)が大きな変化を乗り越えるための明確な方向性と焦点をお伝えします。
GoogleのAI ModeとAI Overviewsは全く別物ではなく、同じAI検索の技術が進化していく中で、それぞれ役割や見せ方が違う形として登場した機能です。
そのため、企業は従来の検索結果ページでの順位だけでなく、自社サイトがAIによってどのように認識・評価されているかを含めて、成果の測定方法を見直す必要があります。
検索はこれから、どのように進化していくのでしょうか。
まだ第1部を読んでいない方は、ぜひそちらからご覧ください。
目次
従来の検索エンジン結果ページ(SERP)の進化
従来の検索が減少しているのではなく、検索という行為そのものの仕組み・目的・構造がどのように変化しているのか。Google全体のAI戦略の中で従来の検索はどのような役割・位置づけになっていくのかを解説します。
Google AI のAI Mode戦略
AI Modeは、ブランドが回答内に登場しやすい傾向があり、AI Overviewsと比較してブランドが引用される可能性が2.1倍高いことが示されています。一方で、AI Overviewsはユーザーに対して、より信頼性が高く、根拠に基づいた情報提供を目的としている点が特徴です。これらの違いについて解説しています。
エージェント型AIによる自然検索への影響
自然検索からのアクセスのうち、既に約33%は人間ではなくAIによって行われています。AIは回答を生成するためにページ内容を解析・引用するため、ウェブサイトには瞬時にアクセスできるマシンリーダブルな構造が求められています。このように、AIによる検索行動の増加と、それに対応するサイト構造の重要性について解説します。
検索ファネルの変容
これまでの購買プロセスは、顧客が迷うことなく購入まで一直線に進むシンプルな流れでした。しかし現在の購買行動は、多くの場合で行きつ戻りつしながら進む複雑な経路へと変化しています。また、AIが複雑な経路での調査を担うようになった一方で、購入や問い合わせのような行動は、依然として自然検索などの従来のチャネルから発生しています。こうした購買行動の変化とAIの役割について解説しています。
3つの柱からなる枠組み
CMOにとってAIの進化はブランド戦略に大きな影響を与える重要テーマです。まず、AIによる市場変化を迅速に把握するレポートの体制が必要です。次に、構造化データの更新やAIとの連携を自動化し、効率的にAI最適化を進める仕組みを整えることが求められます。さらに、AIが生成する情報の中で自社ブランドがどのように表現されるべきかを定め、戦略として明確にすることが重要です。これらのポイントをまとめ、CMOが押さえるべき観点を解説する内容となっています。
検索結果ページの役割は無くならず、進化の途中にあると見ています。従来の検索も存続しますが、その形はこれまでとは大きく異なるものになるはずです。
当社の内部データによると、全検索の92%がGoogleで行われています。ダウンロード、登録、購入といった意味のある行動に至っては、95%がGoogleから始まっています。また、検索ボリュームは減少するどころか、実際、前年比10%増加しています。
AIが検索結果の上部に要約や回答、提案を生成するようになり、ユーザーはリンクを開かなくてもAIから直接答えを得られるようになりました。
その結果、検索体験とAI体験の境界が無くなろうとしています。結論として、AIは従来の検索結果ページを淘汰したわけではなく、既存の検索結果の仕組みを活かしながら連携して機能しています。

BrightEdgeから引用:2025年8月
従来の検索は、現在でも特定の分野において他にはない強みを持ち続けています。たとえば、複雑な内容を調べたい場合や、自分に最も適した商品やサービスを探したい場合には、AIでは得られない多角的な視点を提供してくれます。
特にEC分野はその代表的な例です。多くの人は買い物をするとき、今でもGoogle検索を使い、商品の一覧を確認しながら選びたいと思っています。
複数の販売元を比較したり、レビューを読み比べたり、さまざまな価格や特典を検討したりすることで、より納得感のある購入ができるからです。
Googleは、「AI検索」と「従来の検索」を見事に統合しています。AIは従来の検索結果ページ(SERP)を置き換えるのではなく、それを活かしながら機能を拡張しています。
具体的には、GoogleのGeminiモデルが従来の検索結果リストの上部に表示されるAI Overviewsを生成し、複数の情報源から内容をまとめて包括的な要約を作成しています。
