最近、SEOBullsh*tに個人のブログ以外にはワードプレスは向いていないと主張するエントリが掲載された。私はワードプレスを推奨しており、他のプラットフォームよりも多用しているため、この主張のバランスを取れるように私の見解を述べさせてもらうことにした。
それではさっそく、この主張の中核を見てみよう。ワードプレスは大量のトラフィックが寄せられる大規模なサイトに対処することが出来るのだろうか?その答えは、私に言わせてもらえば、YESだ!ただし慎重に実装していることが条件だ。ワードプレスを利用する際の最も大きな問題の一つに、プラグインが挙げられる。プラグインは多くの問題を解決してくれる。しかし、解決する問題の数と同じぐらい多くの問題を新たに発生させてしまうこともある。そして、アレックス・キング氏の人気コンテストプラグインが脱線(註:トラフィック過多でエラー連発状態に)してしまったときのように、経験豊富なプログラマー/開発者であっても、この類の問題に見舞われることがあるのだ。そのため、ウェブサイトが成長し、人気が高くなってきたら、利用するプラグインには十分に注意することだ(利用するなら)。何の問題も起こさずに1日に8万~10万人のユニークビジターに対応するワードプレスのサイトを私は見たことがある。–注意していれば問題はないはずだ。
その次に大きな問題が、パーマリンクの数/カテゴリーに関する議論だ。個人的には、一般的なカテゴリー/ページ名のみのパーマリンクの設定を、速度と信頼性の点から批判しているロバート・ロルフ氏の記事は的を射ていると思う。しかし、彼の論評は説得力に欠ける。なぜなら、彼は銃を乱射し、最高速で魚雷を発射するようなアプローチを取っているからだ。日付/エントリのID/数字をURLに入れることで、パフォーマンスの面でメリットを得ることは出来るのだろうか?答えはYESだ。しかし、キャッシュ等と併用すると、このアドバンテージの意味はなくなる。そのため、ワードプレスに任せるのではなく、より優れたhtacessの設定を利用することを推奨したい。そうすればブログの速度を改善することが出来るだろう。詳細はこのウェブマスターワールドの素晴らしいスレッド(註:Wordpressのhtaccessの設定方法について細かく議論・解説しています)で確認してもらいたい。トラフィックが少ないサイトなら、トラフィックの増加に対してあれこれ悩む必要はないが、トラフィックが多いサイトなら、上述の点は重要になってくる。
ワードプレスにおける欠点として、ページの数も挙げられる。ページと言ってもエントリではなく、実際のページのことを指している。ワードプレスが大量のページ(例えば1,000ページ)を処理する能力に欠けることを示す証拠が豊富に存在する。修正したhtaccessの設定を利用しても、その効果は気休め程度である。それよりも、ディレクトリを無視して、ストレートなURLにエントリを挿入するようにワードプレスを設定した方がよい(先日、SEOBullsh*tがこの点に触れていた)。
このような不便な点を挙げていくと、SEOについて深く考慮した上で、ワードプレスをCMSとしてプロジェクトに利用するのは避けたくなる人もいるだろう。
ワードプレスをCMSとして利用することに決めた人々の多くは、妥協する代わりに見返りを得ている。正直に認めよう。ワードプレスのブログは簡単に開設することが出来る。実際に、ホスティング企業の中には、ホスティングの注文と一緒にインストール済みのワードプレスを提供している企業もある。また、ワードプレスは管理するのも非常に容易である。ドルーパルやジュームラでブログを運営するには、高いスキルが要求され、より深いレベルで管理することが求められる。私は怠け者の技術者だ。メンテナンスの必要性が低いプロジェクトを求める。私は週に2度の一斉捜査を行い、二桁のサイトを維持することが出来る。他のシステムを使うならば、同じ時間でこれだけのサイトを管理することは不可能だ。
様々なタイプのライターにアクセスすることが出来る点もアドバンテージの一つである。複数のライターが記事を投稿するブログを運営しているなら、ワードプレスのようなサービスを利用することで、学習することなくライターを加えたり、変更したりすることが出来るだろう。彼らの大半はワードプレスを使ったことがあるためだ。別のプラットフォームを利用しているなら、ラーニングカーブ、もしくは、編集スタッフが必要になってくるかもしれない。
また、既存のカスタマイゼーションに関する大量の文書にアクセスすることが出来るメリットもある。ジュームラやドルーパルではチュートリアルやガイドは用意されているのだろうか?もちろんだ。ワードプレスの方が豊富に文書を用意しているのだろうか?当然だ。皆さんにはプラットフォームを選んだら、そのプラットフォームをずっと使い続けてもらいたい。そうすることで、知識と基準を効果的に活用することが出来るようになるからだ。私はワードプレスおよびシーシス(ワードプレスのテーマ)に関するチュートリアルを多数投稿してきた。そして、実際に新しいプロジェクトに利用している。シーシスを使い、僅かな労力でまともなサイトを作ることに関しては、私はプロの域に達していると言っても過言ではない。
それでは、ワードプレスはSEOのウェブサイトにおける究極のCMSプラットフォームと呼べるのだろうか?恐らく無理だろう。しかし、ワードプレスは、設定、運営、メンテナンスにおける多くの問題や課題を解決してくれる。やはり、良い点もあれば不十分な点もある。しかし、人的資源に頼るよりも短時間且つ容易に多くのウェブサイトを配信することが出来るなら、それほど難しい決断ではないはずだ。少し時間を取ってワードプレスを検索エンジンフレンドリーにするなら尚更だ。それでも、データベースの集約アプリケーションを用いており、テクニカルなスキルに優れ、ロードの量が非常に多いなら、ワードプレスは向いていないかもしれない。
例えば、プラスのドライバーの背で釘を打ち付けることも出来るが、適切なツールを使って作業した方が良い結果を得ることが出来るだろう。解決しようとしている問題、そして、解決するために必要な条件を把握していれば、それが、ワードプレスであれ、その他のCMSであれ、その作業に適切なツールを用意することが出来るのだ。
この記事は、Graywolf’s SEO Blogに掲載された「Is WordPress Good or Bad for SEO」を翻訳した内容です。
どちらかと言うと、テクニカルな観点からの話でしたね。結論から言えば、トラフィックが多すぎるサイトで無ければ、技術者でなくとも簡単に使いこなせるツールとしての魅力は非常にある、と。ただWordpressがSEOに向いているかと言う話より、CMSやブログツールとして他のツールより優れているか?と言う話でしたね。もちろん普通に使っているだけでかなりSEO的に優れた構造のサイトになるのは間違いありませんので(SMXのイベントでGoogleのエンジニアも「Wordpressは普通に使っているだけである程度SEOが自然にできる」と言ってましたし)、「SEOを意識したWordpressをCMSやブログツールとして使うことは正しいか?」と言うタイトルがより適切ですかね。
答えは変わらず、ケースバイケースですが、超人気サイトで無ければ大丈夫、良いツール、と言う所でしょうか。ちなみにSEO JapanもWordpressで運営していますが、今の所、全く問題ありません。ページ数が増えてきた数年後が少し不安ですが。。。最も、まずはそこまで運営を継続できるかがより重要な課題です 笑 — SEO Japan
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