スパムがどこにでもある理由、そして、それが何の意味も持たない理由

公開日:2010/08/26

最終更新日:2024/03/21

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SEO Bookから相変わらず切れの鋭い記事を紹介。進化するGoogleと共に進化し続けるSEO(スパム含む)、その戦いの現状と未来はどうなる。 — SEO Japan

思わず溜め息が出てしまう。またか。 😉

先日、ランドが、検索スパムがあまりにも浸透しているため驚いたと述べていた。しかし、現在の検索の大きな問題は、スパムの存在ではなく、その対応の方法である。グーグルは長い間人手でスパムと戦うために多くのリソースを費やしてきた。スパマーが貧しかったとき、一発屋がウェブの崖っぷちで勝負していたとき、そして、検索仕組みを理解している人が少なかったときは、この手法が功を奏した。しかし、テクノロジーが進化し、“スパマー”達が徐々に資金を集めるようになると、グーグルは人手による作戦で敗北を喫するようになった。

検索エンジンはSEOの重要性を認めている。現在、SEOはメジャーな存在に出世している。

  • グーグルもマイクロソフトもSEOガイドを提供している。
  • マイクロソフトとヤフー!は社内にSEOチームを持っている。
  • ヤフー!はコンテンツミル企業を買収した。
  • マイクロソフトが、ヤフー!の検索結果を供給する件に関する最新のeメールには、“このオーガニックな移行が終了したら、ビングは毎月520億の検索を行うようになり、これは米国の検索マーケットの31.6%であり、カナダの検索マーケットの8.6%に値する。検索エンジンの最適化(SEO)を実施することで、検索キャンペーンを補足し、事業の認知度を上げ、このトラフィックを活用することが出来る。”と記載されている。

今後も“SEOを黒魔術”扱いするメディアのレポートを目にするだろう。しかし、それはメディアががページビューを増やすために無知で浅はかな考えを伝えることを望んでいるためだ。なぜなら、彼らにとっては、自分が生き残ることが第一の目的だからだ。SEOの恐怖を読者に警告する同じメディアの業者は社内にSEOチームを抱え、私をSEOコンサルタントと呼んでいる。

グーグルのエンジニアは、この作品ハッカーニュースに投稿して、“十分に高度化したスパムはコンテンツと見分けがつかない”と言うタイトルを用いて強調している。私たちはエンドユーザーを過大評価している。大半の人々がスパムを判断することが出来ないなら、それは彼らにとってはスパムではないのだ。検索エンジニアが、あるブログが、英語が母国語ではない人が運営しているものなのか、自動生成されたものなのか区別するのに苦労しているなら、標準的なウェブユーザーはどのように違いを区別するのだろうか?

SEO業者の中には、ウェブサイトの巨大なネットワークを抱えている人もいて、8ケタ、または9ケタの利益を得ている。彼らは単純に参入を望むあらゆるマーケットでマーケットシェアをお金で買う余裕がある。サイトの1つが失墜したら、5つのサイトを購入して証拠を消すことが出来る。また、メディア企業がコンテンツミル企業と提携しており、トップのコンテンツミル企業は新規株式公開を申請し、評価額15億ドル(約1260億円)を希望している。

それにしても、一つのジャンクの形態が上位にランクする価値がなぜあるのだろうか?リンクの購入がよくないなら、なぜグーグルはViglinkに投資したのだろうかリンクの購入がそこまでよくないと言っているにも関わらず、リンクのために嘘をつく行為は、なぜ許せるのだろうか?もしそうなら、なぜだろうか?

ドメインが非公開の状態で登録され、マーケッターが専門家を採用してブランドを代弁させることが可能な資本主義的なマーケットにおいて、グーグルはどのようにスパムへの動きをけん制することが出来るのだろうか?広報目的の有名人によるお墨付きはスパムだろうか?グーグルは100%グーグルの広告に等しい検索結果のベータテストを実施しているにも関わらず、どのような体面でスパムを非難することが出来るのだろうか?

グーグルは可能な場合“オーガニック”な検索結果を別のグーグルのバーティカルな結果で置き換える試みを行っている。グーグルは、トラフィックをさらに管理しつつ、おおよそ関連性をマッチさせることが出来るなら、迷わずそうするだろう。グーグルの画像検索を利用して、パブリッシャーのサイトに辿りつくのがいかに難しいかを分かってもらいたい。また、グーグルはLike.comを買収するのではないかと噂されており(註:最終的に買収しました)、これが実現すると、グーグルにとって画像検索の収益性が遥かに増すようだ。

グーグルは引き続き検索結果からさらに収益を吸い上げようと試みており、私には彼らがスパムを格下げする取り組みから撤退しているように見えてしまう(見返りの減少、そして、自分が実施している取り組みを格下げすることが独占禁止の問題に発展するリスクが原因)。格下げするアイテムを探す代わりに、グーグルは現在質の高いアイテムを促進するためのデータ/シグナルを探す試みに移行しつつある。

