多分ネットで一番長くて充実したiOS 5徹底レビュー

公開日:2011/10/25

最終更新日:2024/03/06

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ついにリリースされたiOS 5、様々なレビューがネット上にも出てきましたが今回はThe Next WebがiOS 5を徹底的にレビューした記事(驚異の36,478文字!)を紹介します。もしかするとネット上で一番充実しているかもしれない本格レビュー(少なくとも文字数は)、iOS 5を使っている人もまだの人もお時間ある際に是非。元々、10ページ近かった記事を1ページにまとめていますので延々と続きますがご容赦ください。 — SEO Japan


今年の6月、WWDCで当時のCEOであった故スティーブ・ジョブズ氏率いるアップルが開発者と記者で構成されるオーディエンスに向けてiOS 5の告知を行った際に現地にいたなら、iOS 5によってもたらされた大幅な変化に多くのオーディエンスが驚いていた様子を目の当たりにしていたはずだ。アップルのモバイルOSにとっては大きなアップデートであり、iOS 4がリリースされてから12ヵ月間しか経過していない割には、数年間の努力が結集されたように思えたほどだった。

このアップデートの主役は、スティーブ・ジョブズ氏によって発表されたiCloudであった。iCloudには、「デジタルハブ」をMacからクラウドベースのシームレスなシンクサービスに転換する10年間分に値する価値があり、未来のアップル製品と結び付くことは容易に想像できた。

iOS 5のほぼ全てのパーツが何らかの形でiCloudに関係しており、iOSのほとんどの機能がアップデートされていた。奥が深く、圧倒的な変更が行われ、アップストアおよびネイティブのディベロッパーAPIが導入されて以来、最も刺激的なiOSのリリースとなった。iCloudは、iOSデバイスのユーザーおよびディベロッパーにとって胸躍る製品であり、飛躍的にこのエコシステムを前進させるはずである。

iPhoneを初代から利用してきたなら、iOS 5がここまで新鮮に、そして、積極的に変更を実施するとは思ってもいなかったはずだ。始めてiOSを使う人にとっては、アップルはiCloudを活用する方針に切り替えたばかりであり、完璧な出発地点と言えるだろう。

iOS 5に注がれた取り組みは、率直に言って膨大である。WWDCのキーノートを聞き終えた時点では、ここまで多くの機能が加わり、プレゼンで発表された製品のような洗練された製品が本当に出来上がるとは思えなかった。数ヶ月間に渡って、来る日も来る日も使っているが、今でも驚かされている。

大幅な変更に圧倒されてしまいそうだが、iOS 5の大きな変更点およびiCloudの統合を詳しく調べ、最前の5つのパラグラフ、そして、5ヵ月分の宣伝に本当に値するのかどうか確認してみよう。

はじめに警告しておくが、アップルが発表したばかりのボイスサービス シリおよびディクテーション機能については、まだ未使用であり、テストしていない製品をレビューすることは出来ないため、要約のみを提供する。数日後のiPhone 4Sのレビュー記事で確認してもらいたい。

通知

iOSの非難の矢面に立たされた機能であり、アンドロイドの長所として頻繁に取り上げられてきた機能が、通知の処理の方法であった。テキストメッセージであれ、ユーザーの注目を欲するアプリであれ、電池の残りの量の警告であれ、iOS 4および4以前のiOSはまともに処理することが出来なかった。

このような通知は、モーダルなポップアップを提供し、スクリーンで再びアクションを起こす前に全て退けなければならず、理想とは程遠かった。

iOS 5の新しい通知システムは徹底的に改善されており、ユーザーが調整することが可能な機能が多く提供され、自分の思い通りにすることが出来る。アンドロイドの仕組みに通じる部分があり、iOS 4で動作するジェイルブレイクされたiPhoneで動くモバイルノーティフィアーアプリに似ている。

このアプリのディベロッパー、ピーター・ハジャス氏は、アップルが今年の前半にWWDCでiOS 5の新しい通知システムを発表した直前に、アップルに採用されていた。ハジャス氏は何のために採用されたかに関しては無言を貫き、ノーティフィケーションセンター(NC)の作業の大半は既にこの時点で終わっていたものの、アップルはモバイルノーティフィアーの仕組みに光るものを見出し、ハジャス氏に統合してもらいたかったと考えるのが無難である。

アプリに対するこの新しいシステムは、ノーティフィケーションセンター(NC)を介して通知を行う。このパネルは、アプリのメニューバーの上部から、あるいはホームスクリーンからプルダウンさせることが可能だ。上部のステータスバーをつかみ、下に引き下げる行為を想像してもらえると分かりやすいだろう。

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プルダウンし、底部の小さな横線入りのハンドルを上にフリックすると、片づけることが出来る。

NCは全てのアプリが送信する通知を集め、プルダウンして通知のリストを見ることが出来るような仕組みを採用している。各通知はタップ可能であり、タップすると通知を送信したアプリにアクセスする。一度タップすると、パネルから当該の通知は削除される。また、セクションの見出しの右上にある小さな「x」印ををタップして、アプリからの通知をまとめて削除することも出来る。

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何らかの理由で全ての通知を一度にNCで削除することが出来る選択肢は用意されていない。一つずつセクションを削除していなかなくてはならない。これはミスのように思えるので、すぐに修正を加えてもらいたい。

NCで待っているアプリの通知にアクセスすると、自動的に削除される。

ノーティフィケーションズの下のアプリの設定セクションにはNCに関連する設定項目が幾つかある。通知の順番を自分で整理するか、来た順番を採用する項目もその一つである。自分で決める場合、エディットを叩き、アプリの順番を変えて、選んだ順番で上から下に通知を表示させることが可能だ。

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リスト内のアプリを叩くと、複数のオプションから一つを選ぶことが出来る。NCに表示させる通知の数を1、5、または10に切り替えることが可能であり、さらには表示させる仕組みまで変更することが出来る。要するに過去のポップスタイルを気に入っているなら、呼び戻すことが出来るのだ。

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また、ロックスクリーンでアプリからの通知を表示するかどうか、さらにアプリのアイコン上のバッジ内でカウントを表示するかどうかを決めることが出来る。頻繁にアクセスするアプリは別として、個人的には大半のアプリにはバッジを掲載しないようにしている。その他の場所でも、十分に新しい情報が届いている点を知ることが出来るからだ。

このスクリーンでは、今までのように通知がをモーダルなポップアップで表示させるのか、もしくは新しい“バナースタイル”で表示させるのか、あるいは非表示にするのかを切り替えることが出来る。

iOS 5を利用していると、「WiFiに接続することができませんでした」やユーザーに注目してもらう必要があるメッセージに関しては、“今まで通り”の方法で通知が行われることがある。これはむしろそうあるべきであり、実際に重要なメッセージを受け取る限り、特に面倒とは思わないはずだ。

アプリによっては、このスクリーンでその他の選択肢が用意されている。メッセージアプリでは、メッセージのテキストを掲載するプレビューを表示させるか、または送信者の名前のみを表示させるかを選ぶことが出来る。また、見逃したメッセージの警告を行う回数を0、1、3、5、または10回から選ぶことも可能だ。一部のアプリは、オリジナルのアラート音を無効にする選択肢を提供している。

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「バナー通知」は新たなデフォルトであり、電話機の利用中にアプリからのアラートを受信することが出来る。モーダルのポップアップウィンドウの代わりに、スクリーンの上部16分の1のスペースが昔のフライト状況板のようにグルグル回る。通知は数秒間表示され、再びグルグル回って元に戻る。

表示されている間はタップ可能であり、通知しているアプリを立ち上げることが出来る。待つと、そのまま消える。モーダルなポップアップよりも遥かに望ましいソリューションであり、正直に言って、iOS 5の個人的なお気に入りのポイントの一つである。

昔のモーダルなポップアップスタイルは、アプリを利用中にも関わらず中断され、複数の通知が一度に行われると、その前の行動に戻るためには面倒な手続きを繰り返さなければいけなかった。これは大きな改善であり、この分野においてはリードを許していたアンドロイドについに肩を並べたと言っていいだろう。

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ロックスクリーンからはNCにアクセスすることは出来ないが、見逃した複数の通知が一度に表示されるようになった。新しい通知が行われると、今までのように見やすい1つのアラートで表示されるものの、元の細いスペースに戻り、その他の通知が積み重なっていく仕組みが採用されている。アプリのアイコンは通知の左側に小さく表示される。

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表示仕切れない量の通知が届くと、通知のリスト内をスクロールすることが出来る。この通知はすべてスワイプして閲覧することが出来る。解除と同じような動作で通知を送ってきたアプリを直接立ち上げることが可能である。

アップルが細部にこだわっている良い例がある。NCをプルダウンする際に、一番下までホールドし、右と左の角を見てみよう。一番下まで辿りついてから指を離すと角を丸くするアニメーションが表示される。その結果、上部の右と左角とマッチし、ユーザーが角張ったホームスクリーンではなく、パネルを見ている点を確認することが出来る。

大したことではないかもしれないが、この機能のために細かく気が配られている点はよく分かる。

ウィジェット

iOSで提供されている2つのウィジェットは、ノーティフィケーションセンターの次に説明するにはもってこいのアイテムである。ウィジェットもまた分かりやすいからだ。デフォルトの状態で株価と天気は表示されているが、Settings>Notificationsで両方とも無効にすることが可能だ。

何らかの理由でウィジェットはiPadには用意されていない。

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天気用のウィジェットは、本日の天気を最高気温、最低気温、そして、現在の気温、さらには場所を天気のアイコンと共に表示する。ウィジエットで右か左にスワイプすると、1日の天気の代わりに5日分の天気予報を見ることが出来る。

株用のウィジェットは指数および株価アプリで選択した株の現在の状況を伝えるティッカーである。ティッカーをタップおよびホールドして止めることも、右か左にスワイプして、フィードを前に戻したり、次に進めたりすることが出来る。

いずれかのウィジェットをタップすると、関連するアプリが立ち上げられる。

この2つのウィジェットは現在アップルによって提供されているウィジェットの全てであり – 少なくとも現時点では – 第三者のウィジェットや開発者が情報をウィジェットに送信することは禁止している。

妥当なステップのように思えるが、同時にアプリから集中力を奪い去り、実際にはウィジェットをフィードするだけのプレースホルダーのアイコンになり下がっていると言う懸念がないわけでもない。これはアンドロイドでは大きな問題となっており、数多くの劣悪なウィジェットを生む原因となっている。

開発者が作成するウィジェットは全てアップルのiOSソフトウェアの一部となる。ノーティフィケーションセンターに埋め込まれるからだ。つまり、アップルは厳重に保管しておきたいと望んでいるのだ。しかし、この領域がジェイルブレークによって、初めてこじ開けられる領域となる可能性が高いと私は読んでいる。

