サブディレクトリとサブドメインはどちらも本体ドメインを使用してサイトを広げていくため、混同されやすい用語です。ページやサイトを新たに作るとき場合など、「サブディレクトリ」や「サブドメイン」どちらを使うべきか迷うことがあると思います。そこで本記事では、サブディレクトリとサブドメインの違いや、使い分け方をはじめ、サブディレクトリの活用に適しているシーンをわかりやすく解説します。
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階層を示すときに使われる「サブディレクトリ」ですが、さまざまなシーンで使われることがあるため、本来の意味やシーンごとの意味を把握しておきましょう。
サブディレクトリの「ディレクトリ」とは、PC内にファイルを分類して保管する場所を指します。PC内のデータはフォルダごとに複数のデータを保管するのが一般的なので、ディレクトリは階層的な構造を表す用語としても使われます。そのため、Webにおけるディレクトリは、おもにサイトの階層構造を示しています。
ディレクトリが複数のデータを保管するファイルとすると、サブディレクトリはディレクトリの中に保管したファイルを指します。Webにおけるサブディレクトリは、おもにドメインの構造を指しており、本体ドメインをディレクトリとしたとき、下層に作成したディレクトリ(Webページ)をサブディレクトリと呼びます。
サブディレクトリと混同されやすい用語の1つに「サブドメイン」があります。どちらも本体ドメインを使用するという点では共通していますが、次のような明確な違いがあります。
サブドメインは、コンピュータやネットワークを識別するために使われる「xxx.com」のように表記されたドメインの前に文字列を挿入し、「example.xxx.com」といった形式で表示されます。サブドメインは、1つのドメインで複数のサイトを運営する場合などに用いられるのが一般的です。
サブドメインとは?サブディレクトリとの違いとSEOにおけるメリットとデメリット
サブディレクトリとサブドメインのおもな違いは次のとおりです。
構造 | 本体ドメインの下層に作成する | 本体ドメインと同じ階層に作成する |
SEOにおける影響 | 本体ドメインのSEO評価を受け継ぐ | 本体ドメインのSEO評価をほとんど受け継がない |
コスト | 無料 | サブドメインごとにSSL証明書の利用料がかかる |
サブドメインは本体ドメインの区画の1つであるのに対し、サブディレクトリは本体ドメイン内の階層パーツの1つです。サブディレクトリはピラミッド状の構造になっていますが、サブドメインは長屋のように同じ階層のスペースを区画分けしているとイメージするとわかりやすいでしょう。サブディレクトリは階層になっているため、ほかの階層をはじめ、常に本体ドメインと影響しあうという特徴がありますが、サブドメインは本体ドメインとほとんど影響しあいません。
サブディレクトリとサブドメインはどちらが優れているということではなく、それぞれに適した使い方があります。正しく使い分けて本体ドメインのパワーを有効に活用していきましょう。
サブディレクトリは本体ドメインと密接に影響しあうため、本体ドメインと似通ったテーマでサイトを運営するときはサブディレクトリが適しています。ただし、まったく違うテーマでサイトの立ち上げを検討している場合は、SEO上で評価が下がる原因になるので、サブディレクトリでコンテンツを作成するのはおすすめできません。
サブディレクトリは本体ドメインのSEO評価を受け継ぐので、本体ドメインの評価が高い場合、サブディレクトリで制作した新規コンテンツも高い評価が期待できます。とくに新規サイトや新規コンテンツの場合、検索エンジンにインデックスされるのに時間がかかるケースも少なくありません。その点サブディレクトリは、インデックスの早さや上位表示といった点で、有利に働く可能性が高いでしょう。
サブディレクトリは新たにドメインを取得したり、サーバーを契約したりするコストがかかりません。サブドメインも同様に運用コストを抑えられるというメリットがあるものの、サブドメインの場合、サーバーのプランによっては数に制限があるため注意が必要です。その点、サブディレクトリは1つのドメインの下層にページを作成しているだけなので、数に制限がありません。
サブドメインは本体ドメインの評価をほとんど引き継がないので、既存のテーマと別ジャンルのサイト立ち上げを検討している場合は、サブドメインがおすすめです。サブドメインは本体ドメインのサーバー管理画面から簡単に追加できるほか、本体ドメインがURLに含まれるため、ブランドの信頼性や認知度は引き継ぐことができます。
サブディレクトリと本体ドメインは密接に影響しあうため、サイトの設計やコンテンツの作成はしっかり検討した上で行うのがおすすめです。とくに次の4つのポイントに注意して、サイト制作を進めてみてください。
サブディレクトリで新規コンテンツを追加する場合、専門性が損なわれないよう、既存コンテンツと近いテーマのコンテンツを増やしていくことになります。このとき、コンテンツが重複してしまう可能性があるため注意をしましょう。コンテンツを追加するときは、既存のコンテンツやキーワードを管理し、重複しないように意識してみてください。コンテンツが重複してSEO上で悪影響を与えてしまいそうな場合は、インデックスさせないようにするのも選択肢の1つです。
コンテンツの重複を気にしすぎるあまり、メインサイトのテーマから逸脱してしまうのもSEO上悪影響を与える可能性があるので気をつけましょう。専門性が低くなるとSEO評価も下がる傾向があるため、メインサイトとサブディレクトリで作成したコンテンツには一貫性を持たせるように気をつけてみてください。
サブディレクトリと本体ドメインは良い影響を及ぼしあいますが、悪い影響を及ぼしあう可能性もあるということを頭に入れておきましょう。いくらメインサイトの評価が高くても、サブディレクトリで低品質のコンテンツを作成したり、ペナルティを受けてしまったりすると、メインサイトの評価も低下します。また、反対にメインサイトの評価が下がるとサブディレクトリへの評価に悪影響を与えます。共倒れにならないよう、サブディレクトリを活用するときは、コンテンツの質や構造を慎重に検討するのがおすすめです。
サブディレクトリの階層に偏りがあると、検索エンジンの巡回ロボットであるクローラーが巡回しにくくなります。クローラーが巡回しやすいサイトはコンテンツがインデックスされやすく、ドメインの評価が高くなる効果が期待できることから、ディレクトリの構造はシンプルな設計を心がけるのがおすすめです。ディレクトリの構造がわかりやすいとユーザーが求める情報に辿り着きやすくなり、サイト内を回遊してもらえるというメリットがあります。
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サブディレクトリは本体ドメインの評価を直接受けることから、影響力のあるドメインのディレクトリを第三者に間借りさせる「サブディレクトリ貸し」を行っているケースもあります。サブディレクトリを借り受けた第三者は、最初からドメインパワーのある状態でサイト運営を開始できるというメリットがありますが、メインサイトとまったくジャンルの違うサイトを運営した場合、徐々にドメインパワーが低下していく恐れがあるのでおすすめできません。また、Googleではサブディレクトリ貸しを推奨しないという意思を表示しているため、最悪の場合サイトの評価が大きく下がる可能性もゼロではありません。目先の利益よりも、長期的に安定したサイト運営を目指していきましょう。
サブディレクトリはサブドメインと違い、本体ドメインの評価を受け継いで新規サイトの運営ができます。しかし、互いに悪い影響も受けてしまうので注意が必要です。本体ドメインと新規サイトの親和性が低い場合はサブドメインで運営することをおすすめします。メインサイトもサブディレクトリも、コンテンツの質や構造を意識することでさらにドメインパワーを高められる可能性があります。適切なSEO対策やサイトの構造設計について不安がある方は、独自の見解でサイト運営を進めず、専門家に相談すると効率的なサイト運営が実現するでしょう。
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