早期売却とは、一般的には1,500万~3,000万ドルの範囲内にあると定義される。平均的なウェブのスタートアップ企業の売却額はその範囲内にある。起業家とエンジェル投資家は一般的に早期売却を好むが、ベンチャーキャピタリストは一般的にこれを好まない。その理由はいたってシンプルだ― もし、投下資本(300万ドル以下)の少ないスタートアップ企業がこの範囲内で売却しようとすれば、設立者と投資家はかなりの儲けが期待できる。そして早期売却は、一般的には3~5年以内を目標にしていて、(より高額な投下資本の場合の売却が7~10年かそれより先を目標にしているのに対して)速い。つまり、設立者は1,500万ドルで売却し、大きな企業の一部を所有し、素早くそれをする。彼らは人生を変えるような金額を手にして去っていくのだ。宇宙旅行のためのロケットを作れるほどではないが、それでも人生は変わるほどのものだ。そして早期の投資家も良い素早い見返りを期待できる。
ベンチャーキャピタリストは、一般的にスタートアップ企業の生涯を通してもっと多くの金額を投資し、もっとずっと高い売却額が必要であるため、早期売却にそれほど躍起にならない。あなたは500万~1,000万ドル以上を投入することはできないし、早期売却で超ハッピーというわけにもいかない。VCはその手の取引でもお金を稼ぐことはできるが、彼らの資金全体には大きな意義にはならない。結果として、早期売却には汚点が存在する。汚点とは、“ひっくり返す何かを作ること”だ。投資家は普通その考えを嫌うため、起業家はその件に関して話すことを恐れている。それは、安くて胡散臭くてどちらかと言えば少し粘っこく聞こえてしまう。しかし、そうでなくてもいいのだ。
本当の意味で変化を引き起こすゲームチェンジャー企業は数少ない。それはそれで良い。スタートアップ企業が変化を起こす者である必要はないのだ。彼らがする必要があるのは、価値を作り出すことだ。 しかし、それが“Google的価値”である必要はない。その高さに達しているスタートアップ企業はわずかしかないのに、それを前提にすることは、短絡的でばかげている。それに、大部分はそれを意図していないのだから。
“ホームランを狙ってバットを振ること”は素晴らしい考えだ。誰だって、バットを一回振ったらフェンスを越えて400フィートも先に飛ばすようなホームランを見るのは好きだ。しかし、世界の最高の野球選手には、ホームランダービーもグランドスラムも関係ないが、他の選手に比べて堅実にヒットを打ち平均的なプレーをする選手も存在した。そして彼らは勝っているのだ。 成功するために一発ホームランを打つ必要はないということだ。私が知っているもの(金融、個人、価値創造など)の成功の定義ではない。
初めての起業家は“ベースヒットの成功”と早期売却から大きな利益を受けることができる。まず第一に、数百万ドルを持って立ち去ることができる。さらに、極めて大きな経験も得られる。設立者が大きな勝利を得ようと小さな勝利を得ようとそれは同じことだ。小さなスタートアップ企業は簡単ではない。大きくて変化を引き起こすようなスタートアップ企業にくらべてより多く見られるが、簡単と言うには程遠い。だから、初めての起業家は、“法の抜け道をうまく利用”して自分たちのスタートアップ企業は1億ドルの価値がある会社だと思わせることに注力する代わりに、できるだけ早くに1,500万ドルの価値ある会社を作ることに集中するべきだ。設立者は、数字をねつ造したり、期待を膨らましたり、人の注目を必要としないことに悩んだりするよりも、(そもそもスタートアップ企業に1,500万~3,000万ドルの可能性があると仮定して)気楽に意味のあることに集中するべきだ。さらに、ある段階で売却することからの重大な風評の後押しもある。それは、機会を狙う設立者にとって決して払いのけるべきことではない。
私が2007年にStandout Jobsを始めた時には、こう書いている。“Go big or go home(でっかく出るか、家に帰るか)” 後から考えると、バカなことを言ったものだが、それにも一理ある。ほとんどの起業家にとって、早期売却は、1人の人生に及ぼすかもしれない影響を考えれば、“でっかく出ること” だ。真面目な話、私もStandout Jobsの売却によって数百万ドルを手にして立ち去ってかなり幸せだったのだ!