ゲームセンターとiCloudのゲーム

ゲームセンターは、その他の多くの標準的な機能には及ばないものの、それでもiOS 5で注目を集めている分野の一つである。WWDCでは、ユーザーがデバイスを行ったり来たり切り替えることが可能なiOS 5の新しいデータシンクロナイゼーション機能を使ったセッションが数多く行われいたが、これはゲーマーにとっては最も刺激的な用途であったのではないだろうか。

残念ながら、これはアプリごとに開発者によって実装しなければならないため、アップルがiOSをリリースすることで自由に切り替えられるわけではない。

開発者がiCloudを使ってコアデータのシンクロナイズを活用するようになると、iOSゲームにおける新時代が到来するだろう。その他のモバイルプラットフォームは、各種のデバイス間でこのタイプのシンクサービスは用意していない。クリアするには長時間プレイする必要があるゲームでは、この機能は大きく関わってはずあ。

iPhone、iPad、あるいはiPod Touchで利用可能であり、前回止めた場所からすぐに遊び始めることが可能な点は、iOSのゲームにとって大きな長所であり、iCloudにとって自慢の種である。

データのシンク以外にも、ゲームセンターは幾つか改善を行っている。

開発者が利用可能なターンベースのフレームワークがゲームセンターに内蔵されている。要するに、ニューロシマ・ヘクス、スクラブル、またはリスクのような100%ターンベースのゲームを自分のサーバーやシンクサービスを用意することなくセットアップすることが出来るのだ。既に自分自身で苦労してこの問題を解決した開発者にとっては関係ないが、個人レベルの開発者や必要なリソースを持っていない開発者が参入するハードルは確実に下がったはずだ。

「perks」(特典)と「points」(ポイント)を加えて、「クリア」する以外の動機をゲーマーに与えることが出来る機能も追加されている。特典を与えるアイデアは賢明であり、より多くのゲームメーカーがプレイ時間や成果によって武器や鍵へのアクセス権を与えるような素晴らしい機能を加えるようになるだろう。タイニー・ヒーローズを試してみた際にこの機能を私はとても気に入り、今後さらに多くのゲームで活用して欲しいと願っている。

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また、名前だけでなく、プロフィールにイメージを設定することも出来るようになった。その結果、自分を容易に識別しやすくなり、より個人的な感情が芽生える。

ゲームセンターは、プレイしているゲームを基に友達になりたいと思うような人物の紹介を行い、同じ基準を用いてゲームの推薦も実施する。

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フェイスブックからヒントを得て、閲覧可能な“友達の友達”リストまで用意されている。

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新しいアプリやゲームを見つけて、購入するプロセスをゲームセンター内でアップストアに向かうことなく実行することが出来るようになった。そのため、好みを基にゲームを管理し、ゲームセンターでゲームを探さなければいけない手間を省くメリットが期待できる。

大半のゲーマーにとっては表面上の基本的な更新が行われただけだが、開発者にとってはゲームセンターの実用性が拡大される大きな改善が幾つか行われており、最終的にiOSのゲームをシームレスに“選んで & 遊ぶ”ことが出来るようになるだろう。

ツイッターの統合

昨年の年明けから、アップルがソーシャルネットワークのフェイスブックをiOSに深く統合する作業を行っていると言う噂が流れていた。その証拠として、iOSの内部の構造のシステムレベルの設定メニューの中にフェイスブックが表示されていた。

この噂の提携は実現せず、その代わりにアップルはフェイスブックのライバルのツイッターを真の味方として迎え入れたことを明かした。この提携により、ツイッターは事実上不死の誓いを交し、iPhoneがリリースされる前にグーグルマップのデータを入手する独占契約が結ばれて以来、アップルのOSにとって、久しぶりの重要な外部のサービスとなった。

シングルサインオン

ツイッターの統合は様々な形式で行われるが、その中でも基本中の基本がシングルサインオンである。この機能を利用すると、ツイッターのアカウントを持っているユーザーは それぞれのiOSデバイスの「 Settings>Twitter」からアカウントにサインインすることが出来る。また、まだダウンロードされていない場合、公式のツイッターアプリをダウンロードする選択肢も与えられる。

複数のアカウントを加えることが可能であり、全てのアカウントは互換性のあるツイッターのクライアントに追加される。現在、公式のツイッターアプリおよびツイートボットがこの機能を採用している。

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ツイッターにサインオンすると、ユーザーは既存の連絡先をツイッターのユーザーのイメージを使ってアップデートすることが出来る。これはiPhoneのフェイスブックアプリに用意されている機能と似ているが、アプリ内からではなく、システムメニューから実施される。

この機能は、eメールアドレスおよび電話番号を使ってツイッターユーザーの名前と写真を探し出し、連絡先アプリの項目に加えていく。基本的にはスムーズに作業を行うことが出来たが、双方にまたがるデータ自体が少なかった。連絡先のアプリにツイッターのユーザーネーム用に新しくフィールドが用意されている。

シングルサインオン機能には他にもメリットがある。ツイッターを統合しているアプリの開発者がこのフックを利用するようになると、あらゆるツイッターアプリに自動的にログオンすることが出来るようになるだろう。つまり、一度システムレベルでツイッターにサインインすると、ツイッターに再びログオンすることなく、好きなツイッターアプリまたはクライアントに直接アクセスすることが可能になるのだ。

しかし、サファリを用いてツイッターを使っているアプリには適用することが出来ない。そのため、例えばTwitter.comに自分でログオンする必要がある。しかし、自分のツイッターの統合アプリを使ってもらいたい人にとっては、ハードルが一つ低くなったことを意味する。

開発者にとって厄介なのは、フリッカーやインスタグラム等、ユーザーにサービスへの入り口であるアプリをダウンロードしてもらい、すぐに利用してもらいたい場合、ツイッターの統合を加え、インストール後、ユーザーはすぐに利用することが出来るが、アカウントにサインアップする際に時間がかかる点である。

ツイートの統合

一度OSレベルでツイッターにサインインすると、iOSのデバイスにインストール済みの多くのアップルのアプリから直接ツイートを送信することが出来る。

マップで場所をツイートすることも、カメラロールから写真をツイートすることも、サファリからリンクをツイートすることも、もしくはユーチューブから動画をツイートすることも出来るのだ。

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この機能を採用しているアプリでは、eメールを送信する際やアイテムをコピーする際のようにシェアボタンを押すと、「ツイート」の選択肢が表示される。ツイートを選択すると、自動的に添付されるアイテムと共に送信されるメッセージを入力することが出来る‘ツイートシート’が提供される。文字数カウンター、そして、スペースが短く、専用の[@]シンボルを持つ特別にカスタマイズされたキーボードが用意されている。

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このツイート機能は完璧であった。タップして現在の居場所を含める選択肢も用意されているが、設定アプリのツイッターのセクションにはシステムレベルでこのアイテムを有効にするトグルが提供されているものの、マップのツイート以外ではまったく使えないようであり、少々ストレスが溜まった。現時点ではバグと仮定している。いずれにせよ、「Add Location」(居場所を加える)ボタンをタップするだけで居場所をツイートに挿入することが出来る。

また、@ボタンを使って入力を始めるとツイッターのユーザーネームを自動的に埋めてくれる優れた機能が用意されているが、これは運任せであった。有名なツイッターのアカウントには有効のようだが、連絡先にわざわざ加えたアカウントであっても、必ずしも望む結果が出るとは限らなかった。

アップルのiOSのソーシャルパートナーとして1番手のポジションを獲得した点はツイッターおよび同社のエコシステムにとって、大きな成功を意味する。ツイッターの開発者達は、ツイッターが第三者アプリの生存を気にしているとは思えなかったものの、私が個人的に今回の統合について話を聞いた開発者達の大半は、この提携がもたらすポテンシャルに大いに期待しているようであった。

ツイッター側も興奮しているようであり、その証拠に、2回に渡って国際的なツイッターティータイムイベントを行い、iOS 5のツイッターの統合に関する開発者からの質問に答え、また、より地域に密着した開発者向けのワークショップも行っている。

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ツイッターを全体の一部としてシームレスに統合するアップルの努力を当然だと思うべきではない。ツイッターとアップルの双方のためにアップルは大規模な取り組みを行った。今回の統合は長期間によって続くと見られており、ツイッター、そして、ツイッターのサービスを用いてiOSのプラットフォームに製品を配信したいと望む開発者にとっては嬉しい限りだ。

成長の可能性は非常に高く、また、ユーザーにシームレスな経験を提供したいと望む開発者にとって、システムレベルのシングルサインオンサービスはとても魅力的に映るはずだ。少なくともiOSにおいては、主要なアカウントインテグレータとしてフェイスブックではなく、ツイッターを提供するアプリの方が多くても特に驚くようなことではないと私は思う。

ユーザーに対するこの機能のメリットは、利用しているサービスに大きく左右されるものの、iOS 5が浸透し、開発者がこの機能を使って票を投じるようになるにつれ、注目するべき興味深いトレンドになるような気がする。

開発者のメリットが何であれ、イメージ、道順、動画、そして、リンクを直接ツイートすることが出来る機能は有意義であり、アップルの統合済みのアプリからのコピー & 貼り付けの量を大幅に減らすだろう。

iCloudとPCのいらないiOS

スティーブ・ジョブズ氏が2003年に当時の最新のiMacを紹介した際、ジョブズ氏は「デジタルハブ」と呼んでいた。音楽であれ、動画であれ、その他のタイプのデジタルな情報であれ、Macにすべて保存することが出来ると言う意味であった。今年6月のWWDCでは、同氏はこのデジタルハブの代わりとなり、家ではなくアップルのサーバーに基本的に属するiCloudを発表した。

iCloud

新しいデジタルハブこと、iCloudは一つのサービスにまとめられた複数の異なる要素で構成されており、よりシームレスなユーザーエクスペリエンスを実現する。以下にiCloudの様々な局面をリストアップしていく:

  • iCloud シンク – iデバイスとiCloudのウェブサービス間でデータをシンクさせる。
  • iCloud.com – メール、連絡先、カレンダー、iWork、iPhone/Macを探す等のウェブサービスにiCloud.comでウェブ上からアクセスすることが出来る。MobaileMeに取って代わる。
  • iCloud バックアップ – iデバイスをバックアップして、無線で、そして、iTunesがなくても復元することが出来る。
  • Over-The-Air アップデート – iPhoneやiPad等のデバイスをコンピュータがなくてもオンザフライでアップデートすることが出来る。
  • iTunes in the Cloud – 購入した曲、ミュージックビデオ、そして、TV番組をあらゆるiデバイスまたはコンピュータから再びダウンロードすることが出来る。
  • iTunes マッチ – 既存のライブラリとアップルのiTunesストア内の楽曲とをマッチさせ、アップグレードさせ、そして、どこでもダウンロード可能な状態にする。問題なく統合されているもののiTunes in the Cloudと混合しやすい。
  • 自動インストール – デバイスにインストールしたアプリまたは購入した曲が自動的にその他のデバイスにダウンロードされる。
  • iCloud ストレージ – iCloudのバックやその他のシンクしたデータを維持する場所。
  • フォトストリーム – iデバイスにローカルに保存され、コンピュータに自動的にシンクされる別個の写真のストリームである。
  • PC フリーセットアップ ? コンピュータに接続することなiデバイスを設定して、利用することが出来る。iCloudの一部ではないが、密接に関連している。

iCloudの構成と設定

iCloudの構成はとてもシンプルである。以下のPCフリーのセクションでも指摘しているように、アップルのIDを提供するよう要請され、次にデバイスの起動時にiCloudを有効にしたいかどうかを問われる。iCloud用の分かりやすい「on-off」トグルが用意されており、それ以外のセットアップは任意である。