つまり、従来の検索結果が基盤となり、AIがその情報を抽出・整理して、ユーザーにとってよりわかりやすく再構成した形で提示しているのです。自社ブランドやCMOにとって、これは新しい課題となりました。
もはや従来のSEO対策だけでは十分とは言えず、AIにどのように認識・活用されるかまで見据えた最適化が必要です。AIが生成する要約や回答の中で自社のブランドが取り上げられれば、露出や認知度は大きく高まります。
また、検索結果ページに表示されるオーガニック検索枠は減少しており、その中で「AIの回答や要約に引用されるブランド情報は、より目立ちやすくなる」という注目すべき変化が起きています。
現在では、従来のようにユーザーが検索キーワードを入力すると、その内容に関連するウェブページのリンクが一覧で表示されるだけの静的な検索から進化し、より直接的な回答を得られるようになっています。
ユーザーは、追加の質問をしたり、写真を使って検索したり、自然な言葉でAIと会話したりすることもできるようになりました。こうした体験は、これまでのリンク中心の検索結果では実現できなかった新しい検索の形です。
AIが生成する要約や回答と、従来の検索結果の両方に同じサイトが表示される割合は、2024年以降に22.3%増加しています。
ただし、この重なり方は業界によって大きく異なるため、AI上でどのように自社を見せたいかを考える際には、自社の業種やサービス内容に合った最適な取り組み方を選ぶことが重要です。
業界別に見ると、電子商取引分野ではわずか0.6%の増加にとどまったのに対し、教育分野では53.2%の増加が見られました。
このように、業界ごとに変動の幅が大きく異なるため、最適な戦略も分野ごとに調整する必要があります。また、医療・保険・教育といったYMYL分野では、重複率が68〜75%に達しています。
こうした信頼性が特に重視される分野では、Googleは従来の検索結果で既に評価の高いコンテンツを優先的に引用する傾向があります。一方で、Eコマース分野は異なる動きとなっており、重複率はほぼ横ばいです。
さらに、AI Overviewsが検索結果に表示される割合は7.6%減少しています。Googleは、ショッピングに関する検索とAIによる回答をあえて分けて表示しているようです。これは、ユーザーが実際に商品を購入するまでの流れを守るためだと考えられます。
つまり、AIの要約で完結させるのではなく、ユーザーがサイトに訪問して商品ページを見て比較したり、購入まで進めたりできる仕組みを維持しているということです。

BrightEdgeから引用:2025年9月
現在行われているのは、AI Overviewsがコンテンツを整理・選別する役割を担い、どの情報源を参照・引用するかを自動的に判断しているということです。
つまり、コンテンツは明確で信頼性が高く、人間とAIの両方がすぐに理解して活用できる構成になっている必要があります。
そのため、品質・わかりやすさ・技術的な最適化といった、検索するユーザーやAIが求めている意図に正確に合った内容を作ることがこれまで以上に重要になっているのです。
ChatGPTやPerplexityは、正しい情報を確認するために、今も従来の検索エンジンを利用しています。つまり、AIと検索エンジンがつながって共有し合う仕組みが、すでに一般的になりつつあるということです。
これからはGoogleの検索順位だけを気にしていればよい時代ではありません。ソーシャル検索やAIチャット、従来の検索結果、そして今後登場する新しいプラットフォームなど、どのチャネルでも自社サイトの情報を見つけてもらえる状態を作ることが重要になっています。
従来の検索は依然として重要な位置づけにあります。AIは置き換える存在ではなく、検索体験を拡張する役割を担っています。単純でシンプルな質問に対しては、AIが即座に答えを生成するため、複数の検索結果を確認する必要がなくなりました。
しかし、内容が複雑な検索、地域に関連する情報、または購入などのトランザクションを伴う検索では、これまで通り、従来の検索結果ページに表示される青いリンクが表示されます。
検索内容によっては、従来の検索結果がAIの補助的な選択肢として表示されることもあれば、メインの結果として表示される場合もあります。
ただし、AI Overviewsは、従来型の検索結果や広告と同じ画面に表示される点は押さえておく必要があります。とはいえ、AIが生成する回答や要約の中で引用されれば、ブランドの露出は大きく向上する可能性があります。
