SEOのコミュニティでソーシャルランクが頻繁に話題に取り上げられている。
ソーシャルランクがすぐに終わるのではないかと考えている人がいる。
SEOに関しては、ソーシャルランクとは、グーグルやその他の検索エンジンがソーシャルネットワークの指標をランキングのアルゴリズムに用いると言うアイデアを指している。ソーシャルメディアのプロフィールから、言及され、頻繁にリンクを張られると、検索エンジンのサイトの格付けにプラスの影響をもたらすのだ。
まずは、グーグルとビングの代表者を招いたダニー・サリバン氏によるQ&Aセッションに目を通してもらいたい。
ツイートを送信する人物に応じて、リンクが持つ重要度を計算していますか?
はい、私たちはシグナルとして、特に[グーグルのリアルタイム検索]の“トップリンク”セクションで利用しています。作者のオーソリティはページランクとは無関係ですが、現在は、通常のウェブ検索では限定された状況下のみで利用されています。
グーグルは、ページランクとの関係を暗示しており、この点についてはサリバン氏も指摘している。
ウェブ上の“人々”は、ある程度、オーソリティに相当するページを持っている。
例えば、私のツイッターページはグーグルのページランクで7(最高は10)を獲得しており、これはリンクを重要視するグーグルの世界の信頼レベルでは、平均を超えている。このページから“ツイート経由”でリンクを張るアイテムは、私よりページランクの低いツイッターのページを持つ人物が紹介するアイテムよりも信頼される可能性がある。(注記: ツイッターのページに対するページランクのスコアは、ログインしている場合大きくことなることがあり、その場合スコアが高くなる可能性がある。これは、新しいツイッターのインタフェースが原因だと見られている。この件に関してグーグルとツイッターをより詳しく調べてみるが、私なら“ログアウト後”のスコアを信頼する)。
グーグルは票を数えるエンジンであり、ソーシャルネットワークサイト経由の票を数えていても何ら不思議はない。また、グーグルがツイッターを使って、ニュースのイベントに対する興味を特定している点も納得がいく。なぜなら、ツイッターのプラットフォームはニュースに向いているからだ。これはニュースのランキングにも反映される。また、例えば、注目が記事やコメントを生みだし、その後、サイトにリンクを張ってもらえるような間接的なメリットもある。
すべてのリンクはかけがえのない存在である。なぜなら、注目 – 人間、スパイダー、あるいは双方 – はリンクとともに動くからだ。グーグルは誰が何に最も注目しているのかを常に留意するだろう。人々がソーシャルネットワークを使って注目しているなら、グーグルはソーシャルネットワークを無視することは出来ないだろう。
当然だが、検索のように、ソーシャルメディアも悪用される可能性がある。
ブラックであれ、グレイであれ、以下にソーシャルランクを悪用する方法を幾つか挙げていこう:
他にも幾つか思い当たることがある人もいるだろう。
当然ながら、ソーシャルサービスは、事業にとって有害と見なす問題を解決するだろう。検索と同じように、このゲームは決して終わることはない。ブラックハットはシステムに穴を見つけ、そして、エンジニアがその穴を埋める。そして、過去、SEO業界でも行われたように、倫理の議論が頭角を現している。
X、Y、そして、Zのような手法を利用するのは、道徳的に“正しい”のだろうか?“誤っている”のだろうか?
どうでもいい。他の人がどんな倫理的なジレンマを抱えていようが、人々は効果があるなら、その手法を用いるだろう。効果がある行いや利益を生む行いを認め、不正な行いを阻止するのは、ソーシャルネットワーク、そして、グーグルにかかっている。
そして、ソーシャルネットワーク & 検索エンジンは期待に応えてくれるだろう。既にその用意は出来ている。ページ、例えばフィットネスに関するページの底部に掲載されている「着メロ」、「劣悪な信販会社」、または「バイアグラ」のリンクは明らかに怪しいが、プロフィールのアクティビティに注目し、人間が運営しているかどうかを特定するのは難しい。
ソーシャルメディアは急速に進化しており、技術的な面でも、文化的な面でも、問題を解決するには時間がかかる。そのため、ブラックハットはしばらくの間、縦横無尽に暗躍するはずだ。
グーグルはオーガニックな検索結果の底に「ソーシャルサークル」からの結果を掲載することがある。この結果におけるメリットは、大半の推薦は明白であり、害がない点だ。
ビングはフェイスブックのライクのデータを表示し & ブレッコはフェイスブックのライクをアルゴリズムに組み込む取り組みを推進している。
「ライク」(いいね)は、実施する人によって、複数の意味を持つ可能性がある。このページに対する票がライクするのは、グーグルだろうか、PPCBlogだろうか、PPCBlogのグーグルの説明だろうか、検索全般だろうか、アルゴリズムだろうか、SEOだろうか、インフォグラフィックだろうか、テクノロジーだろうか、マーケティングだろうか、それとも他の何かだろうか?