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活用したいiCloudの機能を思い通りに調整したいなら、Settings>iCloud の順にアクセスし、シンクするアイテムとシンクしないアイテムを選択することが出来る。このようなアイテムをon-offで切り替え、iCloudでのシンクを有効にすることも、無効にすることも可能である。また、iOS 5でもiTunesを使ってシンクすることが出来る。

アップストアのセクションも確認してもらいたい。オートマティック・ダウンロードのトグルが2つ用意されている。このオプションをオンにしておくと、アップストアで購入する全てのアプリや曲(またはTV番組)をiCloudが有効にされている全てのiデバイスとコンピュータに自動的にダウンロードする。テストしてみたが、問題なくダウンロードが行われ、購入した数秒後にはダウンロードが開始された。

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セルラーデータのトグルを利用すると、iTunes マッチおよびオートマティックダウンロードをWiFiのみで利用可能にするか、もしくはセルラーデータのコネクションでも利用可能にするかのいずれかを選ぶことが出来る。

iCloud シンキング

iCloud シンキングは、各種のデータがデバイス間でマッチされ、調和して保存される総合的なプログラムである。アップル自体はiCloudの多くの機能に関して「シンキング」と言う用語を使っていないが、同サービスがシンクロナイゼーション機能を豊富に利用している点に変わりはない。

アップルと大半のシンキングサービスには違いがあり、コンフリクトを除去している。つまりファイルのバージョンを基にシンクの選択を行っている。すべての面倒な作業を隠し、iCloudをユーザーが選びやすいように基本的な「on-off」の選択肢に絞っているのだ。

一度有効にされると、多くの異なるタイプのデータがiデバイス、ライオンが搭載されているコンピュータ、もしくはiCloudのコントロールパネルがインストールされているウィンドウズのコンピュータ全体で同調されるようになる。自動的にアップルのデバイス全体に伝わるデータの基本的なタイプを以下に挙げていく:

  • メール
  • 連絡先
  • カレンダー
  • リマインダー
  • ブックマーク
  • メモ
  • 写真
  • 文書およびアプリのデータ

連絡先をiPhoneに加えると、iPadに直後に反映される。反対でも同じことが起きる。ページの文書に変更を加える場合、iCloud.comの文書およびiデバイスのページの文書を自動的に更新する。

連絡先をグーグルシンクとiCloudを同時にシンクすることが出来ない点に中止してもらいたい。いずれかのプログラムを選択する必要がある。

開発者がiCloudをアプリに統合するにつれ、複数のデバイス、もしくはMacおよびiPhoneでインストールしたアプリにおいて同じ作業を行うことが出来るようになるだろう。今後は、文書をドロップボックスを使って移動しなくても、継続的に作業することが出来るはずだ。シームレスな経験が期待できそうだ。

現在iCloudはファイルを直接操作することも、閲覧することさえも禁止しているため、ドロップボックスのようなサービスの出番がなくなるわけではない。透明なサービスとなり、大半のユーザーはこの手のプログラムが動いている姿さえ見ることはなくなる。

しかし、その他のサービスがこのシンク機能を使い始めるまでは、iOS用のiWorkアプリで、そして、全てのデバイスで先程の「コピー」する方法を介して、現在は利用されている。私はiCloudが有効になったiWorkを試してみたが、WWDCで宣伝されていたように十分に動いてくれた。

iPhone版のページで文書を作成し、編集してみたが、変更は瞬く間にiCloud.comとiPadのページにシンクされた。iWorkの編集をよく利用するなら、全ての編集を一度にシームレスに行うことが出来るため便利である。アップデートは“リアルタイム”で起きるわけではないので、2つの場所でドキュメントを開いていても、自動的にタイピングが行われるわけではない。そうではなくiCloudは自動保存が行われる度、またはユーザーが文書を保存した度にアップデートを行う。アプリを去る際にもアップデートは行われる。

現時点では、それ以外に文書のシンクに関して特筆するべきことはないだろう。

アプリのデータのシンクは次元が異なる。これはゲームセンターで開発者に向けて導入されているAPIの異なる利用方法であり、一つのデバイスでゲームをプレイし、終了時に別のデバイスで同じ場所からプレスすることが出来る。このオプションを有効にすると、あらゆるデバイスでアプリを使い、自動的に状況とデータをアプリの間で移動することが出来るようになる。

アプリのデータのシンクの仕組みを要領よく説明するには、アマゾンのキンドル・ウィスパーシンクサービスがあらゆるタイプのアプリに利用することが出来ると表現すると分かりやすいかもしれない。ウィスパーシンクは、iPhone、iPad、iPodのアプリ、そして、間もなくリリースされるフィヤータブレットを含むキンドルのデバイスそのもの等、お互いに読んでいる場所を伝えることで、アマゾンが全てのキンドルのサービスを管理する方法である。デバイスを切り替えると、サービスはアラートを送信し、そのスポットから始めることが出来るようになる。

これは複数のデバイスの文書を作成可能なアプリや遊び用のアプリに適用される。そうすることで、例えば、iPad版のスクラブル(ゲーム)を前回遊んでいたiPhoneの最後の場面から始められるようになる。RSSフィードをiPadのリーダーで読んでいるなら、アプリを閉じ、iPhoneを取り出そう。iPhoneでこのアプリを開くと、iPad版からデータがシンクされ、iPadのアプリを閉じた場所からフィードを読み始めることが可能だ。

iCloud シンキングはiPhone、iPad、iPod Touch、そして、Macを全てシームレスに動かすポテンシャルを秘めている。このポテンシャルが開花するかどうかは、開発者の採用、そして、iCloudの立ち上げおよび負荷がかかった際のスピードと信頼性に左右されるだろう。これはまさに理想であり、実現することを心から願っている。

無線環境のアップデート

PCの要らないiデバイスを推進するアップルのもう一つの代表的な機能が、iOSへのOTA(無線)のアップデートである。これはコンピュータに接続することも、さらには消して、復元する必要もなく、アップデートを送信するプロセスである。

以前まではiOSへのアップデートを行うためには、iTunesに接続して、全てのファイルシステムを置き替えた後、データをバックアップから復元する必要があった。

大半のアップデートにおいてはもはやこのプロセスは不要になる。ただし、初めてiOS 5をインストールする際に、そして、恐らく主要なアップデートに対しては、この方法が用いられるだろう。
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iOS 5へのアップデートがアップルから送信される場合、設定アプリのアイコン上の小さなバッジで知らせてもらえる。バッジが表示されていたら、Settings>General>Software Updateの順にアクセスしよう。するとインストール可能な新しいバージョンが存在するかどうかをデバイスがチェックする。

存在するならリリースノートを読み、バージョン番号を確かめておこう。インストールする準備が整ったら、十分にバッテリーが残っているかどうかを確かめよう。残量が十分ではない場合、iPhoneは警告を発する。その後、インストールボタンをタップすると、アップデートがダウンロードされ、自動的にインストールされる。

アップデートのプロセスは、iPhoneの再起動も含み、進捗状況のバーとアップルのアイコンを表示する。アップデートが終了すると、再起動が行われ、すぐに利用することが出来る。復元する必要はない。

「デルタ」アップデートとも呼ばれるこのプロセスは、アップルによって変更またはアップデートされたファイルのみ置き換え、OS全体を置き換えるわけではない。つまり、アップデートのファイルサイズは、800MB以上に達するメジャーなアップデートに比べ、125-175MBと遥かに小さい。

つまり、フルサイズのアップデートと比べ、WiFiもしくは3Gですら、遥かに早くアップデートを実行することが出来るのだ。あらゆるデータネットワークでフルサイズのOTAアップデートを送信することはアップルにとっては頭痛の種であったため、この機能を提供する前にデルタアップデートへの移行が必要だった。

改善され、非モーダル化された通知と同じように、これはアンドロイドユーザーが以前から愛用してきた機能であり、iOSにようやく投じられ、私はホッとしている。

OTAアップデートの私の体験は大部分において評価できるものであり、ベータの後半としてはスムーズに動いてくれた。しかし、この機能を実施する前に、iCloudであれiTunesであれiデバイスのバックアップを取っておくことを勧める。

PCの要らないセットアップ

iCloudと共にアップルはPCの不要なiOSデバイスのユーザーエクスペリエンスを提供している。このPCフリーなユーザーエクスペリエンスには、複数の異なる領域が含まれる。iTunesおよびiCloudのバックアップへのワイヤレスのシンクもその一つであり、コンピュータに接続することなくデバイスをバックアップすることが可能である。しかし、とりわけコンピュータを持っていないユーザーにとっての最も大きな改善は、iTunesをインストールしているコンピュータに接続することなくiデバイスを設定することが出来る機能である。

以前は、iPhoneやiPadをプレゼントとしてもらった場合、箱から出して電源を入れると、「iTunesに接続して下さい」スクリーンで迎えられ、コンピュータに実際に接続するまでは何もすることが出来なかった。これでは、綺麗に箱をひも解き、興奮が最高潮に高まる中、一気に興醒めしてしまう。iOSのデバイスの哲学とは異なるように感じたが、アップルも同じ意見だったようだ。

iOS 5では、箱からデバイスを出した際に「iTunesに接続して下さい」と指摘されたりはしない。その代わりに、iPhone、iPad、もしくはiPod Touchと言うシンプルなウェルカムスクリーンとアンロックスライダーが通常配置されている位置に「Slide to set up」(スライドして設定に進む)が待ち受けている。スライドすると、デバイスの各種のアイテムを設定することが可能な一連の画面が現れる。

IMG 0001 TNW Review: A complete guide to Apples iOS 5 with iCloud, an OS 14 years in the makingIMG 0002 TNW Review: A complete guide to Apples iOS 5 with iCloud, an OS 14 years in the making

ロケーションサービスのスクリーンがまず現れ、この画面では、地図やその他のアプリによるユーザーの居場所を示すデータの収集と利用を無効にするか有効にするかを選べる。この画面では、だいたいの場所である点を強調しており、この主張は正しい。iPhoneに追跡されていると感じるユーザーの懸念を若干軽減するはずだ。