人手の介入の問題(アルゴリズムによる高度化ではなく)は、ウェブをゆがめ、ほとんど役に立たない大きなお役所的な企業を推進してしまう点だ。短期的には問題ないが、長い目で見ると、検索を骨抜きにしてしまう。特色と多様性に欠け、やがて、退屈な検索になってしまうだろう。

グーグルはオンラインの広告収益のx%、そして、GDPのy%を手に入れる。しかし、長期的には、役に立たない組織を推進しても、ウェブ(または検索)をこれ以上安定化させることは出来ない。グーグルは、もっと効果的で収益性の高いメディア事業の作成を推進する必要がある。ITA ソフトウェアとメタウェブズを買収することで、グーグルは広範なクエリの一部に着手して、トラフィックストリームの2回目のクリックにより大きな影響を与えることが出来るようになるだろう。効率的なビジネスモデルは成長し、非効率的なビジネスモデルは破綻を迎える

ポール・グラハム氏が強調しているように、私たちは大企業に独占される社会から、個人や自営業の人々(または小さな組織に勤める人々)が活躍する社会に移行しているのかもしれない。私たちは10数名の人々を雇っているかもしれないが、彼らは一つの組織に属しているわけではない。SEOBookで仕事をしている人もいれば、ブログを運営している人もいれば、特集コンテンツを作る支援をしている人もいれば、マーケティングを手伝っている人もいるだろう。私たちの小さくても効率的な事業体は、毎月テラバイトものウェブのトラフィックを運んでいる。皆さんなら現在読んでいるサイトを役に立ち、収益性が高いだけで“スパム”扱いするだろうか?VCキャピタルを獲得し、効率が悪いサイトの方が適切なのだろうか?SEOの分野に関する平均的な大規模なメディアの記事は、どれほど面白味にかけるのだろうか?

検索エンジンが“スパム”に罰則を与える行動を過剰に行うと、同業者に道を譲ることで収益を上げることが出来るようになるだろう。グーグルが格下げするアイテムに焦点を絞るようになると、検索エンジンは誰が何をしているのか、そして、誰がしたのかを把握する必要性が生じる。そのため、今日のSEOの役目は、“スパムのない状態”を維持するのではなく、質のシグナルを十分に作りだし、疑念からメリットを得られるようにする点である。こうすることで、検索エンジニアの気まぐれ、アリゴリズムのアップデート、そして、競合者の妨害工作からサイトを守ることが出来るだろう。

サイトがまったくトラフィックを失わない時点までSEOの戦略を保証することも出来るが、それはサイトのランクがゼロに等しい状態である。そうではなく、ゲームに参加し、質と量を継続的に築いていくことも出来る。質の低い作品が特定のマーケットで収益をあげているなら、少し質の高いサイトを始めれば、割と容易に他者と一線を画すことが出来るだろう。頭角を現す試みは有益ではないかもしれないが、テストを行うプラットフォームを手に入れることは出来るはずだ。結局、ディマンドメディアはeHow.comを買収し、“質の高いコンテンツ”を同サイトに放り投げているのだ。

実力主義のコンセプトはオンラインでは全く受け入れられていない。だからこそ、大きな検索企業が自ら進んでコンテンツミル企業を購入しているのだ。 検索エンジンが実力主義を推進したいなら、個人の努力に対して見返りを与える点に焦点を絞る必要があるだろう。しかし、収益は減る可能性があり、なかには競合者からの脅迫を避けるために、そして、オンラインの広告ネットワークがデータを手に入れ、ターゲットにされることを回避するため、匿名の状態を維持したい人も存在する。

マーケッターにとって、実力主義の欠落とは何を意味しているのだろうか?マーケッターなら、自分の能力を積極的に売り込む必要がある。さもなければ、二流の製品を抱えるマーケッターに追い抜かれ、マーケットシェアを奪われてしまうだろう。

皆さんのサイトは誰かにスパムだと思われてしまうだろうか?

間違いなく思われるはずだ。

しかし、さらに低いランキングのサイトが現れるだろう。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Why ‘Spam’ is Everywhere & Why That Means Nothing!」を翻訳した内容です。

しかしSEO Bookの記事はいつ読んでも面白いですね。「Googleはスパムを格下げする取り組みから、質の高いアイテムを促進するためのデータ/シグナルを探す試みに移行しつつある」という考察はもしかするとその通りなのかな、という気が最近のGoogleを見ているとしなくもありません。さらにSEOは。「”スパムのない状態”を維持するのではなく、質のシグナルを十分に作りだし、疑念からメリットを得られるようにする点」が重要とも語っています。その意味では積極的にサイト上で情報発信し、定期的に他サイトやブログからリンクを張られたりツイッターでつぶやかれたりというサイトを作っていくことがより重要になっていくのかもしれません。ブログ執筆含むソーシャルメディアマーケティングが結果的にSEOと同質の作業になっていくような日が来るのでしょうか。もちろんテクニカルなSEOや有料リンク、スパム手法はある程度残るとは思いますが。そう思いたくなるのは私がSEO会社だからでしょうか。はい、そうだからです。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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