コラボレーションでビジネスを成功させる3ステップと5つの要素

公開日:2012/08/01

最終更新日:2024/03/04

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クラウドソーシングに代表される、ソーシャルメディアを活用したコラボレーション系サービスが色々と登場していますが、今回はそんなコラボレーションの取り組みをビジネスに効果的に活用するための要素を解説した記事を。 — SEO Japan

ゲスト投稿: スティーブン・ヴァン・ベレジェン(@steven_insites) & トム・デ・ルイク (@tomderuyck

ここ数ヶ月、同僚のトム・デ・ルイクと私は、企業と顧客の構造的なコラボレーションに関するリサーチを行ってきた。私達はグローバルなレベルで営業する17社の17名の幹部にインタビューを行った。2012年のビジネスの世界で起きている、構造的なコラボレーションにおける新たな進化に関する明確な見解を求めていたのだ。この記事では特に重要な調査結果を発表していく。

コラボレーションは、顧客とだけではなく、従業員とも実施することが出来ることは周知の事実である。ここで取り上げているリサーチでは、会社と顧客との間のコラボレーションに的を絞っている。コラボレーションは、新作のザ・カンバセーションカンパニーの中で紹介した4つのCの1つである。この重要な側面を完全に理解するために、私達はこのリサーチを実施したのだ。

共同制作、クラウドソース & オープンイノベーション

共同制作は飛ぶ鳥を落とす勢いである。ここ数年で、とても刺激的で、優れた共同制作が多くの注目を集めてきた。ドリトスはスーパーボウルのCMを消費者に作らせ、ポテトチップメーカーのレイズは新しい味を消費者に尋ね、そして、スナックメーカーのモラは新しいコロッケを消費者と共同して作り出していた。共同制作は、現時点で、多くのマーケッターが注目する取り組みに発展している。そして、皆さんの企業でも、この新たな取り組みの方法を試すべきである。ただし、… たった今紹介した例に見られるように、単なるキャンペーンでは終わらせないでもらいたい。

先日実施した調査結果では、3%が消費者と新製品の開発を実施したことがあると答えていた。そのほとんどが、実験的な意味合いであった。プロジェクトが大きな成功を収めると、コラボレーションの取り組みは強化されていたようだ。また、積極的に共同制作を行う企業のうち、顧客を新製品の立ち上げに参加させている企業は僅か8%である点も分かった。共同制作の取り組みの多くは、新製品の開発である。しかし、消費者が継続的な共同制作のプロセスに参加していも、構造的なコラボレーションプロセスが採用されていると言い切ることは出来ないのが現実である。

構造的なコラボレーションでは、顧客は全ての意思決定プロセスに参加する。新しい製品に関するブレインストーミングにおいても、市場の新たな消費者のトレンドに関する積極的な情報提供においても、接点の配置および話題にする価値のある製品にするためのフィードバックの提供においても、コンテンツ戦略への参加においても、新しい広告キャンペーンにおける共同制作においても顧客に参加してもらうべきである。そして、構造的なコラボレーションには価格の設定も含めることが出来る。企業自身が決めるのではなく、顧客が値段を決定するのだ。

先日行われたハーバードビジネスレビューの記事で、作者は全ての企業の疑問は、顧客とのコラボレーションを自ら率先する企業に解決してもらった方が良いと指摘していた(スコット・クック著 「コントリビューションエコノミー」ハーバードビジネスレビュー 2008年)。 また、オランダのワーゲニンゲン大学が先日実施した調査によって、箱に共同制作が行われた点を明示する製品は、消費者との共同制作を謳わない製品よりも売れることが証明されている。要するに、消費者は企業の判断よりも他の消費者の判断を信頼しているのだ。

共同制作からコラボレーションへ: 3つのステップ

顧客との構造的なコラボレーションにおいて、テクノロジーは重要ではない。本当に重要なのは、企業内で必要とされるメンタリティーの変化である: 消費者に本当の意味での発言権を与え、社内で意見を発表してもらうのだ。自分の勘に頼るのではなく、真の“顧客の感覚”を企業の決定プロセスに加えることも目的の一つである。

構造的なコラボレーションに向けて一度に前進しようとすると、多くの障害が発生する可能性がある: 社内の全ての従業員にとって、変化のペースが早く、ついていけないためだ。私達の調査では、インタビューを行った全ての企業は、小さなスケールで構造的なコラボレーションをスタートさせたと答えていた。その後、徐々に規模を拡大し、教訓を得ていった。

3つのステップ:

1. テスト: コラボレーションは“感覚”的なプロジェクトで始まる。企業の決定プロセスに消費者がどのような方法で、そして、どの程度参加するのか確認 & 調査する必要がある。大半の企業にとっては、顧客が新たに加えることが可能な価値を知るためのテストと言えるだろう。

2. テストが成功に終わったら、今後はプロジェクトベースのコラボレーションを実施する段階に移る。この段階では、新しい、戦略的なプロジェクトに顧客が参加する。顧客を中心に据える考え方が企業内で広まっていくと、顧客の参加はさらに取り込まれていく。

3. 最後のステップは構造的なコラボレーションだ。このステップでは、顧客の意見が全ての決定に完全に反映される。

構造的なコラボレーションを成功に導く5つの要素

調査結果を基に、私達は顧客とのコラボレーションを成功させる5つの要素を特定した。

1.企業とのフィット & 企業のカルチャー

コラボレーションを採用する決断を否定する主張の中で最も多いのが、既存の企業のカルチャーの存在である。経営陣はコラボレーションを認めることに苦労するため、既存の会社のカルチャーにフィットするテストを選ぶことが、共同制作を行う唯一の方法である。まずは企業のカルチャーを変えずに、状況に応じて適応していくことを薦める。コスト主体のカルチャーが強いなら、コスト効率を上げる共同制作のテストを探し出す必要がある。

