SES London 2010 : ブランドマーケッターのためのソーシャルメディアの効果的な利用方法

公開日:2010/02/15

最終更新日:2024/03/18

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初日の午後の最初のセッション。SESらしくなってきました。スピーカーはSEOmoz.orgのCEO、ランド・フィッシュキン。思わず期待してしまいます。原題は「Social Media Best Practices for Marketers Inside the Brand」。

まずはソーシャルメディアの普及状況。最近統計と説明を幾つか。

ソーシャルメディアへの参加意欲(米国)

12歳~17歳 73%
18歳~25歳 72%
26歳以上~ 45%

若年層を中心に圧倒的に普及している、と。

・Facebookのユーザーは先週4億人を突破。
・Linked Inは6,000万人突破。

・Twitter、急激にユーザーが増えたが、既にピークは迎えている。
・Twitterのユーザーの半分以上がフォロワー5人以下。

・ブログ、Technoratiの統計では3,000万以上。ただし2007年以降統計を出していない。SPAMブログの数が多すぎるのが理由かも。
・ブログのブームは一段落している。一部の読者をある程度持っている人はブログを続けているが、新規のユーザー、特に個人の場合、Twitterを選ぶ人が多いのでは。
・ブログを書く人は分類的には技術系、ギーク系の人が多い。一般の人はTwitterやSNSに流れている?

この辺は日本と少し状況が違うかもですけどね。普通の人でもアメブロとかやってますし。アメブロユーザーの大半がTwitter知らなそうだし。あ、なう、ってのがあるのか。日本のブログってそもそもつぶやき、日記系の投稿多いし、どうなんでしょ。

次に「ソーシャル vs バイラル」と言うテーマで。ソーシャルで口コミはできない、と言う大胆な発言。ソーシャルはバイラルでなく、ブランディングである、と。ソーシャルは直接的なセールスチャンネル、顧客開拓チャンネルには成りにくい。売りたい商品を口コミで一気に広げて売りまくることは難しいと。

ここでソーシャルメディア経由のトラフィックを考えてみる。サーチマーケティングのクラシックなサーチ→クリック→購入の流れとは少し違う。FacebookやTwitter経由のアクセスがサーチ以上にコンバージョンに結びつくことは少ない。ソーシャルメディアは、話題を提供して認知度や興味を徐々に上げていくメディア、その意味で従来型のメディアに近い部分もある。しかし情報が広がる力は従来のメディアよりはるかに高い。また効率的に使うことで、費用対効果良くトラフィックを集めることもできる。ブランディングメディアだが、実際のトラフィックも呼び込める。

シニアレベルのマーケッターへインタビューした結果では、ソーシャルメディアを活用したマーケティングに対する興味レベルが現在一番高い。現在、ソーシャルメディアマーケティングへの投資はネットマーケティング全体で見れば微々たるモノであり、今後急激な伸びが予測される。

しかしソーシャルメディアマーケティングはマーケッターにとっては使いこなすのが非常に難しい。キャンペーンの内容がユーザーの反感を買って炎上した例も数多い。企業マーケッターにとっては、手怖い存在。

。。。日本でも定期的にありますよね。僕も何度か経験してますし 泣

そしてソーシャルメディアキャンペーンを成功させる5つのステップを説明。

ステップ1:リサーチ
Facebook、Twitter、YouTube、SBM、、、まずは様々なソーシャルメディアを徹底的にリサーチする。成功事例も研究する。

ステップ2:戦略を考える
・ビジネスゴールは何か?
・ソーシャルメディアによってビジネスに何をもたらしたいか?
・ゴールを達成するために何をすべきか?
・効果測定の指標に何を利用するか?
・どの程度のROIで成功と考えるか?

効果測定は特に難しい分野だが、何かの指標は立てることが重要。実際は効果測定できない部分でプラスに作用する要素も多くある。その逆もあるが。。。

ステップ3:チャンピオンを探す
周りでソーシャルメディアに実際に参加している仲間を探す。彼・彼女自身がソーシャルメディアのプロでもある。ユーザーの代理人として意見を聞いてみることが重要。

ステップ4:価値のあるチャンネルを探す
最も効果があるソーシャルメディアを特定して利用する。

ステップ5:正しい効果測定をする
ソーシャルメディア経由のアクセスやコンバージョンを計測する。ソーシャルメディア経由のユーザーはファーストビジットでアクションを行うことはサーチ経由のユーザーに比べると少ない。可能であれば過去の訪問まで遡って効果測定したい。

当然のアプローチとも言えますが、ステップ3は通常のマーケティング以上に重要なポイントでしょうね。

次にソーシャルメディアの各メディアについてコメント。

・ブログ
先にブログの影響力が落ちているようなことを話したが、検索、SNS、RSS経由で情報がより多面的にシンディケーション配信されてユーザーに届くようになっている。

と、ブログの読者は直接的なブログの読者だけではないことを強調。確かにブログの記事がTwitterで紹介されてそのTwitterのフォロワーが大量にアクセスしてくることってありますよね。

・フォーラム
まだまだ有効と。特にニッチなフォーラムは影響力がある。

・ソーシャルネットワークのプロフィール
意外と馬鹿にできない。

・Twitter
フォロワーがフォロワーを呼ぶ。

・ソーシャルマーケティング
TwitterやFacebookの陰に圧されているが、トラフィックを呼び込む力はまだまだ高い。人気ブックマークのトップページに掲載されれば数万トラフィックも可能。

・ソーシャルニュース
新規のユーザーにリーチするのに効果的。

SESとの関連で言うと、ソーシャルメディアは、クラシックなSEOにも非常に効果的。ソーシャルメディアで取り上げられたコンテンツページが検索結果でも表示され、またリンクによる元コンテンツの評価も高まる。

続けて幾つかの事例を紹介。其々の説明は避けますが、全てほとんど同じパターンです。

まずは発信しているコンテンツやブログの記事ページがソーシャルニュースやブックマークで取り上げられる。そしてソーシャルメディアからのアクセスが増える。さらに記事ページやソーシャルブックマーク、ニュースのページ自体がGoogleに表示されて、そこからもアクセスが増加。ソーシャルメディアを活用すると、結果的にサーチ経由のトラフィックも増える。と言う流れ。

以上でした。どちらかと言うと初心者向けに全体像をまとめた内容ですかね。せっかくのSEOmoz.orgのCEOですし、マニアックな話が聞きたかったのですが。。。初日ですし、こんな所かな?

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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