新たなAPIの変更の告知を行ったツイッターは、大半のユーザーのため、そして、企業としての未来のため、ツイッター自身が間違いなくベストと思える行動を起こした。一億人から十億人にユーザーを増やすため、大ナタを振るったのだ。
しかし、そのために、ツイッターの成長を支えてきた第三者の開発者を犠牲にしてしまった。そして、この決断は、すぐには現れないかもしれないが、やがて影響が出てくるはずである。
いろいろな意味で、投稿が行われた当日は、ツイッターが長期間貯めてきたストレスが最高潮に達していたと言えるだろう。ツイッターの方針は、哲学的な違いを持つ2つの派閥によって、書き換えられてきたようだ。
まず、前CEOで共同設立者のジャック・ドーシー氏、そして、同じく設立に関わったエバン・ウィリアムズ氏とビズ・ストーン氏に象徴されるように、サイドプロジェクトとしてツイッターを始めたグループが存在した。貪欲で敏捷な開発者のコミュニティが影でツイッターの成長を支えてきた。この開発者のコミュニティは、内部のエンジニアリングの取り組みに負けず劣らずサービスの確立に貢献してきた。
反対に、現在のCEOのディック・コストロ氏に代表される、より現実的な幹部もツイッターには存在する。このグループは、ツイッターが生き残る方法を探るために全力を注いでいる。世界を変えると言う主張や壮大な意思表示はこのグループにはほとんど見受けられず、メディアパートナー、ユーザーの増加、そして、収益増のためのデータストリームの活用に関する話し合いが毎日必ず行われる。
この2つ目のグループは、ツイッターのようなシンプルで簡潔なアイデアが、大勢のユーザーが日常生活の一部として利用することで、どれほどの早さで勢いを得るのかを心得ている。しかし、残念ながら、第三者のツイッタークライアントが、本日のツイッターの成功にとってどれだけ重要であったかについては、価値を見出していない。
第三者の開発者は、ツイッターにとってはジェネシス装置に等しい。しかし、現在、エコシステムは繁栄しているにも関わらず、ツイッターは管理を強化し、10億超えを目指す上で、この装置を閉鎖しようとしている。
ツイッターが同社にとって必ずしも誤った判断をしているとは思わないが、この判断をリスクのある反競争的な方法で下しており、容易にツイッターの成功を停滞させてしまう可能性がある。
ツイッターの開発者のエコシステムは基本的に2つに分けられる。ツイートボットやツイッタレイター・ノイエ等、ツイッターの“良い”バージョンまたは“異なる”バージョンと思えるクライアントを作るグループ、そして、ツイッターをアプリやサービスに統合するグループである。
例えば、ユーザーの人数を10万人または現在のユーザー数の200%に制限するルールは、Kloutのようにデータを活用するためにツイッターを利用するアプリ、ファブスターのようにツイッターの機能の利用を宣伝するアプリ、または、ストリファイのようにツイートを集め、ツイッターの基準に沿ってツイートを表示するアプリには適用されない。また、ツイッターが“企業的”な利用に当てはまると指摘した、フートスイート等一部のクライアントもこのルールの対象から外れている。
注記: API 1.1の10万アクセス制限はクライアント*のみ*に適用され、その他のエコシステムには用いられない。^JC
– ツイッター API (@twitterapi) 2012年8月20日
ツイッターは、APIを介して提供している公式のデータの利用を喜んで認めているが、ここ数年でデータを制限しており、高額の料金を支払う企業にはより多くのアクセスを認めるようになっている。また、間もなく必須の条件となる、非常に厳しくなったディスプレイガイドラインに従っているこ限りは、ツイッターへのアクションや通知の投稿に外部のサービスが利用されていても問題視していない。
要するに、ツイッターに見えるアプリをツイッターは嫌っているのだ。
逆にツイッターが求めているのは、ツイッターのデータを利用するアプリである。
ツイッターは、ユーザーがツイートを閲覧する仕組みを完全に管理しようとしている。ツイッターはツイッターの指揮の下、第三者アプリにツイッターの望むようにツイートを表示させたがっている。しかし、この規制を行う上で、既に成功を収めているアプリを含め、活気のある第三者のクライアントエコシステムを打ち切らなければいけないと同社は感じている。この点が、最高の判断とは言えない理由である。
