【Webサイトリニューアル・移行の秘訣】プロが語る12個の注意点

公開日:2025/10/02

最終更新日:2025/10/02

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この記事は、botifyの「12 Tips for Site Migrations: Top Insights from Industry Experts」を翻訳した記事です。Webサイトのリニューアルを成功させるための、12個のヒントが紹介されており、リニューアル後の発生しうるエラーに向けたリスク対策などが参考になります。

サイトのリニューアルは、どの企業にとっても必要でありながら、困難な作業です。特に、オンラインで収益の大部分を生み出し、移行すべきページが数百万にも及ぶ大規模ブランドにとっては尚更です。

しかし、安心してください。私たちは米国およびEMEA(Europe, Middle East, and Africa)地域のトップブランドの専門家から重要な知見と実行可能なアドバイスを集めました。

これらは、プラットフォームの移行、ドメイン移行、またはリデザインのいずれに取り組んでいる場合でも、あなたのWebサイトリニューアルをスムーズかつ成功させるために役立つでしょう。

【リニューアル前】プロジェクト成功に向けた準備

1. 移行方法と必要性を明確にする

サイトリニューアルは、目的に合わせ複数の方法が存在します。

例えば、ドメイン移行はあるドメインから別のドメインへの切り替えを伴いますが、プラットフォーム移行はプラットフォームの変更(例:あるCMSから別のCMSへ)に焦点を当てます。

時に、これらの変更が同時に発生することもあり、追加のプランニングが必要になります。自分が何に取り組んでいるのか、何のために行っているのかを把握することが重要です。

例えば、スポーツウェアブランドであるOnが2023年にトップレベルドメイン移行を開始したとき、「ブランディング上の理由でした」とSEOチームリードのMax Woelfle氏は述べています。「当初、ブランドはOn Runningとして知られていました。私たちはランニングシューズ以上のことをしています。」

単に「onrunning.com」を「on.com」にリダイレクトするだけではありませんでした。

「私たちにとっての課題の一つは、『on』という言葉自体が一般的な英単語であることです。SEOで上位表示させるには非常に難しい言葉なのです。」とWoelfle氏は述べています。

「そこで、on.comを購入して、『on』という言葉にブランドの意味を定着させるというアイデアがありました。トップレベルドメインを所有することは、そのための良いステップだったと思います。」

2. SEOチームを早期に関与させる

サイトリニューアルが慎重にプランニングされなかった場合、すべてのチャネル、特にオーガニック検索に重大な悪影響をもたらす可能性があります。そのため、SEOチームは、後からではなく、できるだけ早い段階からプロジェクトに参加するべきです。

SEOチームは、リニューアルを通じて考慮しなければならないURL、コンテンツなどを作成、整理し、優先順位をつけることができます。彼らの意見を取り入れることで、適切な要素が、サイトリニューアルのタイムラインと戦略に組み込まれます。もしSEOチームが終盤になって参加した場合、急な決定や土壇場での追加作業が発生し、サイトの長期的なパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

Recurrent VenturesのCTOだったDave Marks氏が、複数のWebサイトを同時に別のプラットフォームへ移行する大規模プロジェクトに取り組んだ際、SEOチームは最初からプロジェクトに参加していました。

※SEO Japan補足:ここで言うプラットフォームはCMSなどが例として挙げられる

「編集スタッフが抱えていた問題、または技術的な問題を経営陣が理解していたので、経営層の賛同は容易に得られました」とMarks氏は述べています。

「とはいえ、それだけの金額を投じるのであれば、投資対効果を示す必要がありました。SEOはその提案の重要な要素で、実際にコントロール可能なプラットフォームに移行することで得られる、テクニカルSEOの改善機会を説明しました。そこからSEOチームは、プロジェクトの最初から最後まで参加しました。」