常に1名の天才からアイデアが生まれる企業で働いているなら、そのスタンスを維持するものの、天才のアイデアの一つを導入する形でマーケティングキャンペーンに顧客を参加させることが出来る。既存の企業のカルチャーに沿って消費者を参加させることが出来る可能性は大いにあると私達は考えている。テストを選択すると、間もなくアクションを起こすことになり、結果を遥かに早く受け入れることが出来るようになる。その後、企業の決定プロセスへの消費者の参加の度合いが高まるにつれ、企業のカルチャーは変化していく。

2. 適切な人物を選ぶ

全ての顧客がコラボレーションのプロセスに価値を与えるわけではない。心から協力したいと望む人達を選らばなけれならない。企業を熱心に応援していることが条件である。ただし、熱意だけでなく、適切な知識も必要である。 自分の会社の業界について何も知らない人よりも、当該の分野の知識および経験を持っている人に参加してもらう方が遥かに効果は高い。また、製品を実際に利用したことがあり、製品を実際に購入した人と協力した方が無難である。このような条件に当てはまる人達を、雇用されていない雇用者と見ることも出来る…

3. 経営陣の積極的な参加

経営陣がコラボレーションプロジェクトを支援しているだけでは不十分である。義務のない支援は意味がない。組織の経営陣に積極的に参加してもらう必要がある。企業の意思決定プロセスに顧客に参加してもらうことが構造的なコラボレーションの目標である。従って、会社の経営陣が積極的に関与せず、顧客の意見に耳を傾けていないなら、顧客の意見を参考にしないで今後も自ら決定を下していく可能性は高い。 その時点で、コラボレーションは失敗であり、企業の豪華なPRツールの一部に成り下がってしまう。

4. 社内と社外のコミュニケーションの境界線を撤廃する

コラボレーションプラットフォームは、大抵の場合、企業内部のプロジェクトである。大半の企業は、競合者の参加を望まない。しかし、コラボレーションが企業の壁に隠されてしまうと、最大のインパクトを実現するチャンスが失われてしまう。 コラボレーションの取り組みを外部と共有する利点が2つある: まずは、製品およびサービスへの信頼度が上がる点である。参加する消費者は、社外のブランドアンバサダーの意識を持つようになる。このメリットには、活性化する効果があると私達は考えている。また、マーケッターのイメージが良くなる利点もある。同僚、友達、そして、競合者に対して、マーケッターが意思決定プロセスに消費者に参加してもらっていると伝えれば、イノベーターとして評価されるだろう。彼ら自身も普段の生活でソーシャルメディアを介して消費者の力を実感しているためだ。

5. インパクトを計測する

構造化されたコラボレーションの取り組みのインパクトを計測することも非常に重要である。そうすることで、このタイプのプロジェクトへの今後の投資が遥かに容易になる。以下に検討してもらいたいKPIを幾つか挙げていく:

– イノベーションの成功度およびサービスへのフィードバック: 消費者に参加してもらうことで、失敗する製品の数を減らすことが出来る。

– コストの削減: 失敗する製品が減れば、コストも減る。その結果、従来のマーケットのリサーチに対するコストも減らすことが出来る。小さなその場しのぎの市場調査プロジェクトをしなくて済むようになる。消費者の声は、会社の至る所で聞き取ることが出来るようになるためだ。

– 消費者の感情: 従業員およびマーケッターの間の消費者の感情がどれだけ高まったか計測する。消費者に耳を傾ける気持ちが強くなると、消費者の感情は改善され、会社と消費者の間のギャップは埋まっていく。

– ブランド認知: 会社の全体的なブランド認知に変化が生じる可能性がある。消費者が積極的に会社の発展に寄与していることを市場が把握すると、会社のイメージが変わる。消費者は、顧客中心の企業だと考えるようになり、ソーシャルメディアでポジティブな会話が行われ、その結果、会社のイメージは良くなる。

メンタリティおよび会社のプロセスの変化

今回実施した調査によって、構造的なコラボレーションに向けた進化は、会社にとって影響が非常に強いことが判明している。構造的なコラボレーションに向けて前進している企業は、このプロセスを前向きにとらえており、最初はメンタリティの変化から始まり、最後は会社のプロセスを適応すると断言している。顧客のフィードバックを会社に構造的に取り入れたいのなら、この新しい背景にプロセスを合わせなければならない。企業のプロセスを適応させないなら、共同制作およびコラボレーションの取り組みは単発のキャンペーンで終わってしまい、構造化されることはないだろう。

この記事によって、今回の調査の主な結果において、優れた見解を得てもらえたら嬉しい。詳細は以下のダウンロード可能なスライドシェアで提供している:

チームワークのイメージ: Shutterstock

この記事は、Brian Solisに掲載された「From Co-creation to Collaboration: 5 pillars for business success」を翻訳した内容です。

Co-creationはコクリエーションとした方がそれっぽいかもですが、意味不明になりそうなので共同制作と訳しました。若干大げさなタイトルな気がしなくもないですが、中身は至極まっとうな内容でした。「構造的なコラボレーション」は製品開発等での活用を考えるとそこまで実現する必要があるのかな?と思わなくもないですが、顧客の意見をネット経由で吸収してサービス改善に活かすようなコラボレーションであれば、構造的にそういった仕組みを作り上げることができると強いかもしれません。コラボレーションの試み、皆さんは自身のビジネスにどう取り入れていきたいと思われるでしょうか? — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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