ここ2週間で、同じような質問を4回もされた。その質問というのは、3つの企業またはブランドと1つの広告代理店の意思決定者からのもので、こんなふうだ:
一体なぜ自分の従業員がオンライン上でおおっぴらに会社の代表のように振舞うことを許さなければいけないのか?
確かに、世の中にはあなた達ソーシャルメディア純粋主義者もいる。しかし、実際のところ世界の90パーセントが、マーケティングやコミュニケーションに関しては昔流のやり方を守っているのだ。あなたは歌でも歌ってのんきにしていればいい。残りの私たちはやるべきことをやる。
彼らの質問に対する回答は、クライアントや環境などによっても異なるが、一般論から言えば、「自分の会社について従業員がオンライン上で何を言うのか心配なのであれば、それは従業員の問題ではなく、あなた自身の問題である。もっと賢い採用をすべきだろう。」しかし、そこには微妙な言葉のあやがある。従業員が“オフィシャルな”スポークスマンである必要はない、などなど。しかし、一般的に、あれもダメこれもダメという態度の会社は、従業員を恐れていると言える。
従業員に権限を持たせるということがどういうことなのか例をあげるには、ルイスビルのダウンタウンにあるJava Brewing Companyの黒板を紹介すればいいだろう。Jamie、Ashley、Suemi、Arielle、Lauraがここで働いている。常連客が店に入ると、ここにいるバリスタの紹介をされるのである。
彼らに難しい質問をすれば、彼らはきっと「マネージャーに聞いてみます」と答えるだろう。コーヒーに文句をつければ、彼らは謝り、新しいコーヒーをくれるかもしくはあなたがマネージャーと話をする機会をくれるだろう。もし、彼らが知らないようなことを尋ねれば、彼らは「知りません」と言うに違いない。
私の予想では、同じ質問をFacebook上で聞かれたとしても、彼らは同じことを言うだろう。
Jamie、Ashley、Suemi、Arielle、Lauraは単なるバリスタではない。彼らはコミュニティーのマネージャーなのだ。ただそこにコンピュータがないというだけ。
もっと重要なことは、Java Brewing Companyが積極的に彼らをお客に紹介し、彼らの趣味やお気に入りのドリンクは何かを教えているということである。それには、客が何を注文するかの参考になるだけでなく、バリエスタとの会話のきっかけにもなるのだ。
私は、Jamieにサウスカロライナのスパータンバルグからルイスビルまでどうやって来ているのかということや、何でサウスカロライナ出身の彼女がノースカロライナのDukeのファンなのかを尋ねてみたい。それは、会話のきかっけになるだろう。そしてそれは、自分が取引をしているのは、お金を機械的に奪う会社ではなく、自分の知っている誰かであるという気にさせるのだ。
これが、Java Brewing Companyを人間味あふれるものにしている。
もし自分の知っているスタッフがいて、会話を始める話題があって(彼らの会社についてだけでなく、充実した会話ならなんでもいい)、ただ1杯のコーヒーのためにお金を払う店以上の場所であると感じるものがあれば、あなたはそういう場所でコーヒーを買うことにどんな反応をするだろうか?
あなたの会社のバリスタについても教えて欲しい。
この記事は、Social Media Explorerに掲載された「Will Your Company Introduce Your Baristas?」を翻訳した内容です。
文中に出てくるJava Brewing Companyのは、スタバ程、大きくはないですが、逆によりファミリー的でイメージの良いコーヒーショップチェーンです。バリスタは例えですが、飲食店にとっては、シェフはもちろんですが、ソムリエ、マネージャー、そしてコーヒーショップであれば、バリスタがお客さんにとっては、それがどんなに大企業が運営しているお店であろうとも、お店を代弁する全ての存在ですよね。ソーシャルウェブの世界でいえば、それが企業ブログの書き手であったり、ツイッターの発信者であったりしうるわけです。皆が皆でなくともそう受け止める人は一定数いるでしょう。なんてことを書くと、ソーシャルって参入しにくいよな、、、と思ってしまう大企業のマーケティング担当者の方も多いと思いますが、過渡期の今だから許されることもあると思いますし、ソーシャル全盛の世の中になってからでは実験をやろうにもうかつにできない状況になるかもしれないわけです。SEO Japanでも起業関連の話で「何もしないことのリスク」というフレーズをたまに出すことがありますが、ソーシャルウェブへのチャレンジって、まさに同等以上のものだと改めて思いますね。 — SEO Japan
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