自分のブログを15億円で売った若者の話

公開日:2010/07/07

最終更新日:2024/02/17

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ジョーンズ・ウーという人を知っている日本人はほとんどいないでしょう。若干22歳で始めた金融ブログ「Bankhaholic」を最近15億円弱で売却したことで知られるアメリカのネット界ではかなりの有名人です。今回はSEO Bookによる彼のインタビュー記事を紹介します。何かヒントになることがあるかも? — SEO Japan

ジョーンズ・ウー氏以上に魅惑的なインターネット界のサクセスストーリーはめったに見られない。

2006年、まだ神経科学の学部研究生だった頃にジョーンズはBankaholic.comと名付けたWordpressブログを始めた。トラフィックと収益の確立のためにSEOおよびSEMにフォーカスしたアプローチはジョーンズの独断場だった。それからたった3年後に、彼はBankaholicをBankRateに売却したのである。その価格は1490万ドルと報告されている。

その時彼は22歳だった。

私たちは最近ジョーンズと話をすることができた。現在彼は世界中を飛び回れることを楽しんでいるため、これはちょっとしたチャレンジだった。ジョーンズは彼の成功や今日数百万ドルのウェブサイトを作るために必要なものについていくつかの質問答えるのに十分な時間を快く割いてくれたのだ。

あなたのような人を神経科学からSEOの世界に導いたのは何だったのでしょう?

最初にインスピレーションを受けたのはAnand Lal ShimpiAnand Lal Shimpiだったよ。中学生の頃、彼が高校生の時にどうやってメディア王になったのかについて取り上げたニュースを見てからというもの、私はオンラインメディアに魅了されるようになった。大学では、もともとメディカルスクールに進もうとしていたけれど、科学について深く学ぶうちに、自分がそれを嫌いだってことに気付いたんだ!その一方でコンピュータとビジネスのクラスをいくつか受けていて、2005年にthebulltrader.comという株に関するブログを始めた。私はブログやサイト運営を楽しんでいて、2006年にはBankaholicを始めることになった。初めてアドセンスで50ドルを儲けた後、もっと多くのトラフィックを稼ぐことに興味を持ったんだ。その後のことはご存じの通り!

オンラインアフィリエイトは金融と直接的または密接に関係しているエリアでうまくいく傾向があります。あなたが築きたいエリアやニッチを考えた時、金融への接近性は評価しますか?

全くしない。インターネットは広大でそこには素晴らしいニッチが山のように存在するのだから。

価値のある市場で競争に勝つためには局所的な専門知識が必要ですか?

確実に役には立つが、100%必要とされるものでもない。

局所的な専門知識の代用になるかもしれないと思えるような特定のことは何がありますか?

インターネットに精通することは絶対的に役に立つ。もっと具体的に言うと、SEOやSEMがどのように働くのか理解することは、たとえ競争相手がもっと局所的な専門知識を持っていたとしても、あなたのビジネスを成長させあなたにチャンスを与えてくれるだろう。

熱い競争がある市場を好みますか? それとも少ない情熱を持って人々がアプローチしてくる傾向のある市場を好みますか?

私はいつも競争の激しいニッチを避けている。常に。そんなにたくさんのお金はないのだから、着メロやオンラインポーカーのような飽和状態の可能性のないニッチを追いかけて時間を無駄にすべきではない。

あなたがどうやってBankaholicを成長させたのかについて少し話を聞かせてください。このサイトの当初のビジョンとは何だったのですか?

2006年は金融バブルの絶頂期だった。銀行はマーケティングにとても積極的だったため、新しい顧客に簡単にサインアップボーナスを払っていた。それを巧みに利用すれば1カ月に数百ドルを儲けることはセキュリティナンバーを持っている普通の人なら誰でもできたのだ。

私のゴールは、最良の取引を情報集約して、もっぱら銀行取引に専念したSlickDeals/Fatwalletのようなサイトを作ること、そして、私のビジョンは、最新取引のために私のサイトに毎日来るような“bankaholics(銀行中毒)”のオンライン信者を作ることだったんだ。

ところで、素晴らしいドメイン名ですね。金融部門内のダイレクトマッチまたはキーワードリッチなドメインを使用することに反して、独特なブランドにフォーカスした名前を作ったのはなぜですか?

ドメイン名を選ぶのはものすごくもどかしいこと。なぜなら(想像できる通り)良い名前は全部取られてしまっているからだ。私は“Bankaholic”という言葉を思いついた日のことをはっきりと覚えているよ。神経科学の研究室で実験が終わるのを待っているところだったので、いくつか名前のアイディアを出すためにコンピュータに向かいNameBoy.comを開いたんだ。そこで“Bankaholic”という言葉を見て、これは良さそうだぞと思ってすぐにGoDaddyでドメインを登録したよ。

売却額の大きさ(1490万ドル)を考えると、あなたは迅速にそんなにも大きなマーケットのレバレッジを築き上げることに焦点を絞り、かなり野心を持っていたように思われます。あなたは常にそのレベルでの成功に焦点を絞っているのですか?

