スタートアップ企業に限らず、新しいウェブサービスやソフトウェアを開発しているチームであれば、スタープログラマーやスーパー営業マンはもちろんですが、優秀なプロダクトマネージャーの重要性に気が付いている人も多いでしょう。今回はそんな普段陽の目が当たらないがプロダクトマネージャーの役割を再考! — SEO Japan
プロダクトマネージャーは、スタートアップ企業の縁の下の力持ち
ウィキペディアによるプロダクトマネージャーの定義は以下のようになっている:
プロダクトマネージャーは、ある製品または複数の製品のライフサイクルの全ステージのプランニングやマーケティングを取り扱う社内の組織的なライフサイクルファンクションである。
プロダクトマネージメント(インバウンド)とプロダクトマーケティング(アウトバウンド)は異なるものではあるが、販売利益やマーケットシェアや利益率を最大限にするという目的を達するためにお互いに補っている。プロダクトマネージメントの役割は、戦略的なものから短期的な方策までたくさんの活動に及び、企業の組織構成に基づいて多岐にわたる。プロダクトマネージメントは、そのまま他とは分離している機能にもなり得るし、マーケティングやエンジニアリングの一部にもなり得るのだ。
ジャッキーズ・マーフィーは、プロダクトマネージメントのスタートアップ企業での役割をとてもよくまとめている。彼は簡潔に、「プロダクトマネージャーは製品のCEOのようなものだ」と言っている。
大部分のスタートアップ企業においてプロダクトマネージメントの役職に専任の人が任命されていないのは明白である。大抵は、CEOやCTO(Cのついた役職を採用していないとしても、設立者の一人)がプロダクトマネージャーの役目を勤めている(そのように明確に定義はされていないにしても)。
スタートアップ企業においてプロダクトマネージャーの役割を定義しないことや、それを早急に誰かに割り当てることは、誤りである。
ニール・ロバートソンはTechStarsのインタビューで、この問題についてスタートアップ企業の一番の過ちとして語っている。
プロダクトマネージャーの定義が完全に明確ではないこともこの問題の一つである。彼らは何をする人なのか?彼らはそれをどのようにするのか?会社のSEO、CTO、設立者とはどう違うのか?
さらに2つ目の大きな問題は、多くのスタートアップ企業がこの役職に専任の人を割り当てる必要があるとは思っていないことだ。
では、プロダクトマネージャーとは何をする人なのか?
プロダクトマネージャーに関するもっと詳細な情報や彼らの役割についてはこの記事に掲載したリンクに目を通すことを勧めるが、ここにもその断片を紹介する:
- ビジョンを実行に移す。 スタートアップ企業のほとんどのCEOは、偉大なビジョンを持っているが、製品の制作実行に関しては実践的ではない。スタートアップCEOは、資金調達、雇用、経営、マーケティングなどを含むビジネスの全ての側面を管理することによって必然的に“邪魔をされる”というのがこの理由の1つだ。プロダクトマネージャーは、ビジョン(時には猛烈に狂ったお酒の入ったミーティングや、夜中のセッションなどから生まれる)を実際の製品の制作実行に移すことができなければならない。
- めちゃくちゃ厳しい統制をくずさない。プロダクトマネージャーは“イエスマン”ではなく、“ノー”と言える人間である。多くの人に“ノー”と言うことが出来なければならないし、あともう1つだけ機能を追加したいという衝動を抑えることができなければならないのだ。
- 人を管理する。 プロダクトマネージャーは製品の管理を任されているが、実際には、開発者やデザイナーさらにはマーケッターやセールスパーソンなどの人の管理もする。優れたプロダクトマネージャーは、不安なく人を管理することができなければならない。(そして、それにはあらゆる挑戦が付きものだ)
- 顧客中心である。 プロダクトマネージャーは、決断の際には極端に自分の直感に頼ることはできない。顧客中心であるべきで、オフィスから飛び出して顧客と話すための自信と能力が求められる。ここには顧客開発のアプローチが必要不可欠である。
- メトリクス指向である。 顧客中心であることや自分の直感に頼らないことに加え、製品のパフォーマンスや使用法などについてメトリクスを追跡すること関しても同じことが言える。これには、マーケティング、セールス、対話などのメトリクスやアナリシスや関与が含まれる。
- ビジネス主導である。 プロダクトマネージャーは、製品まわりのビジネスに関する決定に関わる必要がある。その良い例が価格設定だ。どのように製品の価格を決めるべきか?プロダクトマネージャーはこれらの議論や意思決定のプロセスに関わる必要があるのだ。なざなら、製品やビジネスモデルを採用する機会やマーケティング戦略などに最も精通しているのが彼らだからだ。
- 技術に優れている。 リンクを見つけることはできなかったが(ツイートならあるかもしれない)、“プロダクトマネージャーは、コーディングの仕方や少なくともHTML/CSSの使い方を知っているべきだ…”という忠告を読んだことがあり、私もどちらかというとそれに賛成だ。プロダクトマネージャーは、テクノロジーの可能性や限界を理解するためにも十分な技術的知識が必要である。技術的な議論に関与することができ、エンジニアや開発者が技術的な問題でトラブルに巻き込まれないようにすることができなければならない。そして、もっと実際に現場に出て仕事ができるプロダクトマネージャーであればなおさら良い。これは、あなたがただ座って脇から人を動かすような役職ではないのだ。特にスタートアップ企業では。
Ivan Chaliffは、スタートアップ企業のプロダクトマネージャーの役に立つような興味深い書籍を(それに加えて、彼が役に立たないと思っているいくつかの本も)たくさん紹介している。これらには、プロダクトマネージメントの達人: シリコンバレーの革新者からの教訓 やFreakonomics が含まれている。
プロダクトマネージャーの役割がスタートアップ企業に必要不可欠であることは疑いの余地はない。それはきちんと定義されていないということと同時に、スタートアップ企業の早い段階ではそれほど目立つものではないということは明らかなのである。
あなたはどのように考えているだろうか?プロダクトマネージャーはスタートアップにどのように重要だろうか?優れたプロダクトマネージャーを作るものは何なのだろうか?
この記事は、Instigator Blogに掲載された「Product Managers in Startups: What’s their Role?」を翻訳した内容です。
どれだけ良いアイデアがあっても、どれだけ天才プログラマーがいても、本当に売れる(or多くの人に利用される)製品サービスを作り上げるには、優秀なプロダクトマネージャーの存在は不可欠ですよね。「プロダクトマネージャーは製品のCEOのようなもの」とは言いえて妙だと思いました。もちろんスタートアップの場合は、人材が足りないこともあるでしょうし、一人何役というケースも多いでしょうから、社長がプロダクトマネージャーを兼務したり、事業責任者がプロダクトマネージャーを兼務したり、ということは多々あるでしょうけどね。意外とその方が良かったりすることもあるでしょうし。いずれにしても普段、様々な人材を相手に奮闘している全国のプロダクトマネージャーさんの仕事、もっと見直したいものですね。日本語版のウィキペディアだと言葉自体の定義がまだ無かったりします。。。頑張れ、プロダクトマネージャー! — SEO Japan