スタートアップが新しいサービスを立ち上げる際、とりわけソーシャルなサービスにおいて、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を稼働させることを優先事項の一つに挙げる。 これは、開発者がアプリをサービスに接続するためのコンセントであり、オリジナルのプラットフォームを繰り返し利用する、もしくは改善する様々なユーザーエクスペリエンスを提供することが出来るようになる。
例えば、ツイッターの初めてのユーザーインターフェースは、自動的に更新せず、全てのツイートのシンプルな総合的なフィードを表示し、ユーザーをフォローするための幾つかの基本的な機能が搭載されただけのとてもシンプルなウェブベースのアプリであった。主にSMSベースのサービスとして、大半のユーザーは携帯電話でフォローしていた。その後、徐々にウェブに移行し、最終的にウィンドウズ、Mac、iOS、そして、アンドロイドのネイティブクライアントに姿を変えていった。このクライアントを開発したのは全て第三者の開発者であった。
当時、ウェブアプリ以外でツイッターにアクセスすることが可能なアプリは全て外部の会社によって開発されていた。ツイッターはサイトの成長を維持することに全力を注いでおり、アプリの開発は、ツイッターのようなリアルタイムサービスのポテンシャルに期待した第三者の開発者に託されていた。
このフレンドリーなAPIは、アップストアが存在する前に、初期のツイッターアプリの開発者であるジ・アイコンファクトリーがツイッタリフィックを作成する原動力となった。サービス開始から2、3年で、ツイッターは圧倒的な開発者のエコシステムを構築していた。最終的に、アイコンファクトリーのクレイグ・ホッケンベリー氏、ギデオン・マヒュー氏、そして、デビッド・ランハム氏、さらに、iOSおよびMac用のツイーティを開発したローレン・ブリクター氏が参加するようになった。ツイーティに関しては、その後、ツイッターが買収していた。言うまでもないが人気の高いツイートボットを開発したポール・ハダッド氏やマーク・ジャーディン氏等、新たな開発者も加わっている。
ツイッター vs 開発者の議論を以前から追いかけていたなら、恐らく、ホッケンベリー氏が投稿した、ツイッターが考える前にツイッタリフィックが先に実施した取り組みをリストアップした「ツイッタリフィックが先」と言うタイトルの投稿を読んだことがあるのではないだろうか。その中には、鳥のロゴへの利用、「ツイート」と言う用語の利用、リプライや会話の完全なサポート等が含まれていた。さらに、ツイッターの収益化に用いられている#ハッシュタグもまた、第三者が始めたものである。
こういったイノベーションの多くは、会話を行う方法を編み出すため、そして、最終的に@リプライとなった一連のメッセージを作り出すために、実験を始め、活用に勤しんだユーザーのコミュニティで産声を上げていた。ツイッター上の会話をまとめる最も基本的な方法でさえ、ツイッターではなく、ユーザーのコミュニティで生まれ、本家よりも早く第三者アプリが対応していたのだ。
先程上げた数名の開発者は、ツイッターがサービスを改善するため、そして、ユーザーがツイッターなしでは生きられないほどのサービスに成長させるために、ツイッターが意のままに使える人材のほんの一部である。しかも、無料で支援してもらっていたのだ。一部の開発者は有料のアプリを開発し、自分達の取り組みに対する対価を得ていたが、これも最終的にツイッターの利益となっていた。
実際に、皆さんが大好きなツイッターアプリを開発した才能豊かな開発者のグループにアプリを作ってもらえるなら、スタートアップは何でもするはずだ。
しかし、現在、APIが変更され、ツイッターは、第三者のアプリに対して若干の成長を認めるだけで、この開発者コミュニティを事実上切ったのだ。開発者が声を上げ、今のところ何も心配することはないと主張している点は私も把握している。恐らく、彼らの言い分は正しいのだろう。ツイッターがクライアントに課した制限においては、現時点では、大半のアプリは大勢のユーザーを獲得することが可能であり、今後2、3年もしくはそれ以上成長する余地が残されている。しかし、これは既存のアプリに適用される制限であり、このような変化が開発者のビジネスに長期的にどのような影響をもたらすのかは分からない。個人的にはマイナスの影響が出ると思う。
しかし、現在、開発されているアプリを除き、優れた消費者志向の第三者のクライアントは二度と現れない点を強調しておく必要があるだろう。
