VCの考え方:あなたのスタートアップは、機能、製品、それともビジネス?

公開日:2013/05/23

最終更新日:2013/05/23

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世界各国で続いているスタートアップブームですが、多くの成功したスタートアップは時に人によっては何かの1機能にしか思えないようなことに徹底的にフォーカスして成功しています。最近でいえばTwitterしかしInstagramしかしDropboxしかり。それらのスタートアップの多くは、「こんな小さな変化はそもそも投資対象になるのか?」と初期段階で投資家からの資金調達に苦しんだ会社も多いようです。ユーザーをある程度抱えてくるとその態度も一気に変わるわけですが 汗、今回はそんなスタートアップとその成長の可能性について、その製品機能から投資家的観点で考えてみた興味深い記事を。 — SEO Japan

ジュニアVCとしての自らの発展を通して、私は、自分が起業家の友人たちと同様の質問をしていることに定期的に気が付く。

過去のピッチの亡霊たちは抜きにして、私は他人の洗練された判断と実行策から知識を拾い集める。それをこのように解釈する:ベンチャーキャピタリストは、1つの視点を基に、理想的には採算性を証明する視点を基に行動してお金をもらう。しかし、VCはどのようにして、何が自分のお金に対して何倍も返すことになるのかを、多くの場合結果の出る何年も前に、特定するのだろうか?彼らは、そのような決断をする時、何に注意を払うのだろうか?

基本中の基本のフィードバックでさえも分かりにくいように思える。

たった1つのこと

創設者は、“1つのことをやれ。それを上手くやれ。”と、たびたび言われる。Instagramは、簡単な作業―写真のモバイル共有―に焦点を絞り込んだ勝者としてよく取り上げられる。Instagramの前身、Burbnは、雑然として機能が溢れかえっている感じがした後、ロケーションチェックインやソーシャルイベントプランニング関連のその幅広い提供物と共に解体された。InstagramのCEO、Kevin Systromは、“1つのことに焦点を合わせて、それを本当にうまくやることが、あなたをはるか先へと到達させることができる”と言った。実際、10億ドルまで。

羨望の合図。人気に便乗するプレイヤーにファンディングを流し込むことの合図。ある時は、あまりに多くの動画用のInstagramがあったために、The Next Webはトップ10を選ばざるを得ないように感じた。

OK、それは簡単なことだ。1つのタスクを実行すること。

早まるな。創設者たちは、時々、自分たちが本当のビジネスを築いていないということも耳にする。それどころか、彼らはFNAC(Feature Not A Company)―ページ上のただのボタン―として拒否される。確かに、かなり多くのテクノロジー巨大企業が、それを作ることはできるが、これはどれくらい正当化できるのだろうか?New Atlantic VenturesのThanasis Delistathisは、AppleやGoogleやMicrosoftのような一流企業は、“事業科目に稼ぎ頭を作った…彼らの成長への探求は、機能を配布するためにたくさんのお金を費やす”と、賢く指摘した。

しかし、私たちが目にしてきたように、そのエコシステムは多くの勝者に結果をもたらすことができる。Spark CapitalのAndrew Parkerは、抜け目なく、Craigslistのホームページを分割して、このディレクトリがどのようにHomeAwayやOkCupidやStubHubのようなカテゴリ指向の企業に取って代わられたのかを示している。それは、ウェブ中で定期的に共有されている画像だ。しかしながら、いかにしてCraigslistが基本的なHTML/CSSとより少ない機能を用いて“独占はしていないとしても”競争し続けているかに対するParkerの驚きに、まれにコメント投稿者が注意を向けている。確かに、Parkerさえも“アダルトサービス”のセクションを探索することに興味をそそられていたようだ。

では、どうやってこの“1つのこと”を定義し特定するのか?機能とは一体何なのか?製品?そして、投資家はビジネスとは何であると考えるのか?

見方の問題

秘密はこうだ:投資家自身は、これらのアイデンティティの違いを詳しく説明しようと四苦八苦することが多い。TwitterはFacebook上の単なるステイタスバーの機能だったのでは?Foursquareの1年後、2010年にFacebook Placesはローンチした。ではFoursquareは機能としての資格があったのか?

