多くのトラフィックをサイトに送り込み、コンバージョンを増加させ、大勢のユーザー達とソーシャルメディアで交流する。ソーシャルネットワークでの取り組みをさらにレベルアップさせたいだろうか?それなら、ソーシャル-SEOグループを結成し、相乗効果を活かし、コラボレーションを促進し、そして、ソーシャル & SEOの双方の分野で、さらに良好な成果を出す試みを行おう。
オンラインでのマーケティングの取り組みを統合する上で最も重要なのは、縦割りの構成を破壊し、ブランドおよびエージェンシーに良い結果をもたらすことだ。ここで鍵を握っているのが、ソーシャルマーケッターとSEOマーケッターである。
マーケッターとしての最終的な目標は、PPC、SEO、ソーシャル、そして、ディスプレイのグループをシームレスに連動させることだ。しかし、今回は、SEOのデータを活用して、SEO-ソーシャルチームを組織する方法に焦点を絞って説明していく。
目次
多くの会社においては、ソーシャルチームが、オーディエンスが何を求めているのかに関する理解を基に、ユーザー、顧客、そして、インフルエンサーに対応する。ソーシャルメディアマーケッター達は – 交流の目標を考慮し、何をツイートすればいいのか – と言う大きな疑問を抱えている。この問いに対して、私は常に – オーディエンスにとって重要なことは何か – と逆に質問を返すようにしている。
マーケッター達は、通常、ツイッターのストリームに目を通して、オーディエンスが何に興味を持っているのかに関して、キーワードとハッシュタグを探す。この取り組みを行うと、ある程度、アイデアを得ることが出来る。また、フォロワー全体を見渡し、コンテンツと興味を分析しようと試みる。しかし、大勢のフォロワーを持つと、規模に関する問題が生じる。このアプローチは、ユーザーが少なく、ある程度興味の範囲が絞られる場合は効果を上げるが、数百名のフォロワーが対象になっている場合、現実的ではない。
それでは、SEOサイドを見ていく。SEOのチームが、オンページの最適化を巧みに行い、競合者よりも優れたリンクプロフィールを構築していると仮定する。すると、当然の流れとして、次にソーシャルメディアを使って、さらにランキングをアップさせる取り組みを行う。オンページの最適化とリンク獲得の試みだけでは、トップ10入りが難しい可能性がある。この壁を打ち破る鍵がソーシャルメディアであり、ここでコラボレーションを行う機会が生まれる。
キーワードはオーディエンスに関連する用語であり、オーディエンスはキーワードを使って、興味があるトピックやテーマを検索している。また、このようなキーワードを持つコンテンツには、オーディエンスの注目、関心、そして、マインドシェアを獲得する可能性を高める効果が見込める。そこで、ユーザーにとって何が重要なのかを考える際は、キーワードを使って表現してもらいたい。
SEOの担当者はキーワードを把握している。ページのランクとコンバージョンを高める取り組みを行う上で、キーワードに対する詳細な分析を実施しているためだ。この知識を活用し、ユーザーにとって重要なキーワードを特定しよう。SEOチームが多数のキーワード、特にロングテールのキーワードを持っているなら、リストに目を通して、ユーザーにとって最も重要な関連するキーワードのグループを選んでいく。
このステップでは、単純にキーワードを特定するだけでなく – キーワード、つまりオーディエンスが関心事を表現する上で実際に利用しているワードの観点から、オーディエンスの興味を検討する考え方を身につけてもらいたい。
ステップ 1で特定したキーワードの中で、キーワード/テーマが、ユーザーの関心にどれだけ存在するかを評価する上で役に立つ基準を探す。以下にこの取り組みを行う際に役立つメトリクスを2つ挙げる:
ツイッターのキーワード量は、リアルタイムでユーザーにとって何が重要なのかを示唆している。あるキーワードに対するキーワード量が増加していると言うことは、当該のトピックがトレンドになっており、ユーザーにとっての重要度が上がっていることを意味する。これは当該のトピックの勢いを利用する絶好のチャンスと言えるだろう。
それではデータを集めよう:
ユーザーにとって何が重要なのかに基づき、適切なキーワードを選択する取り組みは、このプロセスの鍵であり、また、ソーシャルメディアの取り組みに優先順位をつける上でも役に立つ。以下にこの取り組みのアプローチを幾つか挙げていく:
このステップを終える頃には、ツイッター戦略のコアとなるキーワードのリストが出来あがっているはずだ。
SEOの担当者は、キーワードのページマッピングを熟知している。ターゲットのキーワードを共有し、それぞれのキーワードに対して最も最適化されているページを尋ねよう。