単純に、クライアントを基にビジネスを構築することを目指す理由が開発者にはないためだ。ツイッターはまさにこの環境を求めているのだ。
それでは、ツイッターがエコシステムからクライアントを締め出す決断を突然下した背後にはどのような理由があったのだろうか?クライアントアプリは実はツイートの本数にはそれほど貢献しておらず、先日のランダムなサンプリングを当てにするなら(当てにする理由がある)、)ツイート全体の約23%に留まっている。そして、このツイートを送信しているグループはさらに規模が小さいと思われる。
しかし、規制はツイッターへの投稿に対してではなく、ツイッターでユーザーがツイートを読む仕組みに課されている。
ツイッターは誰がツイッターに投稿しているかは気にしていない。ユーザーにどのように表示されているかを重要視している。それには幾つか理由がある。まず、サービスを改善し、ツイッターを今後加わる大勢のユーザーにとってより良いサービスに変えること、また、利益を上げることが考えられる。
一貫性と親しみやすさ
数日前にツイッターのマイケル・シッピー氏が投稿し、この混乱を起こした「一貫したツイッターのユーザーエクスペリエンスを提供する」告知は、第三者の開発者に目に見えない不安をもたらした。開発者のこの感想は正しく、また、多くの真実を物語っていた。
ツイッターは、成長を継続させ、最終的に人々がウェブでリアルタイムの情報を発見し、共有する標準的な手段になりたがっている。そのために、どこでユーザーがツイッターを利用していても、同じ経験を味わい、同じように動くユーザーエクスペリエンスを維持しなければならない。同じ戦略を採用している企業として、OS Xのオペレーティンシステムに変更を加えたアップルを挙げておく。
アップルはiOSデバイスを購入した大勢の顧客に対してMacを親しみやすく、快適な存在にするため、大きな痛みにこらえてきた。アップルのポータブルコンピュータで実装されている次のメッセージアプリに目を通してもらいたい:
クライアント、ウェブ、モバイル、そして、デスクトップ全体でユーザーエクスペリエンスを一致させるためには、ツイッターは甚大な労力をつぎ込まなければならない。 どこでツイッターを見ても、ツイッターのように見えなければならないのだ。
残念ながら、今のところこの取り組みは大きく失敗していると言わざるを得ない。iPhone、ウィンドウズフォン、アンドロイド、そして、Macの公式アプリは大幅に異なり、忌憚のない意見を述べさせてもらうなら、その多くは目も当てられないくらいひどい。そして、以下のイメージをご覧になれば一目瞭然だが、どれも似ても似つかない代物である:
これは、開発者に対して主張する親しみやすいサービスとはかけ離れている。開発者側は、あくまでもアプリであるにも関わらず、ツイッターからクライアントをこれ以上作るなと命令され(技術的に可能でも、現実的に)、ツイッターが様々なアプリで同じようなデザインを採用したいために、異常に厳しいツイートの表示のガイドラインに従えと言われていると感じている。
しかし、新しいCards機能を広告スポンサーに本格的に利用してもらいたいなら、これは避けては通れない道であり、間もなく、全ての形式の公式アプリに大きなデザイン変更の波が押し寄せるだろう。
恐らく、全ての公式アプリにツイッターのウェブアプリのストリームを実装するネイティブの「フレーム」が内蔵されるのではないだろうか。急にツイッターが改善されるなどと期待するべきではない。フェイスブックのモバイルアプリは最悪だが、それでも大勢のユーザーに利用されている。
だからこそ、新しいアプリのバージョンをリリースすることなく、タイムラインを調節し、ライブでアップデートすることが出来るのだ。基本的には、ツイートボットやツイッタリフィックのようなネイティブのフレームワークを用いるスムーズで洗練されたアプリに対するソリューションとしては未熟だが、Cardsや広告をタイムラインに表示する方法を慌ただしく変えているツイッターのような企業にとっては、理想的なソリューションと言えるだろう。
このようなツイッターアプリのアップデートは、ユーザーに不満を抱かせ、そして、無理やり第三者のクリアントの利用者を不自然に規制するやり方は、開発者を始めとする大勢の人達から非競争的な方針と見られてしまう。ツイッターが標準的な経験としてアプリを提示するようになり、より優れたアプリを開発することを望む開発者がいなくなったら、ユーザーに対する選択肢は排除され、ツイッターのユーザーエクスペリエンスは悪化してしまう可能性がある。とりわけ品質に関して一貫性をもたすことが出来なくなった場合は尚更である。