ここには興味深い現象があります。従来の検索結果の表示枠が減少している一方で、引用元として取り上げられたサイトは、以前よりも目立つようになっているのです。
何よりも、変化のスピードがCMOにとって対応すべき重要な課題となっています。AI Modeは非常に速いスピードで進化しており、機能・UI・引用の仕組みが次々と変更されています。
そのため、自社が 検索結果とAIによる回答のどちらでどのように表示・認識されているのかを、すぐに確認できるツールや体制を整える必要があります。
さらに、AIモードでの露出状況をリアルタイムで把握するための技術や体制への投資は不可欠です。
AI検索でどのように参照され、どの要素がコンバージョンにつながるのかを深く理解するには、こうした可視化が重要になります。
そのため、新しいAIプロダクトやAIツールも継続的にチェックしていく必要があります。

BrightEdgeから引用:2025年9月
従来の検索結果がなくなるわけではありません。AIと従来の検索は連携しながら役割を分担しており、これが現在のGoogleにおける標準的な仕組みになっています。
両者はうまく共存し、1つの検索体験の中でユーザーのさまざまなニーズに応えられるようになっているのです。
詳細はこちら:Google Speculates If SEO ‘Is On A Dying Path’
これは、CMOが今まさに最優先で取り組むべき大きな課題です。AI Modeの登場により、企業が検索でどのように見つけられるか、ユーザーとどう関わるか、そして施策の成果をどのように評価するのか、そのすべてが大きく変わり始めています。
最近の分析では、AI ModeとAI Overviewsはまったく別の仕組みではなく、同じ構造のの中で基準だけが違うと捉えています。
AI Modeは、ブランドを取り上げやすい特徴があります。実際に、AI Overviewsより約2.1倍の確率でブランドが表示されています。
しかも、表示されるブランドは幅広く、1週間ごとのデータを比較しても、ブランドが表示される割合が変動せず安定していることから、ブランドにとって、継続的に露出が期待できるチャネルになりつつあります。
また、AIが引用元を表示する場合、数は少なくても見つけてもらいやすい位置に表示される傾向があります。
AIによる検索は、これまでのように1つの質問に対して1回だけ検索するという仕組みではありません。AI Modeでは、ユーザーが質問を入力すると、その回答を導き出すために、AIが裏側で何十ものクエリを自動的に検索しています。
例えば、「初心者に適したトレッドミルは?」という質問が投げられると、AIはこれを即座に複数の検索クエリへと分解します。
Googleはこれを機能比較、価格比較、レビュー、安全性、省スペース性、保証内容など、さまざまな観点に分類し、AIがそれらを同時に処理します。
そして、その結果を整理して、一つの対話形式の回答としてまとめ上げるのです。つまり、単一のキーワードの最適化をすれば良い時代ではありません。
AIがユーザーの代わりに投げかける多数の関連クエリに、より多くの自社コンテンツが組み込まれることが求められているのです。
毎日、どれくらいの時間をブラウザ上で過ごしているか考えてみてください。
そのブラウザが、自分と一緒に考えて動いてくれるとしたらどうでしょうか。実際に、Google Chromeの最新AI機能がその未来を実現し始めています。その進化のスピードには目を見張るものがあります。
例えば、AI Modeでは複雑な質問でもアドレスバーから直接問い合わせることができ、答えを探すために複数のタブを開いて調べる必要がありません。
また、旅行の計画を立てている時には、Chromeが調べていた複数のタブの内容を理解し、AIがそれらの情報をまとめて一つの計画として作成してくれます。
さらに、今後導入が予定されている「エージェント型ブラウジング」では、Geminiが予約などの手間のかかる作業を代わりに行ってくれるようになります。そのおかげで、ユーザーは本当に重要なことに集中できるようになるのです。
特に重要なのは、AI Modeが Google検索そのものに取って代わるのではなく、検索の手間をAIが引き受け、より賢く効率的に使えるように進化している点です。会話しながら検索できる体験を想像してみてください。しかもそれが、私たちが毎日利用している「ブラウザ」に、最初から組み込まれているのです。