次に利用可能なWiFiネットワークを選択する。WiFiのみのiPadまたはiPod Touchの場合、リストアップされたWiFiの一つを選ぶ必要がある。ここでネットワークを選ばないと設定ウィザードが提示するアイテムが制限されてしまうからだ。

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WiFiネットワークを選択すると、ウィザードの実際のiPhoneの設定セクションに導かれる。ここではSet up as new iPhone(新しいiPhoneとして設定)、Restore from iCloud backup(iCloudのバックアップから復元)、もしくは、Restore from iTunes backup(iTunesのバックアップから復元)のいずれかを選択することになる。すると新しいデバイスの設定、もしくはコンピュータまたはiCloudの以前のバックアップからの復元に移る。

次にウィザードはデバイスのアップル IDを入力するよう求める。するとiCloud、購入済みのアプリや楽曲等にアクセスすることが可能になる。アップル IDを現在持っていない場合、この画面でIDを作成することが出来る。

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新しいデバイスとしてデバイスを設定する場合、さらに2つの手順が用意されている。まず、連絡先のシンク、写真のシンク、そして、アップルのiCloudに含まれている全てのその他のタイプの機能を有効にしたいかどうかを尋ねられる。on-offのトグルで決めることが出来る。このサービスはもともと無料であり、バックアップ、そして、他のiデバイスやコンピュータとのシンクが効果的に行えるため、有効にすることを強く勧める。

その後、Find my iPhoneサービスにサインオンしたいかどうかを問われる。これは、iPhoneやその他のデバイスをなくしたり、盗まれたりした際にメッセージを送信して、遠くから情報を削除することで悪用を防ぐサービスである。このサービスを無効にする理由はないはずだ。とても役に立つ。

一方、新たに設定するのではなくバックアップから復元するオプションを採用した場合、バックアップの場所をiCloudかiTunesのいずれかから選ぶ必要がある。iTunesの場合、接続して、いつもそうしているように要請通りに手順を踏んで復元しよう。iCloudのバックアップを経由して復元したい人には、iOSおよびiCloudの規約に同意するよう求められ、バックアップを探すため、アップル IDを使ってサーバーのポーリングが行われる。

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すると当該のデバイスの最新のバックアップおよびその他のデバイスのバックアップが表示される。バックアップを選択し、復元を押そう。

復元を選択すると、デバイスはアップルのロゴとプログレスバーのみの空白ばかりのスクリーンに戻る。復元が完了すると、iPhoneは再起動する。これで、バックアップに含まれている連絡先やその他の情報が事前にロードされたことになる。

デバイスに大量のアプリをインストールしているなら、アップルのサーバーから再びダウンロードされる。アプリの設定は、サイズを制限するためだけにiCloudのバックアップに保存される。つまり、アプリの再インストールが終わると、復元したバックアップと同じ状態になる。

iCloudのバックアップ

先程も申し上げた通り、iCloudのバックアップはiPhone全体のイメージを含むわけではない。そうではなく、カメラロール、アカウント、連絡先、カレンダー、文書や設定等の情報を盛り込む。また、アプリの状態および入力した全ての情報を保護するため、アプリケーションのデータを保存するファイルを含む。

例えば、電話を削除し、iCloudのバックアップから復元する場合、ゲームを選び、前回止めた時点から再び遊ぶことが出来る。

iCloudのバックアップにはアプリは含まれていないため、このポイントは重要である。iCloudはバックアップから復元した後、インストール済みのアプリを再びダウンロードする。ただし、嬉しいことにアイコンのレイアウトは維持してくれる。

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iCloudのバックアップから復元すると、アプリは自動的に再びダウンロードを始める。これはiOS 5の新しい力を活用しており、複数のアプリを一度にアップストアのクラウドからダウンロードする。また、アプリを購入する際や自らダウンロードする場合にも適用される。

iCloudのバックアップには音楽やTV番組も含まれていない。その代わりに、復元が完了すると、アップルのサーバーから自動的に再ダウンロードする仕組みになっている。iTunes マッチを利用している場合、ライブラリからアップルのデータベースに加えられた曲や購入済みの楽曲にマッチする曲も含まれる。

iCloudのバックアップの状況をチェックしたいなら、Settings>iCloud>Storage & Backupの順にアクセスしよう。この設定画面では、容量の合計およびiCloudのバックアップの状況を把握することが可能であり、また無効にされている場合は有効にすることも可能だ。

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また、この画面はiCloudに前回バックアップされた時期を表示しており、「Back Up Now」(今すぐバックアップする)ボタンをタップするとその場でバックアップを行うことも出来る。iCloudのバックアップはWiFi上で始めることが可能だが、3Gは対象外となっている。

フォトストリーム

iCloudの写真シンクサービスは複数の形式を採用している。まず、撮影した全ての写真が全てのiデバイスおよびiPhoto(iCloudに対応している最新版にアップデートされている場合)にプッシュされる。 要するに、全ての撮影したイメージが複数のスポットでアーカイブされるのだ。

フォトストリームは1000枚に限定されており、iCloudを有効にしている全てのiデバイスで利用することが出来るようにする。

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写真アプリのその他のアプリの下に、フォトストリームのアルバムに一連の回転するイメージが現れる。イメージは30日間フォトストリームに表示される。永遠にデバイスとっておきたい写真があるなら、別のアルバムにコピーしよう。ただし、これはイメージの低解像度版であり、最大解像度版を望むなら、Macに戻る必要がある。

イメージには、現在フォトストリームでシンクすることが出来ない動画は含まれない。フォトストリームはiデバイスで撮影したイメージ、もしくはMacのiPhotoにインポートされたイメージは盛り込む。フォトストリームをコンピュータのメモリーカードからインポートするイメージで散らかしたくないなら、この最後のオプションをオフにすることを勧める。

iCloudのIDに接続されたiPhone、iPad、もしくはiPod タッチは、閲覧目的で最適化された形式で写真を受け取るが、Macだけは最大解像度で写真がもたらされる。また、Macは全ての最大解像度の写真を維持する。容量が限られているのはiデバイスのみである。

フォトストリームはとても使いやすかった。写真を撮影すると、当該のイメージが全てのデバイスに表示される点は気に入った。通常のアルバムとは分かれているため、このサイトで表示するスクリーンショットをたくさん撮影しても何の問題もない。

多くのユーザーにとって、アップル IDはiCloudのIDと同じであるため、このポイントは重要である。これは写真のストリームへのアクセス権を持つ全てのデバイスに通じるはずだ。そのため、フォトストリームを有効にしているなら、撮影した写真が全て筒抜けである点に注意してもらいたい。ただし、iCloudのコントロールパネルにこの機能を無効にするトグルが用意されている。

テスト期間中、フォトストリームは最もスムーズで、最も安心できる機能の一つであった。大勢のユーザーに愛されるような素晴らしい機能になる気がする。

iCloud ストレージ

デフォルトの状態で、無料で5GBの容量が与えられている。容量がなくなった場合、さらに容量を増やすことが出来る。容量がなくなるとiCloudのeメールアドレスにメールが届かなくなるようだ。

以下のアイテムはiCloudの容量の一部には計算されない :

  • 音楽
  • アプリ
  • フォトストリーム

以下のアイテムはiCloudの容量制限の対象である:

  • eメール
  • アプリのデータ
  • 文書
  • iCloudのバックアップ(通常はカメラロールが最も大きい)

この画面の「Manage Storage」(容量の管理)ボタンをタップすると、利用可能な容量のうちの利用中の容量が表示される。また、バックアップされたデバイスが利用している量、そして、eメールの容量を把握することも可能だ。

ここでデバイスをタップして前回のバックアップの時期およびバックアップのサイズを確認し、不要なバックアップを削除することが出来る。こうすることでiCloudのスペースが開放される。

photo 212 TNW Review: A complete guide to Apples iOS 5 with iCloud, an OS 14 years in the makingphoto 39 TNW Review: A complete guide to Apples iOS 5 with iCloud, an OS 14 years in the making

さらに容量を増やすことが可能なリンクが用意されている。それぞれの価格を以下に挙げていく:

  • 10GB $20/年 – iCloudの合計容量 15GB
  • 20GB $40/年 – iCloudの合計容量 25GB
  • 50GB $100/年 – iCloudの合計容量 55GB

購入する容量は無料の5GBに追加される。

モバイルミーの有料会員で、iCloudを立ち上げた際にアカウントがアクティブであった場合、無料で20GBが追加される。

iCloudの容量アップグレードを購入すると、「Downgrade Options」(ダウングレードのオプション)ボタンが表示される。不要になった際に、このボタンを使って、アップグレードしたプランを下げることが出来る。無料のプランを含む、現在利用しているプランよりも低いプランならどのプランにもダウングレードすることが可能だ。

プランをダウングレードすると、次回の支払いの時期に反映される。購入したばかりなら、1年後になる可能性もある。初期のダウングレードの比例配分の選択肢が用意されるかどうかは不明だが、現在このデバイスで利用することは不可能なようだ。

このような容量のオプションは、平均レベルのiOSのユーザーには問題ないが、1つのアップル IDでiCloudに接続する複数のiOSのデバイスを家族で利用している場合、足りなくなる可能性がある。または共通のIDを職員や生徒のデバイスで利用する学校も困るはずだ。

アップルは教育機関や企業の顧客に対して、さらに容量を増やすとは今のところ明言していない。

シリとディクテーション

頼むだけで作業をこなしてくれる知的なアシスタントをアップルは“シリ”と名付けた。このテクノロジーは、昨年アップルが買収したアシスタントアプリを基に構築された。

この機能はホームボタンを押し続けると有効になり、ユーザーはiPhoneに命令することが出来る。

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天気予報、地図上の道順、レストランの推薦等のコマンドがデモで行われた。

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典型的な会話は次のようなパターンで行われる:

  • スコット・フォーストル氏: パロ・アルトでおいしいギリシャ料理のレストランを探してくれ。
  • シリ: 5つのギリシャ料理を見つけ、評価別にまとめました。

フォーストル氏は「人工知能の分野で長い間仕事をしていますが、驚かされました。」と述べていた。

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また、シリはウィキペディアや人気の高いデータエンジンのウルフラム・アルファを統合して、定義等を提供している。

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新しい機能のデモを行う同氏は「eメールを作成して、書き取らせることも出来ます。」と話した。「タイマーを設定することも、連絡先を調べることも、メモを作成することも、ウェブを検索することも、ウィキペディアを検索することも可能です。大いに感動するはずです。シリとは誰でしょうか?本人に尋ねてみましょう!」