10億への道
サービス開始当初にツイッターに加わったユーザーは有能なアーリーアダプター達であったが、ユーザベースはここ数年で大きく変わっていった。才能豊かなコメディアン、テクノロジーに詳しいアナリスト、そして、洞察力に富んだ評論家だけでなく、大勢の人々が一種のリアリティテレビとしてツイッターを利用するようになったのだ。
そして、このリアリティTVモデルは、ツイッターのユーザーの全体像を描く上で役に立つ。Bravo、TLC、MTV、そして、ライフタイムのリアリティ番組の視聴者を、ブラウン管に詰め込み、ウェブに絞りだす光景を想像してもらいたい。すると次のような感じになるだろう:
上のスクリーンショットは、今日のツイッターの公開フィードを(割と)適当にサンプリングしたものだ。公開フィードは、フォローするべきお気に入りのユーザーがいるかどうかを確認し、誰がツイッターを利用しているのかをチェックするため、そして、ただ単に情報の流れに遅れずについていくために使われていた。しかし、この使い方は、無数のツイートが毎日投稿されていくにつれ、現実的ではなくなり、そして、現在、ツイッターの利用はよりプライベートな存在になった。ツイッターは、「ファイヤーホース」、または、より限定的な「ガーデンホース」として、収益化を行う手段の一つとなり、データの分析会社や巨大メディア企業に提供されている。
ツイッターで共有されるコンテンツの全体的な形式も恐らくツイッター社内の人間ですら分からないほどに形を変えている。全体像のほんの一部しか見ていない点を思い出してもらいたい(これはツイッターの素晴らしいポイントの一つである)。ユーザーが見て、感じて、経験することは当該のユーザーのためだけに存在するのだ。決してツイッター自身のためではない。
ツイッターの特徴は個人的な経験そのものであり、他のユーザーがどのように利用しているかを把握することは出来ない。ツイッターは、広告に関してもこの特徴を活かしており、すべてのユーザーを収益に変え、利益を得ているのだ。 そして、そのメソッドとしてツイッターが選んだのが、Cardsである。
Cards + ads = Cads
マイク・アイザック氏が、Cardsこそが収益化の取り組みの今後を左右するとツイッターが確信している理由を分かりやすく説明しているため、わざわざこの点を私が詳しく説明する必要があるとは思えない。しかし、あえて言うなら、Cardsを適切に表示する取り組みは、通常のタイムラインの広告に加え、ツイッターにとって大きな懸念と言えるだろう。ツイッターは、ツイッターのタイムラインでメディアを楽しむ手段としてプッシュしているが、現実として、これはあくまでも広告である。
現在、ツイートとして表示されるタイムライン広告を提供する外部のクライアントは存在しないが、これは技術的な問題ではない。開発者は容易にツイッターの広告を自分のアプリのタイムラインに統合することが出来たのだ。実際に、私が話しを聞いた開発者の多くは、抑圧される代わりにこの規則があれば、喜んで従っていたと答えていた。
メディアやその他のコンテンツを含むツイートを拡大したCardsは、すべてのクライアントにプッシュする上で、遥かに技術的な難易度が高かったはずだ。また、ツイッターがCardsに大きな期待をしているなら、この広告を全てのクライアントに適切に表示することが出来なければ、大きな痛手を負うだろう。
そして、現在ツイッターを支配するグループは、どんな代償を払ってでも、外部の投資に頼らずに、継続的に利益を上げることに明らかに執着している。
つまり、ツイッターは統合したインハウスのクライアント戦略に命運を託し、大勢のユーザーにとって魅力的であり、広告に対する理想的なインキュベーターである経験を作り出そうとしているのだ。 しかし、この賭けは功を奏すのだろうか、それとも、開発者に対するこの仕打ちはマイナスの影響をもたらすのだろうか?
現時点で、ツイッターのAPIを活用する開発者は、クライアントであれ、現在優遇されているその他のタイプのアプリであれ、今後の自分達の運命について確証を持つことは出来ない。確かにクライアント以外のアプリはツイッターのビジネスプランから外れていないものの、ツイッターが方針を180度変えたらどうなるだろうか?
