グーグル・アドワーズとSEOには多くの類似点があり、双方のトラフィック獲得戦略において、初心者が犯す過ちの多くも共通している。そこで私は、一般的な過ちを説明することで、皆さんが検索エンジンマーケティング・キャンペーンを行う上で、貴重な資金を節約することが出来るのではないかと考えた。
目次
私がアドワーズについてペリー・マーシャル氏をインタビューした時、マーシャル氏はURLのテストを分割して行うことを薦めていた。なぜなら、URLは広告のクリックスルー率に大きな影響を与える可能性があるからだ。
グーグルがクリックスルー率(CTR)を品質スコアに組み込むため、CTRに影響を与えるものはすべてクリック単価に影響する。また、競合者はアドワーズの広告コピーを盗むことは出来るものの、ドメイン名を盗むことは出来ない。
ドメイン名に関して犯してしまう可能性がある過ちは多い。その中でも目立つのが、覚えることが出来ないドメイン名を作る過ち、そして、広げることが出来ないドメイン名を作る過ちの2つだ。
ドメイン名の予算は$10以下に抑えるべきだと感じている人もいるようだが、それは浅はかな考えだ。すべてのマーケティングがドメイン名の影響を受ける点を忘れてもらいたくない。ドメイン名は、ドメイン名に関連する継続的に必要なコストを限定しただろうが、そのドメイン名がもたらすマーケットの利点も、もしくは不利な点も永続する点を覚えておきたい。良い例:CreditCards.com、悪い例:cheapest-online-apply-credit-cards-and-loans.info。
1つのページは、検索クエリの特定のセクターにのみ関連づけることが出来る。効率的なマーケットで、すべてのトラフィックをホームページに向けてしまうと大損する。
ユーザーに強制するクリックはすべて若干のズレがある。グーグル・アドワーズ/ペイ・パー・クリック・マーケティングを採用するなら、コンバージョン率の些細な変化が、黒字の持続と赤字の継続を左右する点を覚えておこう。
多数のキーワードに対してページを“最適化”するのは難しい。なぜなら、ある程度の異なるキーワードをページに加えていくと、やがて読みにくくなり、コンバージョン率に悪影響をもたらすからだ。
SEOに関するトラフィックの誤った方向付けは、アドワーズほどは目立たない。それはクリックに対して料金を支払う必要がないからだ。しかし、ユーザーに無関係な経験をさせてしまうと言うことは、お金をどぶに捨てているのと同じであり、ポテンシャルを活かしきれていないことになる。
グーグル(およびウェブ検索全般)の普及率を考慮すると、サイトのすべてのページが正面玄関だと思ってよい。我々は検索を通じてナビゲートしている。そのため、URLに対してキーワードを散りばめ、出来る限り関連性の高いユーザーエクスペリエンスを提供できるように心掛けよう。
我々がどのようにコアのキーワード、バリエーション、修飾語句を利用しているかをチェックしてもらいたい。
グーグル・アドワーズの広告主の中には、知覚的な関連性をさらに掘り下げ、検索クエリを使って、ページへのキーワードの挿入を介したページコンテンツを特定するヒントを得たり、コンピュータのIPアドレスをベースにした地理情報をもとにページを変更する人もいる。
アドワーズにとってのリンクは、アドワーズのアカウントのキーワードに等しい。1個、2個のキーワードにしか広告を出していないなら、関連する大量のトラフィックの流れを逃している可能性が高い。
それを作れば、彼らはやって来ると言う名言(フィールド・オブ・ドリームズ)は検索世界の中では必ずしも真実とは言えない。リンクゼロの状態にも関わらず競争の激しいキーワードで簡単に上位にランクインすることが出来るなら、誰もアドワーズの広告を買わないはずだ。通常、ある程度認識されるまでは、新しいサイトを上位にランクインさせることは出来ない。検索エンジンは人々を追跡している。そして人々の信頼の票と見なされているのがリンクである。
アドワーズに関しては、たった1個のキーワードに入札するだけでは不十分である。理に叶った関連するバリエーションを探すのだ。$50の出費をいとわないなら、SEM Rush、キーワード・スパイ、スパイフー、キーコンピート等を利用して、競合サイトが何に広告をしているのかを把握することも考慮しよう。このマーケットセグメントでは新しいツールが多数開発されており、ここですべてをレビューする時間はない。
SEOに関しては、「SEO for Firefox」と「SEO ツールバー」をダウンロードし、競合サイトが持つリンクの本数、そして、そのリンクを辿るドメイン名の数をチェックしよう。上位にランクインするためには、競合サイトが持つリンクの本数と並べるようにリンクを増やしていきたいところだ(同様のサイトから)。今日からリンクを増やしていこうではないか。始めるのは早ければ早いほどよい。 😉
キーワードをベースに検索エンジンからリンクを購入しているため、#2の課題を解決すればこの問題も自ずと解決されるだろう。
上記の問題によく似ている。大半の質の高いサイトは、ビジターがリンクを張る場所に役に立つコンテンツを用意している。すべてのリンクがホームページに向いていると言うことは、つまり、内部のページランクを引き上げる外部リンクからのアンカーテキストを利用していないことになる。ページによっては、より高いランキングを生み出す可能性がある数本の深いリンクさえあれば、大量のトラフィックを獲得することが出来る可能性がある。そのため、この誤りは大多数のマーケットで大きな損失を生み出す。
検索では勝者がほとんどのマーケットを獲得する。トラフィックのパターン、ランキング、そして、ターゲットのキーワードを分析し、キーとなるページを確実に売り込もう。上位の競合サイトとキーワードのランキングの価値をチェックし、見識を深めよう。
リンクを張りたいと思われるような、リンクを張る価値があるコンテンツを作成し、宣伝することを心掛けるのだ。ここで客観的な視点で次のことを考えてもらいたい。“自分がサイトを持っていなかったとして、毎週訪問したり、友達に薦めたくなるようなサイトのユニークなポイントとして、皆さんなら何を挙げるだろうか?”