シリ: 私は謙虚な個人秘書です。

ディクテーションもシリの大事な要素の一つである。この新しい音声テキスト変換機能は、新しいiOS 5に内蔵される予定だ。ディクテーションは、自然な言葉遣い、背景、そして、砕けた言葉遣いを処理し、ビルトインのアプリと連動する。ディクテーション機能については8月に初めて紹介した。その際、iOS 5のキーボードにマイクのアイコンが配置されている点に気づいた。

「キーボードには、マイクが掲載されています。シリに話しかけ、タップすると、瞬く間にテキストに反映されるのです。自然な言葉遣いを心掛けて下さい。」とシラー氏は述べた。

上のスクリーンショットを見れば分かるように、ディクテーション機能が有効にされると、グローバルキーボードボタンの隣に表示され、スペースバーが若干小さくなる。マイクのアイコンはタップ可能であり、話しかけることが出来る。話が終わると、上のフィールドにテキストが現れる。

ワイヤレスのiTunesのシンク

デバイスをiCloudを介してバックアップすることが出来るだけでなく、WiFiネットワークでiTunesに対する無線シンクを設定することも可能だ。このシンクはデバイスの電源が入り、WiFiに接続されると自動的に行われる。

Settings>General>WiFi Syncの順にアクセスし、Sync Nowをタップすると、シンクをその時点で行うことも出来る。デバイスを優先で接続してiTunesのシンクを行うと、iTunesのWiFiシンクが無効にされる。

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どのようにシンクするにせよ、ワイヤレスであれケーブルであれ、デバイスを継続して利用することが出来る。わざわざ挙げる必要もないかもしれないが、私は既に十分にこのメリットを活用している。シンクが完了するまで待たなければならないことが面倒であった点に全く私は気がつかなかった。

以前と同じようにiTunesをシンクする度にバックアップが生成される。バックアップは、シンクしたマシンにデバイスを接続している場合のみ復元することが出来る。コンピュータに接続していない状態でバックアップから復元したいなら、iCloudのバックアッププログラムを有効活用するべきである。

iTunes in the Cloud

iTunesに大幅に制限されているサービス iTunes Matchについては別の機会で取り上げよう。しかし、iTunesに関連するもう一つのiCloudの構成要素について語らないわけにはいかない。iTunes in the Cloudは、iTunesで購入したあらゆる曲、アプリ、またはTV番組を再びダウンロードすることが可能なサービスである。

そして、iTunesがインストールされたiデバイスやコンピュータで当該のアイテムをダウンロードすることが可能になる。そのためには、iTunesの購入済みのセクションにアクセスし、クラウドアイコンをタップし、再びダウンロードする。

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これはiTunes マッチにもってこいのサービスである。iTunes マッチでは、ライブラリに存在するあらゆる楽曲とアップルのiTunesのライブラリとのマッチが行われる。マッチし、質が低い場合は高品質のバージョンにアップグレードされる。マッチしなかった場合は、アップロードされ、iTunes マッチを通してあらゆるiデバイスで利用することが出来る。

iTunes マッチを利用しているなら、音楽アプリの右に曲が表示されるはずであり、曲をタップするとすぐにクラウドからストリームが始まる。もしくはクラウドアイコンをタップしてダウンロードすることも出来る。

TV 番組はダウンロード可能なアイテムに先日加わったばかりであり、アップルは映画もこのリストに加えようとしていると言う噂が流れていた。しかし、iPhone 4Sを紹介するイベントで何も告知は行われなかったため、取引はまだ終わっていないようだ。

iMessage

iOS 5のその他の機能と共に紹介されたiMessageはアップルの新しいOSの機能の中でも人気が高かった類に入る。フェイスタイムがiOS 4の発表の際に受けた便利な機能と同一視され、また、マーケティングツールとして評価されている。

iMessageはステルス的な要素を持ち、破壊的なシステムになり得るポテンシャルを秘めている。キャリアの選択を民主化しようとする戦いにおいて、力関係を変える可能性がある。

iMessageは基本的にはメッセージ送信プロコトルであり、iOSデバイスのユーザーがお互いにテキストメッセージを交換するために用いる。ブラックベリーが利用するBBMサービスに似ている。BBMはクロスデバイス(ただしプラットフォーム内)のサービスであり、既読通知と入力指示を特徴としているが、2地点間のサービスであり中間サーバーを必要としない点が異なる。その代わりにアップルのプッシュ通知システムを用いて、コネクションを確立し、2つのデバイス間のコミュニケーションを処理する。

この機能をステルス的と表現したのは、これ自体はアプリではないからだ。iMessageはiPhone、iPad、そして、iPod Touchに直接統合されている。

メッセージアプリはiPod Touchには今回初めて搭載されるが、iPhoneはこのアプリを写真、動画、そして、テキストメッセージを送る場所としてiOS 4が立ち上げられ、名前が変更されたときから提供してきた。あらゆる種類のメッセージをあらゆる携帯電話に送信することが出来る点は今回も変わっていない。

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変わったのは、送信モードが2つになったことだ。テキストバブルが緑色の通常モードはSMS/MMS用であり、iPhoneやiOS 5ではないiPhoneにメッセージを送信する際のモードである。

iPhone、iPad、またはiPod TouchでiOS 5を利用している場合、青いテキストバブルが表示され、「Send」ボックスは薄い’iMessage’のテキストを表示する。

このモードでは、iOSを使っているiPhoneのユーザー、iPadのユーザー、もしくはiPod Touchのユーザーにメッセージを無料で送信することが可能だ。これは「大きな変化」と言えるだろう。AT&Tがテキストメッセージのプランを「ペイ・パー・テキスト」と無制限に変更したことで先日ポリシーが変わったため、このような大規模な変更が行われたのだ。iMessageは何かしらパワーアップする必要があった分野でもあった。

iMessageを入力すると、その他のメッセージと同じように機能し、そして、写真や動画も無料でこのサービスを介して送信することが可能だ。撮影が大好きな人のために、iMessageはアニメーションGIFにも対応している。

メッセージを受信するサイドは、既読確認を有効にすることが出来る。この機能を有効にすると、小さな通知が送信者のデバイスの最前のメッセージの下に表示され、受信者が読んだことを伝える。いすれにせよ相手がメッセージを適切に受信するとその旨が必ず通知される。

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相手側が返信している際に会話を読んでいる場合、相手が返信を作成している点を示す「入力中」のシンボルが表示される。

会話の画面に有難い修正が加えられている。全ての会話をスクロールダウンして確認することが出来るようになったのだ。キーボードは自動的に隠れる仕組みになっている。

iPadまたはiPod Touchでは、eメールアドレスを指定し、ユーザーに当該のアドレスにメッセージを送信するよう勧める。eメールにリンクを張ると、電話番号(iPhoneを持っている場合)または当該のeメールアドレスに送信されたメッセージは、全てのデバイスに送信され、全てのデバイスで会話が最新の状態に保たれる。

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プッシュ通知が処理される仕組みが変更されている。私が試した際は、前回どのデバイスが使われていても、メッセージアラートがほぼ定期的にプッシュされていた。アップルが優先順位を決める際のアイデアが他にも浮かんでいたことを私は掴んでいたが、「アイドルタイムを最小限に抑えたデバイス」と言うのが彼らの出した答えのようだ。

iMessageの設定では、何らかの奇妙な理由でこのサービスを完全に無効にすることが可能なオプションも用意されている。また、iMessageとして失敗した際にiMessageをSMSとして再び送信するかどうかを決めることも可能だ。これはSMSのメッセージを無効するのではなく、iOSが最初にiMessageを送信し、失敗した場合に通常のテキストメッセージを送信しないようにするための措置である。テキストの入力フィールドに「テキストメッセージ」と表示されているいなら、テキストメッセージが送信される。

iPhoneユーザーにメッセージを送信し、iPad上でシームレスに会話を継続することが出来る技術はとても助かる。特にiPhoneではなくiPadが手元にある可能性が高い夜には嬉しい。

上述した機能は特に新しいわけではなく、IMのクライアントは数年前からこのような機能を提供している。しかし、iOSのメッセージ送信の仕組みにとってはメリットのある変更点であり、頻繁にiPhoneユーザーとメッセージを交換するユーザーにとっては大きなボーナスと言えるだろう。

ユーザーの介入を受けることなく、仲間のiPhoneユーザーにメッセージを送信しつつ、節約することが出来る。非常に大きなメリットである。

カメラと写真

ポケットで持ち運ぶカメラとしてのiPhone 4Sの焦点、そして、連続撮影の時間と足並みをそろえ、iOS 5のカメラと写真アプリも改善されている。

iPhoneを使って写真を撮影するスピードを上げるため、iPhoneがロックされている際にホームボタンをダブルタップしてカメラのアイコンを「スライドしてロック解除」バーの右側に表示させることが出来る。

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このボタンは直接カメラアプリを立ち上げ、写真撮影が可能な状態にする。カメラは前回利用したモードで立ち上げられる。利用を終えた後にホームボタンをタップすると、ホームスクリーンに移動する。パスコードを有効にしている場合、ホームスクリーンにアクセスするためにパスコードの入力が求められる。

パスコートを入力することなく、写真を撮影して、カメラロールに保存することが出来るが、この機能には問題もある。カメラの設定メニューでこの行動をオンとオフに切り換えることが可能なトグルを用意してもらいたい。iPhoneを誰かに奪われ、恥ずかしい写真を撮影される事態を防ぐためだ。

この設定を「友達のくだらない写真は不要」と名付けよう。

パスコードのロックが有効にされた状態でカメラを立ち上げる際のセキュリティに譲歩案が一つ提示されている。このセッションで撮影されたイメージのみが閲覧可能であり、カメラロールおよびフォトストリームは閲覧することが出来ない状態になっている。

カメラアプリを立ち上げると、デバイスの「ボリュームアップ」ボタンを使って撮影することも出来る。これは有難い機能であり、通常のオートフォーカスの撮影に近い自然な‘カニづかみ’によるホールドが可能になる。

経験上、この方がスピードが上がり、またぼやけも少なくなる。このボタンはわざわざ見なくても容易に見つけることが可能であるため、写真撮影に集中することが出来る。また、撮影を行うためにスクリーンをタップしなくてもよいため、電話機を容易に固定した状態で持つことが出来る。同様にiPhoneと互換性のあるヘッドフォンのボリュームアップボタンを使って写真を撮ることも可能だ。iPhoneを三脚またはテーブルのどこかに置いている場合、「ケーブルレリーズ」の役目を果たし、ぼやけをさらに防ぐ効果がある。

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素早く撮影するためのアップグレードに加え、カメラアプリは優れたフォーカスおよび自動露出のロックを備えている。この機能はフォーカスと露出をロックしたい場所でタップし、フォーカスボックスが2倍に拡大するまで指で抑えると有効になる。「ポップアップ」アニメーションのようなものであり、フォーカスボックスが小さくなり、目立つため、うまくいったことが分かる。

