現在、スマートフォンブームが起きている。アップル、グーグル、そして、その他のモバイルオペレーティングシステムのベンダーは、パワフルな新しい携帯電話に機能を加える、革新的な新しいサービスを立ち上げる基盤を開発者達に提供している。
スマートフォンの利用が増加したため、モバイルベースのソーシャルネットワークが新たに産声を上げている。位置を基に人々を結びつける目的のサービスもあれば、写真の共有を支援する目的のサービスもあれば、新しいパートナーを探す手伝いをする目的のサービスもあるが、間違いなく、以前とは状況が変わっている。
マイスペース、Bebo、そして、オーカットは成功を収め、世界中の様々な国々で、数百万ドルの価値を見積もられ、他社の追随を許さない人気を獲得していた。これらのサービスは、モバイルでも利用可能だが、スマートフォンブームに便乗し、自分達の都合の良いように役立てることに失敗しており、フェイスブックがウェブサイトおよびモバイルアプリで革新を続ける中、衰退の一途をたどっている。 p>
グーグルは、待望のソーシャルネットワーク、グーグル+を立ち上げ、リードライトウェブのエディター、マーシャル・カークパトリック氏が今年の前半にすっぱ抜いて以来、多くの人々が“グーグルサークル”と呼んでいたサービスを発表した。検索界の巨人ことグーグルは、印象的な新しいウェブサービスを立ち上げただけでなく、同サービスのアーリーアダプターがこのサービス、そして、参加した友達と交流する手助けをする、付随するアンドロイドアプリもリリースしていた。
モバイルへのシフトは早く、また非常に革新的である。そこで、モバイルへの集中的な投資が、企業の戦略にどのように役立つのか注目していこう。
ソーシャルネットワークの2大巨頭ことフェイスブックとグーグルは、独自のサービスを提供するのではなく、開発者がアプリを開発するためのツール、そして、ソーシャルテクノロジーを第三者のアプリに統合するフレームワークを提供している。
グーグルはアンドロイドOSを開発しており、現在このOSは世界で最も成長が早いスマートフォンのプラットフォームの地位を確立している。この複雑なAPIは、写真共有サービス、インスタントメッセージアプリ、そして、ソーシャルネットワークのユーザーがその他の世界中の大勢のユーザーとつながりを持てるように支援している。
グーグル+に関して、アンドロイドアプリはベータではなく、完成版として既に立ち上げられている – アンドロイドマーケットに向かい、タブレットまたはスマートフォンにダウンロードすることが出来る。このサービスは招待性のみに頼っているが、ユーザーが急激にこのサービスを採用し、既に確固たる地位を確立したライバルと競争する取り組みにおいて手を貸すためには、初日から構成要素を用意しておく必要があると理解していた。
アンドロイドアプリは、リアルタイム通知を実施する機能、そして、ウェブサイトの経験をモバイル機器に移したその手法に対して高く評価されている。また、グーグルは独自の機能をグーグルプラスのアプリに加えている。その代表的な例が、インスタントアップロードとハドルであり、グループチャットおよびインスタントイメージ共有を行うアプリをそれぞれ用意することなく統合している。
グーグルは、アンドロイドで広範な一連のアプリを提供するのではなく、既存のソーシャルネットワークの設定においてコアなテクノロジーを提供する単一のサービスを作り出すことが出来る点を理解していた。チェックインを可能にする新しいロケーションアプリを宣伝する必要はなくなる。なぜなら同じ機能を既存(グーグル+)のソーシャルテクノロジーのベースに統合することが出来るためだ。
グーグル曰く、現在はiPhone版のアプリケーションの開発に臨んでおり、“間もなく”リリースされるようだ(注記:このエントリの投稿後、リリースされている)。しかし、グーグルプラスのモバイルサポートはそれで終わったわけではない。スマートフォンのユーザーは、デバイスの種類に関係なく、グーグル+のモバイルサイトを訪問し、ブラウザからモバイルベースの多くの機能を活用することが出来るのだ。
たった6日間で、グーグル+のアプリは平均4.4の評価を獲得し、6478人は5つ星を与えていた:
グーグルがフェイスブックの独壇場に風穴を開けるチャンスがあるとするなら、モバイルユーザーを大勢獲得することが大前提である。ウェブアプリ、アンドロイドアプリ、そして、iPhone版のアプリをリリースすることで、無関心なユーザーをファンに変えるだけでなく、存在感を高め、フェイスブックに立ち向かえるチャンスが生まれるてくる。
スマートフォンは、簡略化されたオートフォーカスカメラ、そして、ネットブックを所有者と常に行動を共にするデバイスに内蔵している。時間の経過とともに、メッセージ送受信サービスは、キャリアベースのSMSメッセージを越えて進化してきた。そして、写真共有サービスは、利用するカメラではなくユーザーの創造力を中心に構築されている。
