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グーグルは数年に渡ってオープンウェブのコンセプトを支持してきた。利他的な精神の象徴だと捉える人もいれば、補足的なビジネスモデルを商品化するための都合のよい策略だと考える人もいた。
グーグルはネットの中立性を推進してきたものの、ワイヤレスコネクションは例外に挙げていた。その理由は何だろうか?このマーケットにどこか別の場所で投資しているからだろうか?
グーグルが直接的なレスポンスを基にした見返りのポテンシャルに手をつけ始めるようになるにつれ、品質のシグナルとしてブランドに頼るようになり、そして、検索結果でブランドをさらに推薦するようになった。アマゾンを検索すると、公式のサイトから8、9本のリンクが提供されるはずであり、また、総体的なキーワードにおいては、グーグルは関連するブランドを推奨する。
ブランドとは何か?を考えると、スラスラとコンセプトが浮かんでくる。思い出してもらえる可能性が高まり、持続的な利鞘が増え、それ故、マーケティングに費やす時間を増やすことが出来る。グーグルがレビューをさらに重要視して、感情分析に注目するようになると、当然ながら、早い段階でポジティブなイメージを確立する取り組みに投資している大企業に有利に働くだろう。このようなブランディングの取り組みは、大きな差をうむ。
そして、利用を間違えなければ、さらに効果は高まる。もちろん、ペプシのことだ 😀
過去、グーグルはアフィリエイトは悪者だと言う立場を取ってきた(身振り手振りで)。信じられないなら、リモートクオリティレイターのガイドラインに目を通してもらいたい。
グーグルは自らがアフィリエイト化するにつれ、直接的なシグナルを消費者が最も気に入るアイテムに組み込むようになり、個人に特化した推薦エンジンの役割をこなすことが出来るようになる。そして、新しい拡張広告フォーマット & 位置データの利用により、グーグルはさらにオーガニックな結果を押し下げることが出来るようになる。
グーグルは検索結果でCPA価格の製品広告を販売するだけにとどまらず、グーグルベースのアカウントを使って追加の製品リンクを推進することが出来るため、宣伝可能な1億5000万以上の製品を抱えていることになる。重要な点は、グーグルにより多くのデータを与えて、クリックスルー率を上げ、そうすることで、品質スコアを高め、公正な市場価格を下回る価格で、収益を得る機会を得るために準備をしておくことに他ならない。まるで無料で提供されるランチのようであり、これは素晴らしい成果をもたらす。グーグルが集めたデータを使って、対抗馬として競争する決断を下すその日までは。 😉
現在、グーグルはBoutiques.comで細々とアフィリエイトを実施している。消費行動を勧めるグーグルの力は、eコマースだけでなく、世界中のあらゆるタイプのメディアに影響を与える。グーグルは、様々な広告主の広告料金をコントロールし、オリジナルの広告を統合する機会を作ることが出来る。
ユーチューブは関連する動画、リーンバックを介した果てしなく続くパーソナライズドされたストリーミングサービス、そして、ユーザーが選択可能な広告を提供している。
グーグルが書籍のスキャンを始めた際、販売目的の書籍を手に入れるためではなく、検索のためであった。その後訴訟が数回行われ、グーグルはようやくeブックの市場の公開に踏み切った。
グーグルが市場を“オープン”する上での一番の魅力はデジタル著作権管理(DRM)である: 「パブッリシャーは書籍をDRMで管理するかどうかを決めることが出来る。また、グーグルは書籍の購入習慣を宣伝に利用する行為、または読者を分析する行為を禁止する厳格なプライバシーポリシーを策定すると述べている」。米国の国外に住んでいるなら、ストアを利用することは出来ない。この記事には、「グーグルがソーシャル機能を近い将来加えることを望んでいる点、そして、インフラが用意され、ユーザーはデジタルおよび紙の本をまとめて購入することが出来るようになる」と指摘している。
グーグルはデジタルの推進から、物質的な製品の推進に移行していると言うことだろうか?