これは、オートフォーカスをスクリーン当該のポイントにロックし、そして、自動露出を当該の明るさに制限する、AE/AFロックに関連している。これは逆行時での撮影や偏った構成での撮影の際にとても役に立つ。この点こそがカメラ+等の第三者アプリを大勢のユーザーが購入する理由である。ある場所で露出をロックし、別の場所でフォーカスをロックすることは不可能だが、いずれにせよ有効なアップグレードと言えるだろう。

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写真を真っ直ぐにしたいユーザーのために、グリッドラインのオプションが用意されている。このオプションはカメラの画面の上部のメニューを介して切り換えることが出来る。

今後はスライダーを利用する代わりにカメラビューをピンチしてズームさせることが出来る。私自身はズームしたことはほとんどないが、大幅なスピードアップが期待できるだろう。

一番下の角のカメラロールボタンをタップすると、通常のビューに戻る。しかし、このボタンはさらに見やすい青いカメラアイコンで置き換えられ、撮影に戻ることが可能な点が鮮明になっている。

また、右にスワイプしてカメラからカメラロールの最後のイメージに切り替えることも出来る。左にスワイプすると、カメラに戻る。手っ取り早く前回の写真をチェックすることが可能な機能であり、「クイックレビュー」のような役割を持つ。

カメラロールのビューでは、「edit」をタップして4つの編集機能にアクセスすることが出来る。Rotate(回転する)、 Auto-Enhance(自動エンハンス)、Remove Red-Eye(赤目を修正する)、そして、Crop(切り取る)の4つが写真アプリに加わっている。どれもユーザーの役に立つ機能ばかりだ。

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自動エンハンス機能は、不明確で若干暗めの写真に使うと最も効果が高い。先程触れた逆行時の写真もその一つである。写真の編集に精通しているなら、補助光、明暗差、彩度における引き上げを与えるツールと言えば分ってもらえるだろう。実際にテストしてみたところ、線の上のあやふやなイメージが管理人に姿を変え、夜間でも少し明るく、そして、鮮やかな割と質の高い写真を撮ることが出来た。いずれにせよ比較的効果は小さい。

赤目を修正する機能も十分に役目を果たしてくれるが、オートフォーカスのカメラの機能と同じように、明確な赤目にしか対応しない。ペットの目の修正や「白目」の修正は期待できない。利用する際には、アイコン、そして、修正する赤目をタップする。

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切り取り用のツールは、編集中の写真の比率決めから始まり、角のハンドルをつかみ、動かすことでイメージを自在にクロップすることが出来る。イメージの比率を特定の比率に固定したい場合は、下のConstrain(固定)ボタンをタップする。

このメニューは、人気の高い印刷サイズやディスプレイのサイズを含む一連の比率を提供する。

この編集機能は、イメージを切り取り、インスタグラムに投稿する際にとても役に立った。インスタグラムの切り取り機能は質が低いためだ。また、暗室で印刷する写真を編集することが可能であり。境界線がどこかを把握することが出来るため重宝する。

編集作業を終えたら、右上の保存ボタンをタップする。切り取りを行う場合、編集済みの写真をカメラロールに保存したいかどうかを尋ねられる。

写真アプリ自体は、フォトストリームを除いてあまり変わっていないものの、エディットボタンをタップして、デバイスで直接フォトアルバムを加えることも、削除することも可能になった。

全体的に、アップルは、品質とオートフォーカスカメラとしてのiPhone 4Sを重要視する方針を反映させ、カメラアプリを見事に改善ていると言えるだろう。幸いにもiPhone 3GSとiPhone 4のユーザーもこのような新しい機能の恩恵を受けることが出来る。

設定

設定アプリは数多くのオプションを加え、ユーザーはデバイスを調整し、新しいiCloudの機能を管理することが出来る。必要に応じて、私はそれぞれのセクションでアイテムに関連する設定パネルに既に触れてきた。しかし、iPhoneのシステムのサービスに関連する挙げておくべきアイテムが幾つかあるので紹介させてもらう。

設定アプリ全体を通して、iOS 5のためにアップルが作成したトグルスイッチのデザインが数多く見受けられる。以前のデザインは角の丸い長方形であったが、今回の新しいデザインはさらに丸みを帯びており、可愛らしい。

サウンド

サウンドパネルに有意義なアップデートが加えられており、新しいボイスメール、新しいメール、メールの送信、カレンダーのアラート、そして、新しいリマインダーのアラートとツイートのアラートにトーンを設定することが出来る。標準的な着信音のセクションに加え、アラートトーンのセクションが用意されており、通常の着信音よりも短く、メールの受信等に適した音を選択することが可能である。

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これはテキストのトーンのセクションが拡大された項目であり、以前の6つのトーンに加え、数多くの選択肢が用意されている。

バイブレーション

サウンド設定の枠にバイブレーションのコントロール、そして、クリエイト・ニュー・バイブレーションと呼ばれる新しいセクションが設置されている。ここでは一連の規定のバイブレーションから選択することも、もしくはタップしてオリジナルのバイブレーションを作成することも出来る。

photo 3 1 TNW Review: A complete guide to Apples iOS 5 with iCloud, an OS 14 years in the makingphoto 1 1 TNW Review: A complete guide to Apples iOS 5 with iCloud, an OS 14 years in the making

また、個人および受信アラートにも適用可能であり、特定の相手またはイベントに特別なバイブレーションを作ることも出来る。こうすることで、デバイスをポケットから出す前に誰から電話がかかって来ているのかを把握することが可能になる。

ロケーションサービス/システムサービス

アプリがユーザーの居場所をリクエストしているとき、そして、どのような情報が集められ、利用されるかをさらに分かりやすくすることを求める連邦議会に譲歩し、アップルはロケーションサービスのメニューを拡大し、Location Services>System Servicesでサブメニューを提供している。

システムサービスのメニューでは、OSのどの部分がロケーションベースの情報にアクセスしているのかが分かる。以下に当該のアイテムを挙げていく:

  • セルネットワークサーチ
  • コンパス・カリブレーション
  • ダイアグノスティックス & ユーセイジ
  • ロケーションベース iAds
  • セッティング・タイムゾーン
  • トラフィック

上の大半のアイテムにおいては、これらの機能を利用するためにデバイスがロケーションの情報にアクセスする必要がある点は明白であるため、面白味に欠ける(一部はiPadには表示されない可能性あり)。しかし、幾つか際立ったポイントもある。

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まず、ロケーションにターゲットを絞ったiAdsが大嫌いなら、ここで無効にすることが出来る。

しかし、本当に興味深いのは「トラフィック」と名付けられた最後のトグルである。アップルがロケーションデータの収集について今年の早い時期に取り上げていた際、「トラフィックサービス」に対する作業を行っていると漏らしていたが、それが何を意味するのかは明言を避けていた。大勢が予測したように車のトラフィック(交通)サービスなのかもしれないし、通信会社の回線でのiデバイスのサービスを改善するためにネットワークのトラフィックを計測するサービスであるのかもしれない。

もしくは、独自のネットワークを構築し、iデバイスのデータサービスを運営するためにデータを収集している可能性だってある。いずれにせよ、この時点では不明である。それが何であれ、ここでオンまたはオフに切り換えることが可能である。

実際に私は試してみたが、マップアプリで有効または無効にすることが可能なトラフィックのオプションと関係しているとは思えなかった。

設定アプリのロケーションサービスのセクションは、居場所の情報がどのように利用されるかについてユーザーが詳細にコントロールすることが出来る点を実証している。トグルがたった1つであったiOS 4とは全く異なり、“ロケーションのゲート”の後に続くアプリごとのコントロールに効果的な改善が施されている。デバイスがこの情報を利用する仕組みに懸念を抱いている人でも、広範囲に渡って管理することが出来るので安心だ。

ユーセイジ

General>Usageに配置されているこのセクションでは、アプリがシステムでどれだけの容量を利用しているのかをチェックすることが出来る。このリストから直接アプリを削除することが可能である。このリストは利用されている容量の順に並べられている。アップルがデバイスからアプリを削除する方法を複数提供するのは今回が初めてである。

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iCloudの容量のセクションは、iCloudのメニューで確認可能な情報と重複しており、アップルにとっては珍しいが、WiFiの設定もまた同様に重複しているため、前例がないわけではない。

General>Usage>Manage Storageでは、バックアップのサイズの確認、iCloudの容量の購入、そして、iCloudで利用可能な容量のチェックを行うことが出来る。

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ここでの人気の機能は、iCloudでバックアップさせないようにするため、特定のアプリをオフにすることが出来る機能である。これは、重要性が低く、バックアップしなくても利用可能なアプリをインストールしている場合、iCloudのバックアップを抑える上でとても有効である。カメラロールは通常のこのリストで一番上に掲載されるはずだが、イメージはバックアップするべきであり、このトグルをオフにすることは勧められない。

制限

ここではロケーション設定のトグルへの変更が行われるかどうか、そして、ゲームセンターで複数のプレイヤーが参加するゲームや友達の追加を許可するかどうかを制限する、新しいオプションが幾つか加わっている。しかし、最も重要な変更は、以前から苦情の多かったアプリ内の購入と子供の利用に関して修正が行われた点である。

例えば、アプリを購入し、次に子供に手渡した際に、15分間にわたってIDがアクティブな状態になっているため、子供が好きなだけアプリ内(またはアップストア)で買い物をしてしまう。すると子供が大金を使ってしまったとして親から苦情が寄せられる事態に発展していた。

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現在、15分ごとにではなく、常にパスワードを求めるかどうかを決めるセクションが用意されている。要するにアプリ内の購入およびアップストアの購入を有効にしたままにすることが出来る。しかし、料金が発生する度に毎回パスワードを入力する手間が発生する。これはIAPを完全に遮断するかどうかを決める前回のオプションよりも有効である。デバイスを利用したい際に不便だったからだ。

マイナンバー/デバイスネーム

これからはデバイスの名前をSettings>General>Aboutで変更することが出来る。これはiTunesのみを介してのみ利用可能であったオプションである。iOS 5のPCフリーと言うポリシーの要素を考慮すると、適切な変更と言えるだろう。また、電話番号をSettings>Phoneで変更することも可能だ。

サファリ

サファリでは、ウェブキットのレンダリングエンジンに対して目に見えない改善が大量に加えられており、大幅にパフォーマンスが向上している。さらにネイティブのアプリのようなウェブアプリに見せたいと望む開発者達が利用可能なオプションも増えている。

また、アップルは2つの主要な機能を介してアプリに対して小規模な調整を数多く実施している。

サファリリーダーおよびリーディングリストは、サファリの利用において記事を読む行為に焦点を絞ったアイテムである。リーダーでは、アドレスバー内に現れるコンテクスチュアルなアイコンをタップすることが可能だ。このアイコンは、広告をはぎ取り、ウィンドウにフィットするようにフローを変えたページのテキストを表示するモーダルなポップアップを開く。基本的には、サファリ内蔵版の人気の高いリーダビリティサービスと言えるだろう。