アップストアの立ち上げにより、アプリ内のみで存在するソーシャルネットワークが生まれた。Kik、ワッツアップ等の多数のグループメッセージサービス、そして、インスタグラムやカラー等の写真共有サービスが良い例である。
インスタグラムは、アプリベースのソーシャルネットワークの台頭を実証している。この写真共有サービスは、利用が簡単であり、ありふれた写真でさえ美しく見せる一連のフィルターを備え、大勢の人々の心をつかんでいる。現時点ではiPhoneのみで提供されているが、経験をモバイルに限定し、インスタグラムのウェブサイトではアカウントを編集するオプションを少しだけ用意している。
10月に立ち上げられたインスタグラムは、常に進化するロモ風のフィルター、そして、インスタグラムのコミュニティ、さらに、フリッカー、フェイスブック、ツイッター、フォースクエア、そして、タンブラで即座に共有することが出来るメリットがあるため、たった2ヶ月間で100万人のユーザーを獲得していた。当時ですら、ユーザー達はトータルで1秒間に最大で3枚の写真をアップロードしており、数千万毎の写真がインスタグラムで共有されていた。
インスタグラムやその他の成功を収めているモバイルソーシャルネットワークは、多数の機能を組み込むのではなく、少数の機能に焦点を絞り、その分野で一番のサービスになることを優先している。シンプルなコンセプトを採用し、カスタイムズの感覚を加えることで、ユーザー達は写真を共有するだけでなく、サービスの見栄えをよくする上で役割を担っているのだ。
新しいアプリがインスタグラムの機能を真似し、その他のプラットフォームで成功していたとしても、インスタグラムのiPhoneアプリほどの成功を達成しているアプリは見当たらない。
上述した2つの例は、- 素晴らしいアイデアが見事に実現された – スマートフォンのアプリのサクセスストーリーを実証している。この2つのアプリはスマートフォンでユーザーが何を求めているのかを正確に推測することに成功している。
モバイル製品を開発するメリットは、大半の場合、サービスを立ち上げようとしているプラットフォームを管理する権限を持っていなくても、成功を収めることが出来る点である。その結果、アプリのクリエイターは本当の意味でイノベーションを起こし、製品の機能を競合者以上に拡張しなければならなくなる。インスタグラムはフィルターを導入した初めてのアプリではなく、開発者がフィルターに焦点を絞し、成果をタイトなコミュニティに統合する決断を下しただけだが、その他のアプリの開発者は以前この取り組み行っていなかった。
とは言ったものの、モバイルのベンダー達は賢くなり、モバイルソーシャルネットワークの力を理解し始めている。先程、グーグルがアンドロイドのデバイスで自社のソーシャルネットワークを立ち上げたと述べたが、アップルは一枚上手であり、ソーシャルな仕掛けを直接OSに統合した。ツイッターと提携を結んだことを告知し、アップルはiOS 5のソフトウェアのユーザーがツイートをネイティブのアプリから直接送信することが出来るように工夫し、そして、今後数カ月のうちにフェイスブックやその他のメジャーなソーシャルネットワークとサービスとの提携を行うと見られている。
スマートフォンの2011年の売り上げは4億6800万台に達すると見られており、既にインフラは存在する。ウェブベースのソーシャルネットワークでは、ユーザーはサイトを探して、友達と交流しなければならないが、モバイルデバイスでは、大量の潜在的なつながりが待ち受けており、ユーザーにアプリケーションを提案することが可能な人気の高いアップストアによって支援を受けている。
このようなつながりに関しては、フェイスブックのような大手サービスであっても、アプリの開発者に依存している。この空前の人気を誇るソーシャルネットワークはすぐに7億人のユーザーを獲得すると見られており、また、既に2億5000万人のユーザーがモバイルアプリを介してフェイスブックに定期的にアクセスしている。NFC機能がモバイルでは次にヒットすると見られているが、フェイスブックのエンジニア、小規模なスタートアップ、そして、大規模なスタートアップも同様に、非接触テクノロジーを使ってイノベーションを起こす方法を必死で考案しているはずだ。
スマートフォンの一連の機能が進化するにつれ、新旧のソーシャルネットワーキング企業によって提供されているサービスもまた進化し、適応していく。要するに、モバイル対応、またはモバイル限定のソーシャルネットワークは今後も繁栄していくと言うことだ。
この記事は、The Next Webに掲載された「The Rise Of The Mobile Social Network」を翻訳した内容です。
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