偶然にも、私の父はアメリカソムリエ協会の会長だ。
ソムリエとは、ワインの専門家である―良いレストランにいて、ワインについて何でも知っている人だ。ソムリエは、あなたが今晩何を食べるかに基づいて最高の選択を案内してくれる。
さらに、ソムリエは、その定義からいって、ワインのマーケッターでもある。
客がよりたくさんのワインを購入するように、客のために素晴らしい体験を生み出すのがソムリエの仕事だ。
その意味で、彼らは、客を満足させてより多くのビジネスをするために自分の深い知識を使用している真のコンテンツ・マーケッターである。
先日、私はラッキーなことにもソムリエ協会の資格プログラムのクラスに参加することができた。私は、ワインについていくつかのメモを取ったが、マーケティングに関することのメモの方がずっと多かった。
(私のマーケティング馬鹿の一面が再び正体を現していることは言うまでもない。)
私は、そのクラスで得られたいくつかの洞察をあなたに共有しようと思う…そして、たとえワインがあなたが販売するものから想像できる最も遠いものであるとしても、どうやってそれらをあなたのビジネスに適用することができるかについて話したい。
目次
ソムリエの仕事はワインリストを作ることから始まる―レストランもしくは店がストックしているたくさんのワインに囲まれて座り、どのワインがリストに入り、どのワインが入らないのかを決める。
それは、“良いワインだけをストックする”という簡単な問題ではないのだ。もちろん、それは良いものでなければならないが、それには終わりのない定義がある。
品質と同じくらい重要なことに、ワインは、客層、地域、提供する食事、価格にぴったりと合わなければならないのだ。
伝統的なフレンチレストランには、ファンキーなアジアン・フュージョンとは異なるリストが必要だ。近所の安酒場には、株式ブローカーが苦労して手に入れた金を使うために行くような場所とは異なるリストが必要だ。
マーケッターとして、あなたの最初の仕事は、自分が何をマーケットするのかを選択すること、そしてそれが自分の顧客が求めているものに完璧にフィットすることを確認することだ。
恐らくいつの日か、いくつかの変数を組み込むだけで最高に相応しいワインリストを作ることができるアニマトロニクスによる“バーチャルソムリエ”が存在するようになるだろう。
しかし、私たちが今生きている世界では、おかげさまで、ソムリエの人格と情熱が重要なのだ。
自分の情熱と顧客の希望が交差したワインリストを持つソムリエが、多くのワインを販売するソムリエなのだ。
そして、ワインについて深く考えた(そしてたくさん味見をした)人として、ソムリエは自分の知識をテーブルに持ってくるべきだ。
ワインやワイン製造者についての素晴らしい話をすることができれば、なおさら良い。
コンテンツ・マーケッターとして、通常あなたは、自分の顧客よりも自分のトピックについてずっと多くのことを知っている。自分の知識や情熱を共有することを恐れないことだ―たとえ少しおたくっぽくなろうとも。それは伝染性がある。
私たちのインストラクターは、仕事の後にシャルドネを一杯頼んでいるお客に、‘それは今日あなたが求めているものだとは思いません’と言うことを指示されているスタッフのいるワインバーについて教えてくれた。彼らは、客がシャルドネを飲むべきだと思わないために、それを店に置かないのだ。
少しでも自尊心のある客なら、そんな見下した態度に直面したなら、すぐに後ろを向いて去っていくだろう。
あなたは、全ての客の希望に応える必要はないのだ―実際、そんなことはできない。あなたは、誰が望ましい客であるかの明確に定義された考えに基づいて自分のオファーを形成する必要がある。
しかし、決して人々に“彼らが欲しいもの”を言わないことだ。
あなたは、教育することができるし、彼らが欲しいものと彼らがもっと好きになるかもしれないものの間に橋をかけることはできる。しかし、見下しは家に置いてくるのだ。それは失礼なことだし、ビジネスにとっても悪いことだ。
良いソムリエは、自分がワインのビジネスにいるのではなく、エンターテイメントのビジネスにいるということを知っている。自分自身のエゴを誇張したり、客を脅して自分が“間違った”ワインを好んでいるのではと心配させるのではなく、娯楽と喜びを作るのが彼らの仕事なのだ。
カリフォルニア産やその他の“新世界”のワインは、自分自身のために飲まれることが多い。それらは、香りが豊富(アルコールも豊富)で酸味の弱い“こくのある”ワインの傾向がある。私たちのインストラクターが言ったように、このタイプのワインの目利きは、いくつかボトルを空けた後、ディナーの時はミネラルウォーターを飲むかもしれない。これらの風味の強いワインは、食事と一緒に出すには圧倒的すぎることがよくあるのだ。
ヨーロッパの“旧世界”のワインは、通常、食事と一緒に飲まれるために作られている。それらは、より酸味が強くアルコール度が低い。それらは繊細な香りを持つことが多い。
1つのスタイルが“正しい”のではないが、状況によって一方がより良い選択になることがあるのだ。
自分の客がどのようにボトルを飲みたいのかを知ることだ。価格はともかくとして、“より優れた”ワインが、客のニーズに合ったワインではないことはよくある。
自分の客が自分の製品またはサービスをどのように消費するのかできる限り明確に理解し、自分が彼らのニーズに合ったものを提供していることを確かめるのだ。
これは、私がワインのクラスで得た一番気に入っているポイントだ。
多くの“旧世界”のワインに共通する特徴の1つが、テロワールの概念だ。テロワールとは、ブドウが育つ土壌のことで、標高、水源、ブドウ園の太陽に対する向き、これら全ての農業的要因が異なる特徴のワインブドウを育てる。
優れたヨーロッパのワインは、それが育ったテロワールから限りなく最高のワインを作ることにつきる。
次第に、ワイン製造者は自分のテロワールの複雑さを学ぶ。自分たちだけが作ることができるワインの特徴を学ぶのだ。
すべてのビジネスが、これを理解する必要がある…あなたが扱わなければならない“生の食材”を。
あなたが賢ければ、これはあなたの勝利となる違いもしくはユニークな販売計画の基礎になるだろう―あなたのビジネスを他のみんなのものと区別する間違いようのない母印だ。
この記事は、Copybloggerに掲載された「5 Marketing Secrets of the Master Sommeliers」を翻訳した内容です。
日本のソムリエはワインのマーケッターというよりはどこか知識をひけらかす人が未だに多い気もするので、この記事から逆に学んでほしい位ですけどね。。。と愚痴はさておき、オンラインマーケティングの世界にも十分活かせるティップスに溢れた記事でした。ソーシャルメディアがメディアの中心として君臨しつつある今、ソムリエに求められるワインマーケティングのスキルはオンラインマーケッターに求められるスキルと共通する部分がこれまで以上に増えている気もします。ワイン好きの私も感覚的には感じていたことですが特に「決して人々に“彼らが欲しいもの”を言わない」という一言にはホントにそうだよなぁ。。。と納得してしまいました。
テロワールもワイン好きにはお馴染みのマジックワードですが、テロワール・マーケティングなんてのもオシャレかもしれません。今宵はワインとマーケティングの深い関係についてワインを飲みながら考えてみますか。。。って既にワインを飲みながらこのコメントを書いている(日曜夜です!)私でした ( ^_^)/□☆ — SEO Japan [G+]
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