グーグルは著作権の“改善”をViacom vs Youtubeの著作権訴訟の上訴の直前に発表した。
一方、この文書を配信し、ブランドを検索した際にキージェネレーターとシリーズを推奨するのもグーグルである。グーグルは、後者の問題を解決すると約束している – これには数年を要したが、ポルノ関係の単語(およびイメージを低下させる可能性のある単語)のブロックは遥かに迅速に行っている。
大半の収益の流れを得た方法とほぼ同じ方法で、グーグルは直接反応広告を獲得していくことが出来るだろう。グーグルはブランド広告の収益を本気で増やしたい場合、所有権の管理を改善しなければいけない点を理解しているのだろう。これが“何でもウェブに流れる”傾向に歯止めをかける可能性がある。
グーグルが著作権の侵害を支援(さらには投資)するアプローチにおいて寛容的な立場を取っていたのは、著作権を持つ企業の立場を弱めることが出来るためであり、そうすることでグーグルはこの種の企業と交渉することが出来るようになる。しかし、グーグルの音楽戦略の足を引っ張っている主な原因は過去のグーグルのパフォーマンスであり、レーベルはグーグルが主催するデジタル音楽の取り組みを信用していない。結局、ユーチューブからMP3をダウンロードすることに専念しているサイトが収益を得ることが出来るのは、グーグルアドセンスのおかげである。
グーグルはユーチューブ上で宣伝用のリンクを提供しており、どれだけの金額を見逃しているのか把握している。グーグルが無駄にPRを実施して公のイメージを改善しようと試みる一方で、法律の抜け穴を使って法律の意図を避ける行為は、マーケットで強い立場を得る上では役に立ったが、もっと大きなメディアのマーケットでリーダーシップを手に入れたいなら、大規模な企業から支持を得なければならないだろう。
グーグルは大物になり、テレビ広告に参入したがっている。そのためには、著作権を尊重する姿勢を改善しなければならないことになる。ある程度、グーグルのビジネスモデルが変化するにつれ、“誰かにお金を払って何かを盗ませ、グーグルの広告に含める(著作権にワンクッション入れるため)”アプローチは、DRMのコンテンツの門番としてメディアの“公式”ソースを推進する(そして収益の分け前に預かろうとする)モデルに変化していくだろう。既にユーチューブでは米国外で特定のコンテンツを閲覧すると、その地域では見ることが出来ない点をユーザーに伝えている。
グーグルの初の動画ストアは完全に失敗した。しかし、グーグルは再びグーグル TVと併せ、そして、DRMサービスを提供する企業 ワイドバインを買収することで、動画を再び強力にプッシュしている。しかし、大きなメディア企業はグーグル TVを見合わせており、もっと有利な取引を待っている。
そのような取引の一部は、舞台裏の支払いと決め打ちされたプロモーションの組み合わせに左右されるだろう。 すべてのカテゴリーにおいて直接的なアクセスをもたない人達にとっては利益がなくなるため、犠牲は計り知れない。恐らくオーガニックな検索結果は、住所録に見習い、料金を支払う必要性が生じるのではないだろうか。
お金を払ってコンテンツを刈り取り、広告に含めるグーグルの過去のビジネスモデルは、上位に格付けされたコンテンツが関連性はあるものの、まったく役に立たない、駄作のマーケットに導いていた。
この変換は、グレシャムの法則に準じたオンラインのコンテンツの骨抜きによって加速された。詐欺集団の銀行が若干詐欺のレベルが下がる銀行を合併することで、そして、メラミン入りの中国の牛乳が本物の牛乳よりも安く販売されたことで、本物の企業が破産に追い込まれたように、検索結果は、スクレイプ/マッシュ/パブリッシュの時代によって苦しんできたのだ。そして、不況により、新聞社は苦しんでいたが、グーグルは必要以上に状況を悪化させていた。
