花嫁の付添人がビジネスについて私に教えてくれたこと

公開日:2011/08/26

最終更新日:2024/02/17

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アメリカ映画の結婚式のシーンを見ていると、花嫁の側にいつも一緒にいてお世話をしている友人女性が良く出てきます。あれは単におせっかいな友人という訳ではなく「ブライズメイド(花嫁の付添人)」という、アメリカの結婚式では伝統的なれっきとした役割なんだそうです。今回はシリアルアントレプレナーの筆者がそんなブライズメイドにビジネスについて学んでみようという試みにチャレンジ。意外と参考になる点があったようです。 — SEO Japan

今日私は、友人のコリー・ハーディーとランチをした。彼女は、ブライズメイド(註:米国の結婚式では一般的な花嫁の付添人のこと。結婚式で花嫁のサポートを色々する独身女性。多くは花嫁の友人が担当。)を4回経験したことがあるだけでなく、自らブライズメイド関連のビジネスを営んでいる。私が初めてコリーと会った時は、他の起業家から資金のための売り込みを受けるものだと思っていたのだが、話し始めると彼女はビジネスについてたくさんのことを私に教えてくれた。

ここでは、ビジネスについてブライズメイドから学べることを紹介しよう:

人は理屈からではなく感情から購入する

あなたは、ブライズメイドの80%が一度着たドレスを二度と着ないことを知っていただろうか?彼女達は1着のドレスに数百ドルもかけるのに、それを結婚式の間の数時間しか着ないのだ。

ブライズメイドのドレスは安くすませることもできるが、生来、女性は自分を綺麗に見せてくれ、気分を良くしてくれる服を買いたいものなのだ。それに、ダサいドレスを着たい人などいない。

もしあなたが何かを売ろうとしているのなら、常に人々の理屈に訴えかける必要はない。感情に持ち込むことができれば、販売することはできる。そして、多くの場合、感情に訴えることは理屈に訴えかけることよりも強力なのだ

最高のビジネスとは、問題を解決するビジネスである

先に述べたように、コリーはブライズメイドの経験が4回ある。彼女はブライズメイドになる度に、ドレスにおよそ250ドルを費やした。もっと大変なケースでは、19回のブライズメイドの経験がある彼女の親友は、一度しか着ないドレスに合計で4000ドルも使ったというのだ。

トレンドを追って結局一度しか着ないドレスを買う代わりに、コリーはブライズメイドがドレスをレンタルできるビジネスを思いついた。この方法なら、彼女達はドレスを購入する時に比べてほんのわずかの金額を支払うだけでいいのだ。

彼女のビジネスモデルは少し型破りに聞こえるが、本当の問題を解決している。人は、実際に使わないものにたくさんのお金を使うことを嫌う。

あなたがビジネスを始める前には、自分が本当の問題を解決していることを確かめるのだ・・・できれば、これまでに解決されてこなかった問題を

価格決定を軽く見ないこと

なぜ新婦やブライズメイドは100ドル以下のドレスを選ばないのかとコリーに聞いたところ、そういうドレスは安いために質が低いと受け取られているからだと彼女は答えた。ブライズメイドは何百人もの人の前で自分の印象を悪くするようなものを着たくないのだ。

コリーは良いブライズメイドドレスをずっと低い値段で作ることができるが、彼女はレンタルごとの価格を100ドル以上にキープしている。それは、値段を低く設定すると利益が出ないからではなく、人々は価格が高い方が彼女のドレスをより良いものとして受け取るからなのだ。そして私が、どうやってこれを見いだしたのか彼女に尋ねたところ、彼女はこれを見込み客へのアンケートで知ったのだと教えてくれた。

あなたが自分の製品やサービスに価格を付ける際には、コストや競合相手の価格だけを基にするべきではない。自分の顧客が喜んで支払う金額を基にすべきである。あなたも、コリーのように、より高い金額を付けた方がより多くの顧客を獲得することになることを知るかもしれないのだ。

