ソーシャルメディアトゥデイ(SMT)は、このサイトを通じて、多くの経験豊かな専門家のライターの方々にその専門知識をオーディエンスと分かち合ってもらっていることに誇りを持っている。そこで、私達は定期的な特集 – 選ばれたSMTのブロガーにソーシャルメディアの世界で幅広く議論されているタイムリーな話題に関する質問に答えてもらうコーナーを始めることにした。
初回は、ソーシャルマーケティングの分野で優れた2名のライター – タミー・カーン・フェネル氏とスティーブ・オレンスキ氏に登場してもらった。この10年間で、大きな転換が行われており、情報に重点を置くマーケティング – 検索エンジンが重要視する情報 – から、関係と信頼に重点を置くマーケティング – ユーザーのソーシャルな行動が示すことが重要 – へと移り変わっている。
SMT : ソーシャル検索の拡大はSEOにどのような影響を与えていますか?どのようなインパクトが発生しており、そしてSEOはどこに向かっていると思うか、教えていただけませんか?
タミー : ソーシャルメディアが拡大することで、単純に「ググル」を越えたレベルで、人々は推薦を行い、そして、質問への答えを得ています。私はツイートで質問を投げかけたり、利用しようと思っている業者やウェブサイトに関する意見をフェイスブックで尋ねています。ユーザーがグーグルを利用しない可能性もあるため、自分に注目してもらうためにキーワードが詰まった記事を量産するだけでは意味がないのです。その代わりに、人々が実際に読む、推薦する、そして、共有するコンテンツを作らなければならないのです。
グーグルの検索結果に表示されることが目標であっても、グーグルは、友達がツイートしている、そして、+1しているコンテンツのみ表示する方針に切り替えつつあります。ウェブサイトのナーナー達は、ディグディグ(ワードプレス)等のプラグインを用意し、リンクトイン、フェイスブック、ツイッター、そして、今ならグーグルプラスをシームレスに統合しなければならなくなるでしょう。SEOの専門家はすぐに仕事を失い、時代に取り残されないためにはSSO(ソーシャル検索の最適化)のエキスパートにならなければいけなくなるのではないでしょうか。
スティーブ : 偶然にも数週間前、私は「ソーシャルメディアが検索マーケティングに与える影響」と言うタイトルのエントリを投稿しました。このエントリの中で、私はグーグルの検索結果は、現在、検索を実行する人のソーシャルなつながりよる影響を直接受けており、検索結果が1) グーグルにログインしているかどうか 2) ソーシャルメディアでフォローしている人に応じて変わる事実に言及しました。これが今まさに起きているのです。今後、さらにこの点が明白になり、少なくとも私にとっては、グーグル+の誕生、そして、まるで永遠に広がり続けるかのような勢いのツイッター、リンクトイン、そして、フェイスブックによって、確立されたソーシャルネットワークを豊富に持つ(内部または外部、あるいは両方の)ソーシャルチームを保有する会社と協力して、ブランドを売り込むために“接触”することがマーケッターにとって重要になるでしょう。
SMT : SEOは、過去10年の間に複雑なサイエンスとして発展し、数えきれいないぐらい多くの本のテーマになり、SEOのプロは高額な料金を取ってきました。グーグルの進化を遂げる検索アルゴリズムをベースに、オンラインマーケティングのコアになり – 業界として確立されました。現在、グーグルは、ソーシャルな検索およびマーケティングが今後発展する点、そして、フェイスブックのモデルには改善の余地が多く残されている点を理解しています。グーグルプラスから見えてくる点を考慮すると、マーケッター達はこの新しいプラットフォームにどのようにアプローチすればいいのでしょうか?フェイスブックの高度に発達したソーシャルマーケティングの環境と何が異なるのでしょうか?