オリジナルの質の高いコンテンツを作成している人達は経費を支払っている。グーグルがマハロやアスク等のスクレイパーのサイトに料金を支払い、コンテンツを借り出し、広告に包むと言うことは、自分が作ったコンテンツよりも、そのコンテンツを取得してコピーしたコンテンツが上位にランクインする可能性があることを意味する。これはパブリッシャーの利鞘を削り、辛うじて収益を得ることが出来るパブリッシャーを赤字に転落させ、最終的に廃業に追い込む。
極悪な輩がばびこる下水工場と揶揄されてきたグーグルニュースは、現在、清掃中である。
徐々に、しかし、確実に検索結果は公式のホテルのサイト、公式の音楽のソース、公式の動画のソース、公式の電子書籍のソース等で埋められていくだろう。そして、グーグルはアクセルを踏み込み、得られる分け前を手に入れていく。規制の監視を本気で回避したいと望んでいるなら、公式のソースと協力する必要があるだろう(あらゆる点でグーグルとつながりを持つ可能性がある)。
このシフトチェンジが行われるにつれ、ロングテールのスパムモデルは収益性が薄れていく。自動的に検索結果に組み込まれる質の高いコンテンツと競争しなければならなくなるからだ(ユニバーサル検索の目的は特定の種類の情報をコアの検索結果にショートカットして含めることであった…マイクロペイメント等から利益を得るにつれ、この傾向が加速されていったのだ)。
突き詰めると、グーグルが、バーティカルを埋め、“なかなか質の良い”二流のコンテンツを快く作成することが、大半のポータルを悩ませてきたと言えるだろう。秘密裏なアプローチによって、グーグルの立場をここまで強くしているのは、コストを負担することなく、または、自らスペースを埋めるための質の低いコンテンツを作成することなく、第三者のコンテンツを結果に組み込むことが出来るためだ。グーグルは体験談を語るパートナーを1人獲得し、この体験談によって、その他の人達が交渉の席に着くのだ。
広告のイノベーションを迎える準備が整っている分野がある。それは、書籍だ:
グーグルがこのマーケットに参入した点に関して、私は心から喜んでいる。なぜなら、グーグルは書籍購入の経緯におけるユニークなタイミングで顧客候補に接触するからだ: 本屋を検索するタイミングではなく、ウェブ検索を行うタイミングである。要するに、- 不況の克服、お風呂場のリフォーム、友達作り、人々に影響を与える方法等 – 今まで気がつかなかった書籍が役に立つことが、グーグルが提供するユーチューブやその他の結果と共に表示されるのだ。
しかし、グーグルの電子書籍の最大の影響は、同社がそのメリットを心得ているなら、広告支援型の配信モデルの作成にあると言えるだろう。
書籍はデジタル化しており、グーグルは販売する権利を持っている。来年、または再来年には、グーグルが電子書籍をもっと積極的にオーガニックな検索結果に表示するようになるのではないだろうか。無料のサンプルは、広告、そして、書籍の販売を通じて、収益化されるだろう。編集の吟味を受けたコンテンツの終わりのないストリームは、コンテンツファームのビジネスモデルに打撃を与える可能性を秘めている。
この記事は、SEO Bookに掲載された「Google’s Media Empire」を翻訳した内容です。
最後は少しまとまりがない終わり方でしたが、Googleがサーチを中心に展開する・しようとしているメディアビジネスについて鋭い考察がされた記事でした。検索市場で圧倒的な存在となっているGoogle、そのプラットフォームの立場を利用して自らがよりメディア化していこうという流れは避けられないといえば避けられないですかね。日本はYahoo!がGoogleを採用したとはいえ、この辺のサーチのメディアビジネスはGoogleとの戦いが続いていくのでしょうか。検索エンジンがメディア化していく一方、FacebookなどSNSがサーチ化していく流れは起こっていくのかどうかということも気になる今後です。 — SEO Japan
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