DIY SEOは良いツールなのか?果たして効果はあるのだろうか?
私もDIY SEOを初めて見た時は、構成もレイアウトもいいし中身がどうなっているのか見てみようではないか、という気持ちになった。が、一度その内容を開けてみると残念ながらエンジンのない車であることが発覚した。
ユーザービリティ(使いやすさ)の点では9もしくは10点をつけられるが、ユーティリティ(実用性)に関して言うと高めに言っても2か3といったレベルだ。
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レビューの前にそもそもSEOにお金を支払ってまで行う必要があるのか?と言う話をしたい。世の中には、内容が曖昧な中小企業や、自分の会社名だけもしくはそれにプラスしてロングテールキーワード数個だけで上位表示されればいいとする中小企業もあるだろう。そういう企業には、SEOはスキップして、Google アドワーズの広告枠を幾つか買うことを提案したい。
有料検索キャンペーンがあれば、即座に検索トラフィックを購入し、新しい顧客を獲得するのにGoogle アドワーズを使用することができる。SEOは長期戦略であり、通常もっと大きい初期投資が必要とされる。
数千ドルの投資(さらにそれにかけるあなたの時間を考慮して)に見合うほどの十分な市場規模があって、あなたのゴールがその市場を独占することでない限りは、SEOに投資することに価値はあまりない。結局、Business.comやYahoo!ディレクトリからのリンクは1つ299ドルもかかり、リンク2つではほとんどSEO戦略の効果には訳に立たないのに、年間600ドルの費用がかかるのだ。
そして、あなたのビジネスが小さいという理由だけで、これよりも安くリンクを獲得することはないのだ。
DIY SEOを調べ出してから、私がその考えにたどり着くのにはしばらく時間がかかった。なぜならずっと“何かが欠けている”と思っていたからだ。彼らはなんでそんなものを作るために資金を集めたのだろうか?そして、私はある考えにたどり着いた。DIY SEOは、簡単に売れるものを売ることに関心のあるマーケッターによってデザインされたのだ。つまり、人々の生活のプラスになることをしたいという希望を持ち、現実の問題を解決しようという情熱から生まれたものではないのだ。
その違いはささいなものではない。
結局、創立者のアンディーは、彼のサイトを訪問した人にマルウェアがインストールされている間も彼のSEOブログを何カ月も修正しなかったほどに怠けていたのに、何百もの薄っぺらいアフィリエイトサイトを作る時間はあるような男なのだ。そのブログには、夢の中を生きるというキャッチフレーズがあったのだが、それはまさに彼にぴったりの言葉だろう。あなたがマルウェアの中に生きようとも彼は全く気にしないのだから。
あなたは、Search Engine LandやSEO Book、SEOmoz、Search Enjine Journalなどの信頼できるSEOサイトが何の注意も心配もなく何カ月もマルウェアを配信し続けるなんて想像できるだろうか?私にはできない。
SEOは時間もコストもかかる。アンディーもパトリック(もう1人の創立者)もコンサルティングサービスは提供していない。なぜなら実際にクライアントのウェブサイトを丹念に調べて、役に立つ、関連性のある、正直で効果的なフィードバックを提供する時間がもったいないからだ。パトリック自身も彼のブログでそう言っている。
そして、アンディーのサイトでは、もうコンサルティングはやっていないしメールも送らないで欲しいと書いている。
DIY SEO は、利益率の高い自動ソリューションとしてデザインされ、顧客との交流もフィードバックもさほど必要とされないようにかなりオートメーション化されているのだ。
しかしこの戦略には1つ大きな問題がある。.
ウェブ上でまじめに競争する予定の人にとっては、DIY SEOツールとそのシステムでは不十分である上に、害になる恐れすらある。
SEOでは、自分のマーケットを良く知ること、マーケットシェアを獲得するために新しい技術と流通経路を活用すること、古いマーケティングのアイディアに新たな解釈を加えることによって、たくさんの潜在的利益がもたらされる。しかし、彼らはSEOを白か黒かにはっきりさせようとした、つまり機械的にしすぎたのだ。批判的な考えと分析によってSEO戦略に価値を付け足すことができる場所ならどこでも、DIY SEOによってなされたことの何ひとつも当てにすることはできない。実際にはあなたのビジネスとその市場自体を作る全てのことに役に立たないあらかじめ決まった道筋があるだけだ。
アルゴリズムがどんどんと進化し続け、ブランディングのような主観的なことが検索結果に役割を果たし始めている時代に、機械的なものはうまくいかないのだ。
DIY SEOは 規範的、限定的すぎるし、後ろ向きの製品である。“残りの私たちのために”というフレーズが意味することは、“検索結果の5ページ目、つまり検索トラフィックも獲得できず利益も出ないような場所に表示されるのには十分に良い”ということなのだ。
Googleはいつも予想した通りにマーケティングの成果に応えてくれるわけではない。パトリックがSearchEngineOptimization.netを60,000ドル以上で購入した時に起こったことを考えてみよう。
昨年末、彼は301リダイレクトをして順位に反映させようとしたが、それがうまくいかず、マット・カッツ氏に質問している:
(@mattcutts 301リダイレクトがGoogleが常に正しく反映される訳じゃないことは分かっているが、何かおかしいことをしたのかな?https://bit.ly/5G8bXVありがとう!)