意思があれば手段はある

コリーは今30代前半で、初めてのビジネスを始めたばかりだ。彼女はたくさんのお金を持っているわけではないが、ブライズメイドに関するビジネスを築くことに本当に情熱的だ。そしてもっと大切なのは、ブライズメイドがお金を節約することに役だっていることだ。

彼女にどうやって生計を立てているのか尋ねたところ、彼女は両親と一緒に住んでいるため賃料を払う必要がないのだと説明した。彼女は食事を家でとり、パーティーには出掛けない。そして、ブライズメイドビジネスのために出張をする時には、ホテルに滞在するのではなく、なるべく家族や友人のところに滞在する。

もし、あなたがビジネスを築きたいがお金がないのなら、それを実現する方法は存在する。両親の元に戻るとか友達からお金を借りるとか工夫する必要があるだけだ。もしくは、私の相棒がしたようにJ-Crewの洋服を返品することだ。彼は、そのお金で3850万ドルの利益をあげた会社を作った。

物事は細部が難しい

ブライズメイドは、ドレスがどう見えるかだけでなく、それが自分の体にどうフィットするかに関してもうるさい。えり好みすることは何ら悪いことではないし、実際そういった細かいこと全てに注意を払うことは良いことなのだ。

もしあなたが自分のビジネスの小さな細かいこと全てに注意を払ってうるさくなることができれば、実際に物事はずっとスムーズに進むことになる。それに加え、あなたは、自分の顧客がより満足してあなたの会社がいかに素晴らしいかを他の人に伝える傾向が強くなることに気が付くだろう。

これの良い例が、Zapposだ。彼らは、時々顧客への配送を翌日配達に自動的にアップグレードするだけでなく、顧客をさらに満足させるために、1年間の返品条件までオファーしているのだ。

簡素さが究極の精巧さ

新婦たちは、ウェディングのプランに関してはやるべきことがたくさんある。だから新婦に多くのことを投げれば投げるほど、彼女達のストレスは増える。しかし、もしあなたが新婦を楽にしてあげれば、彼女達はより幸せになるだろう。

コリーは、一般的に新婦はストレスを抱えていて、彼女達はブライズメイドのドレスを選ぶことに関して余計なストレスを求めていないのだと気がついた。だから、コリーは以下のようなシンプルな手順を取ることにした:

  1. ドレスを伸縮素材で作ることで、全てのサイズにフィットしつつ美しく見えるようにする。
  2. 新婦にドレスを配送することで、ブライズメイドを店舗によこす必要をなくす。
  3. 梱包と荷札を提供することで、ブライズメイドがドレスを使用した後に簡単に返送できるようにする。

あなたが自分の顧客を楽にすることができれば、彼らが戻って来てあなたの所でお金を使い続ける可能性は高くなる。高級デパートのNordstormを見てみるのだ。彼らはあなたの買い物体験を簡単にするだけでなく、素晴らしいサービスも提供している。

最後に

あなたは、ブライズメイドからビジネスについて新しいことを学べるなんて期待していなかったのでは?私も期待していなかったが、それは、どんな時もどんな人からでも新しいことを学ぶことができることを示している。

本を表紙で判断してはならない。経験豊富な起業家から学ぶのと同じように子どもからだってビジネスについて多くのことを学ぶことはできるのだ。


この記事は、Quick Sproutに掲載された「What a Bridesmaid Taught Me About Business」を翻訳した内容です。

スタートアップ起業している、したい人には最適なアドバイスがたくさんありましたね。最高のビジネスとは、「見た目がかっこいい」でも「アイデアがクール」でもなく、「問題を解決するビジネス」なんですよね。ウェブサービスの場合、機能を詰め込みすぎたり見た目を凝り過ぎがちですが、「簡素さが究極の精巧さ」 なのも納得ではないでしょうか。シンプル・イズ・ベスト、使いやすいデザインといっても、意外とやってみると難しいものです。スタートアップだけじゃなく既存のビジネスを運営している人にも参考になる点多しな記事でした。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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