アプリ開発はiOSよりAndroidを優先すべき10の理由

公開日:2012/06/20

最終更新日:2024/02/18

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アプリで一発当てようと考えている個人・会社も多いと思いますが、その際に迷うことの一つが最初にiOSから始めるべきかAndroidから始めるべきかという疑問。とはいえ、iPhoneの普及率その他諸々の理由でまずはiOSから、という人が多数派ではと思いますが、今回はアプリ開発はAndroidからすべきと考える少数派の筆者がその理由を10教えてくれました。さてあなたはどう思う? — SEO Japan

読者がインターネットとソーシャルメディアマーケティングの展望をさらに見る手助けするという私たちの願いの一部として、私たちはここにゲスト投稿者を連れてきて、彼らしか話題にできない視点をあなたにもたらすことにした。

今日は、FiksuのCraig Palliがモバイル開発者にとって最も厄介な問題、“iOSとAndroidのどちらを先に開発すべきか?”について取り組む。コメント欄にあなたの意見を追加しよう。

モバイルエコシステムには、アプリ開発者は最初にiOSに最初に作るべきだという考えが広く存在する。アプリの世界におけるAppleの先発者の優位性と収益化のためのそのビルトインメカニズムが、開発者が自分のリソースを賭ける魅力的な場所にしてきたことは疑いようもない事実だ。

しかし、徐々にその確率が変わってきている―iOS市場における競争が非常に激しくなり、新しいアプリが成功するのを難しくしているのだ。数年前なら、どこからともなく現れた開発者が成功するアプリビジネスを築くことができた。今日では、もはやより良いユーザー体験を有するアプリを築くことが全てではないのだ。成功するためには、アプリは、マーケットプレイスのがらくたの山を通り抜けなければならない―それは一般的に、製品を完璧にすること、ビジネスモデルに磨きをかけること、アプリを宣伝することにおける大きなコミットメントを意味する。これが理由で、iOSでの開発のリスクが今はずっと高くなっているのだ。それほど寛大でない市場では、まずは製品とマーケティング戦略の両方をちゃんとすることが重要なのだ。

iOS市場の賭け金が着実に増えている中、Androidへの参入の壁はかなり低いままである。開発者は、自分のデザインを素早くAndroidで簡単に何度もテストすることができ、マーケティングコストは著しく低い。同時に、Androidユーザー基盤は、早い速度で成長していて、スマートフォン市場全体で最も大きくなっている。さらに、Androidは、多くの開発者にとって大きなクエスチョンマークとなっている一つの領域、収益化のインフラを改善している。

成功のチャンスを最大化したい開発者にとって、Androidを最初にターゲットとするのは理にかなっている。Androidは、あなたが自分のアプリデザインを完璧にしてテストし、最高のマーケティングチャンネルを獲得し、自分のビジネスモデルに磨きをかけることができるより機敏な環境を提供する。

それでは、あなたが最初にAndroid用に開発することを検討すべき10の理由を紹介しよう。

1. 最大のスマートフォン市場

iOSとAndroidのエコシステムは共に巨大でチャンスがいっぱいある。しかしながら、ますます多くの調査が、Androidプラットフォームの方がiOSよりも大きく、素早く成長していることを示している。一番最近ではNielsonが、Androidが、iOSの32%に対してマーケットシェアの48.5%に達したことを報告した。さらに、NPD Groupは、2012年の第一クォーターには、iOSの29%に対してAndroidがアメリカ国内の新規契約の60%を超えたことを示す調査を発表した。Googleによると、850,000台のAndroidデバイスが毎日新たに起動されている。

2. 新規参入

ある意味では、Androidは新興地域と似ている。一般大衆からはあまり愛されていないが、経験豊富な早期参入者にとっては可能性が満ちている。これを、魅力があるがとても高価なiOSにある不動産と比べてみるのだ。アプリ検索会社Xyologicは、アプリがiOSでトップ100に入るのはますます難しくなっていることを示している。

“Xyologicでは、アプリパブリッシャーにとってiOSの勢いがここ5か月でかなり落ちているのを目にしている。私たちが追跡しているいくつかの主要なパフォーマンスインジケーターが下がっているのだ。特にトップ100に入る新しいアプリの数だ。”

