グーグルはGroupon(グルーポン)を買収するのだろうか?数10億ドルを費やしてまで?
この噂でどこもかしこも持ち切りである。しかも、買収に費やされる金額が50億ドルとも60億ドルとも言われているのだ!
ヤフー!は$210億ドルの価値があるが、そのうち現金は$30億ドルであり、ヤフー!ジャパンとアリババの株式投資が$100億ドルに近い価値があると見られている。要するに、グーグルはヤフー!の75%の価値の価格(現金および海外の投資資金を除く)でグルーポンを買収しようとしている可能性があるのだ。$60億ドルは、ダブルクリックとユーチューブを買収した額の合計よりも多いことになる。
グルーポンは毎日割引を提供するディスカウントサイトである。グルーポンはグーグルが喉から手が出る欲しいような最先端のテクノロジーを持っているわけではないため、異例の買収だと主張する人達がいる。事実、グーグルのスタッフなら同様のサイトを数日内に作ることが出来るだろう。
しかし、グルーポンはそんなサイトよりも遥かに素晴らしいサービスを提供することが出来る。グルーポンは以前からグーグル、そして、その他の全ての検索エンジンを巧みに逃れるアイテムを提供している。
それはローカル(地域)だ。
グルーポンは、地域事業の広告予算に大きな規模で侵入している。グルーポンは地域のビジネスをオンラインの広告に引き出す大きな販売力を持ち、双方にメリットのある取引を提供することでリスクを軽減している。
反対にグーグルは小規模な事業にアドワーズで広告費を投じさせる取り組みに苦戦している。現実として、検索マーケティングは、大半の小規模なビジネスにとっては不可解な点が多く、またあまりにも時間がかかり過ぎるのだ。
「グーグルは直接販売で成功した試しがない」と、サイトでスマートフォンのネクサス・ワンの販売および宣伝に失敗した点を挙げ、アンブローズ氏は述べている。そして、グーグルの革新的な製品であるアドワーズは、グルーポン熱に浮かされた小規模なビジネスにとっては、十分に直観的ではないと加えた。「地域の事業にとってアドワーズはあまりにも難し過ぎる」とアンブローズ氏は述べ、アドワーズの多くの“エキスパート”やコンサルタントが同社のサービスを実際に店舗を持つ事業に勧めていると指摘した。
このエントリを書いている時点では、公式な発表は一切行われていない。
グーグルがグルーポンを買収するかどうかは別にして、非従来型のコンテンツアリーナに継続的に参入するグーグルの取り組みは間違いではない。かつて検索と州の間には垣根があったが、その垣根は現在存在しないのだ。
グーグルの今回の動きは、以下の業界の関係者に対する警鐘と言い換えることが出来るだろう:
グーグルのような企業が地域の検索データとクーポンの提供を組み合わせることにでもなったら、ローカル検索の魅力は大幅にアップする。グーグル・プレイスがもたらす検索結果が既にその他のローカルの結果を追いやっていることを考慮すると、クーポンの検索でも同じことが起きると予測される。特にグルーポンの売り上げが万事うまくいくとなると、尚更この傾向は強まる。
また、グーグルはベータのバウチャープログラムを用意している。
「新しいタイプのローカル検索の結果が世界の場所に関する情報をまとめる」とグーグルは主張している。
地域のディレクトリーが既にこの取り組みを行っていると反論することも出来るだろう。しかし、グーグルはさらに巧みに実行し、そして、地図も掲載している。これは地域に特化したSEO業者に打撃を与えるだろう。
モバイルアプリに対する仕掛けも明白である。その証拠にグーグルはアンドロイドを所有している。
グーグルはBoutiques.com(ブティックドットコム)を立ち上げているが、グーグルのロゴはどこにも掲載されていない!“グーグルっぽさ”も見当たらない。
About Usページの下に小さなリンクが掲載されており、そこには次のような内容のメッセージが記載されている:
「Boutiques.comは、多くの場合、このウェブサイトに製品を掲載する販売人に料金を請求します」
小売業者は直接登録し、グーグルは各種の仲介業者を一掃する。ファッションは第一歩としては当たり障りのない分野と言えるだろう。テストランのように見えるが、ブティックドットコムがうまくいけば、グーグルは多くのバーティカルな“アフィリエイト/ペイド・インクルージョン”のサイトを繰り出していくはずだ。パブリックリレーションズのキャンペーンによりすぐにランクを得ることが出来るなら、さほど難しいことではない。しかも、無料広告を自分で売ることが出来るようになるのだ!
明らかな共通のテーマが幾つか存在する。
グーグルは、より多くの選択肢を用意することで、小規模な地域の小売店が検索マーケティングに容易に参入することが出来るように工夫している。まさに手取り足とりである。特に現在までの代案である、サイトを構築し、その後SEOやPPCを使って売り込む手段と比べると尚更際立つ。
(地域の小規模な小売業と比較すると、地域に特化していないオンラインの小規模な小売業は、収益を最大化するために、大きな小売業者を売り込み、CPAベースで価格が設定されているProduct Adsのような製品によって、スケープゴートにされている。大半の小規模な企業は、サプライチェーンの活用に関しては、ウォルマートに太刀打ちすることは出来ないのが現状だ!)
グーグルはフェイスブックから幾つか教訓を得たのではないだろうか。それは、クリック・アンド・ポイントを容易に実行することが出来るように工夫しなければならないと言うことだ。ネットワークの効果がその他の要素を解決する。そしてその大半をグーグルはコントロールすることになる。その他の人達にとっては至れり尽くせりの取引になる可能性がある。徐々にベンダーはグーグルのプラットフォームの一部になりたいと望むようになるだろう。
SEO業者はお先真っ暗なのだろうか?
そんなことはない。
グーグルが何もかも手に入れることは出来るわけではない。拡張可能なツールやプラットフォームを提供することが出来るかもしれないが、すべてのトピックおよび業界を網羅する出版社になることは出来ない。検索のロングテールは、とてつもなく長いのだ。
SEO業者はグーグルと直接競争するべきではない。そうではなく、グーグルが容易に提供することの出来ない価値を提供する必要がある。さらに、今後も役に立つと考えてもらうためには、奥深いコンテンツ、関係、カスタマーサービス、コミュニティ、そして、ユニークさを誇示する必要があるだろう。
この記事は、SEO Bookに掲載された「What Google Buying Groupon Means For Search Marketing」を翻訳した内容です。
SEO Bookだけあって流石に鋭い分析が散りばめられていましたね。確かにグーグルが今後狙っているローカル市場を本格的に取ってくためにはグル―ポンはうってつけかもしれません。しかし価格の話がメインではないのですが「グーグルはヤフー!の75%の価値の価格でグルーポンを買収しようとしている可能性がある」と言われた日には流石に高すぎるのかな?と改めて思ったりも。 — SEO Japan
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