リーディングリストは、リストに手っ取り早くページを加える手段であり、このリストはiCloudにシンクされ、全てのiデバイスおよびMacのコンピュータに送られる。基本的には、いつまでも残るブックマークに加えたくない記事の見せかけのシンクリストと言っても過言ではない。

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それでも問題なく動き、一瞬のうちにアイテムはシンクされていく。これはiPhoneからMacやiPadへアイテムを送信して、大きなスクリーンで読む上で役に立つ。しかし、個人的にはインスタペイパーの方が気に入っている。なぜなら一度に全ての作業を行い、より多くの機能を提供しているためだ。

プライベートな閲覧は、Settings>Safari メニューで有効にすることが可能であり、数人でデバイスを共有し、個別にログインする必要のあるウェブサイトを閲覧する人にとってはうってつけのオプションである。有効にされると、サファリのUIが黒くなり、プライベートな閲覧モードが有効になっていることが一目瞭然であり、閲覧履歴やクッキーは一切残らない。

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サファリのiPad版は、独自の機能を幾つか追加している。その中でも最も注目に値するのが、エクスポーズのようなインターフェースでページを選ぶ必要がなく、遥かに早く、そして、便利に閲覧することが出来る機能である。

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「ページ上で探す」ダイアログがキーボードの上に配置されており、当該のページでテキストを検索することが出来る。また、戻るボタンを押したままにすると、訪問したウェブサイトの最新の履歴が表示される。

設定アプリのサファリのセクションでは、開いている全てのページをバックグラウンドの新しいタブ、またはiPhoneを利用している場合はバックグラウンドの新しいページに送信することが出来る。

さらに、Settings>Safariでは、ウェブサイトごと、またはウェブサービスごとにデバイス上の保存されたデータを削除することが可能だ。

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ウェブ開発者向けの変更は広範に渡っているが、ここでその幾つかを学ぶことが出来る。要は、アップルが、開発者のために、ネイティブのウェブアプリのような素晴らしいデザインのウェブアプリを今まで以上に簡単に作れるように工夫していると言うことだ。慣性スクロール、ユニークに配置されたツールバー等もその一部である。

iOS 5でサファリをiPadおよびiPhoneの双方で試してみたが、全体的に私は高く評価している。目立たない変更により、サファリはモバイルデバイスのブラウザーとして最速のブラウザーの一つに返り咲き、そして、ウェブアプリを構築するためのアーキテクチャが改善された結果、開発者および消費者により多くの選択肢が与えられるだろう。

メール

太字、斜体、そして、下線を愛用しているユーザーに朗報をお届けしよう。iOS 5はついにこの類のフォーマットの選択肢をメールアプリで提供するようになった。

単語やフレーズを選択すると、コピー & 貼り付けに加え、三つのフォーマットのプションが与えられる。

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また、iOS 5のこのバージョンでは、以前よりも若干大きくなったコンテクスチュアルボックスがポップアップする。このボックスには別のボタンも加えられている。それはインデンテーションコントロール(字下げ)である。

テキストの塊を選択し、インデントのレベルを上げ下げすることが出来る。スレッドのeメールの会話を編集する際には役に立つはずである。因みにこの機能はiPadのメールアプリでもサポートされた。ユーザー間のeメールのリストではなく、徐々に深くなるスレッド化されたインデント内で以前引用された会話が掲載された単一のページが与えられる。また、Settings>Mail, Contacts and Calendarsでデフォルトの返信を引用1回分インデントさせるように設定することも出来る。

すると遥かに見やすくなる。スレッド内で個別のeメールを表示する仕組みに有意義な改善が行われた。

また、メールはベーシックな「Flag」(フラグ)の選択肢が加わっており、それぞれのメールの「Mark」(マーク)メニューを介してアクセスすることが出来る。

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eメールを作成する際は、アドレスフィールドの受信者をドラッグすることが出来るようになっており、受信者とCCのアドレスを再配置することが出来る。

メールアプリについてその他の挙げる価値のある変更点を紹介しよう。メッセージを件名なしで送信すると警告されるようになり、そして、デバイスから直接メールのフォルダーを作成することが出来るようになった。

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メールの変更の大半は、メールアプリをライオンのメールアプリに近づけるために行われており、見事にその役目を果たしていると言えるだろう。Macで出来て、iOSバージョンのメールで出来ないことはほとんどない。受信したメールを処理するためにiPadに頼るユーザーが増え続けているため、大歓迎のアップデートである。

カレンダー、連絡先、地図 & 天気

コンピュータを用いるのではなく、アプリをデバイスで利用する能力を高める期待に応えるため、アップルはiOSのデバイス上でカレンダーを作成し、名前を変える機能を追加した。また、もう利用しないカンレンダーを削除することも出来る。

日と時間の上でタップしてホールド、またはダブルタップすると、新しいイベントが生成される。アポイントメントを作成したら、時間を自分で変更することなく、カレンダーにドラッグすることが可能であり、選択されたイベントの両側に表示されるハンドルを使って期間を調整することが出来る。その結果、始まる時間と長さの調整が驚くほど容易に、そして、タッチフレンドリーになった。

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iPadでは、1年間で閲覧するモードが加わり、1年全体を一度に見渡すことが出来る。忙しい日は黄色とオレンジ色で塗り分けられる。また、月間閲覧モードでは、スワイプして月を切り換えることも可能だ。

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また、iCloudベースの招待システムも用意されており、イベントを作成して、eメールで連絡先に登録されている人を招待することが出来る。招待する人もiOS 5を利用している場合、イベントが近づくとiCloudからリマインダーが送られる。イベント内のInvitees(招待客)のフィールドをタップするとこの機能にアクセスすることが出来る。

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一方、連絡先には、グループの追加と削除、そして、メンバーの編集を行う機能が欠けている。iPhoneをコンピュータに接続して、アドレスブックで、またはウィンドウズ PCで連絡先を管理するために用いているアプリでグループの作成および編集を行う必要があるため、なぜこの機能がいまだに用意されていないのか私には理解することが出来ない。

グループ編集機能の欠如を除くと、連絡先アプリは、ツイッターとリレーションシップの欄を含む複数のフィールドが加わり改善されている。このリレーションシップのフィールドを利用すると、リマインダーやボイスアシスタント機能のシリ等のアプリが家族をプログラミングに組み込む。リマインダーに関しては、リマインダーを最初に立ち上げる際にユーザーに関係を指定するよう要請する。

こうすることで、「お母さんに電話するように思い出させて」等の頼みごとをすると、これらのアプリは連絡先を検索して、リレーションシップフィールドの「お母さん」と表示されたアイテムを探し出す。

天気アプリはほとんどが変わっていないが、1日の天気の画面をタップして、当該の日の1時間ごとの天気予報を把握することが出来るようになった。この天気予報画面はスクロール可能である。加えてロケーションサービスにより、自動的に近郊の天気情報が表示される。

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マップアプリもまた変更の数は少ない。エアプリントを使って、マップと道順を印刷することが可能になった。交通機関とマップの表示の選択肢と共にこのオプションは現れる。

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また、マップは最大で3つの異なるルートを提供する。別ルートは道順を尋ねた後にマップ上に薄い青い線で表示される。ここでは提示されたルートをタップして道順を選択することが可能だ。例えば、高速道路と市道との間で切り換えることが出来る。混雑した道を避けたルートを探すことが出来るため、サイクリングやウォーキングに出掛ける際に特に役に立つだろう。

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リマインダー

リマインダーは、仕事をリストアップして、忘れないようにするために役に立つだけでなく、期限が定められているタスクを表示するように設定し、さらに、ある場所に到達した際にタスクを実行または完了を思い出させてくれる役割を持つ。

アップルは、忘れるべきではないタスクを容易に思い出せるように工夫している。以前は、電話を取り出し、メモを書き、思い出すことを天に願うか、アラームを設定するしか方法がなかったが、新しいリマインダーアプリ、そして、シリの機能のおかげで、To Doリストにリマインダーを入力するか、もしくはシリに命じて追加してもらうことが出来るようになった。

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iPhone 4Sを持っているなら、理論的にはシリに頼んで近所の猫に餌を上げるタスクを思い出せてもらうことが可能だ。その際は、シリはリマインダーアプリを立ち上げ、タスクを追加し、ロケーションのフラグを立てる。要するに家に帰ると、アプリはすぐに完了するべきタスク – この場合では猫に餌をあげる – について通知する。

しかし、リマインダーには一つ迷惑なバグが存在する。現在の居場所もしくは連絡先に記載されている住所しか設定することが出来ないのだ。マップのダイアログを使ってロケーションを選択することが出来れば、もしくは単純に打ち込むことが出来れば理想的である。これが意図したものかどうかは不明だが、賢明とは思えない。

全てのリマインダーはiCal、アウトルック、そして、iCloudにシンクすることが可能であり、加えた変更点が自動的に全てのデバイス、そして、異なるコンピュータのカレンダーでアップデートされる仕組みになっている。

大切な人、上司、または友達に文句を言われる日は過ぎ去った。リマインダーにアクセスして、タスクと場所を入力しよう。iPhone 4Sを持っているなら、何をするべきか伝えよう。そして別の重要なリマンダーを忘れないように心掛けよう。

ニューススタンド

iOS 5のアップデートの一環として、不要だと思っても削除不可能なネイティブアプリとしてニューススタンドが加えられた。このアプリはアップストアの延長線上にあるアイテムであり、雑誌および新聞アプリの購読を一つの場所で購読する、読む、そして、管理する手段を提供している。

ニューススタンドアプリを利用するには、アプリをホームスクリーンから立ち上げ、既にアップストア経由で配信を購読している場合、アプリ内のバーチャルな本棚に既にリストアップされている。何も購読していない場合、「ストア」リンクをヒットする。するとアップストアに移動し、新聞や雑誌のiOSバージョンを提供している長い配信アイテムのリストから選択することが出来る。

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購入するとニューススタンドアプリに自動的に追加される。配信アイテムが新しいフィードをプッシュする度にアプリはバックグラウンドでアップデートし、最新のニュースや情報が利用可能になった時点で提供する。

配信アイテムの最新号のアップデートが、ニューススタンドの「1日1回」のアップデートのプッシュの後に行われる場合でもアップデートを手に入れることは可能だが、配信アイテムにアクセスしなければならない。ニューススタンドはデータの転送コストを低く抑えるために1日に1回の配信に限定している。

ニューススタンドは事実上フォルダーであるため、ニューススタンドを別のフォルダーの内側に置くことが出来ない。これは迷惑だ。つまり、利用するつもりがなくてもしまうことが出来ないのだ。ニュースタンドを使って雑誌を読むことはほとんどないため、私は諦めてiOSデバイスの最後のページにこのアプリを配置した。しかし、様々な配信アイテムをまとめる手段を求めていたユーザーにとっては、理想的なアプリと言えるだろう。

