広告をウェブページの上部に詰め込んでいるだろうか?それなら考え直した方がいい。一方、グーグルで検索を行い、この手のページに到達することに我慢の限界を感じていただろうか?そんな人達に朗報がある。グーグルが、上部に広告ばかりを掲載したページにペナルティを与えると発表したのだ。
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「ページレイアウトアルゴリズム」と呼ばれるこの変更は、コンテンツが大量の広告に埋もれているサイトに狙いを絞っている。
本日投稿されたインサイドサーチブログのグーグルのエントリで、グーグルは次のように説明している:
結果をクリックしても、実際のコンテンツがなかなか見つからない場合があり、不満が残るとユーザーから苦情が届いている。大量の広告が貼られたページをスクロールダウンすることなく、すぐにコンテンツをユーザーは見つけたいのだ。
そのため、「上半分」にコンテンツをほとんど用意していないサイトは、この変更の影響を受ける可能性がある。ウェブサイトをクリックして、最初に視界に入る部分にコンテンツがあまり見られない場合、もしくは、サイトの初期画面の大半のスペースを広告に割いている場合、ユーザーエクスペリエンスの質は低いと考えられる。
このようなサイトは今後上位にランクインしない可能性がある。
また、グーグルはグーグルウェブマスターセントラルのブログにも同じ内容のエントリを投稿している。
ポップアップ広告、ポップアンダー広告、またはオーバーレイ広告を利用しているサイトは影響を受けない。ページの定位置の静的な広告のみに適応されるとグーグルは私に告げていた。
上半分に大量の広告を掲載しているかどうかは、どのように判断すればよいのだろうか?グーグルのウェブ対策チームを統括するマット・カッツ氏と話している際、同氏はグーグルはサイトの遅さを検証するために提供した類の公式のツールを提供するつもりはないと述べていた(サイトのスピードもまたランキングのシグナルである)。
カッツ氏は、グーグルはグーグルが提供するツール、グーグルブラウザサイズ、もしくは同様のツールを使って、コンテンツのうち、様々なスクリーンの解像度でユーザーが最初に目にするコンテンツは(広告と比較して)どれぐらいあるのかを理解する取り組みを推奨している。
しかし、どの程度まで広告を掲載するとペナルティの対象になるのだろうか?それはパブリッシャー自身が判断することだ。しかし、このブログのエントリは、ウェブ全体と比べ、異常に多くの広告をページの上半分に掲載しているページのみに影響を与える点を強調している:
グーグルは、上半分に広告を掲載する行為は多くのウェブサイトで一般的に行われており、この広告のパフォーマンスが良く、パブリッシャーによるコンテンツの収益化に貢献している点を理解している。
このアルゴリズムの変更は普通の量の広告をページの上半分に掲載しているサイトに影響を与えるわけではなく、普通の範囲を遥かに超えて、ページの上部を過度に広告で埋めつくしているか、ページ上で実際のオリジナルのコンテンツがなかなか見つからないほど掲載しているサイトに影響を及ぼす。
この新しいアルゴリズムの改善は、ページの上半分にコンテンツがほとんど見当たらないサイト、または関連するコンテンツが大きな広告の塊によって下に押し下げられているサイトに影響を与える。
一般的に利用されているスクリーンの解像度でほとんどページの上半分にコンテンツを掲載していないなら、明らかに注意が必要である。間もなくピンチに立たされていることに気づくはずだ。なぜなら、変更の影響がもうすぐ現れるからだ。トラフィックが急に減り、広告を大量に掲載しているなら、今回の新しいアルゴリズムの影響を受けた可能性が高い。
パニックを起こそうとしている人達のために、カッツ氏がこの変更が影響を及ぼすのは世界のグーグルの検索の1%以下だと言っていた点を伝えておこう。本日の投稿でもこの点は強調されている。
ペナルティを受けたらどうすればいいのだろうか?修正を行い、数週間待つしかない。
昨年のパンダアップッデート(日本語)と同じように、グーグルはサイトを精査して、広告が多過ぎるかどうかをタグ付けしていく。このようにタグ付けされると、本日の変更の一環として、サイト全体のランキングが落ちる(特定のページだけではなく)。
ページ上半分の広告を減らしても、ペナルティはすぐには解除されない。グーグルは次回サイトを訪れた際に変化を記憶する。しかし、グーグルが新たな変更点を見つけて、“プッシュ”または“アップデート”を行い、全体のランキングシステムに統合するまで、つまり、修正を加えたサイトのペナルティを解除し、ペナルティを与えたサイトに新しい変更点を加えるまでに数週間を要することもある。
グーグルはブログの中でこの点を詳しく説明している:
ページのレイアウトをアップデートするなら、ページのレイアウトアルゴリズムは自動的にその変更的を再びクロールする際に反映し、十分な量のページを処理して、変更を評価する。
