最近、私は起業家からリーンスタートアップが彼らを阻害しているという意見をますます多く得ている。
同様にこんな動きも目にしている。全くかほとんど行動がないまま永続的に分析だけしている状態で“身動きが取れない”スタートアップだ。
起業家はリーンスタートアップのプロセスを非難する。彼らは、前に進む前に全てを検証する必要性が、彼らの動きを遅くし、あまりにも混乱させると指摘する。彼らは、むしろ何かと共に前進してそれを進歩と考える方が良いと思っているのだ。
ここにはいくつか作用していることがある。
まず第一に、私は以前にリーンスタートアップのペースについて書いたことがある。なぜなら、特定の段階でそれは遅いように感じるからだ。
リーンスタートアップの目標は、あなたを遅くすることではない。あなたがしていることについてあなたに批判的に考えさせ、突進する前にあなたが正しい方向に進んでいることの証明を(何らかの形で)蓄積するようにデザインされている。早期顧客開発とリーンスタートアップのプロセスを通過する人たちは、無力感もしくは少し脱線したように感じるかもしれないが、最終的にはどこに向かって走るべきかのより明確な絵が出てくる。そして、あなたは走るのだ。できるだけ速く。
第二に、起業家は良い実験を行う方法に本当に苦しんでいるようである。
それは、それをする方法を知らないこととそれをしたくないことを組み合わせたものだ。実験を行うことに得意になることとリーンスタートアップの方法論に従うことには練習を必要とする。それは、本当にシンプルなことだ。あなたが努力をするかしないかのどちらかだ。あなたが、それが価値を追加すると信じるか信じないかのどちらかだ。もしあなたが、スタートアッププロセス全体で完全に妄想的のままでいたいのなら、そうすればいいが、あなたが成功する可能性はひどいものだ。
起業家は、“自分の仕事を投げ出す”ことを強いられるアイディアとの関わりにも四苦八苦する。仮説や実験が失敗するかもしれないアイディアは、時間の無駄のように感じるのだ。それは私も理解できる。時間を無駄にしているように感じたい人などいない。あなたは、失敗した実験も、もしそれがうまく設計されていて目的を持っていたのなら、ものすごく価値があるということに気が付かなければならない。Rovioは、Angry Birdsを思いつくまでに51ものゲームを試した。それには8年かかった。何か成功することを見つける前に8年にわたって51のことに挑戦することをあなたに提案する人などいないが、失敗した実験から学ぶ限り、あなたは成功に近づいているのだ。
優れた実験は明確な結果を必要とする。顧客開発インタビューについても同じことが言える。優れた実験と顧客開発インタビューは意思決定を簡単にし、特定の次のステップを導くはずである。もしそうならない場合、その理由を突き止めて実験とインタビューを行う方法を変える必要がある。さもなければあなたは完全に麻痺状態に陥るだろう。
最後に、リーンスタートアップがスタートアップから勇気を吸い取っていると起業家が考えているような気がする。
これほど事実からほど遠いものはない。単に方法論に従うことによって成功するスタートアップはないのだ。成功のための公式などない。あまりに多くの変数があって、その大部分をあなたはコントロールすることができない。あなたの勇気(もしくは直感)は、スタートアップの実験全体で極めて重要である。あなたは不完全なデータをもとに判断をするだろう。あなたは突然インスピレーションと洞察のひらめきを得て、他の誰も同じ方法を持たない点と点を結び、それらのひらめきを素早く実行しなければならない。あなたは自分の勘に従うだろう。
最終的には、スタートアップの創設者であるあなたが、決断をする。あなたに任されている。誰もあなたからそれを奪おうとしたり、あなたの勇気や直感を機械的で完全に計算できるプロセスに変えようとはしていない。スタートアップはそれに必死になりすぎる。あなたが大きなビジョンとリーンスタートアップを同じ立場に置くことができるように、直感とリーンスタートアップでも同じことができる。だからこれを言い訳に使わないことだ。リーンスタートアップは、援助の枠組み、物事のリスクを低下するため、意思決定のための枠組みである。しかし、リーンスタートアップは保証ではない。
あなたは数々の方法で分析まひから逃げ出すことができる。あなたは自分の直感に耳を傾けて何かをしたり、進路を選択したり、地中に旗を立てたりすることができる。あなたはもっと多くの実験を行うこともできる。あなたは両方を一緒にすることができる。スタートアップはまともじゃないが、めちゃくちゃ面倒である必要はない。あなたは、その狂気に何かメソッドを導入して自分の焦点を改善することができる。数日の間に小さな実験を行って、おじけから抜け出して何かを学ぶのだ。素早い決断をし、自分の仮定をテストし、そこから進む。何かが起こるのを待ってオフィスで画面を見つめていてはいけない。良き師も助けてくれる。彼らは、あなたを開放するかもしれない正直な外の意見をもたらす。しかし、もし彼らが完全に異なるフィードバックを提供しているなら、状況をさらに混乱させるかもしれない。だから気を付けよう。
ほぼ全てのスタートアップが、実験の間のある時点で分析まひを経験する。しかし、もしそれが継続して起きていたり長い間続いているなら、自分の意思決定プロセスと自分の心地よいゾーンの外で実験をする(そして失敗する)意思に目を向けなければならない。あなたはそこに座って、リーンスタートアップや他の何かを非難することはできないのだ。そこから抜け出して前に進むのはあなた次第なのだ。
この記事は、Instigator Blogに掲載された「Analysis Paralysis (and Blaming Lean Startup)」を翻訳した内容です。
小さく始めて売上目標や給与の支払い、銀行の残高のプレッシャーに怯えることなく、一つ一つ検証しながら注意深く地道に進める。課題を見つけたらその都度解決しながら、根本的な問題があればピボットしつつ、失敗のリスクを最小限に抑えて成功への階段を上っていく。リーンスタートアップが極めてクレバーで現代的な手法であることは間違いありませんが、そこにいわゆる起業時に生まれるある種の熱を感じることは余りない気もします。スタートアップが一々自身のやることを全部検証し、合理的判断を優先しすぎることで、スピードダウンはもちろん、リスクを取ってチャレンジすること自体がしにくくなるのではという懸念はどうしても持ってしまいます。一歩間違えれば失敗を恐れて何もできない大企業と何も変わらなくなりそうだったり。
0から始めて大成功するスタートアップは一握りとは思いますが、成功した多くの起業家には、特に事業が一定規模になるまでの段階においては、失敗を恐れず、他人に無謀・それこそバカといわれても情熱に任せ、失敗リスクの検証をすることなく、走りきって勝ち残った人も多いですよね。もちろん成功者の陰には*百倍の敗者がいるわけですが。。。ただ私がオールド世代のせいか、リーンスタートアップ手法に忠実に乗っ取って行動する起業家から次のGoogleが、Appleが、Facebookが、Instagramが、Sonyが生まれるイメージはイマイチ湧きません。リーンスタートアップを「一流コンサルが語る零細ベンチャーサバイバルガイド」と思えばそれはそれで素直に納得なんですが、大きな成功を目指す志の高いスタートアップであれば尚更。
何故かリーンスタートアップ批判みたいになってしまいましたが 汗、筆者の批判に対する回答は、上の私の懸念をある部分で一掃してくれるものでもありました。結局手法は手法、マニュアル通りに進めて停滞しては起業家とはいえません。さてあなたには、「自分の意思決定プロセスと自分の心地よいゾーンの外で実験をする意思に目を向け」、「そこから抜け出して前に進む」ことができるでしょうか? — SEO Japan [G+]
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