検索には、ストップワードのコンセプトがある。これは、とても一般的であり、コンテンツに対してほとんど意味を持たないために、重要視されてない単語を意味する。一部のキーワードは(例えば中皮腫)は他のキーワード(例えばその)よりも識別の価値が高い。「ライク」は識別面での価値は高くはない。なぜなら、ライクした理由が分からないからだ。微妙な違いは、前後関係がなければ分からないのだ。賢明という理由で、詳しいという理由で、正しいという理由で、面白いという理由で、不快という理由で、または、誤っているという理由で、あるいはすべての理由でライクされた可能性がある。結局、解釈と視点によってすべて異なるのだ。
「ソーシャルな足跡を拡大する」等のヒントを提供する人もいるだろう。しかし、関係が相互的なネットワークでは(フェイスブック等)、友達を自分のアカウントに加えることなく、友達を加えることは出来ないと言う矛盾がある。一方、ブランドはディスカウントやプロモーションを永遠に繰り返すことが出来る。検索エンジンがライクに過度の重点を置く場合、企業は景品、コンテスト、そして、割引を用いて、票を集めるようになるだろう。
「ライク」は労力がほとんどかからないため、正規のアカウントを持つ人々でも、容易に操作されるだろう。やがて、これらの票は、リンクグラフと同じように(あるいはそれ以上に)汚染されるはずだ。なぜなら、人々に個別に影響を与える方法がとても多いからだ(下の[like]ボタンをクリックしたら、$2値引きしましょう等)。このようなオファーは一部のソーシャルネットワークの利用規約を違反するかもしれないが、グーグルがレビューサービスを宣伝していた際、自らのTOSに抵触していた点を思い出してもらいたい。
ライクが容易に操作される点に加え、ソーシャルの一部の特色は大幅にスパムされてしまう。多くの人々が相互的なプロモーションを行うためにこのツールを利用するからだ。私は恐らくフェイスブックで1000人以上の友達を抱えているが、その90%以上は誰だか分からない。 この人達の一部が推薦しているアイテムを私は推薦しているだろうか?私だと仮定するアルゴリズムは人々を混乱させてしまうだろう。事実、ビジネスの面では相当いかがわしいものの、個人的な生活はしっかりしている(あるいはその逆)友達がいるとするなら、この人物が認めるアイテムをすべて認めるだろうか?
また、大量の“ライク”を獲得する素晴らしいコンテンツを1点作るために労力を費やし、別の場所では(あるいは、その後)搾取的な活動を行うことも可能だ。これは「非営利」のディレクトリーを宣伝する大量の未承諾のメールと同じようなものだ。彼らは、1ヶ月後には、3,4ページ分のリード生成フォームを持つようになるものの、“非営利”を謳っている。 😀
そして、ソーシャルネットワークはやがて腐敗する:
リンクは注目の目印である。
今後もグーグルは注目の目印であるリンクをカウントすることを望むだろう。ブラックハットの策略は別にして、ソーシャルメディアを役に立て、ランキングにおける副作用を作り出すためには、ソーシャルメディアで存在を築き、ソーシャルメディアで広げてもらえそうなメッセージを作り出す必要がある。
PRみたいなものだ。と言っても、ページランクではなく、パブリック・リレーションズのことである。
まずはオーディエンスを特定することから始まる。そのオーディエンスに語りかけている人を誰か知っているだろうか?出来るだけ多くのオーディエンスと知り合いになれるように努力しよう。特に既に彼らと接触しているキーマンは重要である。
キーマンにメッセージを広めてもらう。何かしら報酬が必要な場合もある。交換、有利な計らい、現金、薬、酒、売春婦。うまくいくなら何でも構わない。
と言うのは冗談だ。
そして、恐らく最高の効果をもたらすのが – 広めざるをえないほど面白いメッセージを作り出す取り組みだ。
メッセージを紡ぐ方法を考えよう。メリットを挙げていこう。オーディエンスはその情報を知ることでどんなメリットがあるのだろうか?何が関係しているのだろうか?何に関心を持つのだろうか?オーディエンスの好奇心を満たす必要がある。メッセージではなく、言い方が重要なときもある。
事前に計画を練っておくこと。メッセージを、例えば休暇シーズンのような公共のイベント、現在のできごと、または、人気の高い人物に関係させることは出来るだろうか?
外に出て、人と会おう。実際に知り合いになれば、自分の考えをさらに受け入れてもらえるはずだ。
しかし、この取り組みを必要以上に考慮するとリスクが生じる。リンクが幾つかうまく配置されていれば、ソーシャルメディアでの存在がゼロでも、グーグルで上位にランクインすることは可能だ。ソーシャルメディアは数あるうちの一つの策に過ぎない。
この記事は、SEO Bookに掲載された「Is Social Rank Dying Already?」を翻訳した内容です。
ソーシャルランクを悪用する方法はいくらでもあるし、実際既に悪用している事例もあると。とはいえ、ウェブのソーシャル化の流れの中で、検索エンジンがソーシャルランクを無視するわけにはいかない時代に入っているのもまた事実。今後数年は検索エンジンとブラックハット業者の戦いは続くだろう。。というお話でした。日本でも既にツイッターやmixi用のソーシャル系の集客ツールやSEOサービスも色々出てきていますよね。mixiの巡回ツールやブログの自動投稿ツールなんて海外より日本のツールの方が進化しているのでは?と思われるようなものもありますし、Google先生も日本語対策もきちんと取り組んでいかないと、検索結果がひどい結果に、なんて状況が来ないとも限りません?!余り厳しき取り締まられてもSEO業者としては辛い点もあるのですが。。いずれにしても2011年のSEO、まだまだ一波乱も二波乱もありそうです。 — SEO Japan
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