すべてのキーワードに同じ広告文を利用するべきではない。ユーザーの需要を理解する努力を心掛け、広告の文章を分割しよう。そのうえで、検索クエリに関連し、ユーザーの需要に関連し、そして、ランディングページに関連する、説得力のある広告文を作成する必要がある。単一のどこにでもありそうな決まり文句の広告文を利用しているなら、大金を失っていると言っても過言ではない。なぜなら、上位の競合する広告とは異なり、その広告には関連性があるように見えないからだ。
人々が何かに自然にリンクを張るときは、何かしらのバリエーションが関係していることが多い。すべての被リンクが“私のキーワード”と主張しているなら、とても怪しい…とりわけ大量のリンクを買っている場合、怪しさ倍増だ。
アドワーズに関しては、少なくとも動的なキーワードを挿入しておくことを薦める。しかし、様々な製品を販売しているなら、一連の広告文と関連するキーワードの少数のグループをマッチさせる方法を編み出しておきたいところだ。コアとなるキーワードを目立たせ、検索ボリュームの低い調整用のキーワードで若干濁らせる努力も必要だ。
SEOに関しては、手作業でリンクを構築している際は、リンクのアンカーテキストをミックスするべきである。リンクを張りたいと思われるようなオリジナルの説得力のあるコンテンツを作成しているなら(そして、適切なオーディエンスにプッシュしているなら)、それも自然なアンカーテキストに引き込まれるだろう。
広告主のなかには“安い”クリックを狙わざるを得ない人もいる。しかし、高価なキーワードの中には、重要且つ価値のある消費者の需要に関連しているために値が張るキーワードもある。
グーグルのアルゴリズムは、新しいサイトが高品質なサイトなのか、もしくは低品質なサイトなのかの確率を予測する。2,000本以上の“無料の”ディレクトリのリンクと共にサイトをスタートしているなら、より質の低いサイトと肩を並べていることになる。同様に、中途半端なコンテンツや平均的なコンテンツを売り込もうとしても、その努力を受け入れる人はほとんどいないはずだ。
安いトラフィックを買っても構わないが、そのトラフィックから得るビジネスの価値を追跡する必要がある。“安い”トラフィックを三流の広告ネットワークから買っても、あるいは商業的な意図を持たずにキーワードを買っても、ビジネスは進展しないし、一流の検索エンジンで貴重な業界のキーワードを介した頼りになるトラフィックの流れを作り出すことも出来ない。
まずは質の高いリンクと共にリンクビルディングの作業を始めよう。サイトが信頼されるようになれば、質の低いリンクで埋めることも可能だ。ただし、スタートの時点で質の低いリンクに頼るのはよくないし、大量に用いるのも薦められない。
リンクを増やすためにマーケティングをプッシュするなら、宣伝するコンテンツがユニークであり、オリジナルであり、役に立ち、説得力があり、引用する価値がある点を確かめておきたいところだ。
質の高いユーザーエクスペリエンスおよび質の高いユーザービリティはコンバージョン率にとって欠かせない。ユーザーが検索エンジンからサイトにやって来ると、彼らはチャンネルを切り換える。ユーザーに正しい場所にいることを示す手掛かりをより多く渡すことが出来れば(例えば、関連するページの見出し + ナビゲーション)、コンバージョン率もビジターバリューも高くなるはずだ。
競争が非常に激しいクエリにおいては、リンクが重要なカギを握る。しかし、競争が激しくない多数のキーワード、もしくはキーワードのバリエーションで数多くのリンクを用意しておけば、上位にランクインすることが出来る(なぜならキーワード自体に対する競争が遥かに少ないため)。また、たとえ大量のリンクを持っていても、ページに記載されていないキーワードのフレーズで上位にランクするのは難しい。
グーグル・アドワーズに関しては、フレーズのマッチや広範囲のマッチを組み合わせ、ネガティブマッチを利用し、関連性のない検索にフィルタリングをかけることで、多くの迷子の検索に手を差し伸べることが出来る。
「seo」や「sem」を検索している人々の中で、恐らく10人ぐらいは“自分のビジネスをグーグルでどのように宣伝するのか?”のような不明瞭なクエリで検索をかけているだろう。ご覧のように私たちのリンクビルディングに関するページは関連する多くのキーワードでランクを獲得している。
有効なオンページのコンテンツを多数持つ理由は次のイメージを見ればよく分かってもらえるだろう:
(Googleで検索されるキーワードの20%-25%は、かつて一度も検索されたことの無いキーワードだ)
SEOに関しては、代わりの語形、代わりの語順、関連するフレーズ、そして、キーワードの修飾句をコンテンツで利用しよう。そうすれば多くの検索者に手が届くだろう。