Googleのスパムの権威マット・カッツ氏がそれに応えることはなかったが(当たり前だが)、結局パトリックはそのリダイレクトを取り去ることになった。数ヵ月後、その60,000ドル以上もしたドメインは“準備中です”ページとなったのである。
そしてそのリダイレクトがなくなった今、もともとのリダイレクトサイトは過去の順位と同じようには表示されなくなった。これはまさに、全てがマイナスとなったシナリオだ。
一番残念なことは、彼がこの戦略について触れた時、周囲の人は何が起きるかはっきりと彼に注意していたのだ:
(「Googleに完全にキーワードとマッチングしているドメインを利用しようと思っていることを伝えるなんて、自殺行為だよ。同じ手法でGoogleに削除されたドメインを幾つも見てきたよ。」by ジェフリー・ヘンダーソン 「最初に最適化した方が良いのは脳みそじゃない?」by ジョッシュ)
そのお金をチャリティにでも寄付した方がよっぽど良かっただろうに!
このプログラムのどこが、どうして、どのように不十分なのか、多くの例を上げることはしたくないので、1つ目立ったものを取り上げることにしよう・・・
リンクは、効果的なSEO戦略のバックボーンである。パトリック・ギャビンは、ウェブでナンバーワンのリンク仲介業者Text Link Adsを築いたが、数年前にその会社を3,000万ドルで売った。その頃から、リンクは獲得するのが難しくなっている中その重要性は高まってきていた。しかしDIY SEOでリンクに関するアドバイスを見てみると(少なくとも私が最近見た限りでは)、“高度な”SEOヒントの1つにリンクを売り買いすることに関わらないようにすること、とあるのだ。
この高度なヒントでは、安全で効果的なリンク構築の技術については何も語られていなかった。
アドバイスは、リンクを売り買いすることに関わらないようにすることである。
もちろん、彼ら自身のサイトはそのアドバイスに従っていない。
彼らの特定のウェブサイトについて批判するつもりは全くないが(私自身もくだらないサイトは持っているし)、アンディとパトリックが彼らの取り組みで使っている効果的な戦略を見てみると、少なくとも以下のような戦略が含まれている:
… これらの「クレバー」なSEOキャンペーンが、ネットビジネスで競合に打ち勝つには必要なはずだ。でも、そういうことはDIY SEOのプログラムには含まれていないようだが。
そして、これからも含まれることはないのだろう。それらの努力は数値化してツールに表示できるものでもない。
中小企業のための効果的なSEOの指針が必要ならば、マット・マギーの中小企業のためのSEOガイドをチェックすればいい。そこでは今まで見てきたこのプログラム以上のものを25ドルで教えてくれる。
また、勧める価値のある無料のガイドも数え切れないほどある。Bing や GoogleもSEOのスターターガイドを提供している。私たちも、非営利のものや、ブロガーのためのもの、 target=”_blank”>一般的なビジネスサイトのためのもの、などを作成しているのでこちらも確認して欲しい。また、SeoMozもかなり良いガイドを提供している。
この記事は、SEO Bookに掲載された「DIY SEO Software Reviews」を翻訳した内容です。
しかし、、、徹底的にけなしてますね 笑 確かにツール系のASPサービスは私も余り信じていませんが、、、日本でも多数ありますが、実際それ程売れていないですよね。中には5年リースとかでDIY SEOの1/10位のSEOソフトを契約させる、詐欺に近い悪質業者もいるようですが(本人たちはそう思っていないかもしれませんが・・・)。DIY SEOの場合、創立者が元々有料リンクのマーケットプレースであるText Link Adsを開設した(しかし30億円で売り抜けたとは知りませんでした!)人物であったこともアーロン・ウォール的には気になった点なんでしょうかね。有料リンク完全否定派ではないアーロンですが、意味が無い(と彼が考える)サービスをそれらしく仕立てあげて有料販売するビジネスはどうもお気に召さなかったようです。
しかしこの記事が面白いのは、DIY SEOのレビュー以上にアーロン・ウォールが起業家の考え方が手掛ける製品サービスの内容に大きな影響を与える、と言うレベルまで話を拡大して書いている点です。サービス全般的にそういう傾向はあるでしょうが、特にSEOは、絶対的なルールも存在しない中、SEO業者からサイト運営者、プロアフィリエイターまでそれぞれの知識とノウハウ、モラルと考え方でSEOに取り組んでいる状況です。特に完全ホワイトハットからグレーエリア、ブラックハットまでSEO手法自体は多少知識がある人には幅広く知られていますから、どこまで手を染めるかは、まさにその人次第と言えるでしょう。
我々も10年近くSEOビジネスをやってきましたが、常にチャレンジの連続で時に行き過ぎや失敗もしますし、SEO手法自体も時と共に少しずつ変化しているのですが、我々なりのポリシーやルールを持ってサービス提供しているつもりです。
と、何故か自分たちの話になってしまいましたが、そんなことを考えさせられる記事でした。 — SEO Japan
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