3. ステークホルダーと現実的な期待値を設定する

Webサイト全体を移行する場合でも、プラットフォームを切り替える場合でも、ドメインを変更する場合でも、ステークホルダーとの明確なコミュニケーションが不可欠です。

Webサイトのリニューアルプロジェクトは、多くの場合、複数のチームを横断的に巻き込みます。技術的なタスクのためのエンジニアリング、有料メディアのURLとコンテンツのためのパフォーマンスマーケティング、タイムラインと実装の優先順位付けと管理のためのプロダクトマネージャー、さらには高レベルのタイムライン、リスク測定、価値見積もりのための経営陣まで含まれます。

早期にミーティングを行い、期待値を設定し、何が関与するのか、誰が何に責任を持つのか、いつ決定を下す必要があるのかを議論してください。これは、プロジェクトのKPIと具体的な目標を定義するタイミングでもあります。

4. 詳細なチェックリストとロードマップを作成する

サイトリニューアルは複雑なプロジェクトです。物事を整理しておくために、包括的なチェックリストを準備しましょう。それには、調査・サイト構造の分析から、開発、品質チェックまで、すべてのステップが含まれるべきです。

どのチームがどのタスクに責任を持つべきかを最終決定するために、ステークホルダーの賛同を得るようにしてください。

また、各フェーズの作業完了日を含む大まかなロードマップも用意してください。こうすることで、締め切りが守られ、漏れがないようにできます。Asana、Jiraなどのデジタルプロジェクト管理プラットフォームは、チームがすべての動いている要素を管理するのに役立ちます。

【リニューアル中】軌道を維持する

5. 明確で一貫したコミュニケーションを維持する

全員の認識を揃え、情報を共有し続けることが重要です。主要なステークホルダーが更新情報を共有し、質問できる定期的なミーティングを設定することが、認識合わせを確実にするために必要になります。

週次のメールや、SlackやTeamsなどの社内メッセージングアプリでの更新も、透明性を提供し、各メンバーが自分の出番を把握でき、変更や遅延にも対応しやすくなります。

6. 文書化を徹底する

プロジェクトが進行するにつれ、成果物を保存し、途中のすべての決定を文書化することを心がけましょう。後で問題が発生したときや、方向性を再検討するときに大きく役立つ可能性があります。

また、課題に直面したときは、問題を直ちに処理する必要があるのか、それとも将来的に対処するのかを見極めてください。

【実装のヒント】詳細をこだわる

7. 立ち上げ前の準備

新しいサイトを立ち上げる前に、Botify Analyticsなどのツールを活用して、古いWebサイトをクロール分析してください。

また、LogAnalyzerでログファイルを監視して、クロールの問題を捉えることもできます。この分析結果があれば、移行前の状態を把握しておき、問題のある領域を迅速に優先順位付け、リダイレクトを設定できます。さらに、新しいサイトでも高パフォーマンスのページを特定できます。

立ち上げ前に、新しいサイトへのアクセスをブロックすることは、Googleが早まってクロールするのを防ぎ、ユーザーが不完全なサイトを訪れるのを避けるために必要になります。

Botify IntelligenceのActionBoardを使用して、問題を効率的に整理し、施策の優先順位をつけることができます。

8. 一貫性が鍵

移行する際、一貫性が最も重要です。Canonical、サイトマップ、スキーマ、内部リンクはすべて、以前と同じURLを指すべきです。カテゴリーの統廃合や新設がある場合でも、リダイレクト設定により、すべての古いURLを新サイトの適切なページへ転送できます。

ユーザーとクローラーを古いURLから新しいものへ移動させるために、直接的な301リダイレクトを実装してください。複数回の転送を避けるために、既存のリダイレクトを更新し、無期限リダイレクトに変更しましょう。

何らかの不一致や大量の壊れたリンクがある場合、ランキングが下がり、トラフィックと信頼性を損なうリスクがあります。

さらに、404エラーや存在しないページカテゴリーに到達したユーザーは不満を抱き、エンゲージメントやブランドロイヤルティの低下につながります。これらは最終的にドメインオーソリティと収益の損失につながる可能性があります。

9. 新しいサイトをクロールする

新しいサイトをクロールして、技術的またはコンテンツ面での問題を特定してください。旧サイトと比較して、すべての重要な要素が移行されているか確認してください。このステップにより、何らかのエラーを残したまま公開してしまうことを防げます。

