15のエンジェル投資から起業家精神について学んだ8つのこと

公開日:2010/11/11

最終更新日:2024/03/21

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米国で多数のエンジェル投資を行ってきた自らもアントレプレナーの筆者が、起業家の精神について学んだことを紹介。お金がからむ関わり方だけあって、本質を突いた話が多い気がします。投資を受けたい・受けている起業家には参考になりそうです。 — SEO Japan

過去2年半の間に私は自分自身のお金で15のエンジェル投資を行った。かなりの額を投資してきているが、私が自ら投資する企業を探すこともしなければ、ファイナンシング・ラウンドを指揮することもないし、条件概要書の読み方も知らないため、自分のことを“エンジェル投資家”だとは思ってはいない。

私が初めて投資を始めた時には、もっとお金を増やしたかったからそうしたのだが、投資が起業家精神についてたくさんのことを教えてくれたために、スタートアップへの投資を楽しむようになった。

ここ9年間、私は起業家であり続け、長年にわたって投資家について良いこと悪いこと両方の話を耳にした。しかし、自分自身で自分のものではない会社に自分のお金を投資し始めるまでは、投資家が経験することを本当に理解することはなかった。

では、私がエンジェル投資から起業家精神について学んだことを教えよう。

起業家は話を盛る傾向がある

これまでに話を盛る起業家に出会った回数は数え切れない。そして、単に悪い起業家だけではく、良い起業家も同じように話を盛る傾向があるのだ。

最悪なのは、全てが順調で会社がどんなに上手くいっているかを話したくせに、その1週間後にはあと30日以内でお金がなくなると伝えて来る時だ。

もしあなたが起業家になるつもりなら、真っ正直な人間であることだ。人々はそれを尊敬し、長い目で見れば、チームメンバーや顧客、そして投資家の信頼さえも獲得することになるだろう。

自分の銀行口座に入るまでは収益を計上しないこと

私が目にした起業家の一番大きな失敗は、会社の銀行口座に入金がされる前に収益を計上していることだ。一体なぜ、まだその月が始まったばかりの時に、今月は60,000ドルの収益になると投資家に言うのだろうか?お金を数えるのは月末まで待つのだ。

それに、もしまだ入って来ていない収益を計上し始めれば、あなたは自分を厄介な状況に追い込むことにもなりかねない・・・特に、お金が入って来る前にそのお金を使い始める場合だ。もし見積もり額を教えたいのならそれは構わないが、それは大幅に変わる可能性があることも伝えるのだ。

投資家を満足させ続ける一番の方法は、何も隠さないこと

私が投資した大部分の企業が、全く状況更新をしない。たまに自分の投資がどうなっているのかを聞くのは嬉しいものだ。それが悪いニュースでも良いニュースでも構わないから、私は何が起きているのかをただ知りたいだけなのだ。

私とビジネスパートナーがKISSmetricsのために資金調達をした時には、自分達の投資家には何も隠さないことを決めた。毎週彼らに私たちの進捗状況とビジネスがどうなっているのかの週報を送っている。

私たちの更新情報は時に良いものもあるし、時にそうではないこともある。悪いニュースがある時には、そこから私たちが何を学び、今後は同じ過ちをどう避けるつもりなのかについて話すようにしている。

もしあなたが資金調達するのなら、投資家はあなたが過ちを犯すであろうことは分かっている。彼らはバカではないのだ・・・だから彼らに隠しごとをしないことだ。

さらに、あなたが起業家として成長していることを見せることは決してマイナスではない。なぜなら、もしもっとお金が必要になったら、同じ投資家の所に戻ることができるのが理想的であるからだ。

投資家にとって一番のことは、大体自分にとっても一番のこと

誰かがあなたにアドバイスをくれる時、あなたが失敗するのを見たくてそのアドバイスをしているわけではない。信じようと信じまいと、彼らがくれるアドバイスは本来ならばあなたの成功を助けるものなのだ。

確かに、彼らのするアドバイスは時に間違っているが、少なくとも彼らはあなたを助けようとしているのだ。あなたがそのアドバイスに従わなければならないなんて誰が言ったのだ?彼らはただ提案をしているだけなのだ。

だから、投資家たちが彼ら自身のために参加していると考えるのは止めることだ。なぜなら、もしあなたの会社がうまくいけば、彼らがお金を儲けるだけでなく、あなたもお金を儲けることになるからだ。

そしてもちろん、時にはあなたの投資家にとって一番のことがあなたにとっては一番ではなないこともあるが、そういったケースはとても珍しい。あなたは常に恐ろしい話を聞くことになるだろう。しかし、1つの話には2つの側面があるということを頭に入れておくことだ。