この変化は、CMOやSEO担当者にとってユーザーがどのように情報を発見し、コンテンツと関わるのかを根本から見直す必要があることを示しています。もはや、検索結果で上位表示を目指すだけでは十分ではありません。これからは“従来の検索最適化”だけではなく、“検索を含めたブランド露出の最適化”が重要視される時代へと移り変わっているのです。
AI Modeでは、コンテンツから直接要約や回答が生成されるため、従来のSEO対策だけでは成果が出にくくなっています。これからのコンテンツは、人間の読者だけでなくAIが理解しやすく引用しやすい構造を同時に満たすことが求められます。
つまり、取り組むべき目標は「検索順位を上げること」ではなく、「AIが生成する回答に選ばれること」へと拡張されているのです。
さらに、CMOはこの変化のスピードに対応しなければなりません。GoogleのAI Modeは急速に進化しており、機能や表示形式、引用の仕組みは常にアップデートされています。そのため、検索結果とAI Modeの両方での可視性をリアルタイムで把握できるツールや体制への投資が欠かせません。
AIの進化によって、コンテンツが「発見され」「利用される」仕組みが大きく変わり始めています。新しいAIエージェントは、ユーザーの代わりにウェブサイトへアクセスし、会話の過程でリアルタイムに情報を取得するようになっているためです。従来のクローラーのようにページを巡回してインデックスに登録し、後から検索結果として表示する仕組みとは異なります。
今後は、必要な瞬間にAIがアクセスし、その場ですぐに内容を理解できるかどうかが重要になります。ページが表示されない、読み込みが遅いなど、コンテンツの構造がAIにとって理解しにくい場合、その時点で候補から外れてしまう可能性が高くなります。
AIエージェントは、デジタルアシスタントのように、情報を調べ、比較し、提案する役割を担っています。そのため、ページの読み込みが遅かったり、内容がわかりにくかったりすると、すぐに別の情報源へ移動してしまいます。
言い換えれば、AIエージェントは、将来的に顧客となる可能性のあるユーザーの代理でサイトを訪れている存在とも言えます。実際、先月は ChatGPTの新しいエージェントクローラーによるサイトへのアクセスが倍増しました。現在は、自然検索の約33%がAIエージェントによるアクセスとされており、その増加スピードは非常に速いものとなっています。
AIがあなたのサイトを信頼できる情報源として扱うかどうかの判断プロセスは、その後、ユーザーがどのようにあなたの情報に触れられるかを左右します。
従来の検索エンジンのクローラーは、Webサイトのコンテンツを収集し、検索結果に反映するためにインデックス化するだけでした。一方で、AIエージェントはユーザーに代わってWebサイトの情報を読み取り、選択肢の比較といった操作を行い、その結果を踏まえてユーザーに最適な提案をリアルタイムで行います。
つまり、AIエージェントによるサイト訪問とは、AIがユーザーの代理として検索し、会話の中で適切に説明・推奨・サポートするための情報を事前に探している、ということになります。
購買行動の最初のステップである認知の段階では、ユーザーが自分で情報を探す形から、AIが先回りして候補を提示する「事前提示型」へと進化しています。AIエージェントは、ユーザーの状況や好み、行動パターンを踏まえ、本人がまだ必要性を意識する前に、最適な選択肢を提案します。
さらに、現在の購買行動は、従来のように一直線には進みません。ユーザーは購買ファネルの中を行き来し、初期の認知段階から突然購入へ至ることもあれば、購入直前で再び情報収集段階に戻ることもあります。
ユーザーは「もっと詳しく知りたい」という段階で、購入前に必要な情報を集めています。この時点では、まだ購入に踏み切る段階ではありません。
購入する意思がはっきりしており、特定の商品やサービスを検索する段階です。すでに欲しいものが固まっており、購入に直結しやすい状態です。
多くのユーザーは、まずAIを使って情報を調べ始めますが、実際の購入や問い合わせは、従来の自然検索やダイレクト訪問によって行われることがほとんどです。そのため、AI検索は直接コンバージョンに結びつきにくいものの、情報収集の最初のステップである、認知や発見の段階で大きな役割を果たしています。
AI検索は、コンバージョンを直接生み出すチャネルではなく、主に情報探索の入口として機能しています。つまり、AIは認知や検討といった上流フェーズを担っている一方で、最終的なコンバージョンには、自然検索などの従来型タッチポイントが引き続き重要であることが明らかになっています。
