リビアの暴動がいまだに盛んなため、今週初め私達は、成り行きが進展した時に確かな報道を手に入れることが可能な信頼できる場所を調べた。その中には、ReutersやBBCのような一般的なニュースサイトもあったが、現場で自分が目にしたことをレポートしている多くの市民もいた。
このような政治的社会的事件が、いかに市民のジャーナリズムが頭角を現してきたかを実証する。そして、事件が起きる前でさえもニュース記事となる現場に‘ちょっとやってみるか’という記者がいつもいることを考えれば、それは従来のメディア各社が張り合うことができないことなのである。
以前、私達は、新しいメディアが新しいスタイルのジャーナリズムをいかに作っているかについて書いたことがあるし、市民ジャーナリストをあちこちで助けることができるアプリのリストをまとめたこともある。しかし今回は、市民ジャーナリストに発言権を与えるのに役立つウェブサイトとブログをいくつか見ていくことにする。
目次
“Demotixは、世界中のユーザーが生成したニュースが集まる受賞歴のあるサイトだ。言論の自由を推進し、ニュースのスケジュールを変更し、あなたに発言権を与え、あなたが撮った写真や動画にお金を支払う。”
2009年にローンチされたロンドンを拠点とするDemotixは、フリーランスのプロのジャーナリストからアマチュアの記者まで誰にでも向くオープンなニュースワイヤーである。あなたは、文章や画像や動画をアップロードすることができ、コンテンツは世界中の200以上ものメディア団体に共有される。そのプラットフォームは、駆け出しのレポーターが情報を入手するのに最適であるが、Demotixはメディアバイヤーも積極的にターゲットにしているため、あなたの写真や動画が主流のメディア会社に認可される可能性もある。
記事は、ウェブサイト、FTP、Eメール、MMS、もしくはDemotixのデスクトップアップローダーを介してアップロードすることができる。
“Allvoicesは、出来事や人物に関係するニュース、動画、画像、意見を共有するグローバルなコミュニティである。それは、初の真正な人々のメディアである。”
Allvoicesは、もう3年以上も続いているアメリカを拠点とする市民メディアウェブサイトである。かなりの高トラフィックがあり、このユーザー生成のニュースウェブサイトは世界中の市民記者が自分のいる場所で何が起きているかを共有するのにとても優れたプラットフォームである。
他の市民ジャーナリズムのプラットフォームと同様、あなたはニュース記事や動画や画像を共有することができ、コミュニティは、カテゴリ(政治、スポーツ、ビジネスなど)とロケーションの両方から検索することができる。
“ニュース速報をレポートする、共同で取り組む、発見する…”
Blottrは2010年9月にローンチされた。現在は、イギリスの6つの都市―ブリストル、バーミンガム、ロンドン、リーズ、エジンバラ、マンチェスターでのニュース速報を目的にしているが、もうすぐヨーロッパの主要部にも展開される。
ユーザーがニュース記事を共同で作ることができるという点で、他の市民ジャーナリストウェブサイトとは少し異なっている。ウィキペディアを思い浮かべるといい―複数のユーザーが同じ記事にアクセスすることができ、各々が追加したり調整したりするのだ。そして6月には、Blotterは、NewsPointと呼ばれるそのテクノロジーを外部パブリッシャーに開放し、どんなブログやウェブサイト上でもユーザー生成コンテンツを可能にした。
最近のロンドン暴動は、市民ジャーナリズムがいかに素早く大衆にニュース記事を伝えることができるかということを示す良い例だった。Blottrが、イーリング(ロンドン)とサルフォード(マンチェスター)での暴動に関するコンテンツを配信した最初のニュースサイトの1つだったのだ。
Blottrは、月に150万ユニークビジターがあり、今では60,000以上の登録ユーザーを持ち、そのうちの700人近くが積極的に寄稿している。iPhoneアプリもあり、アンドロイド版は間もなく開始される。
“iReportは、CNNと共にニュース記事に参加することを勧めている。あなたの意見が、他のiReporterと共に、CNNが何をどのように報道するかを形作るのに役立つ。”