状況は変わるし、時は移る。2007年から2008年には、私たちはかなり大きな金額を集めることができ、世界征服できるような気がしたものだ!大きくなった気がした。いろいろな意味で大きくなったのだ。しかし、振り返ってみると、自分のアプローチや戦略には穴が見え、それは、もし私がしっかりとしたスタートアップ企業の精神を持って、もっと早期売却の可能性に重点的に取り組んでいたら修正されていたかもしれない。早期売却の汚点は、私たちがStandout Jobsをどう発展させたのかということへの主要な影響力ではなかったが、私たちの初期の考え方や選ぶ道に影響を与えた。
私がいま進めているスタートアップ企業や他の大きなプロジェクト(近いうちに発表できるといいのだが!)も含め、今後の活動にとって、焦点はさらに早期売却に絞られる。これは、先の見通しがないという意味ではないし、私が価値を作り出すことや現状維持を変えることにとらわれていないという意味でもない。全くその逆だ。そうではなくて、私は早期売却の汚点を無視しているという意味なのだ。
この記事は、Instigator Blogに掲載された「Removing the Stigma Around Early Exits」を翻訳した内容です。
全てのスタートアップ企業がゲームチェンジャーであるわけではないし、ある程度成長させた後は、見切りをつけて大手に売却することも手法の1つであると。その利益でまた何かを始めれば良いのだし、というシリアルアントレプレナーが多いアメリカならではの考え方ですね。個人的にはこういう考え方が大事と思いますけど。日本の場合、独立性を保って事業を続けることが良しとされている風潮もなくはないと思いますし。独立性を保ってというと聞こえは良いですが、最初の成功にしがみついて社長の立場に収まっていたいだけの人が多い気も。もちろん起業すること自体がまだまだ一般的でない日本ですし、この記事のような考え方が一般的になるには時間がかかるというかそこまでなるのかは不明ですが、ゲームチェンジャー企業が産み出されるには確率論からいってもその何千倍のそうでない企業も産み出されないといけないわけで、そう考えるとシリアルアントレプレナーが多い米国という国の方が、一度のプチ成功に甘んじてだらだら事業を継続するだけで何の新しい価値も産み出していない中途半端な企業がのさばった国よりは面白いスタートアップ企業が生まれる土壌はある気はします。って妙に毒舌になってしまいましたが、半分は自身への反省も含めまして。僕もゲームチェンジャーに近い何かをいつか産み出せるように勝負し続けていきたいと思います。。。 — SEO Japan
最近自分自身のスタートアップ企業を数億円で売却したばかりのInstigator Blogの筆者から、スタートアップのベンチャー企業に早期売却に関するアドバイスを。日本でこういう考えはまだまだ少ないかもしれませんが、なるほど、という点はあります。 — SEO Japan
早期売却とは、一般的には1,500万~3,000万ドルの範囲内にあると定義される。平均的なウェブのスタートアップ企業の売却額はその範囲内にある。起業家とエンジェル投資家は一般的に早期売却を好むが、ベンチャーキャピタリストは一般的にこれを好まない。その理由はいたってシンプルだ― もし、投下資本(300万ドル以下)の少ないスタートアップ企業がこの範囲内で売却しようとすれば、設立者と投資家はかなりの儲けが期待できる。そして早期売却は、一般的には3~5年以内を目標にしていて、(より高額な投下資本の場合の売却が7~10年かそれより先を目標にしているのに対して)速い。つまり、設立者は1,500万ドルで売却し、大きな企業の一部を所有し、素早くそれをする。彼らは人生を変えるような金額を手にして去っていくのだ。宇宙旅行のためのロケットを作れるほどではないが、それでも人生は変わるほどのものだ。そして早期の投資家も良い素早い見返りを期待できる。
ベンチャーキャピタリストは、一般的にスタートアップ企業の生涯を通してもっと多くの金額を投資し、もっとずっと高い売却額が必要であるため、早期売却にそれほど躍起にならない。あなたは500万~1,000万ドル以上を投入することはできないし、早期売却で超ハッピーというわけにもいかない。VCはその手の取引でもお金を稼ぐことはできるが、彼らの資金全体には大きな意義にはならない。結果として、早期売却には汚点が存在する。汚点とは、“ひっくり返す何かを作ること”だ。投資家は普通その考えを嫌うため、起業家はその件に関して話すことを恐れている。それは、安くて胡散臭くてどちらかと言えば少し粘っこく聞こえてしまう。しかし、そうでなくてもいいのだ。
本当の意味で変化を引き起こすゲームチェンジャー企業は数少ない。それはそれで良い。スタートアップ企業が変化を起こす者である必要はないのだ。彼らがする必要があるのは、価値を作り出すことだ。 しかし、それが“Google的価値”である必要はない。その高さに達しているスタートアップ企業はわずかしかないのに、それを前提にすることは、短絡的でばかげている。それに、大部分はそれを意図していないのだから。