アドワーズの広告キャンペーンが乱雑な状態で運営されているのなら、資金を失う可能性が高い。サイト構成がしっかりしていれば、アドワーズのアカウントもまた強固な構成を持つことが裏付けられ、その結果、収益性にプラスに働くだろう。
サイトの構成がまともに構築されていない場合…
大半の人気の高いウェブサイトの構成では、ユーザーの需要と検索の量に対してカギとなるページが散りばめられている。
サイトがビジターに価値を与えることが出来ていないなら、アドワーズのマーケットで利鞘を維持するのは難しいだろう。通常、アフィリエイトはお互いの作品をコピーし、クリック単価を上昇させ、その結果、利鞘が消えてしまうのだ。
私が最初に収益を得たサイトは加える価値のないウェブサイトであり、スパムのようなリンクを抱えていた。このサイトはアフィリエイトのコミッションで数千ドル稼いだが(当時は神様からの贈り物のようなものだった)、私が収益を得ることが出来たのは、私が当時スペルミスを頻繁に繰り返し、カジノのブランドの名前のスペルを間違えていたからだ。当時はまだ検索エンジンがスペル訂正を積極的に行っていなかった。現在、このようなサイトが生きる道はない。
グーグルは価値がないサイトを不要な重複/スパムと見なすことが多い。グーグル・リモート・クオリティ・レイター・ドキュメントには、グーグルが“価値の付加”を重要視している点が記載されているはずだ。この文書を読む機会があったら確かめてみよう。
マーケットの中には、強力な名前がなければトラフィックをなかなか購入することが出来ないマーケットも存在する。例えば、ガイコ(米の大手保険会社)が1クリックに$30支払っているものの、アファリエイトには1つのリードにつき$10しか支払っていない場合、アフィリエイトが自動車保険等、コアのキーワードでガイコに勝つことは出来ない。
「ホテル」や「保険」等の難関キーワードで上位ランキングを獲得したいだろうか?私もだ。しかし、アルゴリズムはブランド力のあるビジネスをプロモートする傾向があり、また、企業がSEOの予算を増資している現状を考慮すると、これらのキーワードで今からランキングを獲得するためのリソースを私が持ち合わせているとは思えない。
あるアイデアに対する需要が存在しない場合、検索エンジンマーケティングを介してそのアイデアの需要を作り出すのは至難の業である。
もし同様の競合するビジネスモデルが遥かに高いビジターバリューを用意しているなら、対抗するためにはビジネスモデルを変更する必要がある。収益性の低いビジネスモデルの中には、意味のある形で、アドワーズのマーケットへの参加を取りやめた方がいいビジネスモデルもある。
収益化する方法を知らずに、情熱を持っているトピックや興味のあるトピックに関するサイトを構築すること自体は問題はない。しかし、ビジネスを始めようとしているなら、投資する時間と金額に見合うだけの収益を上げる可能性がある、十分なビジターバリューを持つテーマを選ぶべきである。
アドワーズのマーケットに参加するつもりではあるが、ビジネスの利益が低い場合、利鞘、消費者の注文の規模、永続的な消費者バリューを増やす方法を探るべきである。
記事を配信するサイトを運営しているなら、当初はマーケットの勢いを確立するために、競合者と位置付けられないように収益化を抑える手も有効だ。ただし、誤ったマーケットのセグメントでサービスを長い間提供してしまうと、そのビジネスモデルから、なかなか足を洗うことが出来ない事態に見舞われる可能性がある。
トラフィックを購入しているなら、収益化しても問題はない。しかし、大半のウェブサイトのビジターはそう簡単には顧客にはならないだろう。
テキストリンク & ポップアップで販売攻勢を仕掛けているのではないだろうか?エントリがアフィリエイトのリンクになっているのではないだろうか?もし、そうならよく考えてもらいたい。見るべきサイトが他にもたくさんあるのに、わざわざ広告だらけのサイトを購読しようとする人はいるのだろうか?
この記事は、SEO Bookに掲載された「SEM Training: Do You Make These 14 Common SEM Errors?」を翻訳した内容です。
英語圏のサイトや記事の引用が多いのですが、初心者はもちろん上級者も基本を見直す意味で一読の価値がある記事ではと思います。ちなみに「検索エンジンのランキングアルゴリズム」の画像は唐突に出てくるのですが、難関キーワードとロングテールキーワードでの対策の比率と比較は、改めて気づきがありました。 — SEO Japan
SEO最新情報やセミナー開催のお知らせなど、お役立ち情報を無料でお届けします。