皆さんはグーグルに自分のするべきことを指摘してもらいたいだろうか?ミスターシュミットはそう思っているようだ:
「ユーザーがタイプする必要すらない状態で、ユーザーの代わりに検索が行われるようになりつつある。大半のユーザーはグーグルに質問に答えてもらいたくないのではないかと私は思う」とシュミット氏は述べた。「ユーザーはグーグルに次に何をすべきか指摘してもらいたいのだろう. … セレンディピティ(註:偶然の素晴らしい出会いの意味)は計算の対象になっている。私たちは実際にセレンディピティを電子的に生成することが出来るのだ。」
当然ながら、アルゴリズムの問題は、以前の動作に依存していることだ。アルゴリズムは、世界を変えかねないユニークなことをしろとも & オリジナルなことをしろとも言わず、踏みならされた道を案内することを望むだろう。
世界で最も穏やかでお決まりの道はどこだろうか?それは確立されたブランドだ:
インターネットはとても早いペースで誤った情報が繁栄する「不潔な場所」になりつつある、とグーグルのエリック・シュミットCEOは昨日述べた。毎年恒例の業界カンファレンスの一環として、グーグル本社を訪れた雑誌社の経営陣に対して、シュミット氏は、雑誌社のブランドがコンテンツを信頼することが出来るかどうかの重要なシグナルになりつつあると話した。
「ブランドはソリューションであり、問題ではない。ブランドは「不潔な場所」を清掃する手段である。」とミスターシュミットは述べた。
「ブランドの親近感は明らかに固有の特徴である。人間にとって根本的なことであり、消えてしまうことはないだろう。遺伝的な要素があるはずだ。」と同氏は話した。
グーグルがそこまで賢いのなら、なぜブランドに頼っているのだろうか?ユニークで & オリジナルで & 世界を変える何かを見せてもらいたいものだ。
ブランドの親近感には実際に生まれつきの遺伝的な要素が含まれているのだろうか?または、コンピュータが愚かであり & ブランドは数多くの関連するシグナルを持っているのだろうか?:その一つに通常挙げられるのが大規模な広告の予算である。また、グーグルをけん引する検索エンジニアは、なぜ先日「ブランド認知」の問題についてクレームをつけたのだろうか?
グーグルは、データを集め、そのデータをマーケッターに売っているが、彼らはまたこのデータを収益化し、セレンディピティを提供する別の方法を考えている:
エリック・シュミット氏はこのように述べた「ある日、私たちは株式市場を予測することが出来ることに気づいたのだが…しかし違法だと判断し、この試みに終止符を打った。」
この製品が世界にどのように価値を加えるのか想像出来るだろうか?落ち込んでいる日(もしくは“借金の支援”を検索する日)は、グーグルはよりネガティブなバイアスがかかった広告を提供して恐怖に反応するが、調子が良い日には、楽観的な広告を提供するのだろうか?セレンディピティによって、あらゆる取り組みにおいて、ほとんどの場合間違った場所に向かわされてしまうのだろうか?結局、これがこの分野のビッグネームが収益を得ている図式である – 偽りの“リサーチ”を介して、取引の部が悪い側につかせているのだ。
エリック・シュミット氏は、このデータに対するアクセスを誰に与えたいか尋ねている:
「私たちに関するこのすべての情報は、どこに向かうのだろうか?誰がアクセスしているのだろうか?」(入念なルールの下、グーグルのサーバーに送られ、グーグルの従業員がアクセスするとシュミット氏は述べた。)「私の答えは皆さんに衝撃を与えただろうか?」質問者は次のように尋ね、称賛を浴びた。「他に適任のサービスがありますか?」シュミット氏は – 笑いを迎撃し、さらなる喝采を浴びた。「この件に対して責任を持つべき適任の政府が他にありますか?」
この会話により、ジョン・グリューバー氏はエリック・シュミット氏にクリープ・エグゼクティブ・オフィサー(キモい役員)と言うレッテルを張り、次のように述べた: 「質問は誰がこの情報を持つべきかを訊いているのではなく、この情報を持つべきなのかどうかを訊いているのでは。」
しかし、グーグルには道徳的な良心があるようだ。彼らはクオリティスコア(別名 : 談合)が違法だと考えているようだ。自分達が実施しているときを除いて!
「私は判断が重要だと思う。誰にも知られたくない秘密があるなら、そんなことは初めからすべきではなかったのだ」 – エリック・シュミット
ある女性のブログがウェブから姿を消した理由も納得出来る。そして、このエントリはブログに投稿されているので、重要ではないのだろう:
新聞の編集者の価値に関して混乱しているなら、ブログの世界を見てもらいたい。それだけ見れば十分だ – エリック・シュミット
セレンディピティにおける美辞麗句を重ねるグーグルの立場、そして、道徳的な根拠について、理解出来ないことがある。ユーザーが取る行動を勧める彼らの行為が信頼されるべきだと言うなら、なぜ、ウェアーズ、キージェネレータ、クラック & トレント(註:全て不正にソフトを利用するツール関係のキーワード)を介して著作権のある作品の権利の侵害等、違法な行為を推奨するのだろうか?
この記事は、SEO Bookに掲載された「Your Favorite Eric Schmidt Quotes?」を翻訳した内容です。
部分的なフレーズをピックアップしただけとはいえ、こうしてみるとGoogleの傲慢さが感じられなくもないのもまた事実ですかね。ユーザーの行動履歴や行動予測から、適切なコンテンツやアクションをレコメンドするようなテクノロジーの進化について語られる時に、”セレンディピティ”という言葉はGoogleに限らずテクノロジー側の人間が良く使われます。もちろん全ての出会いがセレンディピティというわけにはいかないでしょうが、最後の事例を見てもセレンディピティどころか悪の道を開く出会いもあるわけで。技術的には少しずつ改善されていくものなのでしょうけど。日本の検索市場もGoogleにほぼ一本化されそうですが、ユーザーとしてアーロン・ウォール的な視点も多少は持っていることも重要かもですね。 — SEO Japan
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