その期間は、サイトのページ数、そして、グーグルボットがコンテンツをクロールする効率等、様々な要因に左右される。
典型的なウェブサイトでは、グーグルボットがクロールを行い、サイト上の十分な量のページを処理し、レイアウトの変更を反映するまでに数週間を要する。
Googleのパンダがアルゴリズム更新ではなくランキングの1要素に過ぎない理由(日本語)では、パンダが行われた際の状況、そして、パブリッシャー達が“薄い”コンテンツに変更を加えてから、グーグルに復帰させてもらうまでにかかった時間を説明している。このプロセスは、パンダ自体は以前よりも遥かに勢いが落ちているものの、本日の変更にも当てはめられるだろう。
皮肉にも、グーグルのウェブ検索チームがこの変更を発表したその日に、私はグーグルのアドセンスチームからサイトにもっと多く広告を掲載するよう促すメールが送られてきた:
これは私の個人のブログ、Daggleに対するアドバイスであった。メール内のイメージは、グーグルがコンテンツを広告で囲む必要があると考えている点を示唆している。
当然だが、メールでグーグルが私(そして、他の人達)に紹介していた動画は、ユーザーエクスペリエンスを考慮した慎重な配置を推奨しており、ある時点で、上部が広告で覆われたページを不適切な例として紹介していた。
それでも、グーグル自身が運営するアドセンスの広告が確実にコンテンツを最大限まで下に押し下げる、もしくはコンテンツを隠そうとしているサイトは珍しくはない。このようなページは、アドセンスであれ、別の広告であれ、新しい規則の対象になるとカッツ氏は述べていた。
検索エンジンのユーザーとして、私は今回の変更を歓迎している。しかし、完璧ではないかもしれない。例えば、次に昨年私がツイートで指摘した点を紹介する:
ご想像通り、あれは私の指であり、矢印代わりである。私が求めていたダウンロード用のリンクが、その他の製品をダウンロードするよう期待するアドセンス広告に包囲されていることに気づき、私はイライラした。
このサイトは子供達がよく利用しており、誤ってリンクをクリックしてしまう可能性はある。広告主にとっては決して良いROIとは言えないのではないだろうか。ネットをよく知る大人としても、楽ではないと私は感じた。
しかし、ここでの問題はコンテンツが広告によって“下半分”に押し下げられてしまうことではなかった。コンテンツ(リンク1本)に対する広告の比率がとても高く、また、コンテンツの周りの広告が誤解を生む点であった。
もう一つ問題がある。それは、グーグルの検索結果ページが“コンテンツ”- つまり無料のリスティングをページの下に向けて押し下げている問題である。例えば、私のマックブック・プロのスクリーン(1680×1050)に映し出されている画面を以下に掲載する:
(ちなみに、スクリーンショット内の広告の周りは黄色だろうか?スクリーンショットの方が裸眼で見るよりも遥かに色が濃く見える。実際にはこの色は非常に色あせており、ほぼ見えない。この点に関して、グーグルが広告を出来るだけ広告のように見えないようにするため、意図的にデザインしていると一部の人達は指摘している。)
青線がコンテンツ、この例では、つまりゴミ箱を販売する実際の販売業者に導くリスティングを囲っている。グーグルのショッピングの結果が、グーグルを去る“本当のコンテンツ”のリスティングを押し下げていると主張する人もいるかもしれない。しかし、ショッピングの結果自体も外部の業者にユーザーを誘導するため、私はこれらのリスティングもコンテンツであると考えている。
上の例はグーグルが検索結果に表示する広告の数として最高とする3つの広告を示しており(後ほど触れるように1つの重要な例外を除いて)、極端な例ではある。だとしても、コンテンツは視界に入っており、関連する検索をコンテンツと見なすなら、ページの約半分近くを占めている。
私のラップットップの解像度はとても高い部類に入る。他の人達は私ほど多くの情報を見ることが出来ないだろう(グーグルのブラウザサイズツールは、グーグル自身の検索結果を計測することは出来ない)。しかし、グーグルはこの(私の行動を真似するのではなく、言う通りにしなさい)問題に関する非難に本気で取り組んでもらえると私は期待している。
事実、私は当初このストーリーをメインの話題の詳細と共に共有し、その後、このセクションに取り掛かった。この作業が終わると、この類の批判が、コメント欄や今回の変更に関するグーグル+の投稿、そして、フェイスブックの投稿で寄せられていた。
以下に、ダニエル・ウィードリー氏が、私のグーグル+の投稿で共有してくれた、ネットブックで見た検索結果のスクリーンショットを掲載しておく:
この例では、グーグルは珍しく4つの広告を表示している。これは、広告を最高限度の3つまで表示し、その上に特別な比較広告ユニットを掲載しているためだ。これは、グーグルが広告を上部に多数掲載しているページを狙っているなら、自分自身をもっとよく見てみるべきだと言う非難をさらに後押ししている。
注記: このエントリを投稿してから約3時間後、グーグルは検索結果ページ内の広告に対する非難に気づき、次の声明を出した:
これは、サイト全体にわたる全てのページをチェックするサイトベースのアルゴリズムである。多くの広告をもたらす検索を幾つか見つけることは可能だが、ページ上に広告が一つもない、もしくはほとんどない検索の方が遥かに多い。
繰り返すが、このアルゴリズムの変更は、ユーザーがコンテンツになかなか辿りつけず、劣悪なユーザーエクスペリエンスを提供しているサイトを降格させることを目的としている。
したがって、上半分に広告を掲載しているからと言って、この変更の影響を受けるとは限らない。ユーザーのために避けようと私達が取り組む過剰な行為を問題視しているのだ。
ランキングのシグナルおよびアルゴリズムに関するこの議論についていけないだろうか?それなら、私達が作成した動画を視聴しておこう。この動画は検索エンジンのアルゴリズムがウェブページを格付けする仕組みを簡単に説明している:
また、グーグルがアルゴリズムで用いてるその他のシグナルについて説明する、SEOのランキング要素の周期表にも目を通しておこう:
本日の変更は、新しい、重大なランキング要因であり、今後、「Violation, Ad-Heavy」(バイオレーション、アドヘビー)なサイトの頭文字を取ったVaとして、アップデートを追加していく。
グーグルは新しいアルゴリズムを展開する際、名前を付けることがよくある。昨年のパンダアップデートが良い例だ。しかし、このアップデートにはグーグルはまだ名前をつけていない(実際に私は尋ねた)。「ページレイアウトアルゴリズム」と単純に呼ばれているようだ。
簡単な呼び名にしては、退屈で、役に立たない。そこで、名前を考えたいなら、アイデアを募集しているグーグル+とフェイスブックの投稿にアクセスしてもらいたい。
それでは誠に勝手ながら、宣伝を絡めてそろそろ締めさせてもらおう。このトピックは、来月下旬に行われるSMX West Search Marketing Conference、その中でもとりわけ人気セッション「検索エンジンに訊け」で熱い議論を導くだろう。と言うことで、全ての議題をチェックし、参加を検討してみてはいかだろうか。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Pages With Too Many Ads “Above The Fold” Now Penalized By Google’s “Page Layout” Algorithm」を翻訳した内容です。
冒頭にも述べたように、Googleがウェブページをコンテンツブロック(ヘッダー、サイドバー、フッター、メインコンテンツなど)をアルゴリズムで見極める技術を持っていることは以前から明らかでしたし、検索結果の順位にその技術がある程度の影響を与えていたことは(例:メインコンテンツを重視する、フッターリンクは無視する、など)数をこなしているSEOマニアなあなたであれば当然の知識だったと思います。今回、何故Googleがこのような話を正式に表明したのか?というのが正直、未だに理解できていません。
今回の記事を書いたサーチエンジンランドもその理由には深く言及していませんが、同じ日にGoogle自身がアドセンス広告のページ毎の掲載数を増やしたリリースを出したり、Googleの検索結果自身がページ上部が広告だらけになっていることをSEO Book並みに疑問視して取り上げています。今回のGoogle自身の発表、実はアドセンス広告枠を増やしたことをさり気なく最低限の批判で密かに浸透させるためのGoogle先生お得意のブランディングコントロール的投稿だったりする気がしなくもないですが。。。
特に英語圏ではパンダアップデート後も未だに広告だらけのコンテンツファーム的サイトの多くが生き残っていますし、そんな中、アドセンス枠を増やすことは広告過多なサイトを増やしかねませんからね。ある種の予防策&リスクヘッジ的コメントだったんじゃないかと考えてしまう私も相当ひねくれてますが、さて真実やいかに。
中には大騒ぎしている人も英語圏のSEOエキスパート含めいるようですが、理由はともかく実情レベルで考えた場合、個人的には、これまである程度真面目、特にコンテンツ重視のSEOに取り組んできた人であれば何も気にすることのない発表のような気もするのですが。パンダはもちろん、先日のフレッシュネス(新鮮さ優先)アルゴリズムでさえ、SEO的にははるかに影響力ある気はするのですが。さて皆さんどう思われるでしょうか? — SEO Japan
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