先日、グーグルがウェブスパムペンギンアップデートを実施した。グーグルは、検索クエリの約3.1%にのみインパクトを与えると主張しているが、3.1%の影響が出るのは“大金に値するビジネスに関わるキーワード”のカテゴリである。
このアップデートを批判する主張の多さを考慮すると(嘆願書まで存在する!)、ペンギンが、パンダ、さらには、フロリダアップデートなみに規模が大きい可能性は十分にあり得る。また、ある友人が、このアップデートの直後、WickedFire & TrafficPlanet(註:海外の有名掲示板フォーラム)のサーバーの動きが遅くなったと指摘していた。これも今回のアップデートの影響だと見られる。
アップデートが実際に実施されるまでは、今回のアップデートは過剰SEO対策(日本語)として売り込まれていた。しかし、実際にローンチされた時点では、ペンギンと言う名前は与えられず、ウェブスパムアップデートと言う名前がつけられていた。そのため、このアップデートについて非難する人は、スパマーと呼ばれてもおかしくなかった。
その翌日、グーグルは方針を変えて、ペンギンアップデートと言う名前を与えたのだった。
なぜ慌てて名前を変えたのだろうか?
大勢のウェブマスターを葬り & その後、彼らにスパマーのレッテルを張ったなら、間違いなく怒り狂い、グーグルの立場を悪くする異常なケースを探し(日本語) & 宣伝するはずである。この点において最も早く指摘されたのは、make money online(ネットで金儲け)で1位に格付けされていた、文字通り空っぽのブログスポットのブログであった。
エリと冗談で言っていたことだが、空っぽなら、しくじりようがないのではないだろうか? 😀
今回のアップデートではViagra.comも被害を受けていた。既に修正されているが、被害を受けたサイトはスパムであり、ユーザーが見分けがつかないほど検索広告を結果に挿入し & Pfizerに自分のブランドを買わせて上位にランクインさせていたとは、グーグルは口が裂けても言えないだろう。この状況が長引いていたら、恐らく訴訟問題に発展していたはずだ。
また、グーグルはこのアップデートに関するフィードバックを集めるためのフォーム(日本語)を用意した。行き過ぎてしまい、調整する必要がなければこんなことはしない。これがペンギンアップデートなら、グーグルボットはこんな感じなのだろう:
子供の頃、私はベースボールカードを集めていた。iStockphoto等のサイトの写真の値段が最近上がっているため、私は先日eBayで数枚カードを購入した(懐かしかったため、そして、ブログの投稿の写真として使うため)。昨日、私はミニカード用のベースボールカードホルダーを検索したところ、1ページ目の検索結果は次のようなページで構成されていた:
空のヤフー!ショッピングのページは、グーグルのキャッシュでも表示されていた。そのため、グーグルをスパムしていると言うよりも、権威あるドメイン名に掲載されていると言う理由で文字通り空っぽのページを上位に格付けしているだけであり、アルゴリズムの質が低いとしか言いようがない。
このSERPにはエキスパートのブログ、フォーラムのディスカッション & 良質な小売サイトが欠けていた。つまり、ドメインのオーソリティに重点を置き過ぎているのだ。
ウェブは、供給と需要を直接結びつけると言う役目も持っているが、ドメインのオーソリティを重要視し過ぎると、ユーザーは鞘取りのプロセスを再び踏まなければならなくなる。小さな寄生虫を締め出す取り組みが、大きな寄生虫を生み出してしまったのだ(そして、大きな寄生虫のプラットフォームに乗る小さな寄生虫も)。
SEOはウルトラCの芸術的な技を今まで以上に要求されている: 結果を出すためにある程度はアグレッシブに活動しなければならないが、度を超えると葬られてしまう(そして、他の人達に葬られないように十分に防御する必要もある)。そのためには、徹底してプロセスを統合し(取り組みをまとめて分析を行い、分析を取り組みに反映する)& 広範なマーケティングの観点からSEOを考慮し & 逆効果をもたらすのではなく、その他の手段と組み合わせた際にリスクが低くなる最終的な手段を数多く投じなければならないのだ。
ビジネスモデルは、SEOのスキルのレベルよりも遥かに重要である。例えば、コンサルティング会社を運営し、安定したランキングを提供することを条件に1ヶ月間に数百ドルを多くの小規模なビジネスからもらっている状況を想像してもらいたい。その後、同時期に多くのクライアントを直撃する荒々しいアップデートに対処しなければならない。そして、リンクの本数が少ない自分のサイトよりも質の低いサイトが上位にランクインしている光景をクライアントが目撃し、詐欺師扱いされてしまうのだ。このタイプのアップデートは、大きなブランドを顧客に持っているわけではないSEOコンサルティングサービスを壊滅状態に追い込む。 大勢の人々がこのアップデートの影響を受けずに済んでいるが、葬られるまでに、幾つのアップデートを乗り切ることが出来るのだろうか?