会社の状況は変わることがある・・・あなたはただ信じるのみ

面白いことに、私が大成功するだろうと思って投資した企業は大成功しないかもしれないような様子を見せ始めている。そして、私が全く確信できなかった企業がかなりうまくいき始めている。

これは、優れた企業が破産するとか悪い企業が次のGoogleになるとかいう意味ではなく、あなたには我慢が必要だという意味だ。

ビジネスが大きくなるまでには10年とまではいかなくても5年かかることもある。だからヒナがかえる前に鶏の数を数え始めてはいけない。そして、もし期待通りに物事がうまくいかなかったとしても、時間が多くの問題を解決してくれるため、急がないことだ。

起業家精神はナンバーズ

15の企業のうち、1つが既に失敗し、残りはまだ稼働している。次の1年か2年で、さらにいくつかの企業が失敗し、いくつかは少なくとも私が投資した分は返すだろうと予測している。そして、願わくば1つか2つが大成功して、私の全ての損失を埋め、それでも余剰金を残してくれるだろう。

もしあなたが起業家になるつもりなら、ビジネスの全てがうまくいくことを期待してはいけない。おそらく起きるであろうことは、あなたがたくさんの過ちを犯すことによって最初のいくつかのビジネスは失敗し、その後のいくつかはうまくいく。

起業家で長くあり続けるほど、成功する可能性は高くなる。起業家であり続け、自分の過ちから学び続けることだ。

醜いビジネスは魅力的

私はTwitterやFacebookのように大きなものに投資したことはないが、いくつかよく知られている企業に投資したことはある。しかし、私にとってはそういったビジネスは魅力的とは思えないのだ。

なぜか? なぜなら、彼らには大抵ものすごい数の競争相手がいて、最初から収益化のはっきりとした道筋を持っていないからだ。

私個人的には、誰も気にかけないようなビジネスが魅力的だと思う。Quinstreet、Omniture、Hubspot、Salesforceは、ほんの少しの人しか話題にしないけれど、もうかっているビジネスの例だ。

あなたはお金を儲けるためにビジネスをしている、そうでしょう?お金を儲けたいのなら、1日目から収益化できるビジネスを始めることによってそうなる確率は高くなるだろう。もちろんそれは、あなたがFacebookを作った場合に得られるような栄光や名声を与えてはくれないが、そういうものを作る確率はほとんどないに等しいのだ。

ビジネスアイディアは余るほどあるが、優れた起業家は余るほどいない

私は、ビジネスアイディアは余るほどあるということを苦労して学んだ。私が起業家ではなく優れたアイディアに投資する時はいつも、お金を失うという結果になる。

優れた起業家に投資することが、お金を稼げる保証になるとは思わないが、少なくともましな挑戦にはなるだろう。

優れた起業家は、自分自身のお金を扱うよりも上手に投資家のお金を扱う傾向がある。それを無駄にしないようにし、もし失ってしまったとしても払い戻そうとする人さえいる。

物事が下向きになった時、彼らは船を飛び降りて投資家を中ぶらりんでほっておくことはしない。彼らは、ビジネスの風向きを変えることができるまで、または沈みかけの船と一緒に溺れ死ぬまで、そこから離れない。

起業家として、あなたはいつお金を費やしいつ費やさないかということを知っておく必要がある。さらに、素早く実行する必要があることや物事がうまくいかない時には旋回する必要があることも理解しなければならない。そして最も重要なことは、自分のビジネスに誠実でなければならないということだ。なぜなら、例えあなたに投資家がいなかったとしても、チームメンバーがあなたを頼りにしているからだ。

最後に

起業家として、あなたは狭量であってはならない。物事を自分の視点からだけ見ることをやめ、投資家やチームメンバーの視点からも見るようにするのだ。

そこで自分が学ぶことに驚くことになるだろう。


この記事は、QuickSproutに掲載された「What I Learned About Entrepreneurship Through 15 Angel Investments」を翻訳した内容です。

中々に納得な話が多かったですね。一番最初の「良い話(しかも盛った)をして、最後に悪い話をする」人って起業家に関わらず良くいると思いますが、個人的には一番信頼できないタイプですね。ま、それでうまくいっている人も多いですけど。色々ありましたが、最後のまとめにあった「自分の視点からだけ見ることをやめ、投資家やチームメンバーの視点からも見るようにするのだ」もそうですし、顧客の視点も含めて幅広い見方ができることがビジネスで成功して長続きさせるには大事ですかね? — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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