“ホームランを狙ってバットを振ること”は素晴らしい考えだ。誰だって、バットを一回振ったらフェンスを越えて400フィートも先に飛ばすようなホームランを見るのは好きだ。しかし、世界の最高の野球選手には、ホームランダービーもグランドスラムも関係ないが、他の選手に比べて堅実にヒットを打ち平均的なプレーをする選手も存在した。そして彼らは勝っているのだ。 成功するために一発ホームランを打つ必要はないということだ。私が知っているもの(金融、個人、価値創造など)の成功の定義ではない。
初めての起業家は“ベースヒットの成功”と早期売却から大きな利益を受けることができる。まず第一に、数百万ドルを持って立ち去ることができる。さらに、極めて大きな経験も得られる。設立者が大きな勝利を得ようと小さな勝利を得ようとそれは同じことだ。小さなスタートアップ企業は簡単ではない。大きくて変化を引き起こすようなスタートアップ企業にくらべてより多く見られるが、簡単と言うには程遠い。だから、初めての起業家は、“法の抜け道をうまく利用”して自分たちのスタートアップ企業は1億ドルの価値がある会社だと思わせることに注力する代わりに、できるだけ早くに1,500万ドルの価値ある会社を作ることに集中するべきだ。設立者は、数字をねつ造したり、期待を膨らましたり、人の注目を必要としないことに悩んだりするよりも、(そもそもスタートアップ企業に1,500万~3,000万ドルの可能性があると仮定して)気楽に意味のあることに集中するべきだ。さらに、ある段階で売却することからの重大な風評の後押しもある。それは、機会を狙う設立者にとって決して払いのけるべきことではない。
私が2007年にStandout Jobsを始めた時には、こう書いている。“Go big or go home(でっかく出るか、家に帰るか)” 後から考えると、バカなことを言ったものだが、それにも一理ある。ほとんどの起業家にとって、早期売却は、1人の人生に及ぼすかもしれない影響を考えれば、“でっかく出ること” だ。真面目な話、私もStandout Jobsの売却によって数百万ドルを手にして立ち去ってかなり幸せだったのだ!
状況は変わるし、時は移る。2007年から2008年には、私たちはかなり大きな金額を集めることができ、世界征服できるような気がしたものだ!大きくなった気がした。いろいろな意味で大きくなったのだ。しかし、振り返ってみると、自分のアプローチや戦略には穴が見え、それは、もし私がしっかりとしたスタートアップ企業の精神を持って、もっと早期売却の可能性に重点的に取り組んでいたら修正されていたかもしれない。早期売却の汚点は、私たちがStandout Jobsをどう発展させたのかということへの主要な影響力ではなかったが、私たちの初期の考え方や選ぶ道に影響を与えた。
私がいま進めているスタートアップ企業や他の大きなプロジェクト(近いうちに発表できるといいのだが!)も含め、今後の活動にとって、焦点はさらに早期売却に絞られる。これは、先の見通しがないという意味ではないし、私が価値を作り出すことや現状維持を変えることにとらわれていないという意味でもない。全くその逆だ。そうではなくて、私は早期売却の汚点を無視しているという意味なのだ。
この記事は、Instigator Blogに掲載された「Removing the Stigma Around Early Exits」を翻訳した内容です。
全てのスタートアップ企業がゲームチェンジャーであるわけではないし、ある程度成長させた後は、見切りをつけて大手に売却することも手法の1つであると。その利益でまた何かを始めれば良いのだし、というシリアルアントレプレナーが多いアメリカならではの考え方ですね。個人的にはこういう考え方が大事と思いますけど。日本の場合、独立性を保って事業を続けることが良しとされている風潮もなくはないと思いますし。独立性を保ってというと聞こえは良いですが、最初の成功にしがみついて社長の立場に収まっていたいだけの人が多い気も。
ちろん起業すること自体がまだまだ一般的でない日本ですし、この記事のような考え方が一般的になるには時間がかかるというかそこまでなるのかは不明ですが、ゲームチェンジャー企業が産み出されるには確率論からいってもその何千倍のそうでない企業も産み出されないといけないわけで、そう考えるとシリアルアントレプレナーが多い米国という国の方が、一度のプチ成功に甘んじてだらだら事業を継続するだけで何の新しい価値も産み出していない中途半端な企業がのさばった国よりは面白いスタートアップ企業が生まれる土壌はある気はします。って妙に毒舌になってしまいましたが、半分は自身への反省も含めまして。僕もゲームチェンジャーに近い何かをいつか産み出せるように勝負し続けていきたいと思います。。。 — SEO Japan
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