原題「SEO: Where to Next?」。名前だけなら最も期待したいセッションの1つです。パネルディスカッション形式。モデレーターはSESを主催しているインサイシブメディアの方。
パネリストは下記:
MSNのSEO総責任者ダン・コーエン。MSNのSEO対策責任者。Bing以外の対策もしていると 笑
Googleのシニアエンジニアのマイリー・オーエ(Maile Ohye)。ウェブマスターツールやAPIの仕事をしているそう。ウェブマスターセントラルブログも書いているとか。
Verve Searchのリサ・マイヤーズ。SEO会社のCEO&有名ブロガー。
Telegraphのジュリアン・サンブルズ。会社のSEO / ソーシャルメディア担当。
今回は、モデレーターが話題をして皆が答える形。
■組織組織の中でSEOにどう取り組んでいるか?
MSN(分かりやすいので企業名にします):
大量にサイトがあり、言語も大量。マネッジメントは非常に大変。しかしコンテンツが重要なのは変わりない。
Telegraph:
大企業がコンテンツを発信し続けるのはチャレンジ。ブログで情報発信しているが内容は気を使う。
Verve:
中小企業にとってもチャレンジ。リンクを獲得するのも以前に比べて難しくなっている。ソーシャルメディアでリンクのバリエーションは増えているが、小さい会社がリンクを得ていくことは難しい。
Google:
今年はソーシャルメディアの重要性がかつてない程増した。エージェンシーならクライアントに重要性を説明して、Twitterやブログ、SNSに参加してもらうべき。リアルタイム検索が普及すればさらに重要度を増す。また効果測定も重要。
MSN:
独自プログラムでMSNにアクセスしてくるユーザーの検索キーワードを解析し、コンテンツエディターに参考にさせている。逆に言うとランキング自体は余り気にしていない。より多くのコンテンツを作っていくことに力を入れている。結果的にランキングも上がり多くのトラフィックを得る結果につながる。
Verve:
検索されているキーワードのためにコンテンツを作ると言うアプローチには危険性があると考えている。価値はあると思うが、キーワードを意識しすぎて実際にサイトに訪問したユーザーに価値がある情報を提供しきれていないケースもある。本末転倒だ。
。。。確かに。
Telegraph:
キーワードを意識してトピックページを作ることもあるが、画像や映像を含めるなどして、できるだけ豊かなユーザー体験ができるコンテンツになるよう工夫する。
■GoogleはSEOをどう思っている?
モデレーター:
以前に比べてSEO業界に対してGoogleのアプローチは厳しいのでは?昔はSEO業者を集めてシリコンバレーで無料のカクテルパーティとかやっていたのにもうやっていないし 笑
Google:
正しいSEOを行ってもらうことは非常に重要と考えている。ウェブマスターセントラルで必要な情報はできるだけ提供している。ウェブマスターツールでも様々なツールを提供している。
その一方、毎日より多くのウェブサイトが誕生している。全てのサイトに正しいSEOを期待するのは無理。そこでSEOのサービス会社の需要があるのも分かっている。SEOを敵視しているつもりは全く無い。
Verve:
以前に比べてGoogleのSEO業界に対するアプローチは変わっている気はするが、質が変わっただけでネガティブになったとは思わない。最もロンドンで無料パーティは一度も無かったけど 笑 ただウェブマスターツールは便利だが、ユニバーサルサーチに対するサポートが少なすぎると思う。何をしたら良いか情報も無く試行錯誤しなければいけないケースが多すぎる。
Telegraph:
Googleにトラフィックをかなり依存している現状(イギリスのGoogleシェアは90%)、Googleは重要だし、うまくやっていくしかない。
ここでモデレーターが会場にGoogleとSEOの関係はどう変わったかアンケート。悪くなったと思う人は少数派でした。僕的には、、、昔も今も変わらず、と言う印象でしょうか。
■SEOの基本
モデレーター:
従来からある H1 や TITLE 等の記述方法など、基本的なSEOのテクニックはユニバーサルサーチの時代に意味があるのか?