また、このタイミングでキーワードの優先順位を練り直すことも出来る – 一部のページが、ランキングまたはコンバージョンに関して、良好なパフォーマンスを見せているなら、当該のページに散りばめられたキーワードの優先順位を上げることが出来る。
既に入手したデータをまとめる – これで、ユーザーにとって重要なトピックに関連するキーワードのリスト、また、ツイッターの取り組みに優先順位をつける上で役に立つキーワードのリスト、そして、キーワードに対して最適化されたページ(コンテンツ)を持っていることになる。
ステップ 5の小見出しでは、意図的に「作成」と言う言葉を使った。なぜなら、ただ単に大量のツイートを送ればいいわけではなく、適切なタイミングで、適切な言葉を使って、適切な内容のツイートを送信する必要があるためだ。また、適切な配置も重要である。
適切なタイミング: リアルタイムでトレンドになっているキーワードを利用しよう。時間、曜日等、テストしてタイミングを絞り込むことも可能だ。
適切な言葉: ユーザーが関心を持つトピックに関して、連想する言葉を把握しているはずだ。このようなキーワードをツイートに盛り込む必要がある。このキーワードを持つツイートがトレンドになっているためだ。ツイートの本文、または、ハッシュタグに掲載することが出来る。この点に関してはテストを実施する必要がある – ステップ 6で詳しく説明する。
適切な内容: キーワードに対して最適化されたページ上に存在する。このページのURLをツイート内に盛り込もう。
内容は重要 – 言いたいことをツイートするには、ツイートの構成に関するアイデアが幾つか紹介されている。
適切な配置: プロモツイートは、ユーザーがトレンド(キーワード)の検索を行った際に検索結果ページの上、そして、ツイートがユーザーに関連している場合、ホームのタイムラインの上部に掲載される。
プロモツイートは、ツイートのビジビリティを改善するだけでなく、アドワーズを使ってキーワードを見つける取り組みと同じように、ツイートがユーザーの共感を呼ぶかどうかをテストする上でも効果的である。ツイッターに用意されているこのプロモツイートに関する説明には、この取り組みを始める上で必要な情報が掲載されている。予算に余裕があるなら、プロモツイートの利用を検討してもらいたい。
ステップ 1から6を振り返っていく。適切なキーワードを含み、適切な内容が盛り込まれたツイートは、関連するトピックがトレンドになっているタイミングで、ユーザーの注目を集め、その結果、より多くのユーザーがクリックする。また、ツイートを送信する度にフォロワー(重要なフォロワー)が増加し、ランディングページのコンバージョンが増えるようになり、ユーザーエンゲージメントも高まる。
それでは、実際にこの成果をどのように測定すればいいのだろうか?ターゲットのオーディエンスに関する知識、そして、繰り返しA/Bテストを実施する取り組みが鍵を握る。このステップの最終目標は、以下の問いに対する答えを得ることだ:
何がうまくいくのかをテストする時間が限られている点を忘れないでもらいたい。簡素で、実行に移しやすいテストプランを策定するべきである。このテストを実施し、何がうまくいっているのかを把握するためには、メトリクス(ツイッターと自分のサイト)、そして、メトリクスを記録する追跡メカニズムが必要である。
ツイッターのメトリクス: ツイッターで直接メトリクスとアクティビティを分析することを薦める。ツイートのURLがクリックされた回数、RTの数、そして、お気に入りの数を確認して、ツイートがユーザーを引きこんでいるかどうかを感じ取ってみよう。
また、フォロワーの人数の変化にも注視する必要がある。変更がツイッターの取り組みの結果である点を把握する際は、あまり多くの変数を一度に取り扱わないように注意しよう。
加えて、このプロセスの一環として、次のように主観的なフィードバックを集める取り組みを薦める:
サイトのメトリクス: ユーザーにRT、お気に入り、または、ツイート/RT内のリンクをクリックしてもらえたら、第一段階をクリアしたことになる – つまり、ツイートは、オーディエンスに注目してもらえたのだ。ただし、あくまでも
第一関門
を見事に突破しただけである。ユーザーを実際に引き込んでいるかどうかを知るには、サイトで有意義な行動を起こしているかどうか – つまり、コンバートしているかどうかを確かめなければならない。サイトで計測することが可能なメトリクスの例を以下に幾つか挙げていく:
ランディングページに対する上述したメトリクスが改善しているなら、喜ばしい限りだ。
測定メカニズム: 何が功を奏しているのか、何が失敗しているのかを把握するため、ツイッターの取り組みの影響を特定するには、テストの結果を測定し、功績を振り分けていく必要がある。トラフィックが発生している場所を表示する、ウェブ分析プラットフォームのリンク短縮サービスやマーカーは、便利である。