もちろん。大学卒業後はBankaholicが私の人生だった。私は自分が金山の上に座っていることやそれが一旗あげるための人生の一発勝負であることも分かっていたので、自分のビジネスをいかに成長させ発展させるかにこだわることに全ての時間を費やしとても真剣に取り組んでいた。

成功を促進させるために何かオフライン戦略は採用しましたか?

私が採用したオフライン戦略はBankaholicのTシャツを作って配ったことだけだ。散々なROIだったから、2度とこんなことしないけど!

あなたの成功に意味のある形を貢献したと感じている特定の優先事項はありましたか?

測定と最適化。測定しないものを最適化することはできない。

あなたは今でも定期的にサイトに書いていますか?(現在の執筆者の1人が、あなたがごちそう好きなことを明かしているようですが)

ハハハ!売却後数カ月間は書き続けていたけれど、トランジションの後Bankrateは完全に引き継がれたよ。

ソーシャルメディア環境はBankaholicの成長として姿を現していたが、今日ではもっと強い存在になっている。これによって、あなたが新しいアイディアやプロジェクトにアプローチする方法は変わりましたか?

正直に言うと、私はソーシャルメディアが嫌いだ。それが力を持っていることは認めるが、あまりにも予測不可能でコントロール不可能なため、私のオンライン戦略にとってはむしろ補足部にすぎない。個人的には、予測可能で測定可能で、100%役に立つ(最も重要)SEOに時間をかける方がずっとよいと思っている。

そうは言っても、TwitterとFacebookは、新しいターゲット層への接触を可能にしてくれるため、価値のあるツールではある・・・。その点から言うと、あなたのニッチやビジネスモデルに基づいてSMMである程度雄弁であることは重要なことだ。

リソースも限られたそのニッチの新参者の場合、大きくて困難な市場にどう立ち向かえばいいのでしょうか?

経験が全てだ。失敗から学び、トップの座に出ることにしくじることを恐れないことだ。

あなたのようなサクセスストーリーは誰にでもできることだと思いますか?それとも何かが違うのでしょうか?

ただ単に誰もができることではないが、できる人はたくさんいる。アフィリエイトマーケッターとして成功するには、何でも屋になる必要がある。創造性、デザイン、ビジネス、プロジェクト管理といった多くの分野を巧みに操り秀でていないとダメだ。

競争の激しいウェブサイトを始めた若いウェブマスターにとって最も価値のある資産を1つだけ選んでください。(全てのものが奇跡的に等しかったとして):

  • 投資するキャピタル
  • 対象への情熱
  • 対象に関する専門知識
  • SEOの精通
  • 技術/グラフィック/コンテンツ開発のスキル

確実に専門知識だ。あなたが本当にそのニッチのオーソリティーで素晴らしいコンテンツを作れば、ウェブサイトが自然とリンク、広告主、ビジネスの発展のチャンスを引き寄せるだろう。

お金は、あなたが新しいビジネス界にアプローチする方法にどのように影響を与えましたか?

私はドメイン買収に意欲的に取り組んでいる。なぜならそれが私のお金をつぎ込むのに最高の場所だからだ。プレミアムなドメイン名は私の状況にぴったりだと思うのだ。他の誰よりもインターネットについてよく理解しているため、どの評価が魅力的か知っている。ドメインを買うことは、私に将来さらにウェブ開発を進めるという選択肢も残してくれるのだ。

あなたは努力によって素晴らしい“立身出世”のストーリーを作り上げた。このことがあなたの今後の挑戦への見通しにどんな影響を与えていますか?

残念なことに、最近モチベーションが低くなっている。成功へのハングリー精神はかなり減ってしまったけれど、それはそれでいいんだ・・・そのうちインターネットマーケティングに復帰するつもりだよ。

ジョーンズ・ウーの今後は?

最近はずっと旅行とリラックスをしているだけ。私のシステムから旅行バグが取り除かれたなら、ドメイン買収と開発に向かって走り続けることは間違いない。

お時間どうもありがとう。あなたの旅の無事と成功を祈っています!


この記事は、SEO Bookに掲載された「An Interview with Johns Wu」を翻訳した内容です。

競合が多いジャンルでなければ15億円で売れない気もしますが、「専門知識が最重要」という意見には賛同です。SEOのテクニックだけがあっても肝心のコンテンツを産み出す力が無ければ、トラフィックのマネタイズも難しいでしょうし、ファンやリピーターもつかないでしょうし、検索経由のトラフィックだけに頼るブログは限界があるでしょう。ブログに限らずアフィリエイト全般にいえると思いますが。日本でブログが高値で売れたという話は聞いたことありませんが、数千万~1億程度の値がつきそうなブログは幾つかある気もします。この辺は英語圏と日本語圏の市場の差もありますかね。とはいえ、彼の成功は夢がある話であることには間違いありません。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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