検索が進化するにつれ、このエコシステムで成功している人はいつか必ず挫折を味わう。アルゴリズムのアップデートによって失脚する人もいれば、グーグルがグーグル自身を当該の分野に挿入するインターフェースの変更によって後退していく人もいる。被害を受けていないのなら、それはポテンシャルを活かし切っていないことを意味する。頻繁に打撃を受けているなら、目標を低く設定し過ぎているのかもしれない。 多くのトレンドは推測することが可能だが、正確に知ることは出来ない。従って、うまくいっている時も安全策を講じておくべきである。
今年、グーグルはいまだかつてない早さで動いており(大量のリンクの警告、大量のリンクのペナルティ、パンダの統合の強化 & ペンギン)& 変化のスピードは加速する一方である。最先端のテクノロジーとしてろうそくの芯のアジャスタが宣伝されていた125年前とは比べ物にならない:
ブレッコは、1年間に数百万回実行することが可能な素晴らしい検索サービスを提供している。コンピュータの価格が下がり & グーグルがより多くのデータを集めているが、グーグルが関連性のアルゴリズムに組み込むことが可能になる各種のデータのポイントについて考えてもらいたい。一部のマーケットでは、クロームはインターネットエクスプローラを上回り & 深いデータソースとしてアンドロイドも存在する。さらに、グーグルは、クレジットカードを持っているか、認証された電話を持っているか & Gメールやユーチューブ等の各種サービスをどの程度の頻度で利用しているのか等を記録することで、どのユーザーのデータを信頼するべきかを把握することが出来る。グーグル+はおまけに過ぎない。
その一方で、グーグルは改善していく必要がある。検索アルゴリズムが改善されていくにつれ、アルゴリズムを悪用するビジネスモデルも賢くなるためだ:
クリスチャン・ハモンド氏に、15年後、ニュースの何割をコンピュータが作るようになるのか尋ねてみた。すると、「9割以上」と言う答えが返ってきた。
この戦争の犠牲者はさらに増えていくだろう。
この記事は、SEO Bookに掲載された「The Google Penguin Update: Over-optimization, Web Spam & High Quality Empty Contents Page」を翻訳した内容です。
しかし、記事にもあるように今後のSEOは、「SEOをしないようでしている」という超絶チューニングが求められるようになってきますね。。。これまでのような数で勝負のリンク業者は論外ですが、順位が上がるまでホワイト手法限定であれSEOをやりこむことさえも過剰SEOに取られない今のGoogle。これまでのSEOといえばテクニカル寄りの内部SEOか既に用意された外部サイトからのリンク設置による外部SEOに分かれていましたが(主に日本)、今後は内部SEOは(やりすぎない)テクニカル+コンテンツ、外部も多少は有料リンク的なものも残るでしょうが、いかにコンテンツと連動してナチュラルリンクを構築していくかというこれまで以上に高度な戦略が求められてきそうです。
テクニカルやリンク構築に特化しきればそれはそれで道があるでしょうけど、中長期的にはコンテンツ対策がきちんとできないSEO業者の先は苦しそうですね。コンテンツに関して言えば「質の高いコンテンツを作るべし」ということは誰でもできますが実際に作るとなるとこれまでのSEOに求められた能力とは全く違うスキルや才能が求められる話。SEOを仕事にする私としては現状のSEO業者がそれに対応していけるかどうか、または新たなプレイヤーが新時代のSEO業者として活躍していくのかどうかも注目です。そんなことをいう私も1年後、SEO Japanを書き続けていられるように頑張ります。。。 — SEO Japan [G+]
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