さらに正確な測定を行うため、少数のキーワードとページを選び、期間を設定し、上のメトリクスから一つ、または幾つか選択し、念入りに計測していこう。この期間中は測定に集中し、速やかに実施するべきである。
思い出してもらいたい。オーディエンスの注目をピーク時に獲得することが理想である。ただし、タイミングを逃しても、落胆しないでほしい – 学んだことを次のキャンペーンに活かせばいいのだ。
SEOチームは恩恵を施すだけでなく受ける側でもある。グーグルとビングが明確に指摘(日本語)しているように、ソーシャルのシグナルはSEOにおいて重要である。このようなツイートを理解するサイトによるハロー効果は、検索エンジンのランキングに影響を与える。
ソーシャルはSEOにプラスに作用するだけでなく、トラフィックも呼び込む力を持つ。従って、SEOチームが、一部のページに対して、ソーシャルメディアでの勢いを求めているなら、上述したようにソーシャルチームと協力し、より戦略的にツイートを送信することが可能である。
すると、SEOチームは、ページに対するツイートの本数とランキングを関連を見出し、何がうまくいっているのかを評価することが出来るようになる。例えば、ソーシャルチームと共有するページに対するツイートの本数が増加しているなら、ランキングとの前向きな相関関係が存在するかどうか確かめてもらいたい。
ランキングに影響を与える上で、大量のツイートが必要なわけではない点に留意しよう。例えば、「アドビが検索データを使って、クロスチャンネルのセールスを増加させた方法」の中でも指摘されているように、アドビはたった7本のツイートを介して、28位から2位にジャンプアップしている。
一流のデジタルマーケティングエージェンシーのPerformicsは、Feeding Americaがツッターを使って、同団体の活動に関心をもってもらい、寄付や奉仕活動等の行動を起こしてもらえるように支援を行った。
適切なトラフィックを特定のページに送り込むことが、一つ目の課題であった。Performicsはステップ 1からステップ 6で紹介したプロセスに従って、キーワードをベースとしたオーディエンスに接触し、飢餓問題に関するページに導くことに成功した。その結果、ツイッターからのトラフィックは、キーワードベースのプロセスを実施する前と比べ、250%増加した。
Performicsの偉業に関する詳細は、ツイッターのディベロッパー向けのサイトに掲載されている。
ツイッターのデータの「ファイヤーホース」を確認し、キーワードおよび検索に最適化されたページを求めることで、ソーシャルメディアに大きなインパクトがもたらされるだろう。ソーシャルを重用し、検索への影響を計測する取り組みは、今年、ますます重要性を高めていくだろう。
検索とソーシャルの取り組みを統合することで、ブランドのビジビリティおよびコンバージョン率は改善される。適切なコンテンツを、オーディエンスが必要としている時に、オーディエンスが訪問する全てのチャンネルで、魅力的な方法で提示することが出来るか否かが重要な鍵を握るだろう。
SEOチームと協力することで、ソーシャルチームは、ユーザーにとって重要なことを把握し、適切な時期に支援するコンテンツを提供することが出来るようになる。一方、SEOチームは、ソーシャルメディアによるプロモーションから利益を受けることが出来る。こうして、正確なデータを基に検索チームとソーシャルチームのコラボレーションがさらに前進していく。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Take Twitter Campaigns To The Next Level With SEO Data」を翻訳した内容です。
それがTwitterのトレンドワードかはともかく、リアルタイムに旬のトレンドを追いかけてそこに対応するマーケティングを仕掛けていく心意気が素敵ですし、実際それで大成功する場合もあるんですよね。この記事を読んで先日行われたアメリカのスーパーボウルで起こった停電を速攻でCMに反映させたオレオの例が頭に浮かんだ人もいるのではないでしょうか。
ウェブのリアルタイム性が革新的に進みつつある、これからはリアルタイムウェブの時代だ、なんてことが数年前まで叫ばれていたのを思わず懐かしく思い出してしまいましたが、ソーシャル、コンテンツ、インバウンド等のキーワードが注目されているウェブマーケティング業界、今日のウェブが持つリアルタイム性にも改めて注目してみる価値は十分にありそうです。 — SEO Japan [G+]
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