 逆にGoogle Playはマーケットサイズに増加を目にしている。Xyologicは、2012年3月、無料アプリのトップ25全てのダウンロード数が、iOSでのトップ25よりも数が多いことをレポートしている。恐らく理由の1つは、Androidがアプリの発見に別の道筋を提供していることだろう。それが新しいアプリが市場に参入するのを簡単にしているのだ。

3. 露出度の高さ

多くの面でApple App StoreとGoogle Playの環境はモバイルアプリの検索エンジンの役目を果たしている。iOSの検索機能は限られている―マーケッターが、ユーザーがどのキーワードを検索して最終的にアプリダウンロードに至っているかを知る方法はない。そのため、iOSにおけるアプリの成功にはアプリの順位がかなり重要になり、マーケティングキャンペーンの費用を押し上げる傾向がある。競合他社が、ランキングの上位を奪うために力づくで大きな予算を突っ込んで、広告費を釣り上げるかもしれない。

それに比べて、Google Playはしっかりとした検索機能を提供し、ユーザーが興味のあるアプリを検索するのを簡単にしている。このインフラの違いが、異なる行動を後押しするようである。順位は、今も重要ではあるが、アプリがどうやって発見されるかに対する支配力はかなり少ない。Fiksuによる調査が、Google Playのユーザーのおよそ80%が、順位の閲覧よりも検索によってアプリを見つけていることを究明した。

マーケッターはキーワードの見解を提供するツールへのアクセスもある。これが、アプリのタイトル、ディスクリプションを最適化するのに役立ち、製品の機能の優先順位を決めるのにさえ役立つ。全体として、Google Playの検索機能は、あまり知られていないアプリやブランドが見込みユーザーに接触する機会を与えて、戦場を平らにするのだ。

4. 低いユーザー獲得コスト

アプリを書き、それが自分の力で飛び立つ時代はもう終わった。今日では、成功するアプリには、プロモーションとマーケティングのリソースが必要とされる。ここでは、混んでいない方の市場が時代の最先端を行く勢いがある―Google Playで新しい顧客を獲得する方がかなり安い。Fiksuは最近、利用可能な広告インベントリの分析を実施し、AndroidがiOSよりも12パーセント多く広告インベントリを提供することができることが明らかになった。誰もが想像する通り、豊富な供給は結果としてバーゲンになる―そのインベントリの見積もりコストは、iOSよりも40%低かった。

5. プライバシーの侵害が低い

ここ数か月間、プレスと政府によるプライバシーの監視が増加している。iOSプラットフォームでのマーケティング・アトリビューションの長年にわたる業界スタンダード、Unique Device Identifier(UDID)が、ソーシャルセキュリティ番号のデジタル版に相当すると多くの人が考えている識別子と広告トラッキングを結びつけることを言及されている。UDIDから離れるというAppleの最近の動きが、iOS市場に混戦を作り出した。それに応じて、今は複数の競合するサードパーティソリューションが存在し、それぞれが独自の長所と短所を持っていて、iOSの広告市場に分裂を引き起こしているのだ。この不確定要素が、開発者に自分のリソースを賭ける一番良い場所はどこか疑問に思わせているのだ。

一方、Androidにはマーケティング・アトリビューションのスタンダード構造がある。この構造は十分に理解され、マーケッターが15年以上の間デスクトップで実行してきた方法と一貫している。Androidは自動的に、ダウンロード元を匿名で特定するリファラ情報を提供するため、トラッキングパフォーマンスへのソリューションは明確で一義的だ。

6. 信頼性の高い広告アトリビューション

iOSにおけるマーケティング・アトリビューションは、広告ネットワークとマーケッター間のユーザーデータのデータベースマッチングを必要とするいくつかの手法を使用する。このプロセスが作用する仕組みが理由で、データ内に矛盾が生じる傾向がある。最も顕著なのが、複数のトラフィックソースが同じ新規ユーザーを自分の手柄にして、新規ユーザーのコンバージョンを二重にカウントしやすいことだ。Androidのリファラベースのメカニズムは一義的で、マーケティング・アトリビューションに一貫したメカニズムを提供する。