Benchmark CapitalのBill Gurleyは、Dropboxは“難しい問題―ファイルの同期―に取り組んでそれを超簡単にした”ため、Dropboxは“大きな混乱”であると主張し、信じない人達はファイル同期は製品ではなく機能であるというSteve Jobs陣営に分類されたため、非難された。Scale Venture PartnersのRory O’Driscollは、機能のラベルは褒め言葉と取られるべきだと言ってGurleyを擁護した。“今日ソフトウェアでけん引力を得るためには、機能―原子単位の喜び―から始めなければならない。あなたは、見事に1つの問題を解決しなければならない。”Dropboxは現在のところ、40億ドル以上の値段が付けられている。

Google、Yahoo、そしてもっと最近ではMailboxが、自分たちの立場の主観的な見方を基に、背を向けられたもしくは資金供給されたその他の例だ。DisqusUserVoiceのようなスタートアップはどこで最初に調和したのだろうか?共通の要素を見つける試みは複雑だった。

議論をまとめると、機能は行為を遂行する。製品、通常は機能のパッケージが、問題を解決する。ビジネス、潜在的に製品のパッケージが、ユーザーに繰り返し発生する価値を提供する。理想では、これらのユーザーは、いくらかの測定可能な通貨(データ、時間、お金)を代わりに提供する。さもなければ、それはとりわけ持続可能なビジネスではない。今日破壊的で奇抜かもしれないことが、明日はページのボタンになるかもしれないし、それが結果的に投資家の態度を変えるということを頭に入れておくことだ。もっと言うと、アーリーステージでは投資家が完璧な会社を目にすることはほぼ皆無で、機能と製品を介したチャンスの核心を目にするのだとも議論される。

いいね。では、これはどのように資金調達することに当てはまるのか?

機会を評価する

FoundryのJason Mendelsonは、FNACに関する議論は、1つの質問に帰着すると述べた:これは投資すべき十分な大きさの機会なのか?

ベンチャーキャピタリストは、1つの主要な‘こと’―つまり、予想―に基づいて機会の規模を評価する。投資家は、マネージメントや政治やブラック・スワンに関する懸念を調査する前に、競合相手(現在と見込み)と顧客(これもまた現在と見込み)の行動を予測する。彼らの興味は、正確に狙ってから、時間と資金を可能性の高いエグジットに積むことだ。彼らは、予測に基づき、証拠に後押しされ、賭ける。

競合相手について検討する時、VCは、“再現するための課題は何か?”と尋ねるだろう。より多くの才能、財政、規模を自慢にするかもしれない現在および未来の競争相手がいるなら、どこが競争力なのか?一部の企業にとっては、これはユーザーの定着したネットワークかもしれない(Evernote、Buzzfeed、WhatsApp)し、他の企業にとっては、複雑なアルゴリズムから集められた洞察力のある情報の貯蓄かもしれない。こういった機会は難攻不落なのか?

顧客について検討する時、ベンチャーキャピタルは、“トレンドは何か?”と尋ねる。人々が顧客になるために自分自身を乗り越え、それがとても特別だからその解決策を同僚に説いているということを示すシグナルはどこにあるのか?良い例が、両面性のある市場を築くという難題と見知らぬ人の家を借りるという最初の疑問視にもかかわらず国内および海外での上昇と飛躍によって成長したAirbnbかもしれない。

実験的(少なくともこれは良いストーリーを助長する)から実用的(私はただ最も手頃で楽しく便利な滞在を求めている)への体験のシフトが、多くの人の心と財布を開かせる秘訣だ。

この“1つのこと”へ戻ると、ラベルは無視することだ。先手を打つために焦点を活用するのだ。ビジネスではなくエネルギッシュな組織を作るのだ。

画像クレジット: Thinkstock


この記事は、The Next Webに掲載された「How VCs think: Is your startup a feature, a product or a business?」を翻訳した内容です。

若干、後半尻すぼみな終わり方になってしまった気はしますが、スタートアップ起業家、事業運営者の立場からは集中することの重要さや、その価値を投資家に理解させることの難しさは感じることができた記事でした。ま、結局はアイデアだけでなくある程度ユーザー数等で結果を出さないと投資家も判断できないことって多いのでしょうけど。TwitterにしてもInstagramにしても、まさかあそこまで流行るとは当の本人たちが一番思っていなかった気がしなくもないですし。逆にそういう有象無象のスタートアップの中から原石を発見して投資できるかがVCの実力なのでしょうか。ま、起業家は未来を信じて頑張るだけですね。。。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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