CNN iReportは、市民ジャーナリストがアクセスできる主流のプラットフォームだろう。それは、異なる視点からニュースをレポートすることを可能にし、ユーザーが記事を共有したり議論したりするコミュニティである。CNNのプラットフォームでありながら、ニュース記事は編集されることも、事実確認されることも、配信前に検査されることもないのだ。
iReportの長所は、CNNプロデューサーがコンテンツをモニターし、もし面白いものや魅力的なものがあればCNNに掲載されるため、市民ジャーナリストが主流メディアにも載るための正真正銘のプラットフォームを持っているという点だ。これらのニュース記事は、‘CNN iRrepot’の印が付けられる。
“NowPublicは、あなたが国際的なニュースを作ったり、伝えたり、共有したりできるマルチメディア・オンラインニュースマガジンである。”
Now Publicには月に500万人の読者がいて、そのコンテンツはテクノロジーや環境から健康、スポーツまで全てを網羅している。記事は、‘本日の話題’を基に、背景情報や写真や動画を追加する寄稿者によって書かれる。寄稿は160カ国以上の市民記者から寄せられる。
使い方はとてもシンプルだが、新しいユーザーの最初の投稿は、そのクオリティとそれがスパムではないことを確認するためにモニターされる。その後の全ての投稿は、あなたが配信するとすぐに公開され、もしそのコンテンツに問題があれば、アドバイスをしてくれる人がいる。
“GroundReportは、デジタルレポートツール、階層的な記事のワークフロー、洞察力のある現場でのニュース報道に力を注ぐ7000人以上の寄稿者から成るえり抜きのレポーターネットワークを組み合わせたグローバルなニュースプラットフォームである。”
2006年にローンチされたGroundReportは、世界中の市民ジャーナリストがグローバルな出来事をレポートするためのプラットフォームであり、ユーザーはニュースイベントの記事や写真や動画を送信することができ、それらは公開の前にエディタによって厳しく吟味される。しかしながら、‘実証済み’のステイタスを持つ人達は、このチェックを飛ばしてすぐに公開することが可能だ。
ニューヨークを拠点とするこの会社は、ボランティアによるエディタとコミュニティからのフィードバックを使ってウィキペディアスタイルで運営している。GroundReportの創設者、Rachel Sterneは、2009年にアメリカで最も有望なソーシャル起業家の1人に名が挙げられている。
“誰でも寄稿ができ、記事はグローバルなオーディエンスのために共同で書かれる。私達のレポートができる限り公正であることを確かめ、常に中立的な考え方を持つというポリシーに合うように努めている。”
Wikinewsは、ウィキペディアの分派で、オンライン百科事典と同様にWikinewsはフリーコンテンツ、共同作業のプラットフォームである。以前に共同創設者のJimmy Walesは、“Wikinewsでは、各記事は百科事典の記事とは反してニュース記事として書かれる”と言って、WikinewsをWikipediaと区別していた。
ウィキペディアと同様に、Wikinewsは‘中立的な’視点のポリシーが全てであり、そこが意見主導の記事を含む他の市民ジャーナリストウェブサイトとは対照的である。もしあなたがウィキペディアに投稿したことがあれば、Wikinewsのインターフェースはほとんど同じなので使い易いだろう。
“DigitalJournal.comは、あなたのような人達によって命を吹き込まれているソーシャルニュースサイトだ。プロのジャーナリスト、市民ジャーナリスト、ブロガー、情熱的なライター、そして一般人で構成されている。”
Digital Journalは、1998年にテクノロジーニュースポータルとして始まり、2006年、世界中からニュースを寄稿するライターに支払いを始めた。ライターに収益を分配し、このユーザー生成型のニュースサイトには世界中の170カ国以上からの寄稿者がいる。
では、どうやって支払いを受けるのか?Digital Journalは、“moneypot”と呼ばれるものを介して広告収益の一部を全ての寄稿者に分配する。キャッシュの貯蓄が増えると、全てのジャーナリストが自分の分け前を争うことができる。簡単に言えば、多く寄稿すればするほどたくさん稼ぐことができるのだ。