ニューススタンドは、iBookstoreと同じように1つの場所でアイテムを並べることで、iOSでの定期配信アイテムの人気を支えるため、アップルが迎えたアプリである。このアプリが成功するかどうかは現段階では不明だが、iOS 5にアップデートされた全てのデバイス、そして、今後発売される全てのデバイスに提供される事実はマイナスには働かないだろう。

テキストの編集

iPadおよびiPhoneのテキストエディターを利用して大量のテキストを入力している人のために、幾つか優れた機能が追加されている。

まず、ショートカットのオプションがSettings>General>Keyboardに掲載されている。これは基本的にはテキストエクスパンダー機能であり、短い文字列を指定して、長いフレーズを呼び出すことが可能だ。こうすることで「adr」と入力すると、ショートカット機能がaddress(住所)を埋める。もしくは、例にあるように、「omw」と入力すると「On my way」(今、向かっています)が表示される。これは明らかに携帯テキストメール向けの機能ではあるが、iデバイスで大量にテキスト編集を行う人にとっては、頻繁に利用するテキストの文字列を入力するための心強い味方になるだろう。

また、テキストの一部を選択した際に表示されるテキスト編集のポップアップにも改善が加えられている。選択されたテキストのサイズが若干拡大され、そして、タッチターゲットが大きくなったため、編集オプションからの選択がさらに容易に行えるようになった。

残念ながら、現時点ではメールを除くと、リッチテキスト編集には対応していない。そのため、斜体、太字、下線は利用することが出来ない。

リプレイスがなくなり、「Suggest」(サジェスト)に置き換えられている。サジェストは未知のテキストの入力に対して単語のオプションを選択して提供する機能である。また、矢印をタップして、ポップアップで単語の定義を把握することが出来るようになった。

AirPlayのミラーリング

アップルはiPadのディスプレイをiOS 5を介してHDTVでミラーリングする機能を加えている。このAirPlayのミラーリングは、iPad 2に限定されると考えられていたが、先週、アップルはiPhone 4Sにも搭載すると発表した。

この機能を利用するには、iPad 2かiPhone 4S、そして、アップルが必要であり、また、全て最新のiOSのバージョンが内蔵されいている点も条件の一つである。

iOSの全てのアプリにおいて、ホームボタンをダブルタップして、マルチタスク用のバーを呼ぶことが出来るようになっている。その後、左にスワイプするとAirPlayボタンが現れる。このボタンをタップし、選択肢のリストの中からアップル TVを選択する。

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AirPlayのミラーリングもまた、iOS 5のステルス的な機能であり、リビングルームでのゲームやビデオチャット等、ユーザーがTVを利用する方法に幅広い影響を与えると私は考えている。iPadとiPhoneを事実上ゲーム機やTV会議システムに変える効果が期待される。アップル TVの所有者にとってこの機能は非常に有効である。

ミュージックとビデオ

iPodアプリがiOS 5では2つのアプリに分割されている。ミュージックアプリとビデオアプリだ。動作自体に大きな変更は加えられていないため大きく取り上げるつもりはないが、それでも紹介する価値のある変更点が若干あるので挙げていこう。

ミュージックアプリは、iTunes in the Cloudのダウンロード済みの楽曲にアクセスすることが可能であり、同様にビデオアプリではダウンロードしたTV番組にアクセスすることが可能だ。アクセスするには、iTunes in the Cloudのセクションで説明したように、各アイテムの隣にあるクラウドアイコンをタップする。

曲を聞いている間、長い曲名は、省略記号を用いて途中で切り取られるのではなく、スクロールして表示される。また、曲名を押し続けて、曲の名前とアーティスト名が記載されたポップアップを表示させることも出来る。

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iPad版のミュージックアプリもまたデザインを変更しており、すっきりした、シンプルなレイアウトが採用されている。

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アクセシビリティ

アップルはアシスティブタッチと呼ばれる機能を既に豊富なiOS 5のアクセシビリティの機能のコレクションに加えている。これはデバイスのハードウェアの機能を有効にするタッチベースのパネルを作動させるシステムである。

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アシスティブタッチを使って、例えば、ホームボタンを有効にしたり、スクリーンをロックしたり、ボリュームを変更したりすることが可能だ。また、アクションに指定することが可能な独自のジェスチャーを作成することも出来る。ジェスチャーは、指を3本、4本、さらには5本使って作動させることが可能だ。

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これらの機能は、ジェスチャーベースのインターフェースを主に必要としているユーザーを念頭に置いて作成されているものの、タッチベースのデバイスを「オンリータッチ」にしたいユーザーが、その望みを叶えるポテンシャルを持つショートカットを作成することが出来るだろう。その他にも例えば学校や博物館でロックダウンされ、ハードウェアのコントロールが難しい際にも利用することが出来る。他にも産業上の利用等が考えられる。

どのような用途であれ、デバイスをより多くの人々の役に立たせるため、アップルが常に工夫をこらしている点がよく現れている。

また、「スピークセレクション」が用意されており、様々なテキストから選び、コンテクスチュアルなポップアップで利用し、iPhoneにテキストを声に出してもらうことが出来る。素晴らしい機能であり、iPhoneの小さなスクリーンを考慮すると、視力の悪いユーザーは重宝するだろう。

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iPadのみ

iOS 5に加えられた変更の中にはiPadに限定された変更も幾つかある。そのうちの幾つかは、サファリのタブ閲覧のように、特定のアプリに統合されている。しかし、システムの一部として独立し、iPadのiOSの経験を遥かに改善する変更点もある。

そのうちの2つの変更点により、iPadのユーザーエクスペリエンスは以前と比べ大幅に向上している。まず、iOS 5は、iPad用に分割されたキーワードを導入している。通常のキーボードを引き上げ、中央でピンチして分割し、2つの親指大の小さなパネルをiPadの右と左に振り分けることが出来る。その結果、ポートレートの位置で持ちながらの入力が大きく変わり、事実上「通常」のキーボードを心地よい親指入力用のキーボード化させることが出来る。

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また、スクリーンの右下にある小さなスクリーンボタンをタップして、キーボードを解除して、スクリーンの下3分の1に移動させることも可能だ。あまり役に立たないが、親指が大きい人には嬉しい選択肢なのだろう。分割されたキーボードを再び1つに戻すには、ピンチして戻すか、ボタンを利用する手がある。この機能のおかげで、iPadを持ちながらの入力が、辛い作業から、快適な作業へと変わるだろう。

iOS 4.3で開発者のために導入されていた「マルチタスキングジェスチャー」が正式に加えられた点も大きな変更と言える。このジェスチャーは、Settings>Generalメニューで有効にすることが可能であり、4本の指でピンチしてホームスクリーンに戻り、上にスワイプしてマルチタスキングバーを表示させ、アプリ内にいる際に左または右にスワイプして、前後のアプリに切り換えることが出来る。

私はこの機能を今年の早い時期から使い始めているが、完璧にこの素早く、スムーズな機能の虜になっている。今となってはデバイスを起こすとき以外はホームボタンを触る機会はほとんどなく、また、アプリを詰め込み、マルチタスキングバーにアクセスして指でスワイプするだけで利用することが可能な点は特筆に値する。iPadの利用が新鮮に思え、未来にタイムスリップした気分になる。

iPadをデジタル写真のフレームとして利用する際に特定のイベントを選択することが可能な点を含む、iPadならではのアイテムは他にも幾つかあるが、ここでは主要な2点を紹介した。

サイズが大きいiPadには指を動かすスペースがあり、親指だけで入力するには若干広過ぎるため、iPadにもたらされた変更は良い兆しと言えるだろう。iPadの大きなスクリーンを活用した改善が、iOSに今後も行われることを私は願っている。

結論

アップグレードするべきと訊かれたら、迷わず私はYESと答える。今すぐアップグレードするべきだ。私のデバイスはベータ7、そして、iOS 5のリリース版に酷似したGM シード以来ほぼ何の問題なく安定して動いている。これは一流の証だ。iOSでここまで一気に改善が行われることは滅多になく、新しいデバイスを使っている気分にさせられる。最高の気分だ。

バグや予想外の動作もあるが、今回のリリースのために非常に多くの作業が行われているため、当然と言えば当然である。全体的に問題はとても小さく、ほとんどのユーザーは気づかないだろう。

iOS 5とiCloudで提供されている機能は、故スティーブ・ジョブズ氏のビジョンを追いかけ続けた数年間の血と汗と涙の結晶である。このビジョンは14年前にジョブズ自身が1997年にCEOとしてアップルに復帰した直後のQ&A セッションで決心したものだ。これは準備されたプレゼンではなく、オーディエンスの質問への答えであった。しかし、この詳細な答えの中で、ジョブズ氏はiCloud、アップルの多くの接続された製品、そして、単なるデバイスとしてではなく、全てを集める“デジタルハブ”としてのMacの未来を語っていた。

アップルは2001年にiMacをデジタルハブとして描き、回り道をしたかもしれないが、ビジョンは明確であった。このビジョンはiOS 5、そして、iCloudを介して現実になり始めている。

「始めている」と言ったのは、提供されている機能は素晴らしいが、iCloudのテーマと利用を選択するのも、拡大するのも、そして、成功に導くのも開発者次第だからだ。その時になって初めて、iCloudが大勢のユーザーがもたらすロジスティックのプレッシャーに耐えられるかどうか、そして、クラウド内の接続されたハブを介して、シームレスなクライアントベースの経験を全てのデバイスで楽しむことが出来ると言う約束を果たすことが出来るかどうかが判明する。

また、サービスがスムーズに動作するかどうか、そして、iCloudをiデバイスとMacの経験の全ての局面に統合する計画を進めるかどうかはアップル次第である。

とは言ったものの、現時点で十分に役に立っており、ノーティフィケーションセンター等の多くのアップグレードや調整、そして、カメラの改善等が行われたおかげで、間違いなくiOSの最高のバージョンとなり、iPhoneやiPadが動くことのない物体ではなく、生き生きと活動するサービスの一部になった気分にさせられる。今すぐアップグレードしよう。後悔はしないはずだ。

ライター紹介

マシュー・パンザリノ氏はTNWの西海岸担当のエディターである。20年間をコンピュータ業界で過ごし、モバイルテクノロジーに精通しており、最新且つ最高のテクノロジーニュースを提供する。ツイッターでフォローするならここをクリックしよう。eメールなら、matthew@thenextweb.comで連絡を取ることが出来る。


この記事は、The Next Webに掲載された「TNW Review: A complete guide to Apple’s iOS 5 with iCloud, an OS 14 years in the making」を翻訳した内容です。

まさに完全レビューでした。ブックマークして必要な時に必要な個所を見返していただければと。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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