SEO Japan補足:「すべての重要な要素」は、ページのコンテンツテキスト、メタ情報、内部リンク canonicalなどが例として挙げられます。

Botify を使用することで、上記の作業をスムーズに進めることができます。ステージング環境のサイトをクロールすることで、コンテンツの不一致や技術的な問題を洗い出し、本番公開前に修正できます。

【公開前】最終チェック

10. 慎重にサイトを立ち上げる

新サイトの立ち上げ時、ユーザーと検索エンジンがアクセスできるように、新しいサイトへのブロックを解除してください。リダイレクトが正しく機能していることをテストし、Canonicalが正しく設定されていることを確認してください。

すべてのWebアナリティクススクリプトとタグが正しく発火していることを再確認してください。

また、robots.txtファイルを更新、新しいXMLサイトマップを検索エンジンに送信することで、クローラーが新しいサイトを発見、インデックス化することができます。

残念ながら、検索エンジンボットが自動的に新しいドメインをクロールする確証はありません。「必ずGoogleに通知してください」とCare.comの元Growth、SEO、MartechシニアディレクターだったSharanya Srinivasan氏はアドバイスしています。

「単純な作業に思えますが、多くの中小企業がGoogleへの通知を見落としており、大企業でさえ忘れることがあります。Googleは『既にインデックスに登録されているから、そのままにしておこう』という判断をしてしまうため、こちらから積極的にGoogleへクロールを促す必要があるのです。」

IndexNowやSmartIndexのPush to Bing機能などのツールを通じて、検索エンジンボットに新しいWebサイトのクロールを促すことができます。また、Google Search Console(GSC)を通じて、優先ページの新しいURLのインデックス化をリクエストすることもできます。

成功のためのモニタリングと測定

11. KPIをモニタリングする

サイトのリニューアル後は、トラフィックとランキングの変動に備えてください。立ち上げ後の監視が包括的であればあるほど、問題を特定して解決するのが早くなります。

リニューアル後の最初の数時間で、実際のユーザー視点での動作テスト(UAT)を実行し、リダイレクトを検証し、一般的にすべてが正常に機能していることを確認してください。数日間は、GSCを監視することに注力してください。

人気のあるページのパフォーマンス低下は、何らかのエラーが発生したかどうかを察知できますが、サイトの他領域は調整により時間がかかる可能性があるため、長期間にわたってKPIを監視することが不可欠です。立ち上げ後の数週間は、インデックス化率、クロールバジェット状況、オーガニックトラフィックの異常に注目してください。

「トラフィックに注目してください」とSrinivasan氏は述べています。「以前と同じインプレッション数を獲得できていますか?インデックスされているURL数は元の水準に戻っていますか?着実に回復していますか?」これらは一晩で元に戻るものではないため、慎重なモニタリングが必要です。

12. ビジネス面の数値を追跡する

トラフィックとランキングを超えて、収益、注文数、チャネルパフォーマンスなどのビジネスKPIを追跡してください。これらが最終的にサイトリニューアル・移行の成功を決定するためです。ビジネス目標への長期的な影響は、サイトリニューアルの技術面と同じくらい重要です。

まとめ

Webサイトのリニューアルは複雑ですが、適切なアプローチがあれば、過度に心配する必要はありません。

SEO面の早期段階からの配慮、ステークホルダーとの明確な期待値の設定、詳細なチェックリストを作成し、技術的要件に目を配ることで、よくある落とし穴を避けながら、スムーズなサイトリニューアルを実現することができます。

あくまでも、サイトリニューアルは進行中のプロセスであり、立ち上げ後に結果を監視し測定する準備を常にしておいてください。

SEOJapan編集部より:
我々のご支援の中でも、サイトリニューアル・移行のご相談を頂きます。移行後、ランキング低下など予測できない事態が発生しうるセンシティブな取り組みです。移行先ページのチェックや、計測内容はもちろん、常にステークホルダーと綿密なコミュニケーションを取り、認識ズレが発生しないよう努めています。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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