MSN:
新たに重要な要素は増えているが、基本は基本で重要。SEO担当とは言え、最近はTwitterなど新たな対策手法が増えた。
Verve:
コンテンツが最重要、と言われるが、TITLE や H タグ、内部リンクなど基本的なSEOテクニックは重要。コンテンツの価値を引き出してくれる要素。逆に未だにコンテンツが足りなくとも TITLE だけでSEOができることもあるが。。。
Telegraph:
従来はコンテンツをウェブ(ブログ含む)に掲載するだけで良かったが、今はTwitterがある。Twitterとどうコンテンツを配信しわけるかバランスが難しい。
Google:
今でも基本は重要。しかし今は例えばワードプレスなど簡単に基本的なSEOを行ってくれるツールが増えた。例えば記事ページの TITLE や META に自動的に記事のタイトルを挿入してくれる。前ほど、意識しなくて良くなったのは事実。
■モバイルのSEO対策
モデレーター:
ガジェットやモバイル等の新規アプリケーションにSEOをどう対策していけばいいのか?特にモバイル。
MSN:
コンテンツをRSS等で効率的にシンディケーション配信をする必要がある。もちろんコンテンツはアプリケーション毎に最適化する必要がある。
Google:
8年前はデスクトップのメールアイコンをダブルクリックしてアプリケーションを立ち上げてメールを送っていた。今はウェブから直接、例えばGmailにアクセスしてメールを送れる。ウェブでできることが今は格段に広がっている。モバイルなどアプリケーションは広がっているが、Googleはウェブにかけている。アプリケーションが何であってもウェブにアクセスできれば利用できるようにする。
ここから会場からの質問に答える形。
■Googleが独自にコンテンツの出版サービスやに乗り出す話がある。ちょっとやりすぎでは?
MSN:
どうでしょう 笑 そういえばEコマースもやると言う話も。Googleの動きは常に注目している。
Telegraph:
AmazonのKindleやAppleのiPadなど新規のアプリケーションが続々と増えている。これらの変化にどこまで対応していけるかが企業の課題。より多くのアプリケーションで自分たちのコンテンツが見られるようにする必要がある。
■Googleは1年に400以上、検索アルゴリズムを更新していると言うが皆どこまで把握しているのか?
Verve:
Googleは更新の内容を教えてくれないから、自分たちで調べる必要がある。一般的にはブラックハットの人たちの方が変化には敏感と思う。
モデレーター:
様々なSEO関連のフォーラムやブログをRSSリーダーで毎朝読んでいるけど、それである程度の変化は分かる。
Verve:
400の変更が全部分かるわけではないが、多くの変更は検索エンジンの質が上がって我々にもプラスになることが多い。もちろん順位が落ちるケースもあり、その時に色々な噂が飛び交うのだけど。
MSN:
定期的にトラフィックを分析してSEO対策は立てている。特定のアルゴリズムに仮説を立てて、それに頼りすぎることは危険。
。。。400、、、僕も半分も把握してないと思います 笑
■Googleはどうやって有料リンクを認識しているのか?
(会場 笑)
Google:
有料リンクはお金を持っている企業が有利になる。全てのコンテンツ、サイトに共通の機会を与えたい。その評価がリンクが基本となっている。だから有料リンクに賛成できない。認識の仕方は、、、えーと、、、ここでは話せません 笑 少し言うと、有料リンクのパターンを見つける努力はしている。
基本はGoogleのSEOガイドラインに反するサイトは評価しない。しかしできるだけウェブマスターツールやブログを通してできるだけ多くの情報を伝えようとしている。ただ全てに対応するのは難しい面もある。
有料リンクと判断した場合は、そのリンクの評価を下げることが基本。サイト全体、ページレベル、リンクレベルなど色々な評価指標はある。
。。。ま、こういう答えになりますよね。
■400の更新のうち、スパム対策系の更新はどの程度占めているのか?
Google:
検索の品質向上チームは、ユニバーサルサーチも含めた様々な面を見ている。マット・カッツのチームが主にスパム対策をやっていると思うが、それは全体の一部にすぎない。
。。。オルガニック検索の品質向上に限定したらどうなるんですかね。
■Googleの利益はPPCに依存しており、PPCにお金をもっと投じてほしいのは分かる。ユニバーサルサーチが普及するに従い、広告メニューももっと増えるだろう。SEOで対応できる個所は限られてくるのでは?
Verve:
非常に問題と考えている。このまま行くとオルガニック検索の結果が1ページ目から消えてしまう日が来るような気さえする。
Google:
ローカルサーチに関していえばまだマネタイズしていない。画像や映像もそう。オルガニックのSEO対策でできることはまだまだある。
ユニバーサルサーチで有益なコンテンツを持っているサイトをユーザーから遠ざけることはしたくない。ユニバーサルサーチはまだまだ発展途上。
。。。ここで時間切れ。最後はもう少し聞きたかったのですけど。SEOのパネルディスカッションを真面目にするとこうなると言う感じ。とは言え、Googleの人がいるとそれなりに盛り上りますね!
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