手始めに、無料アカウントを設定してニュース記事を書いたり、画像をアップロードしたり、動画を埋め込んでみよう…あなたは正しい手順を知っているはずだ。
“あなたのような市民によって継続的にアップデートされるNewsvineは、その時世界が何を話題にしているかを素早く反映したものだ。”
Newsvineは、共同で作るニュースサイトで、msnbc.comが所有している。ユーザーからのコンテンツと同時に、The Associated Pressのような主流メディアからの同期コンテンツも出している。ユーザーは記事を書いたり、外部コンテンツにリンクしたり、プロや市民ジャーナリストが投稿したニュース項目について議論したりできる。
Newsvineは、2007年のTimeによるトップ50ウェブサイトに選ばれた。その裏にある基本コンセプトは、Diggと交わるDemotiと説明するのが一番かもしれない。ユーザーは、つるに“種”を植えることができ、そのつるはウェブ中からのニュース記事へとリンクしていて、議論をキック始動することを目的としてその隣にコメントを投稿することができる。さらに、RSSフィードを追加したりボックスを動かしたりして、自分の好きなようにページを調整することも可能だ。
“News Participationは、ニュース記事とコメントを投稿するオープンなフォーラムを求めている素人とプロの特派員による仕事を掲載している。”
News Participationは、市民ジャーナリスト向けのかなり新しいオンラインコミュニティである。アマチュア記者がニュースやコメントを投稿するためのプラットフォームとしてデザインされているものの、投稿された記事やトピックについての議論のためのプラットフォームとしても育てようとしている。しかしながら、今のところコミュニティ感はあまりなく、ユーザー基盤が成長するにしたがってこれが育つことを期待する。
あなたは登録するか、Facebookのアカウントを使ってログインするだけで、自分の画像や動画や文章をアップロードすることができる。かなりシンプルである。
“Spot.usは、コミュニティが資金を提供する報道を先駆けて開発する非営利団体だ。”
Spot.usのコンセプトは面白く、他の市民ジャーナリズムプラットフォームとは異なっている。はっきり言うと、それは本当は市民ジャーナリズムのウェブサイトではない。市民が無視されていると感じる問題に関する報道をジャーナリストに委託することを可能にする非営利のプロジェクトである。つまり、ローカルコミュニティのために市民が資金を提供するジャーナリズムと言っていいだろう。
Spot.usのディレクター、David Cohnはこう言っている: “私達は、ここサンフランシスコのベイエリアで、調査の依頼を受け、調査をする報道員を雇うのに必要なお金のためにクラウドファンディングを試みる。私達の使命は、地元の調査に携わるジャーナリズムをサポートすることだ。市民のジャーナリズムである。”
コミュニティからの寄付は課税控除され、Spot.usはコンテンツを寄稿するメディア各社と提携を結んでいる。
あなたも市民ジャーナリストだろうか?あなたのお気に入りのプラットフォームは何だろうか?
この記事は、The Next Webに掲載された「11 websites citizen journalists should know about」を翻訳した内容です。
正直、知らないサイトが大半でしたが、有名どころでもこれだけの数があるんですね。逆にいえば例えばアメリカでは多くの人が主要メディアの情報以外にこの種のサイトも日常的にチェックして様々な情報を得ているということですよね。ウェブで海外の最新ニュースに気楽にアクセスできる時代になりましたが大手メディアの情報だけを見て知ったかぶりをしていた自分が恥ずかしくなります。。今後は少し市民ジャーナリズムサイトもチェックしてみたいと思います。日本でもこの種のオルターネイティブ・メディアが成立する日は来るのでしょうか。 — SEO Japan
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