7. 敏しょう性、高速ターンアラウンド – 完璧な試験場

急速に発展しているアプリ市場では、素早く順応する能力が極めて重要だ。Google Playは、初期段階にあるアプリに完璧な環境を提供する。開発者は、フィードバックに素早く対応することができ、文字通り数時間以内にGoogle Playでのアプリアップデートを準備できる。それに比べて、AppleのApp Storeの承認プロセスは1週間以上かかり、問題がある場合にはアプリは再登録されなければならない。これらの遅延とさらなる不確定要素が、開発プロセスにおける大きな頭痛となり得るのだ。迅速なフィードバックと頻繁なイタレーションを介してアプリを定義することを期待する開発者にとって、Google Playは完ぺきな性能試験場なのだ。

8. 学習の共有

迅速な開発のターンアラウンドと低い広告費用と共に、開発者はAndroidインプリメンテーションからたくさんのことを学ぶことができる。Android環境は、あなたのアプリデザインを完璧にし、テストすることを可能にするため、あなたは自分の学んだことを活用して、成功の可能性が増加したiOSアプリを発表することができる。

9. 早く来るお客・・・

順位は、ユーザーベースの成長のキーとして見られることが多い。Google PlayとiOSが順位を決定する手法はかなり異なっている。iOSでは、生のダウンロード数が上位に入るにはかなり重要だ。大量のダウンロード数を持続することができないアプリは、順位がすぐに下がる。Googleのランキングアルゴリズムは、かなり異なる動きをし、ユーザー保持力を見せるアプリを支持して歪められる。最初にアプリをGoogle Playに入れて確固なユーザーベースを築くことが報われる。アーリー・ムーバ―により早くGoogle Playでデビューするアプリの利点を示しているのだ。

10. 改善する収益化のメトリクス、ロイヤルユーザー

Fiksuが実施した調査が、Androidユーザーは、iOSと同じか高い率でインストールからロイヤルユーザーに転換するという事実を見つけ出した。つまり、適切なターゲッティングがあれば、あなたは同等に良い結果を期待することができるのだ。

もちろん、メディアでのGoogle Playにある大きな懸念は、収益化である―報道では、iOSと比べて収益化のレベルが低いプラットフォームと非難されている。その差が近づいていることに気を留めることが大切だ。恐らくこのトピックに関する調査の主要なソースであるFlurryは、この差の最大の要因は支払いのメカニズムであると記している。Flurryとその他のソースは、この状況がGoogle WalletとGoogle Checkoutの統合によって改善することを期待している。その改善はすでに起きているようである。アプリ調査会社Distimoは、2011年12月と2012年3月の間にアメリカのトップ200のアプリの平均した一日当たりの収益に80パーセントの増加が見られたことを示している。さらに、『Treat Android as a first-class citizen…it’ll pay off!』というタイトルの記事の中で、ゲームデベロッパーのTinyCoは、Google PlayとiTunesの有料ユーザーごとの平均収益(ARPPU)は、iOSとほぼ同じであると述べ、Amazonの実績はiOSのそれを著しい差で上回ったとが分かった。

おまけの理由: Amazonストアへの簡単な移行

AmazonのアプリストアはAndroidを基準にしている。そのため、開発者がAmazonで承認を得るのは簡単である。ここでとくに面白いのは、最近の調査が、AmazonストアのユーザーがApp StoreやGoogle Playよりも収益化することを示していることだ。

結論

この業界の一般常識は、モバイルアプリで成功するためには、開発者は常に最初にiOS用に開発をし、2番目もしくは3番目のゴールとしてAndroidを取り扱うべきであるというものだ。その確率は今変わっている。Androidはアプリに磨きをかけて定義するための完璧な試験場を開発者に提供することができる。顧客獲得の低いコストと、最大のスマートフォン市場へのアクセスと、成長する収益化があることを思えば、あなたは、Androidで確固たるビジネスを最初に築き、その後でそこで学んだことをAppleの市場で活用することが理にかなっていると思うかもしれない。

この記事に書かれている視点や意見は作者のものであって、Marketing Pilgrimのものを反映していない。


この記事は、Marketing Pilgrimに掲載された「10 Reasons to Develop for Android First」を翻訳した内容です。

どこかひたすらGoogle Playを褒めちぎった記事のようにも読めましたが、後発だけに、そして得意の検索技術を生かして圧倒的存在の(だった)iOS以上のサービスを提供しようとしていることは間違いないと思います。私もApple Storeの検索機能の悪さには驚きを感じるレベルですが、開発者の立場でも色々気になる点はあるのでしょうね。実際に両方のプラットフォームでアプリ開発されている方の意見が聞いてみたい記事でした。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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