いや、もしかしたらみんなではないかもしれない。私がコーヒーをちびちびと飲むのが好きなように、素晴らしいものを嫌う10%の人種を除く全ての人とでも言っておこうか。
15年前、ピクサーが長編アニメ映画の創造的、技術的限界を打ち壊した。
彼らがどこからともなく現れたというのは簡単だが、実際は、作品を削って際立たせ、そのジャンルの古典的な素晴らしい点を保持しながら型破りなルールを作るのに10年かかったのである。
人々はピクサー映画をただ好きなだけではない。ピクサー映画を愛しているのだ。
ピクサーはそれをどうやったのだろうか?
確かにそこには何らかの魔法があるが、それは多くの責任と大変な作業から生まれたものである。ここで紹介する5つのステップに従って、あなた自身やあなたのビジネスが達成できる限界を取り除くのだ。
現在、トイストーリー3が公開中で、なんとも手堅く11連勝を続けている。その歴史を通して、ピクサーの映画は全て公開時にチケット販売数でトップを記録しているのだ。
一番初めの映画から最新のものまで、ピクサーは決して横道に逸れない。2番目の映画、バグズライフが恐らく一番評価が低いが、それでも素晴らしい映画だ。私自身は、カ―ズが一番好きではないが、2年連続で私の息子の一番のお気に入りである。マテル社はお金が必要な時には、また別のカ―ズのキャラクターを生産すればいい。
そのような一貫性が信頼を生む。ピクサーをうらやましいほどの成功に躍進させたのがその信頼である。
ピクサーの映画は、1本の映画で世界中で平均5億5千万ドル以上の売り上げ数を誇り、大ヒットを記録し続けている。DVDやファストフード店との広告タイアップなどを加えれば、一貫性や高品質や非の打ちどころのないブランド忠誠心で知られるスティーブ・ジョブズをこんなにもお金持ちにしたのは、彼の他のどの会社でもなくピクサーであることが見えてくる。
トイストーリーは、大規模予算のデジタルアニメーションの世界に再び元気を与えた。しかし、他の多くのスタジオとは異なり、ピクサーの各映画はピクセル単位で完璧なのだ。
実際のアクション映画と違って、1つの長編アニメは全体にわたってその何倍もの詳細な調音が必要とされる。テイク2はない。それでも、ピクサーは作品の出来に満足しなければ映画の大部分を作り直してきたし、レミーのおいしいレストランの製作の最中には監督交代さえもあった。
2010年6月のWiredの記事によると、トイストーリー3のアニメーションのコマは平均7時間のコンピューター作業を要したということだ。映画のフィルム1秒は24コマである。
ピクサーは、粗悪品にするくらいなら遅れる方を選ぶ。60秒以内に高血圧と心臓病を提供する機会を保証しているドライブスルーでタイマーを持っているような文化の中で、そういう配慮は珍しい。
そして、観客もそのことを知っているのだ。
もちろん、ピクサー映画のポップなビジュアルによってスクリーンにくぎ付けにされる(3Dバージョンが出る以前も)。しかし、観客を繰り返し呼びもどしているのはストーリーと登場人物である。
ピクサーは、ほとんどのスタジオが把握できていないようなことを理解しているのだ。もしあなたが高収益の作品を作りたいのなら、素晴らしい作家がいなければにっちもさっちもいかないだろう。
印象的で愛される登場人物たちはピクサーのスタンダードだ。バズやウッディからニモやウォーリーまで、私たちのピクサーキャラクターへの愛情はいつまでも残っている。それに対し、他の大部分のアニメ映画の登場人物たちは・・・二次元すぎるように感じる。
ピクサーは、素晴らしい物語を通じて観客との繋がりを育む。普遍的な人間の心の原型に語りかけ、私たちがみな学んできた(または学ぶ必要のある)教訓を伝える。
人生の後悔を直視すること、愛する人を失うことを悼むこと、冒険に立ち向かい恐れに打ち勝つこと。
ピクサーのキャラクターを引用する大人は私だけではないことは知っている。タランティーノが唯一私がもっと引用する映画監督だが、それをするのは子どもが眠った後だけ。
ライティングの才能と、私たちの記憶に強い印象を残す能力に長けているのだ。
ピクサーの面白さに隠された秘密は、そのたぐいまれなチームである。
通常、スタジオはそれぞれのプロジェクトにフリーランスのプロを集める。ピクサーは、プロジェクト間を移動する作家、監督、アニメーター、技術者などのスタッフを所有している。
ピクサーが、知っている人、信頼できる人、お互いに信じ合える人で映画製作チームを作っていることを称賛したい。クオリティに関して熱心で、みんなに発言権がある、そんなチームだ。
スタジオの最初の3つの大成功作品の後に、監督および映画脚本家のブラッド・バードをピクサーに連れてきたのは、スティーブ・ジョブズだ。なぜなら、彼は会社の革新的成長を止めたくなかったからだと言っている:
イマジネーションを基盤にした会社が長期間にわたって成功するためには、お金を稼ぐことが中心ではダメだ。
ブラッドは、ミスターインクレディブルとレミーのおいしいレストランの執筆と監督を続けた。両方とも家族と友情を強いテーマにした映画だ。彼は、チームワークがピクサーの成功の最優先事項であることに同感している:
私の経験上、映画の予算に最も大きな影響を与えることなのに、決して予算に入っていないのが、士気である。士気が低ければ、支払う1ドルの費用に対して25セントの価値しか得られない。士気が高ければ、支払う1ドルの費用に対して、3ドルの価値を得られる。企業は、士気にもっと多くの注意を払うべきである。
素晴らしい品質のためのしつこいほどのやる気は、チームそのものから発せられる。同じWiredの記事によると、アニメ―ションのチームは前日の仕事のレビューと不満を言うためにシリアルボールを片手に快適なカウチに毎朝集合するのだそうだ。(チームは、批判することを奨励している。たとえそれがチームで一番の新人からだとしても。)
これこそがピクサーが、スクリーンに現れる前に間違いを修正し、完璧に近いものを完成させるための健全でクリエイティブな環境なのである。
ピクサーのような人は他にはいないが、あなたのような人はいる。
ピクサーがしたことをするのだ。一貫性をもち、時間をかけ、素晴らしい製品を送り出し、最高のチームを作り、自分のことを良く知ること。
ほら、あなたの魔法の時間が待っている!
この記事は、CopyBloggerに掲載された「Make Your Readers Love You: 5 Lessons from Pixar」を翻訳した内容です。
教訓というか読んでいてピクサーってこんなに凄いんだ!と改めて思わされる記事でした。1作品平均500億円以上って、、、ハリウッド映画って1本につき制作費とマーケティング費合わせて数十億円かかるのが普通ですし、それが年間数百本作られているわけで、まさにベンチャー投資の世界だよな、と思ったりすることがありますが、流石にピクサーのレベルで成功しているVCはいませんよね。「ピクサーがしたことをするのだ。一貫性をもち、時間をかけ、素晴らしい製品を送り出し、最高のチームを作り、自分のことを良く知ること。」そんな会社を築いていきたいものです。 — SEO Japan
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