タミー : グーグルはフェイスブックに対抗するためにソーシャルネットワーク以上のものを求めているのだと私は思います。フェイスブックに太刀打ちできるなら、グーグルにとっては大きな前進ではありますが、グーグルはすべてに参入しようとしているのです。
グーグルプラスの上部のバーを見て下さい。カレンダー、ドキュメント、写真、リーダー…事実上のインターネットでの生活が一つにまとめられています。 マーケッター達は、早期に登録した1000万人のユーザーのうち、宣伝目的のユーザーおよび好奇心に任せて登録したユーザーがどれぐらいいるのか、そして、どれほどスタミナがあるのか静観しなければならないでしょう。
グーグルプラスはまだAPIを開発者に解放していません。そのため、ネットワーク間を跨ぐ投稿機能をアプリで提供するのは、難しい状況になっています。(現時点でソーシャルメディアトゥデイを含む)多くの大規模なサイトは、グーグルプラスのプラグインの導入を見送っています。ソーシャルネットワークとして、グーグルプラスは、顧客が存在するなら、マーケッター達に価値をもたらすでしょう。しかし、マーケッター達には、ソーシャル検索に対するグーグルの新しいアプローチに、この早い段階で重要視するよう勧めます。
人が読み、共有し、プラスするようなコンテンツを作成し、パーソナライズドされた検索の到来に注目しましょう。グーグルは、見たいものを見せ、仲間が面白いと思うものを見せるようになるため、マーケッター達は、このような人間味の溢れるサークルに参入し、メッセージを伝える必要があります。
スティーブ : グーグルプラスについて私達が知っていることは、ローンチ後の2週間で1000万人が登録したと言う事実です。この数字だけ取っても、とても驚異的であり、また同時に、笑ってはいられない現実を思い知らされます。 マーケッター達がグーグルプラスにアプローチする方法に関しては、クリス・ブローガン氏が今週明けにフォーブスに寄稿した記事「グーグル製のソーシャルネットワークが検索に影響を与える」の内容について考えてもらいたいですね。
グーグルが検索エンジンの最大手である点を考慮すると、マーケッターならこの点を重要視し、グーグルプラスに参加したくなるはずです、1日でも早く。 残念ながらグーグルプラスには…現段階では企業用のページが用意されていないのです。しかし、いずれ提供されます。
グーグルプラスとフェイスブックの違いについては、現在、グーグルプラスには用意されているものの、フェイスブックには存在しないマルチユーザー参加型のビデオチャットを含め、数多くの違いがあります。ただし、心配する必要はありません。短距離走ではないのです。これはマラソンであり、それぞれの企業が新しく、革新的な方法を探して、“1アプリ”前に出ようとしています。
SMT : それでは、仮に皆さんが、一流のプラットフォームで、人同士の交流を行うために、時間を割いてソーシャルネットワーキング活動に励んでいるとしましょう。バナー広告、低俗な広告がフィードのストリーム内に割り込まれることには慣れています。そこで、来年、どのようなタイプのコミュニケーションが企業のマーケティング部門から送られてくると思いますか?
タミー : バナー広告は、賢さを増し、ターゲットがより細かく絞られていますが、抜け目のないマーケッターはこの点に注目し、さらに個人的なレベルでリード候補と交流を行うでしょう。ジオターゲッティング、キーワードターゲッティング、そして、(フェイスブック、ツイッター、またはリンクトイン等で)実際にリード候補の人達と会話を交わすことで、PPCに多額の資金を投じるよりも、効果的な成果が得られるでしょう。
次のように考えてみましょう: 私はオンラインでソーシャル活動に励んでいるユーザーです。来年、マーケティングはさらにパーソナライズドされ、さらに反応の早いマーケティングが行われ、広告とインタクトするようになるのではないでしょうか。フェイスブック等のネットワークで既にこの傾向が表れており、好きなブランドの動画が好きかどうかを尋ねる広告、または調査で質問を尋ねる広告が始まっています。私の注目を得るために、広告主は私に直接宣伝しなければならないでしょう。マスマーケティングによる広告では、この注目を得ることは出来ません。
スティーブ : 私はさらにパーソナライズドされたマーケティングのメッセージが必要になると確信しています。しかし、このようなメッセージはユーザーにさらに関連したものでなければならないでしょう。例えば、私が中古車の検索をしている場合、下着等のパーソナライズドされた広告は私の検索とは全く関係がないことになります
また、“別のスクリーン”で – マーケティング/広告を見る機会が増えるでしょう。“別のスクリーン”とは、モバイルとアウトオブホーム(OOH)です。モバイル広告は、スマートフォンを持つ人々が増えるにつれ、爆発的に広がっています。OOHに関しては、最近、まさにこのトピックを取り上げたエントリ「マーケッターが4番目の画面に注目するべき理由」を投稿したばかりです。クリニック、映画館、スーパー等、OOHへの投資は、今年だけで米国で20億ドルを超えると見られています。
この記事は、Social Media Todayに掲載された「Viewpoints – the Sunset of SEO and the Dawn of Social Search」を翻訳した内容です。
SEOの今後についても、このソーシャル性を持ったコンテンツを作っていけるかということが問われていますね。正直、現状のテクニカル、または外部リンクベースのSEOに必要とされる資質は今後のソーシャル検索に必要とされるそれと全く違う気がしなくもないのですが(サテライトサイト構築に若干あるかもですが、コンテンツマーケティングのエキスパートと自信を持っていえるレベルで仕事をしている会社も余りないでしょうし)、さてこの押し寄せる時代の変化に何人のSEO専門家、何社のSEO業者が生き残ることができるのでしょうか?私もその生き残れない候補の一人であるわけですが・・・。
後半の内容もSEOに直接は関係ありませんが、今後のウェブマーケティングの進化の方向性を正しく表現してくれていた良いインタビューだったと思います! — SEO Japan
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