ツイッターは既に同社の未来を確かなものにするためには、躊躇せずに開発者のビジネスを犠牲にする姿勢を見せている。
楽観視しているなら、少しは心配するべきである。ツイートライブラリ、そして、クロスプラットフォームシンクサービスのツイートマーカー等のアプリを開発したマントン・リーセ氏は、「私のアプリにとっては、もっとひどいことになってもおかしくはなかった」と述べている。同氏は、「すぐに変化することと言えば、ツイートを表示する方法に関するガイドラインに従っていることを確認するくらいだ。 しかし、認証されたユーザーの人数に関する新たな規制は、ツイッターがAPIを使って、競争を制限し、開発者にとって魅力的ではないプラットフォームにしようとしている点を如実に物語っている。」と述べている。
さらにリーセ氏は「ツイッターのアプリのアイデアにとって、そして、UIの革新において黄金期とも言える2、3年前を振り返ることになると思う。」と続け、「私達は素晴らしい結果を残した。明日、ツイッターアプリの開発を止めることはないだろう。また、ツイートマーカーを今後も運営していくつもりだ。しかし、私が構築したいと望むタイプのアプリにとって、ツイッターに未来があるとは思えない。」と結んだ。
そして、リーセ氏の感情は、私が話しを聞いた多くの開発者に共通していた。ビジネスが今すぐには影響を受けないとしても、彼らは落胆しており、ツイッターで大きな賭けをする気はなくなったようだ。また、投資家達にもこの不安は伝わり、ツイッターが関連するプロジェクトから撤退する可能性もあるのではないかと考えている。
この利益志向の恥ずべき体質は、先日のブログの投稿に掲載されていた個性のないチャートによく反映されている:
このチャートは、ツイッターが新しいAPIの規則の下、“承認”したアプリ、そして、承認しなかったアプリの種類を描いていた。これは開発者との関係、そして、イノベーションをもたらし、コアとなる製品を強化する手段として第三者の開発者を歓迎するスタートアップのメンタリティを絶ち切った証拠になっている。
スタートアップの歴史において、このタイプの循環するAPIのサポートは、新しい会社に共通する特徴である。スタートアップは、アプリに対するサポートを得るための餌としてAPIのアクセスを提供する。しかし、アクセスが害を与えていると理解した場合、もしくは収益を得る上でマイナスに働いていると感じられた場合、利用を制限するようになる。
しかし、ツイッターは外部の開発者の取り組みから非常に多くのメリットを受けてきたため、背を向けるのは特に無神経だと感じられる。開発者の自信と情熱を失ったことで、どれだけツイッターを成長させる取り組みに影響が出るのかについては、現段階では何とも言えない。
何も変わらないかもしれないし、変わる可能性もある。いずれにせよ、リスキーな決断であることに変わりはない。ツイッターの主なユーザーベースには影響は出ないかもしれないが、そもそもツイッターを構築した人達を含む – 誰よりも熱意を持つ支持者やユーザー達はツイッターへの見方を確実に変えている。 そして、彼らは大勢のユーザーを連れてきたときと同じように、大勢のユーザーをツイッターから連れ去ってしまう可能性がある。
その中には、App.netやHeello等の新しいプラットフォームに期待しているユーザーもいれば、リアルタイムコミュニケーションの未来としてツイッターを信頼することが出来るのか疑問視し始めているユーザーもいる。
ツイッターには難題が待ち受けている。開発者のコミュニティに関する問題は自業自得であり、拡大を続けたいなら、クライアント以外のアプリおよびサービスへのサポートをもっとアピールする必要がある。また、すぐに全てのアプリを改良する必要がある。ツイッターは、はっきりとユーザーにツイートを読むには公式のアプリを使うべきだと伝えているため、質の高いアプリを作成しなければならないのだ。
ツイッターを収益性の高いサービスにするのは至難の業であり、また、新たなユーザーおよび既存のユーザーにとって適切なサービスで在り続けることも難しい。コアの経験に一度にあまりにも多くの変更を加えると、テクノロジーのプロ、次にアーリーアダプター、そして、さらには“一般”ユーザーにも見切りをつけられてしまう可能性がある。
ツイッターの素晴らしさは、ユーザーの思い通りに作り上げることが出来る点である。バーチャルな井戸端会議の場にすることも、ニュースサービスにすることも、緊急時のコミュニケーションの手段にすることも、そして、実在する世界と人々に関する重要な情報源にすることも可能である。
現在、ツイッターは大きな転換期を向かており、収益を稼ぎ出すプレッシャーに晒されていたとしても、その精神を維持してもらいたいと私は切に願っている。
この記事は、The Next Webに掲載された「Twitter wants a billion users, and it’s prepared to sacrifice developers to get there」を翻訳した内容です。
現在のメインの経営チームにしてみれば、当然ツイッターを今後大成長させていきたいのでしょうし、その過程で行われた仕様変更、ということで、残念に思う人もいるかもしれませんが、記事にもあるように「ツイッターへの投稿に対してではなく、ツイッターでユーザーがツイートを読む仕組み」への規制が中心ということですし、個人的には納得せざるえないかとは思っています。その利用者数は利用頻度に比べるとビジネスとしてはまだまだ大成できていないとも感じるツイッター、私も1ユーザーとして日々の情報収集や情報配信でお世話になっていますし、今回の変更を機により大きな成長を目指してがんばってほしいと応援したいと思います。
さて皆さんは今回の変更どう思われるでしょうか? — SEO Japan [G+]
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