さらに、調査結果では、AIにブランドが取り上げられる際の情報源のうち、34%がPR、10%がソーシャルメディアに由来することが判明しました。これは、Googleが重視するE-E-A-Tが依然として重要であるとともに、複数のプラットフォームにわたって、AIが参照できる形でコンテンツを展開する必要があることを示しています。
企業は、AIエージェントが自社のコンテンツを正しく見つけ、理解し、引用できるようにするために、SEOの基盤である 構造化データの整備・コンテンツの信頼性向上・技術的な最適化に取り組む必要があります。これにより、AIがユーザーに提案する前の評価段階で、自社のコンテンツが候補から外れてしまうリスクを防ぐことができるのです。
マーケティング担当者は、トラフィックの流入経路を直接特定できない場合でも、AIによる引用頻度や複数プラットフォームでの露出状況、さらにAI回答内でのブランドの存在感を把握できるような、新しい効果測定の仕組みを整備する必要があります。
その際に注視すべき主な指標としては、AI検索全体における自社の露出度、AI回答内でのブランドの掲載率および表示位置、情報源として引用された割合、そしてAI起点の流入が間接的に成果へ貢献した数値などが挙げられます。
チーム構造の変化は、部門ごとに縦割りで組まれた従来型の組織から、課題ごとに柔軟に連携する横断型のチーム体制へと大きく変化しています。検索データの分析やAIモデルの理解を踏まえて、SEO担当者とデータサイエンス/機械学習の専門家が協働できる体制が求められています。
AIによる発見のためにファネルを最適化しても、コンバージョンが発生するのは依然としてオーガニック検索であるということです。
しかし、次のステップである購入・資料請求・会員登録などの段階に進む際、多くのユーザーは従来の検索結果へ戻って行動を完了します。つまり、「AIによる発見」から「自然検索によるコンバージョン」という導線が確立されつつあると言えます。
そのため、SEOの基盤が整っていなければ、AIに見つけてもらえても成果にはつながりません。SEOの基盤が整えられたウェブサイトであることが、AI検索で見つけられた情報を、購入・問い合わせといった成果につなげることの前提条件になっています。
したがって、優れたCMOやSEO担当者は、SEOとAI検索のどちらか一方を選ぶのではなく、SEOを土台にしながら、AI検索への最適化にも同時に取り組んでいます。これが、AI時代においてマーケティング成果を最大化するための最も重要な戦略と言えるでしょう。
SEOJapan編集部より:Part1では、複数のAIプラットフォームの登場によってユーザー行動が分散し、AIとSEOの向き合い方が変わり始めていることを解説していました。Part2では、最終的なコンバージョンは依然としてオーガニック検索に依存しているため、ブランドの見せ方を組織横断で見直す必要性と、その中でも関連クエリにも応える構造化の整備、技術的SEOの強化が求められると語られています。
複数のAIプラットフォームが並立する時代になり、ユーザー行動は分散しています。目的に応じて使い分けられている前提に立ち、企業側も「各プラットフォーム上でどう解釈され、どう引用されるか」をコントロールしたいでしょう。しかし、現状を正しくとらえ、データで事実を捉えることが重要です。「SNSの投稿とは違い、検索のユーザーはセンシティブで素直」とGoogleのサーチセントラルライブでも語られていました。
結局、最終的にCVは自然検索から生まれるのであれば、その要点となる指名検索の検索結果ページは、自分たちの意図する形を目指すべきです。指名検索の結果、CV導線のないページが表示されているサイトも見かけます。
SEO担当者には、ブランド・商品等の情報構造の整理が求められ、技術的SEOはさらに重要度を増します。情報の探索場所であるGoogle、Youtube、ChatGPT、X、Instagram、Bing、Geminiなどを念頭に、マシンリーダブルなコンテキストをWebにどう作るか?が焦点です。
どれだけAIが高度化しても、ブランドを正しく理解させる基盤としてSEOは不可欠です。AIに自社がどう語られたいのかを設計し、変化を素早く拾う体制が必要です。まずは社内でブランドの語り口にズレがないか確認し、必要な文脈が設計され、そのように情報が配荷できているか見直してみることをおすすめします。
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